増え続けるアメリカ人の肥満

2007年8月8日…No.070808-024

米国ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ校の研究者によって、「2015年には、アメリカ人の成人の75%が過体重(BMI≧25)、41%が肥満(BMI≧30)になるだろう」との報告がなされました。

研究者によると、1960〜2004年の間に米国の肥満有病率は13%から32%まで増加しました。現在では、成人の66%が過体重もしくは肥満で、子供・若者の16%が過体重、34%が過体重のリスクがあります。

こうした現状を踏まえて、研究者は1990〜2006年に発表された20の米国政府の統計や体重に関する論文などをもとに、性別・年齢・社会的経済的地位・人種民族・地理的環境などの違いによる肥満の傾向を調べて分析しました。

その結果、以下の内容が明らかになりました。

  • 成人の66%が過体重もしくは肥満である(2003〜2004年)
  • 過体重もしくは肥満の増加率が最も高いのは20〜34歳の女性である
  • 46歳以上の黒人女性の80%が過体重、50%が肥満である
  • アジア人は他の人種に比べて肥満有病率が低い。ただし、アメリカ国内で生まれたアジア人の肥満有病率は外国生まれのアジア人の4倍である
  • 黒人女性を除いた教養の低い人々は、高い人々に比べて肥満になりやすい
  • 南東部の州は西海岸・中西部・北東部より肥満率が高い

この調査から、年齢・性別・人種等の違いにかかわらず、アメリカ人は一貫して肥満または過体重の傾向があることが分かりました。研究者は「アメリカ人の肥満はまだまだ増加し続けています。肥満の根本原因を調べ対策を講じなければ、死因の上位に肥満が入ることになります」と述べています。

出典:『Epidemiologic Reviews 29 2007年8月』

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