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80mkII愛友会 別館

2015/03/30(月) サイト更新 - RS232Cモジュール(追記あり)

お知らせ
本日の更新はM88用拡張モジュール「RS232Cモジュール」の新規追加です。
このモジュールを使用することにより,M88からWindows上のCOMポートにアクセスしてRS-232Cで通信を行うことができます。


参考までに,本モジュールの動作確認に使用したハード/ソフトを紹介します。

●MICROSOFT MOUSE(ASCII)
PC-8801用のシリアルマウスはPC/AT互換機用のシリアルマウスと同じ仕様なのでそちらを使った方が楽だったのですが,あえてPC-8801時代のハードを探し出して試してみました。
定価は25,000円。結構イイ値段ですね。

ちなみに,このマウスをWindows 7(64bit版)でデバイス認識させたら,普通に2ボタンマウスとして使えるようになりました。

88の世界ではジョイスティックポート接続のマウスが主流になってシリアルマウスは過去の遺物扱いでしたが,ところがどっこい30年後の今でも現役で使えるのはシリアルマウスの方でした。
まあ,最近のPCはシリアルポート付いてないので私もUSB-SERIAL変換アダプタを使ってますけど,ATARI仕様のデバイスなんてほぼ完全に死に絶えていますからねえ。

●上海(システムソフト/Activision)
マウスを使ったゲームの定番です。
シリアルマウスだけでなく,ジョイスティックポートに接続するPC-8872にも対応しています。

本モジュールの内部で遅延があるので,マウスの動きが少々ぎこちないです。

88全機種対応ソフトなので,効果音がBEEP音のみというのがちょっと寂しいです。
今から入手するのであれば,よりグレードアップした上海2の方をお勧めします。

●ぱたぱた君(ASCII/システムソフト)
PC-8801シリーズの製品デモにも使用されている,線画によるアニメーションシステム。
後に「カリグラフ コンストラクション」として製品化されたソフトの原型です。
別冊ディスクログイン「PC-88 GAME BOOK」に収録されています。

最低限の作画機能しか実装されていないので,マウスがあると素晴らしく使いやすさが向上します。

製品版の方はマウスが必須なので,マウス付きのソフトも販売されていたとのこと(製品のみ:\10,000,マウス付き:\30,000)。
マウス対応の88用ソフトは色々ありますが,マウス必須というのは結構珍しいかもしれません。

●ダ・ビンチ(小学館)
POPCOM 1985/02号にリスト掲載されたグラフィックエディタの製品版です。
製品版はV2.0として大幅に機能強化されています。
開発はPCGやGSXでおなじみのHAL研究所。

ポインティングデバイスとしてHAL研のトラックボール「CAT-8800」に対応していますが,マウス用ドライバは含まれていません。
マウスを使いたい場合は,POPCOM 1986/07号の「ダ・ビンチCG講座 ~番外編~ 入力ツールサポート」という記事に掲載されているマウス用のドライバを入力する必要があります。
製品ディスクのプロテクトシールをはがしてソフトを書き込まなければいけないので,作業には注意が必要です。

高機能なソフトなのですが,PC-8801全機種対応のためアナログパレットやALUには未対応です。
V2モードの機能をフルに使ったソフトが欲しい人には,少し物足りないかもしれません。

●JETターミナル(キャリーラボ)
PC-8801用の定番通信ソフトです。
本ソフトのOSであるCDOS-IIも含めて,PC-8801界隈では広く使われていました。
システムと辞書の2枚組ですが,Mシリーズの88では本ソフトから2DDや2HDのシステムを生成して1枚のFDで運用することも可能です。

エスケープシーケンスによるカラー表示やVT-100エミュレーションにも対応しているので,パソコン通信以外にシリアル端末としても活用できます。
下の画面は,手持ちLinuxマシンのシリアルコンソールにログインしたときのものです。viによるファイル編集も問題なく可能でした。
多分,cuやminicomなんかも普通に動くと思います(意味ないけど)。

NECのパソコン通信サービスPC-VANでは「CDOS-II フリーソフトウェア版」という名称で,本ソフトから日本語変換辞書を外した無料版が配布されていました。
この無料版を生成するためのファイルは,PC88.gr.jpにて現在も配布中です。
配布されているファイルからエミュレータ上でフリー版のディスクを作成するには,「TDAのホームページ」にある解説記事「Windows上で作るフリー版CDOSキット」が参考になるでしょう。



本モジュールは一部機能制限があるため,動作しないソフトもあります。
例としては,M88の関連ツールTransDiskが動作しません。
このソフトは通信時にDSR(データセットレディ)信号をチェックする仕様になっているのですが,本モジュールはDSR信号をサポートしないため,通信時にDSR信号のチェックをしたまま無限ループに入ってしまいます。
DSR信号のチェック部分を外せば動作しますが,このソフトをエミュレータ上で動かしてもあまり意味ないでしょう。

ちなみに,M88は高速化のためにDISKサブシステムのROMにパッチをあてて動作しているので,M88上からROMを吸い出すとパッチがあたった状態で吸い出されてしまいます。
M88上から吸い出したROMをほかのエミュレータで使い回したりしないように注意してください。


Shogun2(サムシンググッド)に付属の通信ソフトは,起動時に「モデムの準備ができていません」と警告が表示されますが,一応動作します。
エスケープシーケンスに未対応なので,シリアル端末としては使えなさそうです。

2HDディスク5枚組という巨大ソフトです。(内1枚はプログラムディスクのバックアップ)。
取説は紛失してしまいました。

ワープロ+カード型データベース+グラフィックエディタ+通信という高性能かつ高機能なソフトなのですが,私はワープロとしてしか使いませんでした。



ちょっと変わったソフトとしては「Bookworm's Library」で公開されている「MIDIplay」によるRS-232C経由でのMIDI演奏が動作しています。

演奏にはRolandのSC-55Kを使用しました。

Bookworm氏の実機環境ではRS-232Cによる演奏は動作しなかったとのことですが,エミュレータでは動作してしまいました。なんだかおかしな話です。
115200bpsとかでも余裕で安定動作してしまうWindows上のシリアルポートと違って,PC-8801のシリアルポートは高速で通信させるには色々と不安定なのでしょうか。
私が所持するPC-8801MCでも,前述のTransDiskによる38400bpsの高速通信は動作しなかったですし。

余談ですが,このMIDIplayに含まれているサンプル曲"Piano Sonata No.14 (Beethoven)"を聞くと,私は昔懐かしいゲーム画面が目に浮かんでしまいます。
久しぶりに「コレ」をプレイしたくなりました。



最後に,本モジュールの変わった使い道を一つ。
本モジュールはCOMポートを使用しない場合でもボーレートの設定はM88側から読み込めるようになっているので,ボーレートの設定を使用するソフトに対応することができます。
私の知っているソフトでは「スタートレーダー(日本ファルコム)」が,この設定を使用しています。
こちらのM88掲示板 過去ログにある上から5番目の書き込み(18 Apr 2002 14:35:38)によると,8MHz機で本ソフトの裏技を出すためにはボーレートを75bpsに設定する必要があるとのこと。
残念ながら,この質問には誰も解決策を回答することができなかったようです。

今までは,ボーレートを設定できるエミュレータはP88SR/QUASI88位しか無かったのですが(セットアップROMを用意すればj80も多分OKだけど,初心者には敷居が高い)*1,このモジュールを使用することによりM88もボーレート設定を使用するソフトに対応することが可能になります。多分。

*1 : j80はcfgファイルのBAUD項目で指定可能とHAL8999氏よりご指摘をいただきました


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