トップページへ   らぴっどコーナー目次へ   

浪費型オリンピックのウラオモテ(ページNo.1:06・6・15〜6・26)

【06・6・26repo−6】
石原知事が大荒れだった23日の記者会見
瑞穂町のオリンピック招致賛同決議の否決に憤慨


●6月23日の定例記者会見で、石原知事は大変なオカンムリの状況。
 原因はあの瑞穂町で、否決の危険があるので町長が提案を見送っていた「オリンピック招致に賛同する決議案」を自民・公明が敢えて提出。いろいろ水面下にもあったでしょうが、結局8対9で否決されたのです。朝日新聞によれば「知事が五輪の輸送手段として横田基地の有効利用を考えている以上、同調できない」との反対意見が多数を占めたということです。

●瑞穂町は、米軍横田基地の夜間離発着訓練を始め、軍用機の騒音でもっとも大きな被害を受け続けており、町長を先頭に「横田基地の整理・縮小・返還」を訴え続けてきた自治体です。
 しかも石原知事が、初当選当時は「横田基地の返還」を公約に掲げながら、進めてきたのは、むしろ米軍基地の影響下を事実上容認しながら「軍民共用化」つまり米軍や自衛隊機に加えて軍用機が飛ばない土曜日曜にまで民間航空機を、それも大型機中心の国際空港として導入しようという政策ばかりだったため反発を強めてきたのです。
 それを加速させたのが、第1には米軍再編の計画を石原知事が容認するのと引き換えに軍民共用化を検討することを5月1日の最終報告に書き込ませたこと、第2には横田の軍民共用化をオリンピックを梃子に2016年までに間に合わせようという知事の狙いが明らかになったことなど、このままでは、オリンピックの恩恵など無いままに知事の思惑通り基地返還どころか民間機騒音まで犠牲をおしつけられてしまうと危機感を強めたのは当然です。

●各新聞記事から、当日の知事の発言を拾ってみると・・・

@「頭がどうかしてるんじゃないの」などと強い調子で不快感を示し、
A「軍民共用化とオリンピックとどう関係あるのか。頭冷やしたほうがいい。何にも得にならない」などと、損得勘定を持ち出し、
B「オリンピックが仮に決まって、その前に三多摩(多摩国体)があるわけでしょ。吠え面かかないようにしたほうがいいよ」と、まるで多摩国体を人質にとって、オリンピック招致への協力を迫るかのようなことまで言ってのけました。

●なぜ難しいと知りながら瑞穂町議会にオリンピック賛同の決議案が出されたのか・・そこには石原知事の威光と権威があれば、たとえ騒音被害への反発があっても多摩国体などをてこに反対派を切り崩せると甘く見たこと、もう一つは何が何でも都内全ての区市町村議会で賛同決議を上げないと、福岡市との国内競争にも勝ち抜けないとの焦りの両面があるでしょう。

【06・6・23repo−5】
「決議」?、「宣言」?いやいや理事長が勝手に決定した「事務的方針」で・・
東京都交響楽団が「東京オリンピック支持」を表明

●定例会最終日をまじかに控えた16日金曜日、都響の事務局長が、近じか都響が東京オリンピック招致を支持する決議を出し、21日に開かれる都響評議員会に報告される予定だと評議員の大山とも子議員に告げに来ました。
 理由は、都響が前オリンピックの記念文化事業で誕生したいきさつがあるからだというが、とにかく東京都関係のあらゆる団体をオリンピックに利用しようと、よくよくワル知恵の回る人がいるようです。

●ところが「決議」というからには楽団員みんなで決めるのかと聞いたら違うという。では理事会で決めるというなら「楽団の決議」ではなく「都響理事会の決議」にすべきだというと、理事会で決めるのでもなく理事長の判断だというのです。それではもはや「決議」と言えないと言うと、慌てて検討するといって後で持ってきたのが「事務的方針です」という回答。

●もちろん世間では都響の方針だといえば、演奏している楽団員の総意だという受け止めになるでしょう。まさかあの名うてのタカ派教育委員の鳥海氏が昨年来都響理事長に納まって、理事会にも諮らず勝手に決めてしまったとは想像できないでしょう。
 事務局長いわく「組合の合意はもらえそうだ」ということですが、今や都響の団員は有期雇用で仕事ぶりを評価され、「ダメ楽員」の烙印を押されれば給与に差が付き、辞めさせられることさえありうる身分。組合員一人一人の生活を考えれば、トップの(しかもあの「日の丸君が代」強制の首謀者の一人の)独断専行に断固反対といえるでしょうか。

●文化を金と権力でしばりつけ言うことを聞かせるなど、ましてや国際的にも名演奏で評価の高い都響があたかも全面的に応援しているかのようにしてオリンピック招致の宣伝に利用するとは・・。東京都の文化行政も地の果てまで堕落したものです。21日の評議員会では大山議員などの厳しい批判にもかかわらず、報告どおり下記の文書を押し通したとのこと。
あ〜あ〜。こんなことやってえらそうに「オリンピックはスポーツと文化の祭典」など、聞いて呆れます。

第31回オリンピック競技大会の東京招致について

 オリンピックは、スポーツを通じて世界平和の実現に大きく貢献する世界最大のスポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもあります。
 1964年の東京オリンピックの記念文化事業として誕生した当楽団にとって、約半世紀ぶりとなる東京でのオリンピック開催は、楽団の歩んできた歴史と重なるものであります。
 また、世界のトップアスリートや大勢の人々が集まる東京でのオリンピックは、当楽団の演奏活動を世界に発信していく絶好の機会であり、当楽団が日本を代表するオーケストラとして、今後、より一層発展していくための新たな出発点ともなり得る、記念すべき事業になるものと確信しております。
 よって、私たちは、2016年開催の第31回オリンピック競技大会の東京都招致を支持するとともに、招致及び開催に向けた事業に積極的に協力致します。

平成  年  月  日

       東京都台東区上野公園5番45号
       東京文化会館内
        財団法人東京都交響楽団

【06・6・22repo−4】

**オリンピック招致を口実に海外視察を全面再開
 最初に行く民主党はブラジルIOC委員訪問を口実にイグアスの滝を観に**

●21日最終本会議後、本会議に持ち上げなくて良いタイミングをねらったように議会運営委員会理事会が開かれ、以下の文書の提案がされました。
2016年東京オリンピック招致活動について 《案》
1 目的
 東京都議会は、2016年東京オリンピック招夢決議を本年3月8日に採択した。これを受け、東京都は、4月28日に正式に立候補意思を表明し、8月30日に国内候補都市が決定する。
 東京都議会は、東京が国内候補都市に決定した場合には、執行機関との連携の下、オリンピック招致活動を行うものとする。
2 方法
(1) 海外調査制度の活用
 東京都議会は、都議会海外調査団の派遣に際して、可能な範囲でIOC関係者を訪問するなど、オリンピック招致に向けて海外都市の理解と協力を求める。
 なお、訪問にあたっては、効率的・効果的な招致活動を行うため、必要に応じて、東京オリンピック招致本部に訪問先との連絡調整・同行を要請する。
(2) その他の招致活動
 東京都議会は、9月以降に設立予定の招致組織等がIOC関係者等に対して行う招致活動に際して、招致組織等からの要請に基づき都議会議員を派遣するなど、オリンピック招致活動への協力を行うものとする。

●吉田幹事長は@国内候補都市になった場合、来年正式にIOCに申請することになるが、それ以後はIOC委員に会うなどは絶対禁止となる。それまでのタイムラグを利用するのもいわばエチケット違反だ。A議員の公費を使った海外視察自体、会派ごとに勝手に企画実施する形に変更され議会全体を代表するものになっておらず事実上豪華観光旅行というべき状態であり、オリンピック招致を口実に正当化するなど許されない。B13日に配られたロンドン関係者の文書なるものにさえ「IOCは政治家主導の招致活動を嫌う」と書かれているではないか。と批判し反対しました。
●理事会の議論では”選挙違反”みたいにならぬよう訪問するのは来年はじめまでなどの発言や、別の議員からJOC委員と一緒に行けば政治家主導じゃないなどと発言があり、吉田議員は文書に明記されておらず何の保障もないと改めて反対しました。生活ネットは文書に反対せず「我々も海外視察は必要と考える。大会派主導でなく我々も行ける形にしてほしい」とこれまでの主張を繰り返し、理事会は物別れのまま多数で文書を押し切りました。

●文書に先立ち、下記のような民主党の海外視察計画書が出されました。計画書には書いてないが、ブラジル在住のIOC委員を訪問する予定であること、費用は一人150万円程度となることなどが明らかになりました。
 吉田幹事長は、ブラジルの調査目的の中心が「バイオマスエネルギー」なら国内でも調査に行ったばかりでイグアスの滝行きという事実上の観光だと指摘。日程に明記もないIOC委員訪問を口実に正当化は許されないと批判しました。民主以外の会派からは反論もなく民主の代表は「文書中の『観光』をはずそうか」などと発言さえありましたが、これも多数で押し切りました。

●理事会後、事態の経過とわが党の立場を明らかにするため記者会見を開き、以下のような文書を発表しました。16社が参加し翌日の各紙には記者会見の内容もあわせて報道されました。

都議会としての東京オリンピック招致活動及び海外視察について
2006・6・21         
日本共産党都議団 幹事長 吉田信夫

1、東京オリンピック招致活動について
@本日の議会運営委員会理事会において、「2016年東京オリンピック招致活動について」提案されたが、わが党は、以下の理由から反対を表明した。
 提案は、海外調査制度を活用して、IOC関係者を訪問し、東京オリンピック招致本部の職員の同行まで要請しようとしている。しかし、IOC委員を訪問となれば、本格的な準備と日程の確保が必要となる。海外調査制度を使ってまったく制度の趣旨にないオリンピック招致訪問を行うことは許されない。しかも現行の海外調査では職員の随行はないが、提案ではオリンピック招致本部職員の同行を求めるもので、派遣費用の拡大にもなる。
 そもそもIOCの規定では、IOCへの招致申請以降は、立候補都市がIOC委員を訪問したり招いたりすることも禁止されている。また、オリンピック招致本部が紹介しているロンドン・オリンピック関係者の発言でも、招致活動について「IOCは政治家主導による招致活動は嫌う」と伝えられている。
 IOCへの招致申請前であっても、招致活動はあくまで国内都市決定後にJOC、招致都市などで組織する招致委員会が責任をもって行われるべきものであり、都議会が軽々に招致活動をおこなうべきではない。
Aこれに対し、他会派はJOCと一緒に行動するといって招致活動の実施を強引に決めたことは容認できない。大阪市議会、長野市議会もいかなる形でも招致活動を行っていないことを指摘しておく。

2、海外視察について
本日の理事会では、民主党からブラジルに海外調査に行く計画が提案された。わが党はかねてから主張してきたが、海外調査は、費用的にも過大でかつ観光的要素も強く、あり方そのものを抜本的再検討すべきものである。都議選のアンケートでも回答した126人のうち半数以上の都議が「必要ない」「見直すべき」と公約している。しかも今回の計画をみると、バイオマス燃料応用の視察など国内でも可能でありわざわざブラジルまで行く必要性はない。またイグアスの滝などの視察に2日間をあてることは観光といわざるをえない。わが党は不同意を表明したが、豪華海外視察を中止し、抜本的に再検討することを重ねてよびかけるものである。
                                   以上

【06・6・21repo−3】
**瑞穂町議会が招致決議案を僅差で否決。地元の都議会自民党幹事長が抗議の談話**


●昨日、瑞穂町では、自民・公明の議員が提出したオリンピック招致に賛同する決議が採決されましたが、8対9で否決されたと報道されています。

●オリンピックを招致しても多摩地域に競技施設は造らないと石原知事が言明しており、一方で、オリンピックへの海外などからの観客を確保するというのを梃子に、横田米軍基地の軍民共用化をオリンピックまでに何が何でも間に合わせるという構想をぶち上げています。瑞穂町は、横田米軍基地の航空機騒音の被害を最も多く受けている自治体で、石原知事の軍民共用路線には町長をはじめ、以前から強く反対していました。

●多摩の国体についても、知事の関心がオリンピックに移り、国体の準備にも力が入っていないとの多摩地域からの批判も出ています。そういう中で、都内の各自治体で何としてもオリンピック招致への賛同の決議を取り付けようと、自民・公明が躍起になっているのですが、実際には23区でさえまだ半数程度の現状です。

●瑞穂町議会での決議の否決について、地元多摩の選出で都議会自民党幹事長の野村議員の名前で以下のような談話が発表されました。オリンピック招致派の焦燥が伝わってきます。

   平成18年6月20日

瑞穂町議会におけるオリンピック東京招致決議の否決について

             東京都議会自由民主党幹事長
                         野村 有信

 本日、瑞穂町議会は2016年(平成二十八年)のオリンピック及びパラリンピックの東京招致決議を八対九で否決したとのことである。

 この招致は、東京が人類の英知と創意工夫を結集し、都市間題の解決に先駆的に取り組むことで、東京、日本、そして次代を担う青少年の未来を切り開くことを目指している。

 再び東京で開催することにより、世界平和を願う強い意志を世界に示すとともに、環境にやさしく、豊かで安全な成熟した大都市東京を実現する契機となり、また、選手たちの競い合いが未来を担う子供たちに感動を与え、スポーツを通じた健やかな成長を促すものである。

 しかも、開催の3年前には多摩地区を中心とした東京多摩国体が開催され、オリンピック及びパラリンピックと連動し、いずれの大会もすばらしいものとなることは明らかである。

 しかるに、瑞穂町議会が、このような都民の大きな期待を担って行われた東京都議会の招致決議と異なる意思を表明したことは、東京都議会自由民主党として誠に遺憾の極みである。しかも、特別区長会、特別区議会議長会、東京都市長会、東京都町村会、東京都町村議会議長会及び自由民主党三多摩議員連絡協議会においても招致決議を行っているのである。

 このような事態は、将来にわたり都政及び区市町村政の発展を阻害し、これまで築き上げてきた都と瑞穂町との信頼関係を損なうものと言わざるを得ない。

 よって、東京都議会自由民主党は、改めて瑞穂町議会に対し今回の否決に対し抗議し、再考を促すものである。

【06・6・20repo−2】
***「東京オリンピックにかこつけた浪費型公共事業の総計は」***


●第2回定例会でわが党代表質問で明らかにしたオリンピックがらみの投資の全貌は以下の通り。


●じつは、オリンピックがらみのムダ遣いはこれにとどまらないと、私は考えています。
 例えば、オリンピック構想以前から進めていたので、我が党では数えていませんが、臨海開発のアクセス幹線道路などは、オリンピック施設の直近を通過するもので、しかも臨海副都心開発の、オフィス街構想が破綻した現在では、自動車道路を全部造る必要などないわけですから、オリンピック招致があってこそ全部整備するてこにされていることは間違いありません。これを加えると、約8兆円になり、さらに今後も横田の軍民共用化の具体化に伴っての投資計画など、次々拡大膨張していく可能性があるでしょう。


  
路線名        残事業費

@環状2号線・・・・・・・・・・約2000億円
A放射34号支線1・・・・・約 200億円
B補助315号線・・・・・・・約 400億円
C臨海道路U期事業・・・約1400億円
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  合計・・・・・・・・・・・・・・約4000億円


【06・6・15repo−1】
***「130万人の福岡市がオリンピックをやれば都市が壊れる」とロンドン関係者が本当に言ったのか!***


●慌ただしい本会議質問の13日、突然下記のような1枚のメモが各議員控室に配られました。知事が、大事な内容だから議員全員に読んでもらうようにと指示したんだというのです。

 そこにはロンドンのオリンピック関係者の発言として、4つの項目に渡りコメントが書かれています。(下の図を参照)


 各項目はそれぞれ刺激的ですが、とりわけ注目されるのは、2.の項目です。そこにはイギリス国内での地方都市と首都ロンドンとの比較の話と同時に、130万人の都市(福岡)で開催したら都市が壊れると断言されています。
 「こんなことを本当に、ロンドンの関係者が口にできるだろうか」という疑問が当然にわいてきます。

 JOCが口をすっぱくして求めているのは、国内都市どうしで互いに相手を非難したり比較して優劣を争ったりしないことで、それが守れなければ国内都市が決定しても大きな禍根を残し、世界の諸都市とのレースに到底勝てないからです。
 もちろん国際レースになっても、こうした、いわば泥仕合はエチケットに反するのは当然です。

 日本でまだ東京と福岡が立候補していることを知っているはずのロンドンの関係者が、自らこのような言い方をしたとすれば、日本での国内レースへの干渉的発言として福岡市側から厳しい抗議を受けることが予想されるでしょう。

 逆に東京の側から、自分では言えないこの言葉をロンドン側に誘導して言わせたとすれば、これまた福岡とのレースに、わざわざロンドンを巻き込んだということになり、大問題にされるべきことです。

●オリンピック基本方針を報告・質疑する6月15日の総務委員会では古館議員がその点を厳しく追及しました。

Q. このペーパーには、いつ、どこで、誰が発言した内容が書かれているのか。

A. このペーパーは、知事や東京オリンピック招致本部長が5月28日から6月1日にかけてロンドンに行って、ロンドン市、ロンドン・オリンピック組織委員会、オリンピック準備庁を訪問した際に聞いた内容の抜粋を取りまとめたものである。
 具体的にはロンドン市では ケン・リビングストン市長等、ロンドン・オリンピック組織委員会ではセバスチャン・コ一会長やポール・デイトン事務総長等、オリンピック準備庁ではデビッドヒギンズ事務総長等を訪問した。


  都のオリンピック招致本部長以下、この答えを繰り返し、それ以上のことは「一切お答えできない」という態度でした。自分達でメモを作り知事に見せたら、喜んで「みんなに配れ」ということになり、逆に慌てたということでしょうが、お粗末なペーパーでも公式に発表した以上は、個々の発言を誰がしたのか出展を明らかにするのは都としての最小限の責任であるのは当然。それもできないなら、都は福岡市を揶揄する怪文書を自らばら撒いたことになるのです。

 驚いたのは、古館議員の質問に、自民、公明の議員とともに、招致に批判的な物言いをしてきた民主党の議員らが一緒に「そんな余計なこと聞くな」とヤジを入れたこと。
 今、石原知事や招致議連の与党議員などには、下手をすれば福岡にさえ負けかねないという焦りが見られると、盛んに報道されていますが、これもそうした中での勇み足の一つかもしれません。メモを読むと、他にも知事らの焦りを示す色々なことがかかれています。引き続き追及しなければなりません。以下が、そのメモの写しです。

トップページへ   らぴっどコーナー目次へ