株の儲けは残存者利益その後の東証REIT指数二極化相場の行方
投資環境レポートのコメント2007年の日経平均ビジネスモデルのパターン化
ソフトバンク株労働集約型産業利上げできなかったFRB4年前の東京
フォルクスワーゲン株
金融緩和の副作用うまい話には飛びつかない

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ショートコラム(2015年9月)

■うまい話には飛びつかない(2015年9月29日)

リゾートトラスト(4681)の伊藤会長が、かつて次のような趣旨の発言をされていました。

景気のいい時期はうまい話が多くある。しかし実際はその多くが借金を伴うものであり、うちはそれに乗らなかったから生き残っている

どことは言いませんが、今、そのような行動に走っている上場企業も少なくないです。「再び不況が訪れれば、のれんの減損か、事業撤退の特別損失を計上して苦境に陥るに違いない」と冷めた目で見ています。

個人投資家も同様です。自分の腕を省みずうまい話に乗るよりは、次の株安局面まで生き残り残存者利益を手に入れる方が賢明に思えます。


■金融緩和の副作用(2015年9月28日)

私の相場観というブログがあります。執筆されているのは、2010年8月のショートコラムでも紹介した『景気ウォッチャー投資法入門』著者の野田氏です。

先日のバリュー投資塾に参加された方から、その存在を教えていただき、少しばかり読んでみて感銘を受けました。この手のブログはポジショントークに終始するものも少なくないのですが、客観的にマクロ経済と株式市場について分析されていたからです。

とりわけ、印象に残ったのは景気循環からみた2015年の景気というエントリーでした。琴線に触れた箇所を、いくつか引用させていただきます。

経済の実力を示す潜在成長率は景気循環による景気の波の平均値として示されますが、金融緩和によって潜在成長率が引き上げられるわけではない(波の平均値は変わらない)ので、景気の山が大きくなるほど景気の谷は深くなることになります。

金融緩和が自ら景気の大きな落ち込みの原因をつくっているにも拘わらず、そのことに気付かず、景気の落ち込みに対してさらに大規模な金融緩和で対処しようとするために、景気の変動が次第に大きくなっているのが世界の現状です。

バブルが発生しているかどうかは常識を働かせれば意外に簡単にわかるものだと思います。(中略)日本に至っては、政府や日銀が公然とバブルを作り出そうとしているのですから、バブルであるかどうかを論じる必要さえないくらいです。

私だって投資家の端くれです。本当は、目一杯株を買いたいです。しかし、投資資金の大半をキャッシュにして様子を見ているのは、今の状況がどう考えても異様だからです。

そのあたりを、野田氏が単純明快に代弁してくれたので、気持ちがスカッとしました。ご本人の事情により、ブログを休止されたのは非常に残念ですが、今まで書かれてきた記事だけでも十分に価値のある内容です。


■フォルクスワーゲン株(2015年9月24日)

不正行為の発覚により、フォルクスワーゲン株が急落しています。

同社株は、すでに下降トレンドに入っていたこともあり、今年3月に付けた高値より半年あまりで半値になっています。

この件について、マスコミ報道をざっと読みましたが、今回の問題はマーケットにも相当なインパクトをもたらしそうです。

不思議なことに、株式市場全体が下げはじめた途端に、今まで隠れていた悪材料が次から次へと表れるものですね。

フォルクスワーゲン株価チャート(日足)


■4年前の東京(2015年9月22日)

今から4年前の2011年。原発停止による電力不足の懸念から、東京は夜の街だけでなく、そこを行き交っている人々まで暗かったような記憶があります。

ところが、今ではビジネスホテルの予約が取れないほどの活況を呈しています。

景気は、好況と不況を交互に繰り返すもの。「4年後は、いったいどうなっているのだろうか」という想像を膨らませながら、投資を組み立てていきたいです。


■利上げできなかったFRB(2015年9月18日)

FRBが9月の利上げを見送ったそうです。

個人的には「利上げできない状況に追い込まれたほうがまずい」と考えていました。もし私と同意見の投資家が多ければ、株式市場にとっては悪材料かもしれません。

今後、中国が全世界に「不況」を輸出するわけで、米国は「利下げ」という武器を持たないまま、それを迎え撃つことになります。

現時点では、中国にまんまと一杯食わされた形です。10月当たりに、意表を突いた利上げができるのかにも注目しています。


■労働集約型産業(2015年9月16日)

このところ、ゼンショー(すき家)、ワタミ、メッセージで起きた問題が気になっています。3社の共通点は、労働集約的であること。

低賃金にて、劣悪な環境で働かされるとなれば、まともな人材は来ないでしょう。質的な意味も含め、慢性的な人手不足に陥り、それが悪循環を生んでいるようにも思えました。

今後、労働生産人口が減少する中で、労働集約的産業は果たして長期投資の対象となりえるのか、再考を迫られそうです。


■ソフトバンク株(2015年9月15日)

ソフトバンク(9984)が軟調です。孫社長が「我が社は割安である」と公言しているにもかかわらず、ついに2014年の安値を割り込んでしまいました。

私自身は、同社株に対して「個人の投資マインドを素直に反映するシンボリックストック」という見方をしています。また、財務に不安を抱えていることから、不景気・株安局面では「ソフトバンクがつぶれる」という噂が流れます。

いつになるかは分かりませんけど「今度こそ、ソフトバンクは絶対につぶれる」と世間が騒ぎ出せば、株の買い時かもしれませんね。

ソフトバンク 株価チャート(週足)


■ビジネスモデルのパターン化(2015年9月13日)

以前から、ずっと考えていたことがあります。

成長株のビジネスモデルをパターンして、自分の気に入ったビジネスモデルの企業群のみをしつこく追い続ければ、高いリターンを得られそうだ。とりわけ、不況期の株安局面においては、その効果が高いのではないか。

ただ、この手のグルーピングは、大上段に構えてしまうと、作業が進まなくなります。

そこで、できる範囲から始めてみようと思い、内需関係の安定成長株で分かりやすい銘柄を5つのパターンにまとめてみました。個人的にも、今後2〜3年がかりで、追っていきたい新興企業が多分に含まれています。

また、今までのセミナーでは、一度取り上げた銘柄はしばらく扱わないことにしていたのですが、今回は重複を気にせずにどんどん紹介しています。

常連さんには復習になるでしょうし、初めて来られる方には「美味しいどころ取り」の内容です。

ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。

9月のテーマは「成長株のビジネスモデル」です
日時・場所

2015年9月23日(祝) 10:30〜16:50 東京・大井町 きゅりあん

2015年9月26日(土) 10:30〜16:50 大阪・天満橋 エル・おおさか

セミナー終了後、懇親会を開催します(費用は実費です)。

人数

少人数制(10名様程度まで)

受講料

銀行振込 25,920円 当日現金 28,000円

3日前までのキャンセルは返金いたします。それ以後のキャンセルは次回以降の受講に振替させていただきます。

内容

成長株のビジネスモデルを5つのパターンに分類して解説します。

テキスト
目次(仮)

1 MonotaRO型−流通革命
A社、B社、C社

2 東祥型−立地の差別化
D社

3 ドン・キホーテ型−非常識経営
E社

4 VTホールディングス型−再生ビジネス
F社

5 コスモス薬品型−地域独占
G社、H社、I社


■2007年の日経平均(2015年9月11日)

下のチャートは、今年と状況が似通っている2007年の日経平均株価です。目先、どこまで戻るかに注目しながら相場を見ています。

日経平均株価チャート(2007年)


■投資環境レポートのコメント(2015年9月8日)

月刊レポートの投資環境レポートは、株式市場のバリュエーションやマクロ経済状況などをまとめたものです。

ただ、データだけでは面白みに欠けることから、「まとめ&ひとりごと」という形で私自身の簡単なコメントも掲載しています。

本年分のレポートにて、どのようなコメントを発してきたのか、時系列で振り返ってみました。諸々の悪材料が発生しているにもかかわらず、株価が高値をつけている状況に納得がいかなかったようで、その件についてくどくどと述べています。

「角山が、あまりにしつこいから」と、この意見を少しでも参考にされた方がいらっしゃれば、今回の局面では多少とも救われているはずです。

【1月号】

●日米とも、株価は高値圏にあります。
●一方で、我が国の長期金利は、0.3%を割り込みました。
●米国の長期金利も、2%を切っています。

●原油価格は、ついに1バレル当たり50ドルを下回りました。
●銅価格も、節目とされている1ポンド当たり3ドルを切ったままです。

●何か、「おかしい」と思いませんか。
●今年こそ、慎重な投資スタンスが求められそうです。

【2月号】

●そもそも、資本主義は不安定なシステムです。
●ゆえに、悪材料が常に存在します。
●そして、人々が悪材料をどれだけ気にするかで株価は決まります。

●今年も、年明けから、様々な悪材料が発生しています。
●にもかかわらず、日米とも、株価は割と堅調です。
●おそらく、投資家が楽観的だからでしょう。

●ただ、マーケットが強気に支配されているときは、株の買い時ではありません。
●リーマンショック後のような悲観ムードが待ち遠しいと思うのは、ひねくれすぎでしょうか。

【3月号】

●日米ともに、株価は堅調です。
●雇用統計を見る限り、景気も良さそうです。
●米国市場は楽観ムードに支配されています(インベスターズ・インテリジェンス指標)。

●好条件が揃いすぎ、ちょっと不気味な感じです。
●相場の天井も近いかもしれません。
●ただ、その時期は、誰にも予想はできないもの。

●上手く売り抜けよう(あるいは空売りしよう)などと思わないほうが身のためです。
●毎日のように含み益でニンマリしている方は、その一部でも、利益を実現させる方向で考えてください。
●「出遅れた」と内心焦っている方は、次のチャンスを待つべきでしょう(短期売買と割り切るならともかく、経験値の低い投資家が今から参戦しても勝算は薄いです)。

【4月号】

●資本主義は、信用の上に成り立っている不安定なシステムです。
●ゆえに、常に悪材料が存在します。
●私たちが、そういった悪材料をどれだけ気に掛けるかで、景気や株価が決まるといっても過言ではありません。

●企業が先行きの見通しに強気になれば、大掛かりな設備投資やM&Aが行われ、人の採用を増やします。
●銀行が貸し出しに積極的になれば、お金の回りが良くなります。
●庶民の財布の紐が緩くなれば、個人消費も盛り上がります。
●ただ、こういった好景気・楽観時代は、いつまでも続きません。まず株価が天井を打ち、続いて景気もピークアウトして、不景気・楽観時代に突入します。

●企業が先行きの見通しに慎重になれば、設備投資は先送りされます。最悪のケースでは、リストラにより、設備は売却(あるいは破棄)され、人員整理が行われます。
●銀行が貸し出しを渋れば、お金の回りが悪くなります。
●庶民の財布の紐が堅くなれば、個人消費も落ち込みます。
●もちろん、不景気・楽観時代も、どこかでボトムアウトします。先に株価が大底をつけ、やや遅れて景気も回復するのが、いつものパターンです。

●順張りで楽観ムードに乗るにしろ、逆張りで悲観ムードに掛けるにしろ、株で儲けたいのであれば、そういった世間の雰囲気を察知することです。

【5月号】

●ついに、FRBのイエレン議長が株式市場に警告を発しました。
●「現時点での株価水準は一般的にみて極めて割高だ。潜在的な危険がある」と。

●このレポートでも、ウォーレン・バフェット指標やCAPEレシオを通じ、株式市場は「相当に過熱している」という事実をお伝えしてきました。
●だからといって、株がすぐに下がるとは限りません。
●相場は、割高な水準や割安な水準が長続きすることも少なくないからです。

●今の状況に、どう対応するかは、各人の投資スタイル次第です。
●順張り、短期売買、モメンタム重視であれば、波をとらえるべきでしょう。
●逆張り、長期投資、バリュー重視なら、当面は静観することになります。

【6月号】

●上昇の勢いが鈍っているとはいえ、世界の株価は高値圏にあります。
●日米とも、雇用統計は好調です。

●以上の状況より、景気は良いと判断できます。
●そうであれば、政策金利(短期金利)は相当に上がっているはずです。

●ところが、FRBは未だに利上げをできずにいます。
●日銀も金融緩和を続けたままです。

●本当に景気は良いのでしょうか。
●何か、不自然さを感じる、今日この頃です。

【7月号】

●官製相場により、世界の株価は高値圏にあります。
●しかし、中央銀行といえども、長期的にマーケットを支配することは不可能です。

●後は、誰がバブル崩壊の引き金を引くかです。
●ギリシャや中国の問題が、そのトリガーになるかもしれません。

●仮に、今の相場が天井を付けた場合、2〜3年は厳しい下げ相場が続く恐れもあります。
●そろそろ、このような投資家にとってあまり望ましくないシナリオを視野に入れておいた方が賢明です。

【8月号】

●これまでの、世界的株高を支えてきたのは、FRBの低金利政策でした。
●今、市場では「その前提条件が、崩れる」というウワサで持ちきりです。

●株式市場では、2009年3月以降「株を買っていれば儲かる」という局面が続きました。
●しかし、そろそろ、パーティも終わりに近づいているのかもしれません。

●個人的には、今後2〜3年の対応が投資家としての明暗を分けると考えています。
●当面は、守り重視で臨みたいものです。


■二極化相場の行方(2015年9月5日)

前回、相場が天井をつけた2006年から2007年かけては全面高でした。最後には「もう、買える銘柄が何もない」状況だった記憶があります。

しかし、今回は割安銘柄がまだ残っています。そういう意味では、自分たちの都合により、銘柄を「勝ち組」と「負け組」を勝手に振り分け、「勝ち組」ばかりを買い上がっていた2000年のITバブル時に状況が似ています。

現局面にて、買われているのは次のような銘柄群です。

●日経平均に連動するブルーチップ
●株主優待が人気の銘柄
●成長性を過大評価された新興市場株

ITバブルの崩壊過程では、割安に放置されていた「負け組」の中から、明光ネットのような真の成長株を見出した個人投資家が大きな果実を手にしました。2005年頃、バリュー投資が一大ブームとなったのは、そういった経緯があったからです。

ということは、アベノミクスの息切れ局面においても、同じような現象の起こる可能性が高いと思われます。バリュエーションにこだわるあまり、官製相場に上手く乗れなかったバリュー投資家にとっては、久々の投資チャンス到来がそう遠くないともいえそうです。


■その後の東証REIT指数(2015年9月4日)

7月13日付のショートコラムで紹介した東証REIT指数ですが、いったん盛り返したものの、お盆明けから再び急落し、ついに昨年10月の安値を割り込んでしまいました。

チャートが完全に崩れており「ひと相場、終わったかな」という印象を受けます。

首都圏をはじめ、一部の地域では過熱気味だった不動産市場も、そろそろ終局を迎えるのでしょうか。

東証REIT指数 株価チャート(日足)


■株の儲けは残存者利益(2015年9月2日)

下図は「隠れバリュー株指数」ともいえる2部株価指数のロングチャートです。

近年では、1998年10月、2002年12月、2009年3月に安値を付けています。持株の下落に苦しみながらも、この局面まで何とか持ちこたえ、マーケット氏に対してファイティングポーズを取り続けられれば、結果的に大儲けできました。

要するに、株の儲けは残存者利益なのです。

かくいう私も、初心者時代の1998年は塩漬け株だらけで身動きが取れず、絶好の投資チャンスを逃してしまいました。不幸中の幸いは、持株を売らなかったことで、翌1999年のITバブルで息を吹き返します。

その反省もあり、2002年は損切りを断行しつつ、相場に喰らいついていきます。おかげさまで、2003年からの小泉相場に初動から乗ることができました。

しかし、個人事業主に転じた2009年は、本業の売上不振とリーマンショックの損失が重なり、リスクを取ることができませんでした。やむを得なかったとはいえ、悔いが残ります。

次の底値圏では、思い切った投資ができるよう、準備を進めていきたいものです。

2部株価指数チャート(月足)



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