魚を食べる菜食主義者は、大腸ガンの発症リスクが低い

2015年06月17日…No.150617-102

米国のロマリンダ大学の研究チームによって、「魚を摂取する菜食主義者(*ペスコ・ベジタリアン)の食事は、大腸ガンの発症リスクを大幅に低下させる」との発表がなされました。

大腸ガン(*結腸・直腸ガン)は、ガンによる死亡の主な原因となっています。大腸ガンの一次予防には、食事改善が望まれますが、菜食主義者の食事パターンと大腸ガンの発症リスクとの関連性は、これまで十分に立証されてきませんでした。

研究者らは、“Adventist Health Study 2”(*北米のセブンスデー・アドベンティストの信者を対象とした大規模コホート調査)の登録者の中から77659人を選出し、被験者に対して食物摂取頻度アンケートを実施しました。そのデータに基づき、被験者を「完全菜食主義者(ビーガン)」「乳製品・卵を摂る菜食主義者(ラクト・オボ・ベジタリアン)」「魚を摂る菜食主義者(ペスコ・ベジタリアン)」「魚・鳥肉を摂る菜食主義者(セミ・ベジタリアン)」と、「非菜食主義者(ノンベジタリアン)」の5つに分類し、大腸ガンの発症リスクへの影響について分析しました。(約7年間の追跡期間中に、380人が結腸ガン、110人が直腸ガンを発症しています。)

調査の結果、菜食主義者(*上記の菜食主義者のいずれかに該当する人)は非菜食主義者に比べ、大腸ガンの発症リスクが22%低かったことが確認されました。さらに、ペスコ・ベジタリアンは非菜食主義者に比べ、43%も大腸ガンの発症リスクが低かったことが判明しました。同様に、ビーガンでは16%、ラクト・オボ・ベジタリアンでは18%、セミ・ベジタリアンでは8%、大腸ガンの発症リスクが低かったことが明らかにされました。これらの結果は、性別や人種に関わらず、似たような傾向を示しました。

研究チームは、「今回の調査結果から、菜食主義者の食事は、大腸ガンの発症リスクを低減させることが明らかにされた。特にペスコ・ベジタリアンは、非菜食主義者と比較して、大腸ガンの発症リスクが大幅に低かったことが判明した。もし、菜食主義者の食事パターンと大腸ガンのリスク低下との間に因果関係が成立しているのなら、これらの食事パターンは、大腸ガンの一次予防のために重要となるだろう」と結論づけています。

出典:『JAMA Internal Medicine 2015年5月号“Vegetarian Dietary Patterns and the Risk of Colorectal Cancers”』

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