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80mkII愛友会 別館

2015/04/16(木) DST-4AとPC-8875

PC-8801
先日の更新で「タブレットモジュール」にCAT-8800/バスマウス機能を追加しましたが,実はこの時にもう一つ機能追加しようとしたデバイスがありました。
それは,ぺんてる株式会社から発売された小型グラフィックデジタイザDST-4Aです。


こちらはOh!PC 1986/05号に掲載されたDST-4Aの広告です。

定価\98,000。10万円を切る低価格を売りにしています。
価格だけで言えば先日紹介したWACOM CREATOR(\79,800)の方が低価格ですが,80mkII/8801シリーズ専用のCREATORと違って,こちらはRS-232C接続で汎用的に活用できます。
座標の読み取りに静電容量結合方式を採用しているのも特徴の一つです。当時の一般的なA4サイズ以上のデジタイザは磁気を使用しているため使用中はフロッピーやテープを近づけないように注意する必要がありましたが,本製品はそのような心配はありません。

ダ・ビンチ2.0では標準サポートされていないデバイスなのですが,以前の記事で紹介したシリアルマウス用ドライバと同じくPOPCOM 1986/07号の「ダ・ビンチCG講座 ~番外編~ 入力ツールサポート」という記事にドライバが掲載されています。
これを入力してDST-4Aにも対応しようとしたのですが,中身を解析してみたらなぜかDST-4AのドライバはPC-8875用のドライバと中身がほとんど同じでした。
一応,エラー処理についてPC-8875用ドライバと少し違う部分もあるのですが,タブレットモジュールのPC-8875機能はDST-4A用ドライバが想定しているようなエラーを返しません。
そのため,タブレットモジュールをPC-8875モードで動かせばダ・ビンチのDST-4A用ドライバは現状のままで正常に動作してしまいます。
結局,ダ・ビンチのPC-8875ドライバとDST-4Aドライバを比較しても,DST-4A用にどのような機能を追加するべきなのかという答えが見つからなかったので,今回は何も対応しませんでした。
もしDST-4Aにしか対応していないソフトがあった場合も,PC-8875モードを使用すれば動作してしまうのではないかと思います。

ちなみに,DST-4AとPC-8875の制御コマンドが一緒なのはDST-4AがPC-8875を真似たわけではなく,さらに古い元ネタがあるようです。
DST-4Aの広告には,以下のような記述がありました。
Bit Pad Oneとコンパチブルなデータフォーマット(バイナリ)を内蔵。
(注) Bit Pad Oneは米国summagraphics社の商標です。
調べてみると,これは1981年に発売された製品のようです。
ソフトを開発する側からすると,こうして昔のソフト資産が生かせるような仕様を採用してくれるのは非常にありがたいですね。
DST-4Aは対応ソフトが多いのも製品の特徴なのですが,NEC純正であるPC-8875と同じデータフォーマットなのでついでにサポートして貰えたというパターンもあったのではないかという気がします。

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