【珍スポ観光 File030】
石和ロマンの館(山梨県)
(その16)
ここでようやく入場券にあったマリリン・モンローが出てきました!
「嵐よ、起これ!」とばかりに力一杯回してみたのですが、微風すら起こりません。どうやら、これまた壊れているようです。
その先にあった「つきない水」という展示。本来は水が流れていたのでしょうか?
(別カット[533×800pixel]を見たい方はここをクリック)
謎の生き物。管が刺さっちゃって痛そうに見えないでもありません。
花のほうはこんな感じ。
秘宝館定番のクジラの性器実物大模型です。
両サイドにあるくぼみは何でしょうか?
天井からぶら下がるオスクジラの生殖器。根元のシワの感じが妙にリアルです。
「ドキュメント公園」という吉行耕平の写真集の写真ですね。新宿公園や外苑前公園のカップルやノゾキの様子が撮影されており、写真展は懐中電灯で照らして鑑賞するという展示方法だったことなどを含めて、発表当時は結構話題になったようです。
しかし、それよりここで気になったのは上のプレートです。中には「石和秘宝館・ロマンの館の展示物制作につきましては国際秘宝館沼津秘宝館を企画設計施工いたしましたノウハウを十二分に生かして制作いたしております。また秘宝館経営等につきまして御相談等がございましたら当館または、制作会社までご連絡ください。 株式会社アド工芸 TEL東京03-●●●-●●●●代」と書かれていました。どうやら、ここのバタ臭い人形達を制作したのは、私の知らないアド工芸という会社だったようですね。
ここで、この秘宝館の展示は終了でした。出口と書かれている扉をあけるとそこはすぐに外で、結局誰とも会わずに、料金も払うことなく外に出てしまったのでした。
中に何時間いたのでしょうか。時間の感覚がおかしくなってしまったのか、外へ出るともう夜も更け、すっかり遅い時刻となっていたのであわてて宿に戻ることにしました。
翌朝、帰る前にもう一度、日の光の下で外観を確かめておこうと、再びこの秘宝館に立ち寄った私を不思議な出来事が待ち受けていました。
昨夜は輝いていたはずのネオンサインは無く、入口も固く閉ざされています。なにより、ここ何年も営業している気配がまったくなく、閉館して何年も経った施設独特の雰囲気をまとっていたのです。
狐につままれたような気分でその場を後にした私は、街に戻り再び退屈な日常へと戻っていったのでした。
もしかするとこの夜、私は秘宝館が見ていた夢の世界に偶然まぎれこんでしまったのかもしれません……。
山梨県石和町
END
(2009.4)
【おまけの話】
……ということで、みなさん既にお気づきのことと思いますが、今回は少し話を面白くできないかということで、多少話を創ってみました。いかがだったでしょうか?
この「石和ロマンの館」、1983年頃オープンして1995年頃に閉館した模様です。2009年に訪れた私が、なぜその秘宝館の稼働している姿を見ることができたのかというと、実は前にも別のところで書きましたが、秘宝館の本を作ろうと各地の取材をしていた「八画文化会館」の酒井氏が、これらの展示がそのまま残っているのを発見し、故オーナーの奥さまに頼み込んで、2009年に1日だけ営業時の姿を復活させたのでした。
簡単に復活させたと書いてしまいましたが、電力会社との電気容量の契約変更から始まり、電気工事、装置の修理、電球の交換などなど、その手間と費用は半端なものではなかったようです。とても有り難いことに、その貴重な日に招待していただいたおかげで、今回このように皆さんにも在りし日の姿(若干違うかもしれませんが……)を紹介することができたという訳です。酒井氏の熱意と行動力には本当に頭が下がります。改めて酒井氏にはこの場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
※ネオンサインが復活した時の様子(QuickTime動画[866KB]を見たい方はここをクリック)
そんな酒井氏がこの時撮影・制作したDVD『石和秘宝館 ロマンの館』が発売されています。動画で見ると館内の空気をリアルに感じることができる上、館内図や人形たちの設計図など貴重な資料も入っているので、秘宝館フリークは、ぜひ手に入れておきたいものです!
また、書籍『 I LOVE 秘宝館』(発行:八画出版部)の中にも、復活させる前の廃墟状態の館内の様子が紹介されているので、こちらもぜひ購入してあげてください。
※上記DVDおよび書籍の購入はこちら(http://www.these.co.jp/)または書店などでどうぞ!
最後になりますが、この「石和ロマンの館」、既に展示物はすべて撤去されてしまい、内部には何も残っていません。秘宝館のあった建物は住居となっているので、無理矢理訪れて迷惑をかけたりしないようにしてください。
その撤去された展示物はどうなったかというと…………実は、伊豆にある「怪しい秘密基地・まぼろし博覧会」という施設に引き取られ、多くの人形たちは現在そこで第二の人生(?)を送っています。もちろん私も見に行ってきたので、そのうちご紹介する機会があるでしょう。お楽しみに!
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