BabeLの人々 

出身:

ラクナス

ソレイユ

ハザード

東方三国同盟

その他

異貌

 
所属:

月光

ロードオブ
アビス

タクミ屋

アルフレッド
商会

賢人会議

マクシミリア
旅団

老人会 

―――― 特徴。

この項では異貌の中でも特に強力なモノの紹介を行う。
厄介な異貌の殆どが東方に存在している。

賢 者の石=iアメニセンス) アーリィ

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国籍…なし
所属…ロードオブアビス
階梯…なし
年齢…2ヶ月(外見10)
性別…雄

 


「皆はもちろん大好きだけど、それだけで無条件に協力するのは良くないと思う。まず多くを知って、正しいこと、自分がすべきことを理解して、それから初め て誰かに協力できるんじゃないかな。そうじゃなきゃ、大好きな人が間違っていたとき、正してあげられないでしょ?」


 リロルの弟に当たる、異貌のサラブレッドとも言える少年。しかし生まれた直後にアビスによって回収されており、アビス本部にて数ヶ月間の教育を受けてい る。
 匿う目的はもちろんアーリィを人間側につけるためだが、本人は色々と悩んでいる様子。現在は「協力するとは、まだ約束できない。大人になるまで待ってほ しい」と言う意見を(グリーンやらレッドやらハイリやらの助言もあって)通し、勉強に専念すると言うことになっている。
 普段はシェリルに魔術を習ったり、レッドに体術を習ったり、グリーンに情報技術と漫才を習ったりしつつ至極平穏に暮らしており、私生活ではブラックと一 緒に遊んでいることが多い様子。尊敬する人はマリンとスバル先生。そしてパープルが苦手(ぁ)

 しかし随分人間的に育ったところで異貌側に誘拐され、現在はリロルに客分として匿われている。

 鳩が卵を温めている姿のようなふわりした銀髪に、透明な印象を与える薄 い琥珀色の瞳が印象的。服装は高級さを感じさせる漆黒の衣装を好んでおり、ワカメやデュナンを押しのけてとっても貴族っぽい。にっこりと笑ったらさぞかし 可愛いと思わせる顔立ちだが、表情はあまり変わらない、というか変え方を知らない。生後5ヶ月程度だが既に外見は12歳程度まで成長しており、現在はその 姿で落ち着いている様子。

 身体能力は頑丈な異貌程度だが、内包する魔力量はドラゴン並みと評されてお り、まだ何の魔術も使えない現在ですら純粋な魔力を放出するだけで小山程度を 吹っ飛ばす破壊力をたたき出す。将来的にはレベル6相当の魔術すら操ると見込まれており、空母級レベルの実力者になることは確実視されている。
 魔力を収束し撃ち出す、といった程度はできるため、戦闘時は指先に魔力を収束しピンポイントレーザーのように発射して戦う。収束した魔力は輝く"星"の ように見えるため、仮に『シューティングスター』とシェリルによって命名されている。その威力は練習の際にアビス本部の魔術防壁を貫きまくってイエローに デスメタルの制裁を食らったほどである。
<追記>
 現在は更なる勉強と修練の結果、下記の【使用魔術】まで習得している。なおこれらを使用する際に発生する魔法陣―加速紋章―は魔力を収束・加速・加工す るためにアーリィが体外に展開した自身の魔力回路である。これにより口頭詠唱より遥かに効率的な魔力運用が出来るが、その反面自分自身の感覚器官であるた め、傷つけられると痛い上に魔力運用に重大なダメージを被る。

『全知』
 アーリィの能力は全知、即ち全てを知ることである。目に映り 認識できる物体あるいは事象に関して、そこから紐付けられる情報を"星の知りうる範囲"において知ることができる。例えば「10年前に戦争があった廃村」 があれば、当時の戦争の様子を知ることができる。また「水」という物体を見ることで、それが「H2Oという分子から構成された物質」という情報を読み取る こともできる。人物を見ればその人物の過去も"識る"ことができるが、魔術的な干渉であるためこれは容易に抵抗することができる。アーリィがしていること は「問いかけ」であり、対照が答える気の無い場合基本的に失敗すると考えてよい。
 一見便利な能力だが、本人からしてみれば「100兆ページ有る辞書で調べ物をするようなものだから、大変」であるらしい。一つの事象から有益な情報を一 つ探し出すだけで1時間〜1ヶ月必要となるようだ。
 魔王の持つ「全知ゆえの苦しみ」を継承する能力であり、アビスから必要な場合以外は使うなと厳しく制限されている。
<追記>
 この”全知”の能力は『魔王の頭蓋』を使用(頭蓋に近づく)することで飛躍的に制度・速度が向上する、というよりも頭蓋があることで始めて完成する。向 上により「問いかけ」に必要な時間はほぼ一瞬となり、アーリィ自身の魔力制御能力も”魔王”一歩手前まで向上する。ただし、頭蓋を使用すると思考回路も” 魔王”同等になるため非常に残忍且つ『人の不幸を願わずには居られない』性格に変化する。
 なお、思考回路が似るだけで魔王本人の記憶を受け継ぐわけではない。

【使用魔術】

<シングルアクション>(1章節(一瞬)の詠唱で起動可能)
・≪星撃(シューティングスター)≫
加速紋章を1つ展開し、その中心部から光の弾丸を射出する。
・≪小さき光の盾(レイアル)≫
回転紋章を1つ展開し、円盤状の魔力を盾にする。

<ダブルアクション>(2小節以上(10秒以下)の詠唱で起動可能)
・≪星降りの夜(スターダストレイン)≫
加速紋章を背後に18個展開し、同時に発射する。個数は増減可能。
・≪超新星(スーパーノヴァ)≫
自身の皮膚上に回転紋章を展開し、何も考えずに魔力を一気に発散する。発光と共に爆発し、周囲の物体を吹き飛ばす。

<トリプルアクション>(3小節以上(10秒以上)の詠唱と紋章の描き足し(両 腕を使用)が必要)
・≪革変を告げる夜明けの明星(ルキフェル)≫
空中に描いた超加速紋章に腕を突っ込み、自身を砲台とすることで起動。そこから26の増幅紋章を腕の周囲に展開し、ドラゴンでも撃ち落せそうな魔力収束砲 をぶっ放す。単純なエネルギー量(熱量換算)ではイオンの反物質砲をも上回る大技。

圧 縮ウ ルスス・アーケディア


生息地:東方
能力名:"圧縮"
ランク:要塞級
性別:雄
能力:後述

 


 「あー、だりぃ。事務仕事とか投げちゃっていいよね? いいね。よし、寝よう」


  知恵を持ち言葉を解し、軍団を指揮する異貌の一匹……のはずなのだが、独断専行の多い無頼漢である。担当区域は無く、主に遊撃役として東方全土を飛び回っ ている。勝手気ままにやっていると言ってはいけない。その行動は全くもって読めず、いらないところで勝手に戦っていることがあると思えば、絶好のタイミン グで横から襲撃することも。ただ、戦闘を嗅ぎ分ける能力は先天のモノがあり、大規模戦があればほぼ確実に介入はしてくる。現れる場所が自陣のブリーフィン グルームか、敵陣の真っただ中であるかは定かでない。そのため、鋼鉄将軍やバルバロイの頭痛の種の最たるところ。異貌軍の作戦は通常彼の隊を無視して立て られ、上手く割り込んでくればラッキーな程度という扱いである。

容姿は人間型をしていることが大半である。その状態ではかなり筋肉質の大柄な男 性。
外見年齢は三十代前半と言ったところか。元の姿は虎に酷似した大型生物であり、牙と爪は鋭い。
人間形態でも、爪の出し入れは自在である。(犬歯は長い)

普段は眠っていることが多く、事務などの仕事はほぼ全て部下に振っている。
「めんどくさい」「だるい」などの発言が多く、起きているだけで効率が下がるので部下達もあえて怒らない。生温かい目で見守っている。

しかし戦闘関連になると一変。
率先して作戦立案をし、戦場でも自分が先陣を切っていく。彼の狙いは指揮官クラスと、敵軍の中でも頭一つ抜けて戦闘能力の高い者のみ。雑兵たちは自分の行 く手を阻むものを薙ぎ払って行くだけで、後は部下に任せる。理由を問うと、敵の陣を素早く切り崩すためだとか、味方の犠牲者を最小限にとどめるためだとか 様々ないい訳をするが、結局のところ彼自身が強者と戦いたいというだけ。

そんな鉄砲玉のような彼だが、意外にも結構な数の部下がいる。内訳も、飛行系異 貌から陸戦重戦車系異貌など雑多である。唯一共通しているのは彼を慕っているという点。慕っている理由は各々微妙に違うが、その理由の出所は同じだ。
彼の背中に魅せられたのである。

強者と戦うという望みがある。そのためだろうか。まず、戦闘は正々堂々の極地。 次に、戦闘では指揮官であることなど無視で先陣を切る。そして、戦死者(表 現が適切でない可能性がある)に対する敬意の払い方。涙を流すでもない。駆け寄り抱き寄せるでもない。ただ、彼らのいたであろうかつての戦場に向かって敬 礼をする。怠惰な彼らしくもなく、気の済むまで一時間でも二時間でも。
そんな彼の背中に部下たちは漢を見るのである。

能力名"圧縮"
・特徴一
自らの行動を圧縮し、束ねられる。
圧縮できる最大数は百であるが、違う動き(殴りと蹴りなど)を圧縮しようとする時、それは一度に五種類に限定される。
・特徴二
自らの半径10m以内に存在する物質を圧縮することができる。圧縮できる限界量は無い。ただ、一度圧縮した物質は解凍して圧縮し直さない限り中身を追加で きない。また、圧縮されているモノの時間も普通に経過する。最小で10cm角の立方体にまで圧縮できる。
・特徴三
「圧縮」できる生物は自らに心を開いているモノに限る。非生物は問答無用でOK。
・特徴四
「圧縮」したモノ(一、二ともに)を自らの好きなタイミングで「解凍」することができる。

詳細
以下、行動を順を追って。
「セット」
脳内で、”圧縮”する現象・物体・範囲を設定、そこに魔力を込める。百発分の右ストレートを圧縮する場合は右腕に込める。その際、セットされた物質は向こ うが見えないほど黒く歪んで見える。セットに要する時間は拳を構えるのと同等。ただ、対象がかなり多いなどの特異な状況の時は所要時間が増す。

「レディ」
・「行動」を圧縮した場合
圧縮した物を手などに纏わせる動き。基本的には手や足に纏わせて、殴りや蹴りなどの行動に合わせて発動させることになる。どのような行動とともに解凍する か、という設定のフェーズであり、所要時間は皆無。(思考だけで済むため)
手動解凍も可能だが、見極めが難しい。

・「物体・現象」を圧縮した場合
1、
解凍条件を決める。(基本設定は”解凍”と念ずることに設定されており、ここを変えるときにかける時間)
2、
大きさや重さをいじる。
その際の限界は、サイズで10cm角の立方体・重量で元の100分の一までの自由である。また、一度定めた重さは変えることができないが、形はこねくり回 すことで変形可能。やろうと思えば空気で前衛芸術だって作れる(やらないが)
硬度は基本的にもとの状態と同じだが、硬くすることも可能である。その際の限界は実際にその形まで圧縮させた場合の硬度までとなる。

「アクション」
「行動」を圧縮した場合
設定されていた行動が成功した瞬間に解凍することで、圧縮していた行動を一瞬で全て起こす。なお、「殴る・蹴る・斬る」など別々の攻撃、又は別の部位を 狙った攻撃、同じく防御等を”圧縮”していた場合、インパクトの一瞬前に自分で”解凍”する必要がある。殴りとガードなど、別種の行動を圧縮していた場合 は、解凍した瞬間から彼がぶれて分身したかのように見える。
これが攻撃だった場合、命中した瞬間それぞれに圧縮させたダメージを与えられる。(イメージとしては2重圧縮に近い)
その姿は千手観音のように見えなくもない。

「物体・現象」を圧縮していた場合
解凍し、その物質をその場に出現させる。若しくは、その現象をその場に引き起こす。
どちらも共に、解凍すると黒い歪みは消えてなくなる。

 

紅 葉姫ク レハ

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生息地:東方
能力名:突破
ランク:突撃級
性別:雌
能力:後述

 


 「鬼とは何か…それを知るまでは私は死ねんよ。まがい物の雑種の、ちっぽけな意地を見るといい」


 東方において、異貌と人間の双方から危険視される、一人の鬼。それが彼女である。
硬質な質感をもつ黒髪に真紅の隻眼、灰色の甲殻に覆われた左腕が特徴。外見的には二十歳前後の女性に見える。もみじ模様の着物を好んで着ることから??紅 葉姫(モミジヒメ)??フ異名がついた。
戦闘能力に優れた鬼のなかでも、更に飛びぬけた力を持ち、空母級の異貌と単独で交戦、相手に少なからず手傷を負わせ生還したという記録すらある(その際に 左眼を失った)。
元々は凡庸な能力だったが、戦闘経験を積む内に学習し、飛躍的な速度で成長を遂げたという。識者曰く、それはもはや「進化」の域にあるという。
しかしその過程で高い自我に目覚め、人間に酷使される鬼の境遇と、それを受け入れる鬼の在り方そのものに疑問を抱くようになる。
その後「視点を変えて見れば、何か分かるかもしれない」と、人間を裏切り異貌側に加担。しかしそれでも納得のいく答えが見つからず「なら独自の立場で調べ よう」と、異貌勢力からも離反。
離反するたびに人間、異貌双方に甚大な被害を与えており、双方から「敵」と認識されている。人間勢力は彼女を「突撃級」の異貌と認定、これは今も尚成長進 化を続ける彼女の能力を考えての評価である。
襲ってくる者には人であれ異貌であれ容赦は無いが、人にも異貌にも特別な敵意があるわけでもない。どちらか一方の勢力に加担することはないが、一個人のた めに力を貸すことはあるという。
「鬼とは何なのか知りたい」
その目的のために成長し、異貌としての能力すら身に付けた彼女は、今日も立ち塞がる障害を文字通り”突破”している。

 能力名”突破”
 特徴その1:指定した距離を、直線状に超高速で移動する。
 特徴その2:移動中のクレハに対する、物理的、魔法的干渉が行えない。また、クレハから別の誰かへ干渉することもできない。
 鋼鉄や魔法の防壁だろうと、何十万の軍隊だろうと、一瞬で通り抜けてしまう。
 破壊不可能とされる<絶対壁(ディスペンセブル)>や異貌の能力すら突破するが、空間的に断絶された場所へはそれ相応の(それこそ空間を歪め直すくらい の)消耗を要する。
 最大移動距離や最大速度は不明だが、全力時なら超音速で数kmは移動できる。「回り道するのが面倒だから」と、大規模な戦場をマッハで「横切る」様子が 目撃されている。
 欠点は直線移動しかできず、移動中の加減速、方向転換が不可能で、最初に指定した距離を移動途中に変更できないこと。
 体力の消耗が激しく、連続での長距離移動(100m移動して即座に別方向に100m移動、など)は不可能なことなど。
 ちなみに、上空や足場の無い方向に対しても、彼女の能力発動に影響は無い。飛行能力は無いので、”突破”オた後で墜ちるかもしれないが。

 その他、能力と呼ぶ程際立ってはいないが、彼女の左腕も強靭な爪と装甲を持つ 強力な武器である。それを操る確かな武術の技量も身に付けている。
 また、風系攻性魔術師として、レベル4までの風系、レベル2までの無系魔術を習得。

 

如 何物食いカトレア・マンティス

 

生息地:東方
能力名:如何物食い
ランク:闘士級
性別:雌
能力:後述

 


 「ちょおお腹減ったぁ〜。あーそれ美味しそぉー。食べてい〜い? その女の子!」


 知恵を持ち言葉を解する異貌。ハナカマキリが人ほどの大 きさになったような外見をしているが、普段は能力により人の女性の姿をしている。やたら甘ったる く語尾を上げ調子に喋る。常にぶりっこをしていて、その実わがままで高飛車。けれど気に入った相手には一途な面もある。正攻法で戦うことはあまり向いてお らず、騙し討ちを好む。非常に悪食で、人間だろうが異貌だろうが雑草だろうがダンボールだろうが、とにかくなんでも食べる。ただ言葉を解する異貌はめった なことがないかぎり食べない。なんでも「いつか自分自身を食べるのを我慢できなくなっちゃうかもしれないからぁー」らしい。ちなみに食べることはあくまで 趣味の一環とか。


能力:″如何物作り″
1ヶ月以内に食べたものの精巧な偽物を作り出すことができる。たとえひとかけらでも食べたものならばどんなに大きく複雑なものでも全容が再現できる。部分 的にも再現可能。また、一定時間が過ぎると偽物は消滅する。一つのものからいくつでも作り出すことができるが、再現時間が多少減る。食べた割合によって再 現時間がかわる。割合が大きければ大きいほど長時間維持できる偽物が作り出せる。全て食べた場合、一つのものを1ヶ月ほど維持できる。しかし本物が魔力な ど特殊な力を持つ場合、それら特殊な力は偽物には含まれない。生物も作り出せるが、偽物には意志がないため動かない。
派生能力:擬態
今までに食べたことのある姿になることができる。生物、非生物は問わない。部分的に真似することも可能。あくまでも見た目だけで、そのものになることはで きない。たとえるのならば、着ぐるみや特殊メイクのようなもの。如何物作りの派生であるため、あくまで能力は一つである。

出来損ないカイ・ゲッフェルト

 

生息地:東方
能力名:なし
ランク:兵士級
性別:雄
能力:なし
年齢:19

 


 「ひっ!?(野生のポックから身を隠し) ……もう嫌だ。こんな世界、もうたくさんだ!」


 知恵を持ち言葉を解する異貌。かの鋼鉄将軍が作り出し、後継者と"しようとした"異貌の最後の1人。
弱い。出来損ないの異貌である。
故に後継者になりえなかった。

兵士級となっているが通常の人間の一般人程度の戦闘力しか持たない。
知恵を持たない野生の異貌にも勝てず、彼らは簡単に死に絶えた。唯一生き残ったカイですら、生き残った理由は「母の運営する孤児院から一歩も出なかったから」である。
そんな彼らに父は見向きもしなかった、出来損ない≠フ二つ名は孤児院でカイが苛められる時の呼び名だ。

見た目は灰色のマリオネット。骸骨のように細い手足に、石像の悪魔(ガーゴイル)を思わせる厳つい頭が特徴だが、二つある角は両方折られている。
普段は細い身体を隠すように灰色のローブを目深に被っている。

孤児院を出た後、現在彼はゴミを漁りながら見つけたものを売買しつつ、たまに情報屋などをしながら何とか食いつないでいる。
誰にも脅かされない日々が欲しい、どんな手段を用いてでも欲しい。彼はそう願ってやまない。


鋼鉄将軍はガーゴイルに分類される無機物のため、生殖機能を持たない。
そのため自身の体を媒体に赤ん坊の体を錬成し、そこに事故や病気等で死亡した赤ん坊の魂を移し替えることで後継者を作ろうとした。そうして出来上がったのがカイたち第二世代である。
ミニ鉄将軍は一時的な分身であるのに対し、カイたちは完全に別個の生命体であり"成長できる"という違いがある。

ここで問題になったのは、鋼鉄将軍は元々は弱い異貌であったという点だ。
彼は第三次世界大戦直後の時期に石像が瘴気を浴びて発生した異貌であり、その時点では兵士級だった。
数千年の時を生き延び長く瘴気を浴び続けたこと、そして何よりその過程で得た膨大な戦闘経験が彼を空母級に押し上げたのだ。
そのためか、その子供は兵士級程度の力しか持てなかった。数千年瘴気を浴び続ければ同じ域にたどり着けるのだろうが、遠い話である。

弱く、友達の輪に入ることさえできないカイはひたすらに本を読んだ。
図書室は人気がなく安全だから。
ひたすらに本を読み、無くなれば母に強請るかゴミ捨て場を漁り、擦り切れるまで読みふけった。
そうして得た知識が、何とか彼を異貌の世界で生き永らえさせている。

演 葬家カラルコロル・カル・クラン

 

生息地:東方
能力名:演葬家
ランク:要撃級
性別:雌
能力:後述

 


 「お供致します。最果てまで」


 知恵を持ち言葉を解し、軍団に属する異貌の一匹。
羊の頭部を持った人型で、手足はすらりと長い。背中から、骨片が集合したような形体の翼を生やして、単独で飛行することも出来る。素肌は浅黒く、両角は、 耳の周りをぐるりと囲むように湾曲している。
そんな悪魔めいた風貌に反して、体毛や衣服は磨き抜かれた大理石のような乳白色。礼服のようなその衣装や、芝居がかった仕草が相まって、異貌には不釣り合 いな高貴さを感じさせる。
異貌軍の内部においては、”略奪”のギーク(以下略)の傍らに居る事がほとんどで、彼の副官のような立場に居る。
常にギークに付き従い、献身的な態度で彼に尽くしているが、その態度からは、忠実な部下というよりも、むしろ子を見守る母親に似た不可思議な印象を受け る。


能力:”葬奏”
袖口などから繰り出した銀糸を手指で繰る。
本人の身体能力的にも、直接的な攻撃力、肉弾戦での戦闘能力は比較的低い。しかし、細く強靭な銀糸は切断が困難であり、これを利用した絡め手においては比 類なき力を発揮する。
主な攻撃手段は、銀糸先端での直接刺突、捕縛絞殺、ないし、銀糸を高周波ブレード化しての切断である。特に三番目は彼女の主戦力であり、張り巡らせた銀糸 を弾く様子が、さながら鎮魂曲を奏でる音楽家の様であったことからこの二つ名が付いた。
戦闘以外においても、銀糸を編み上げて網(あるいは「布」)を作る、銀糸を周辺広範囲に張り巡らせ、振動の伝達からレーダーのように敵の位置を探る等々、 その応用力は高い。
能力特性上、市街地など、入り組んだ地形での戦闘に長ける。反面、開けた場所での戦闘は不得意とする。

 

略 奪ギー ク・(中略)・ノミエステラ

 

生息地:東方
能力名:略奪
ランク:要塞級
性別:雄
能力:後述
年齢:不明

 


「良ィいモノを持ってるなァ手前! 気に入った、今日からそいつはオレのモンだ」


 知恵を持ち言葉を解し、軍団を指揮する異貌の一匹。
フルネームは、「ギーク・オクタンブラ・ドゲッド・ドリズレイン・アレクサンド・ミリオナイト・ノミエステラ」。無駄に長い。たいてい「ギーク」、あるい は頭と最後を取って「ギーラ」と呼ばれている。
その性格は「強欲」の一言に尽き、気に入った物は奪い取らなければ気が済まない。蒐集家的な気質も強く、様々なものをコレクションに加えては悦に浸る。狂 的な蒐集家の例にもれず、自慢したがりでもある。また、蒐集品を破壊されると激しく怒る。
ちなみに、名前がやたらと長いのも、かつてその名を持っていた誰かから奪い取ったからである。本人は(収集品自慢の一環として)フルネームにこだわるが、 普段から使うにはどう考えても不便な長さであり、いちいちフルネームで呼ぶ者は本当に極々稀。本人は不満がっているがむしろ呼ぶ奴の方がおかしい。
外見はコロコロ変わる。たとえば、ある異貌の翼が気に入れば、それを奪い取って自分の物にし、また別の異貌の角が気に入れば、それを奪い取って自分の物に し、という事を常に行っているからである。
そうやって散々変態を繰り返してきた為、元々どんな姿をしていたのかは誰も覚えていない。最近は、ある勇敢な戦士から奪い取ったという人間の容姿がお気に 入りで、その姿(+異貌のパーツ)で居る事が多いらしい。なお、容姿を奪われた戦士がどうなったのかは不明。
上記のように、気に入りさえすれば敵味方関係なくそれを強奪していくので、人間側からも異貌側からもすこぶる評判が悪い(特に武器強奪という点で、ミサキ 家からの評定は底抜けに酷い)。
しかしそんな彼(時に「彼女」)にも、配下となる異貌が数多く存在する。その理由は、要求された戦果さえ献上すれば好き放題暴れられるからだとか、既に強 奪の被害に遭っているから安心して(あるいは諦めて)彼に従っているのだとか、彼によって「自由意思」を奪われて服従させられているからだ等々、諸説あ る。いわゆる「奴は大変なものを奪っていきました」的なパターンもあるとかないとか言われているが、それをわざわざ確かめようとした奴はいない。

 能力名 ”略奪”
 特徴1:強奪したアイテムを蒐集(コレクション)する事が出来る。
その肉体(あるいは魂?)に”宝物庫”熾?しており、今まで奪い集めてきたものは、有形無形問わずすべてそこに納められているという。キャパシティに限 界があるのかどうかは不明で、外見は小さな一個体であっても、その実戦力は万の軍勢に匹敵するとも言われている。コレクションの収納・取出しは自由自在 で、傍から見ている分にはいわゆる●次元ポケットである。規模の大きなものを出し入れするには相応に時間がかかる。
 特徴2:有形無形を問わず、あらゆるものを”奪う”事が出来る。
奪取したものを、自分に属するものへと強制的に変化させる。”略奪”フ際には青白く燐光を放つ”手”が現れ、欲するものを奪い取っていく。ただし、”略 奪”には条件がある。まず最低条件として、○○を奪ってやるぞという旨を、元の所有者に対して宣言する必要がある。その後、所有者が対象物の所有権を放棄 した時”略奪”ェ可能になる。戦闘等の手段によって相手を屈服させるか、あるいは相手の意識が対象物から大きく外れた場合などが該当する。彼我の実力差が あまりにも大きな場合は、放棄を待たずして文字通り強奪することも可能。
 この第二の条件は、物品に関してはある程度アバウトになるが、特に無形のもの(例:魂、名前、魔力等)、及び相手の身体的特徴などを奪う際には必須とな る。
現時点では、既に「蒐集品(コレクション)」の内容が莫大になっている為、その物量にまかせた制圧能力は非常に高い。

保 身ク ラッツ・リーギニア

 

生息地:東方
能力名:保身
ランク:兵士級以下
性別:雄
能力:後述
年齢:不明

 


  「ら、らぶあんどぴーすっ!つまりそのー、命ばかりはご勘弁をーっ?!」


 知恵を持ち言葉を解する異貌…の、中でも最下級に位置する一匹。
外見は二足歩行する全長1メートル半(長い耳込み)の…兎。洋服を着たその姿はぬいぐるみのようで愛らしいのだが、言動が三下くさい。
弱い奴には強気で、強い奴には超下手。知能は人間並みだが戦闘能力は低く、戦場では文字通り脱兎の勢いで逃げ回る。
何故か能力持ちだが、制限などの関係から戦闘では全くの役立たずなのは変わらず。今日も必死に東方全土を逃げ回る。
そんな彼にとっての最大危険人物は”制空”フリロル。玩具にされて抱き潰されて圧死しかけた経験、数知れず。

 能力名”保身”
 特徴その1:半径30m内の、非戦闘状態の対象のクラッツへの敵意や殺意を減少させる。
 特徴その2:同範囲内の、戦闘状態の対象の意識を、クラッツから別の対象へ逸らす。
 とにかく敵から襲われにくくなる、それだけの能力。
 自分から対象へ向けて行動を起こした瞬間、この能力の効果は即座に消滅するため、不意打ちなどにも使えない。
 …というか不意を討てようと、デカいだけの兎に戦闘能力など、ないっ!(by胸を張るクラッツ)

 

ジ ハード・オル・ペインレス

 

生息地:東方
能力名:不詳
ランク:不詳
性別:雄
能力:後述

 

「来月から本気出す」


 知恵を持ち言葉を解する異貌。
ラクザよりもさらに北の地、開拓団が到達していない地域からラクザへと移住してきた一族の出。
父親は『ラクザ一の大酒飲み』と呼ばれ、母親は『デパ地下の覇者』と恐れられ、実家は酒屋を経営している。販売している『ペインレス家に伝わる秘伝の地 酒』はラクザの酒造業界に波乱を巻き起こした名酒だとか……
そんな戦争とは全然関係ない家柄の息子は、カリュオン親衛隊(リロルが、バルバロイや鋼鉄将軍の意見を仰がずとも動かせる私兵部隊)の一員。ソレ専用の オーダーメイドなカッコいい制服も持っているらしい。

普段から城に滞在しているわけではないので、戦場に出てくることは滅多にない。
リロルの要請に応じて登城しているというサラリーマンみたいな生活サイクルな異貌。
表舞台に出てくるときは(最近ちょっと太り気味な)ドでかいカラスを連れ歩いているのが目撃されている。

ラクザで寺子屋を営んでいるスバル先生とは知古の間柄。
どちらかと言えばツッコミ系。


能力:不詳
名は知られていないが能力そのものの性能は、劣化鋼鉄将軍プラスあるふぁ。使い方もほぼ同じ。
硬さは彼と比べられると心許ないがそれでも、メンバーの斬撃・打撃もちょっとやそっと喰らったぐらいではヘコむぐらいの被害しかない。身体能力も、エイル が振り下ろしてきたコンクリートの地盤を蹴り返すという離れ業をやってのけるぐらいには高い。
加えて、上半身と下半身を寸断されても、全身が炎に巻かれようとも服ごと再生してしまう。
もしかしたら、性質が似ているだけで鋼鉄将軍とはまったく別の能力かもしれない。

戦働きが少ないために色々と不詳な点も多いが、おそらくは要撃級に値する能力を 秘めている模様。
異貌軍の中では相当に新参者のようで、推定同ランクのカラルコロルをはじめ幹部には例外なく丁寧に接する。の、だが、ツッコミが間に合わなくなってくると ギークどころかハシヒメにだってテメェとか呼んだりしちゃうお茶目さん。

 

今 代・撃墜<oルバロイ・ロット・タンゼム

 

生息地:東方
能力名:撃墜
特殊欄:赤備え
ランク:空母級
性別:雄
能力:後述
年齢:1225

 

「姫、ご立派になられ……って、なに勉強サボって城から抜け出そうとしとんの じゃコルァァアァァっ!!?」


 知恵を持ち、言葉を解し、軍団を指揮する異貌の一角。担当地域を持たず、故に私軍を持たず、己の指揮や能力が必要な場所へと赴き、その地の他軍と合流し て戦う派遣型の将軍である。異貌軍、暫定のナンバー2。
カリスマらしいものは持ち合わせていないが他軍の兵士でも卒無く扱うし扱える。それは偏に目の良さ、人間の兵法書にも目を通す勤勉さを以てどこでもそれな りの戦果を挙げる、挙げさせてくれるという『安定性』の賜物。
勇猛果敢でも、歴戦の異貌でも只無闇に突撃させられるよりは気を使ってくれる方が有難いワケだ。
人間の間では、めんどう臭いし鬱陶しい戦略・陣術の持ち主、としてとっても迷惑がられている。

鋼鉄将軍<nルトムート・ヨーゼフ・ラインヴァルト・ゲッフェルトとは、各軍団の扱いについて頭を悩ませた痛めたりするのを共有するところから、胃薬や 頭痛薬の交換から鋼鉄の館で茶を飲み交わし、奥方ライラ様や彼女が集めた孤児達ともお菓子作りを通して付き合いのある、深く長い付き合い。
彼の死に際しては、異貌らしいとも、盟友だからこそとも覗えないが、特に何か言及すること無かった。
しかし葬式や遺品処理等の事後処理以降、孤児院には以前よりも頻繁に姿を見せるようになったという。

此度の情勢変化にあたり、発生からほんの二百年ほどしか前線で活躍していなかった今代・撃墜≠ェ、
いよいよをもって戦場に復帰してくるかもしれないという懸念を東方支部長達は抱いている。

制空≠フリロルとは一応の主従関係というか教育係に任命されており、
おいたをする彼女によくお仕置きを食らわせている姿が人間・異貌観を問わず目撃されている。
ついでに最近少しばかり成長した彼女に対して感涙している姿も目撃されちゃった。苦労してるようだ。
賢者の石<Aーリィも、そこらへんに放っぽっても危ない、リロルに任せても危ない、というか誰に任せても危なさそうなので保護下に入れてある。その全知 の能力、是非欲しいと狙っているのは公然の秘密だ!
制海<nシヒメとも港町の情勢報告がてら文通のようなものを遣り取りしていたり、たまに酒やそのツマミを送って貰い、かわりに山の幸を送り返してみるな どと職務上以外にも付き合いが有る。

……その他数多くも他の異貌達と多岐に渡る交流を持ち、顔が広い。
勿論打算的なものがまったくないとは言わないが、元来の面倒見の良さ、異貌あたりの良さ、等など、
温厚な性格と言われるだけはある、実は異貌の中でも群を抜いて沸点が低いしキレやすいのだが……。


やたらと、そして薄気味悪い程真っ青な瞳。コールタールのような粘着きさえ感じるような真黒い眼窩。
さえ除けば成人男性と変わりない姿形の異貌、人化の術は使っていない為これが本体である。
もしかしたら、見えないところで、とは言っても大抵全身の肌を隠すような服の着方をしているせいで覗えないが、見えない所でどこか腐っているのかも知れな いが確認した人間は居ない。分類は動死体(ゾンビ)。


能力名、撃墜
・特徴その1:彼の周辺直径三キロ以内総ての『兵器』は一切稼動しない。『魔導兵器』は稼働するものの、たとえ発射されたとしても飛来する総ての弾頭を速 度・破壊力関係無く彼に到達する前に失墜させる。
・特徴その2:彼自身が兵器だと認識した時点で能力効果が付与される。


私兵部隊、赤備え
・バルバロイ自身が選抜し、赤く染め抜いた武具を託された異貌達の通称。全22体。
ある者は紅色の甲冑を纏い、ある者は錆色の槍を携え、ある者は朱色の剣を背負い、
其々が要撃級並の実力を誇る程に鍛え上げられた異貌で構成されている。


【使用魔術】
・≪響砲(ソニード)≫
己の魔力と、敵対者の魔力圧を合成して撃ち放つビーム。
事前に発射台の役割を果たす『素(火球。大きさは野球ボールほど)』を作る必要がある。

・≪流転(ドライブ)≫
『素』を流用して他の魔術に組み替える。命令式の追加入力以上の魔力を消費しない。
・≪回盾(レイアル)≫
『素』が円盤状となり高速回転しながら使用者を守る。

・錬成術
そこにある物を全く別のものに組み替える。
ミニ鉄将軍を義足に変換したりソレッラ三姉妹を生み出したのもこの力。

撃 墜<oルバロイ・ルン・ラインヴァルト(先代)

 

生息地:東方三国連盟
能力名:撃墜
ランク:空母級
性別:雄
能力:後述

 


「我が眼前に立つその心意気や良し。全速を以て駆除してやろう」


 知恵を持ち、言葉を解し、軍団を指揮していた異貌の一匹。
『撃墜のバルバロイ・ロット・タンゼム』の先代にあたる異貌であり存命時には『鋼鉄将軍』と共にカオスでの指揮を取っていた。当の『鋼鉄将軍』とはよく指 揮の方針が合わずに喧嘩をしていたそうだが、別に仲が悪いわけでもなく、言うなれば喧嘩友達的な存在だったという。
さり気なく義兄弟の杯も交わしている。ラインヴァルト姓は彼からヨーゼフに押し付けたものだとか何とか。
晩年は長年続く異貌と人間との戦争を如何に終わらせるかということを考えていた節が伺え、
その方法を滅亡以外にもあるのではないかと探っていたことが分かる書物も残していた。
『バルバロイ記4月6日』と明記されたその書物は現在人間側の東方デジマ月光支部に保管されている。
 
 その姿は(今や教本にしか乗らないものではあるが)人間に近い容姿をしていたとか。
ライダースーツのようにも見える異貌の革を使った鎧の上から漆黒のローブを纏い、頭には大型の牛を象った被り物を載せ、顔には何十にも包帯を巻き付けてい たが僅かに見える右上からは人間の顔のようなものが覗いていた。現撃墜と同じく黒い眼窩に青い瞳。
更に先代の撃墜も人型をしていたことから代々撃墜はこういった姿形のものが選ばれるらしい。
 
唯一当代が能力を超えられなかった異貌とされており、現撃墜の階級を考えれば俄には信じ難い話だが、
現代まで続くミサキ家の歴史において歴代最強を誇った59代目当主他それに負けるとも劣らぬ精鋭数名の全てが命を捨てて漸く討ち取った事からもその実力が 伺える。おそらくは異貌の歴史の中でも一二を争うものと予想された。
現在では史実通りに討滅されており戦場には当然居ない。が。
最近、とあるルートにより仕入れた情報によれば、何とかして復活させようとする動きがあるらしい。



 能力名:撃墜
 特徴:
 彼が行う撃墜≠ヘ時間と呼ばれる概念に対して行われる。過去には干渉出来ないが、未来に至る時間のうち自身がそこに居ることを前提とした任意の2 秒≠攻撃し、消失させ、その消失した時間の中を動き回ることが出来る。簡単に言えば時間停止の能力。
 無論それだけの能力なので制限や反動も厳しかったようだが詳細不明。

制 空<潟鴻求Eラプター・カリュオン


生息地:東方
能力名:制空
ランク:空母級
性別:雌
能力:後述
年齢:不明

 


『戦え、奪え、嘆け、喜べ。戦うという行為の元で、人と異貌に何の差があるの? 誰も彼も勝ちたいんじゃない。生きたいだけなのに』


  制空の名前を持つ空母級の異貌。外見は見分けがつかないほど人間に酷似しているが、元々は全長がステフと同程度の巨大な青い鳥のような姿形をしてい る。
 先端に行けば行くほど薄くなる青色の髪に、同じく薄水色のワンピースと。とにかく青色で統一された少女の姿。外見通り異貌としてもかなり若く、中身は もっと若い。というか幼い。
  コクセツザンの砦に居城を持ち、東方大陸の大部分を其処から見つめ。人間側の動きで気になることがあれば鋼鉄将軍に伝書鳩ならぬ伝書鳩異貌(リロルがバル バロイに作ってもらった使い魔、青っぽい普通の鳩だが眼窩が真っ黒)を送る。戦闘に出ることが実は少ない彼女の主な仕事はこれであることを知る者は少な い。
 それ以外には勉強や礼儀作法などの正にお嬢様の教育カリキュラムをこなす。週4日ほどラクザに赴き、スバル先生の授業も受ける。

 正確な生まれは謎。魔王の心臓があるとされる塔の入り口に1メートルほどの卵が置いてあったのをミニ鉄将軍が発見。異様に禍々しい気配を放っていたので 試しに温めてみた所、1週間後に殻を空気圧で派手にぶち割りながら誕生した。
 発見当初卵の周辺に妙な肉片が付着していたのと、本人の能力の高さから魔王の心臓から生まれ、守護者の手によって塔の前に置かれたのではないかと現時点 では予想されている。
 そんな不確定かつデンジャラスな存在だということを本人が自覚している様子はあまりなく、自分の好きなように出歩いては敵味方構わず引っ掻き回すトラブ ルメイカーである。
 戦争においてもそれは変わらず、バルバロイ達を引き連れ本軍とはまったく違う行動をすることもしばしば。そのせいで鋼鉄将軍と言い合い→泣きダッシュ→ 大人げない将軍の噂が出まわる。というお約束コンボはもはや名物になりつつある。
 ちなみに彼女の親愛はイコールわがままなので、無茶ぶりされる度合いが多い分懐かれているという厄介な証明。勤労感謝の日には肩たたき券を武器にバルバ ロイと将軍をその日一日戦闘不能に追い詰める程度の能力を持つ。
 彼女の中では。バルバロイ=お父さん。ランオット=お母さん。親衛隊のジハード=お兄ちゃん。バルバロイ謹製ゾンビ姉妹=姉妹。という位置づけらしい。
 力は強いもののまだまだ学ぶべきことが多いということも加味して、空母級の中では最弱の位置にいる。

 人が嫌いというわけではないが、持って生まれた闘争本能が平和的という単語を頭から食い尽くしていることだけは確か。見た目で騙されがちだが、基礎体力 や腕力、並の兵器では傷一つつかない丈夫さなどは正に上位に相応しい力と言える。また、風を扱う魔術にも長ける。
 戦場ではサイトウに「幼女萌ええぇぇぇ!!」と喉から血が出んばかりに叫ばれて怯える姿を目撃されることも。
 『7』と刻印された羽付きの卵型ペンダントを首に下げており、それが人間側からの彼女の識別方法の一つになっている。
 また、一部の異貌幹部の中では現在の彼女は覚醒前だとされている。覚醒へのスイッチが何なのか、覚醒するとどうなるのかなどは謎に包まれている…はず だったのだが、ジハードと共に西方に赴いた際に何事かあったようで多少の変化が生じている。
 性格は相変わらずだが、ほんの少し、本当にほんの少しだけ落ち着きを持ち。能力に関しては変異が発生。
 魔王の持つ「王者としての孤独」を継承する能力を持つとされているが、現在は未顕現のようだ。


能力名 ”制空”
特徴その1:彼女が地上より10メートル以上を浮遊してる際、彼女を中心とした直径4km以内ではあらゆる魔術や魔法、武器や兵器はそれ以上の高度に在る ことを許されない。
特徴その2:一定の範囲内に限り(最大値は不明)重力を変化させられる。

 自身より高い高度への攻撃を防ぐのは相変わらずだが、押し潰すだけだった重力操作を自在に操れるようになった。
 今まで通りに敵を押し潰す事も可能だが、逆に浮き上がらせ成層圏へと吹き飛ばすといったことも可能に。範囲が(本人でも)不明なのも相変わらずで。人間 側の考察では下手をすれば月でも落としてくるんじゃないかとまで言われている。
 とはいえ三度目の相変わらず、範囲外から自分より高い高度で迫る敵には当然能力は行使できないし。敵味方の区別なく広域範囲のため。混戦時では使うだけ 味方にもダメージを与えてしまう。
 そのため戦場での能力の使い所はやっぱり味方が撤退した後の戦場で残党狩りなどが主になる。

暴 食≠フランオット・グレム・リーバ

 

生息地:東方
能力名:暴食
ランク:要塞級
性別:雄
能力:後述
年齢:不明

 


「おーけーおーけー、まァ難しい事はさておいてだ。戦ろうぜ?」


 知恵を持ち言葉を解し、軍団を指揮する異貌の一匹。
担当地域はタカミネ。翼を生やして空を飛ぶ傍ら、地上戦のほうがしっくり来るとのことで自分はもっぱら地上戦派を通している。
人間並の柔軟な思考を持っている傍ら獣本来の直感が失われていない珍しいタイプで、
非常に罠等に敏感であり、そんな感じがする、というだけで本当に人間側の策を見抜いてみたり、
自身の戦闘にも活かされ、最早一種の予知能力レベルで攻撃をかわして見せる等、鋼鉄将軍や撃墜とはまた違った厄介さを持つ。
空は部下に任せ、自分一人だけで地上で突撃かます、その無謀にも見えるスタイルもこの能力に裏打ちされた確固たる自信があるからだろう。
人と獣両方の特性を現すように、姿もまた特殊の一言に尽きる外見。
尻尾は蛇、左足は狼に酷似、右足と左腕及び顔が人のソレ、右腕が熊のような筋肉と分厚い爪、歯は鮫のような乱杭歯……、
等等、元々が何なのかはその姿からは想像が付かない。本人は雑食の狼だと明言しているが、狼らしい要素が一つしか無い。
原型を留めていないその有様は、気に入った物の一部を次から次へと取り込んだ結果。
異貌軍の中でも、ころころと姿が変わるギークに並んで一際その姿は異彩を放つ。
現在の主食は人間。殺すのが好きで好きでたまらず、一種純粋とさえ言える程に殺戮を楽しむ様は、幹部の中では最も異貌らしい。
ただし度が過ぎたら楽しくないとのことで、不必要な虐殺は好まず、場所と時を選んで、相応しい時にのみ実行する。
また、真正面から向かってくる相手には、戦場の礼儀ではなく獣の礼儀として、真正面から受けて立つのを心掛けている。
バルバロイを常日頃から変わり者だの捻くれ者だの散々に言っているが、実は結構似た者同士。仲も悪くない。
元は彼の私兵部隊に在籍しており、其の時に贈与された錆色に塗装されたハルバートは今も己の得物として使われている。
どのような素材で出来ているのか、決して折れず曲がらず欠けず、特殊な能力こそ付与はされていないが非常に頑丈極まる代物。
戦闘力は要塞級の中では上の上に位置し、特異な能力もあってこれからも成長を続け、何れは空母級に辿り着く可能性が高い為、出来れば早々と排除したい。
名剣にも引けを捕らない爪、一度は鋼鉄将軍の身体をも砕き掛けたと謳われ、戦車でも易々と食い千切ってみせる牙と顎、
実際の重量(推定二百キロ弱)を感じさせない獣染みた身の軽さ、身体の捌き方、まさに全身凶器のようなソレを活かしての接近戦を得意とする。
消耗は激しいが自分の魔力を一点に集めてレーザーのように発射する『響(ソニード)』と呼ばれる砲撃を使う事もあり、遠距離戦も不得意ではない模様
『8』と刻印されたブレスレッドを所持。

 能力名、”暴食”
 特徴その1:ありとあらゆるものを捕食可能。
 特徴その2:捕食した物体の特性をそのまま使用可能。
 彼の前では硬度10を保つダイヤであろうと、飛来する弾丸であろうと、形の無い魔力でさえも捕食の対象になる。
 また喰われた物はそのまま彼の能力になり、魔力を喰えば己の魔力量が肥大し、ダイヤを喰えば其の身体はダイヤ並の硬度と化す。
 ただし、下手に硬度が増したとしても間接ごと固まってしまう為動けなくなったり、爆弾を喰ったら自分も爆発する等、万能とは言い難い。
 自分に不利益をもたらすものは捨て、利益になるものはそのまま残す事は可能では有るが、後者もまた幾つかの制限を課せられている。
 例えば吸収する魔力に関しても只管食えばいいわけではなく、自分の体質に合っているか、自分の腹に収まりそうか、
 例えば飛来した弾丸に関しても無作為に食えばいいわけではなく、劣化ウランのようにあからさまな毒物は食えず、
 何にせよ場合によっては腹を下すことから始まり、自分の生命活動に影響を及ぼす程にまで、被害を被ったりもする。
 何かを食って成長を続ける事は可能だが、その何かは何でもいいわけではない。

" 制海"のハシヒメ


生息地:東方
能力名:制海
ランク:空母級
性別:雌
能力:後述
年齢:不明

 


「ウチらの願いは海での平穏な生活。けどまぁ、陸の同胞への義理は果たすっすよ」


 知恵を持ち人語を解し、軍団を指揮する異貌の一匹。
彼女の管轄区は海。海の異貌は知性が低いものが多く扱いが難しいが、旺盛な生命力や巨体など、個体の戦闘能力は高く侮れない。
ハシヒメの異貌軍は知性の高い少数の異貌に海の異貌を調教、使役させ、制御困難ながらも強壮な軍として人類陣営にも知られている。
西の大陸や各都市間の航路を移動中、彼女らの襲撃を受けて沈められた船は数知れず。船乗りの間ではどんな大時化や嵐よりも恐れられている、海の女王であ る。

異貌の種別としては、彼女は所謂「人魚」にあたる。人間の女性の上半身に魚の下 半身というのが本来の姿だが、水分の補給があれば陸上でも活動可能。
外見的には華奢だが、水の抵抗や深海の水圧に適応した強固な肉体は、陸上の生物とはレベルが違う。
とりたて特別な技や武器を必要とせず、純粋なパワーとタフネスでどんな相手とも「戦えてしまう」根っからのバケモノ。
さすがに強度においては鋼鉄将軍に及ばないが、これに加えて亜音速に迫る猛スピードで水中を泳ぎ回るため、海ではほぼ手が付けられない存在。

指揮能力も確かで戦果も挙げている彼女だが、本人が人間との戦争に乗り気かと言 うとそうでもない。
水中呼吸が可能な特殊能力者でもない限り、所詮人間は陸の生物であり、人間と陸の異貌の戦いの結果がどうなった所で、自分達が生き残るのはさほど困難でも 無いだろう、と考えている。
故に鋼鉄将軍などの主要な異貌軍に対しても、義理を果たすように楽に勝てる戦いだけ実行して成績を出し、少しでも不利な状況であればあっさり軍を退く日和 見主義。
ただ、それらを可能とする将としての能力が備わっていることも事実なため、人間側も可能な限り彼女の軍との交戦は避けている。

 能力名"制海"
 特徴その1:河川や海の流れを操作する。
 特徴その2:一定サイズの水面と、海の空間を接続(リンク)させる。
ハシヒメの持つ能力は、リロルの"制空"などと同様、性質の異なる二種類の異能から成る。
特徴その1はそのまま、海流や河の流れを変化させることが出来る。大渦を作って船を沈めたり、滝を遡らせたりと、かなり大規模な変化も可能。
特徴その2はやや特殊で、魔術で言うなら空間操作と召喚を合わせたものに近く、「門」として接続した水面から勢い良く海水が溢れ出してくる。
放置すれば周囲一帯は水浸し。さらに水面と海のリンクを解除する際には、津波が全てを海に引きずり込むかのように、敵対者を「門」の向こう側…すなわち海 中へと放り出すこともできる、危険な異能。
救いとすれば、海に引きずり込む場合の有効範囲がそれ程広くは無いことか。そもそも普段の活動区域が海なので、陸上でこの能力を披露すること自体、滅多に 無い。

 

鋼 鉄将軍<nルトムート・ヨーゼフ・ラインヴァルト・ゲッフェルト

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生息地:東方
能力名:鋼鉄
ランク:空母級
性別:雄
能力:後述
年齢:不明

 


「異貌を殺す人間は、異貌にとって明確な悪である。だが逆も然り。互いに”正義”を名乗り、殺し合おうではないか、人間!」


 知恵を持ち言葉を解し、軍団を指揮する異貌の一匹。
東方において最も苛烈な戦いを繰り広げている戦線、カオス。そこにおいて異貌軍の総指揮を行っているのがこの『鋼鉄将軍』だ。(誰もフルネームを呼びたが らない)
弁舌が達者で人間に対して何らかの宣言や要求を行う場合にも姿を見せる。彼だけで重要事項を決定することもあり、 異貌軍の中でも強大な権限を 持っていると思われる。

その姿は2mを悠に超える巨体で、筋骨隆々の人間型の上半身を常に晒している。
その筋肉を一瞬で鋼鉄並みの硬度に変えるのが彼の能力、小銃どころかミサイルを打ち込んでも傷ひとつ付けられることはない。
通り名は、どれだけ弾薬を打ち込んでも無傷なことに苛立った人間達がつけたらしい。
彼は常に戦線の最も目立つ場所で味方を鼓舞し、異貌軍を指揮する。
部下に鋼鉄将軍をそのまま小さくしたような異貌を複数抱えており、それらを分隊長として動かし、緻密な作戦で人間軍を翻弄するという。
しかし、この命令体系は他の異貌からの評判がすこぶる悪いようである。いわく、ミニ鋼鉄将軍(仮)は恐ろしく性格が悪いのだとか。しかし鋼鉄将軍の命令に は逆らえず…… 異貌も下っ端は大変なようだ。
彼は敵にも味方にも自分にも厳しく、処刑した人間と異貌の数は計り知れない。これは自分勝手な異貌を押さえ、支配体制保持をするためだろう。
過去、サイトウ氏に左胸を撃ち抜かれたことがあるが、その傷をあえて残している。
戦場に生き、戦場に死ぬ、その類の拘りを持っているヤツだとサイトウ氏は語ったという。

因みにミニ将軍は彼が自分の体を媒体にして呼び出した自分自身である。つまり鋼鉄将軍は召還士なのだ。
分け与える体の部位の大きさによってその強さは変化するが、普段は指を切り離している。 そして使い終わったら指に戻す。無機物に近い鋼鉄将軍 ならではの芸当といえるだろう。
性格が悪いのは己の魂までも複製できないためで、今まで処刑してきた罪人の魂を代用として吹き込んでいる。

なお、鋼鉄将軍は現在、人間軍との死闘の後消息不明となっている。

 能力名、鋼鉄
 特徴その1:【身体の一部、または全部を”鋼化”する。】
 一瞬で身体を鋼鉄並みに硬くする。その部位と範囲は自由自在であり、パンチのインパクトの瞬間に腕だけ鋼化させるといったことも可能。
外見上の変化はないため、非常に見分け辛い能力といえるだろう。

 特徴その2:【身体を別の金属と同化。もしくは金属を体と同化させる。】
 硬化に加え、金属との同化も可能。自身以外の金属を自身と見なして同化し、体として操ることが出来る。
 ・金属に分類される素材の壁とかならすり抜け可能
 ・その辺の金属を破損した体の部位に引っ付け、その部位と同じ形にして動かす
 ・同化した体の部位はオリジナルのコア部分と同じレベルまで硬化可能、つまりいくらでも体を複製できる
 などができる。
 コアが残っている限り死なない系、という歩くカオス状態のバグキャラ。ただしコアの劣化だけはどうしても止める音が出来ず、それが原因で最終 的にジャギに砕かれることとなった。

 

ノ ラ

 

生息地:東方
能力名:霊眼
ランク:兵士級
性別:雄
能力:後述

 


「我輩は猫である。……名前はあるけど」


  一見するとただの白い猫。けれど本当は知恵を持ち言葉を解する異貌である。はじめは異貌らしく人間を襲い捕食しようとしたが、現役にいつでも戻れそうな元 ハンターに猫と勘違いされて拾われたのが運のつき、強くなったとはいえ所詮もとがにゃんこでしかなかったためすぐに挫折した。能力ゆえにさまざまな知識を 身につけ、俗物にまみれ、キャットフードや魚にそこそこ満足した今となってはすっかり立派な飼い猫である。野次馬根性の赴くままに、能力を使ってあちこち 覗いている。

能力:霊眼
視力のある一体の生物と同じ視点を見ることができる。その生物の種類は問わず、またいる場所も問わない。目を借りるという表現が近いかもしれないが、対象 の生物になんの変化もないため気づかれることはないに等しい。対象はランダムか、自分が知る生物を選ぶ。一度目を借りた生物なら何度でも選ぶことができ る。能力を使ってる間肉体は休眠状態にあり、何をされようと気づくことができない。けれどだいたいが比較的安全な家にいるので、ご飯を食いっぱぐれるか 誤って踏まれるくらいの危険しかないのである。

 

リ リー・M・コッペリア

 

姓名:リリー・M(マリオネッテ)・コッペリア

所属:タクミ屋
能力名:夢織り
ランク:戦車級以上(推定)
性別:人格は女性的
年齢:15〜5000超
特殊欄:汎用メイド型決戦兵器(浪漫仕様)

 


「ようこそいらっしゃいませ“タクミ屋”へ。楽しい楽しい素敵な暮らしを、皆様の元へお届けしますわ!」


 タクミ屋の開祖が入手した曰く付きの人形が、“トイボックス”の中で時を経て、瘴気によって異貌化し自我と能力を持ったもの。
当初は高濃度の瘴気に当てられて暴走気味だったが、メンバーに倒され、リコリスによって邪気を払われたことで落ち着き、コダマのお仕置きを経てタクミ屋の 一員として快く迎え入れられた。
名前はハクレイによる命名で、姓はボディーとして使っているメイドロボの開発コードから取られている。
年齢は、トイボックスに収められる以前から計算すれば5000歳超という事になるが、異貌化してこの人格が発生してからなら十数年程度との事。精神年齢も それに近い。
銀髪碧眼の美人メイドに見えるが、その体は”夢織り”フ能力によって動いているメイドロボのものであり、本体はその胴体内部にいる小さな西洋人形である。
人形本体のままでも自由に動く事は出来るが、喋る事が出来ない為、タクミ屋で開発中だったメイドロボを借りている。メイドボディーに搭乗中は相手から見え ないが、それでも本体のおめかしも忘れないレディーである。
人形という元の性質からか、周囲の人間に楽しんでもらう事を至上の喜びとしているが、迎え入れられた先もまた、相手に楽しみを提供する事を生き甲斐にして いる変わり者集団だった為、楽しませの相乗でかなり陽気な性格に。
現在は、世界の歴史や現代文化等を教わる傍ら、メイドの姿でタクミ屋の売り子を手伝って、タクミ屋の売上に(かなり)貢献している。


能力名:”夢織り”
自分の魔力を帯びた物品を付与する事で、無生物に疑似生命を与えて動かす事が出来る。
彼女は能力の媒介として主にリボンを用いており、これを対象に(可愛く)結び付ける事で能力を発動している。
織り出された“夢”は、多少の攻撃を受けても能力が働いている限り形状を維持するが、維持能力を超えるダメージを受けるか、あるいは媒介そのものを破壊さ れた場合、“夢”は醒めて元の無生物に戻ってしまう。
周囲の全てが武器となり得る能力ではあるが、本体自身は非力で、なおかつ能力の弱点も明確である為、能力の効果的な運用がポイントになる。
なお、幻術的な力も複合した能力で、元がただの岩の塊であっても、美少女や英霊など、相手には思い通りの姿に認識させる事が出来る。この特性を用いて媒介 の位置を隠蔽することも可能。
ちなみに、彼女が普段ボディーとして用いているメイドロボもこの能力によって動いているが、幻術効果を使用している箇所は表情の変化や肌の質感程度であ り、服飾や、ボディのプロポーション等の仕立ては全て、タクミ屋有志の手によって完璧にエレガントにデンジャラスにコーディネイトされたものをそのままに 活動している。


特殊欄:汎用メイド型決戦兵器 RP-D89『コッペリア』浪漫仕様
リリーがボディとして用いているメイドロボ。それはタクミ屋男性陣の夢と浪漫の結晶である。
そのこだわりは月光のように輝く銀髪の質感とヘアスタイル、ほっそりスマートな頬のラインと女性特有の柔らかな雰囲気の両立、大き過ぎず控えめ過ぎない美 しい曲線を描く胸の膨らみ具合の造詣などに始まり。
デザイン性と機能性の妥協線を限界まで突き詰めたエプロンドレスは、タイや袖口など細部のデザインにまで職人の美学とこだわりを詰め込まれ、服飾品はカ チューシャやスカーフや下着まで全て完璧に、何処へ出しても恥ずかしくない上品な仕立ての品で構成されている。
それら外観のコーディネイトがタクミ屋の売上向上に多大なる影響を与えていることはもはや記載するまでも無いが、恐るべきはこのパーフェクトメイドが実戦 対応型という点である。
ボディー各部やスカート内等、全身に様々な武装や特殊機能をこれでもかと内蔵された『コッペリア』は、単独で一個大隊にも匹敵するとまで言われた戦力(※ 注:言ったのは開発者であり贔屓と誇張が多分に含まれると思われる)を有しており、さらに様々なオプションパーツでそれらを強化/特化/万能化させる浪漫 仕様である。
その(無駄な)充実っぷり故に、全体の重量バランスや動力の出力不足等の問題点が山積みで、当初は企画・設計の時点で既に実用化不可能とされ、事実試作機 はまともに稼働させることも出来なかった。
だが、そこに”夢織り”フ能力を持つリリーが加わった事で状況は一変。リリー本体が搭乗できるよう多少の設計変更は必要だったものの、メイドロボ本体の駆 動に必要なエネルギーを全無視出来るようになった為武装の動力源問題はクリア、重量バランスは”夢織り”能力で強引に解決、という具合に瞬く間にあらゆる 問題が解決され、ついに奇跡の完成を見ることとなったのである。
最終的にはタクミ屋男性陣のほとんどが加わる一大開発プロジェクトと化し、彼らの私財の大半を呑み込んだ『コッペリア』は、それ相応の非常に高い戦闘能力 を有することになった。それをボディーとして使用している状態のリリーは、低く見積もっても戦車級以上には相当するだろうと推定されている。
普段は癒しの担い手だが、敵に回せば、外見的にも武装的にも非常に厄介な相手になるだろう。

??? (アンノウンワン)

 

生息地:東方
所属:不明
ランク:闘士級前後(推定)
性別:雄?
年齢:不明

 


「早ク……コの体ガ……朽ちてシまう前に……!!」


 知恵を持ち言葉を解す、異貌……だと思われているが詳細は不明。
体格は、一般的な成人男性とおおよそ同じか少し上回る程度。かなりいびつな人型をしているが、常にボロボロの布をローブかマントのように身に巻き付け、そ の姿を隠している。
しばらく前から、戦場の近辺を徘徊している所がたびたび目撃されるようになり、異貌軍の密偵か何かではないかとマークされるようになった。実際、監視にあ たった兵士が、ボロ布の下にある異貌の容姿をはっきりと確認している。
しかし、人間と遭遇してもまったく危害を加えようとはせず、逆に積極的に逃がすか自分から逃げるという、密偵にしては不可解な動きを見せる。彼(?)に よって殺害されたと思われる異貌の死体が発見された事もあり、その正体及び目的は、現時点では全く不明。
現在判明している特徴は、大規模な戦闘が行われる(もしくは行われた)場所の近辺に出没すること、常にボロ布にくるまっていること、明らかに扱いにくそう にしながらも、常に一本の刀を携行していること、近付くと酷い腐臭がすることなどである。