上期を振り返る大型優良株相場が来る?ニッポン劇場「第2幕:黄金時代の復活
ブランデス・インベストメント・パートナーズ未来の話ブランド価値と株価銘柄レポート:ラウンドワン
銘柄レポート:豊田自動織機外国株投資よりの撤退生きている証小型株と上半期効果
トウィーディ・ブラウンの日本株投資清算価値バリュー指標の王道PERの呪縛売りは難しい
マネー雑誌の活用法バリュー投資の有効性資金の退避先1億円クラブ身の丈に合った投資
ベンジャミン・グレアムの投資基準最近気になる2つのサイト続・竹田和平成功は失敗の元?
銘柄レポート:積和不動産竹田和平、続テニスと投資銘柄レポート:センチュリー21・ジャパン
チャールズ・ブランデス銘柄レポート:日本SHLスーパーライナードットコム新年の抱負

パーシャル・オーナー


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ショートコラム(2004年1月〜6月)

■上期を振り返る(2004年6月28日)
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少し早いですが、上期を振り返っておきたいと思います。

1月1日付けショートコラムに書いた新年の抱負は
■配当収入を給与所得の10%に近づけたい
週末起業で自分のビジネスを立ち上げたい
■このサイトの訪問者数を倍増させたい
■バリュー株の発掘に努め、株式比率を高めたい
の4つでした。

まず、「配当収入を給与所得の10%に近づけたい」は、銘柄選定時に配当利回りを重視するようになったので、昨年の2.5%から7.6%(給与所得が昨年と同じ場合の予想利回り)に上昇しました。このペースでは、ここ1〜2年で達成できそうです。

週末起業で自分のビジネスを立ち上げたい」は、方法を模索している状態です。Amazon.co.jpのアソシエイト・プログラムへの参加は、ノウハウの集積という意味では有意義でした。よく「どのぐらい収入があるのですか」と聞かれるのですが、「月1回、軽く飲みに行ける程度です」とお答えしています。小遣い稼ぎにはいいのでしょうが、まめに本を入れ替えないと売上が落ちますし、副業というには程遠いです。本が好きだから続いているようなもので、もっと効率がいいものを見つけないといけません。でも、投資とは関係のないCDやDVDまで当サイト経由で買っていただける場合があり、非常にありがたいと思っています。

「このサイトの訪問者数を倍増させたい」はアクセス統計ページにある通り、クリアできそうです。いつも見ていただいている皆さんのおかげです。方法として考えた「個別銘柄レポートを書き、Yahoo!掲示板の個別銘柄トピでPRすること」が思わぬ方向に発展しました。あるところから「月1本銘柄レポートを書きませんか」と依頼を受けたのです(このレポートは有償ですが、興味のある方はメールをください)。

「バリュー株の発掘に努め、株式比率を高めたい」については、4月の株価上昇時に割高となったグロース株を売り、バリュー株の組み入れを増やしました。総資産に占める株式比率は1月の50%から56%まで上昇しました。

このように上期は概ね順調でした。残る課題は週末起業です。


■大型優良株相場が来る?(2004年6月19日)by yukikaze_fundさん
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6月7日付ショートコラム「未来の話」でも書きましたが、近い将来、バブルの記憶が時間の経過とともに薄れ、積極的な値上がり益追求を目的として広く株式投資が普及する可能性は否定できないでしょう。また、インフレによる金融資産の目減りが現実味を帯びてくると、防衛的観点から個人マネーが株式市場に雪崩をうって押し寄せるという状況も考えられます。

では、そうなった時にどういった企業が買われるのでしょうか?個人的にはごく普通の人々が続々と市場に参入してくるようなケースでは、日本を代表する大企業に多くの投資資金が集まるだろうと考えています。初めて株を買おうという人は、とにかく自分の知っている会社に投資しようと考える傾向があるからです。

だとすると、例えばトヨタ自動車・キヤノン・武田薬品・セブンイレブンのようなTOPIXコア30構成銘柄、あるいはそれに準じる各業界の最大手クラスとなる大型優良株が有望ということになりそうですが・・・

※TOPIXコア30銘柄:キヤノン、デンソー、JR東日本、富士写真、日立、ホンダ、イトーヨーカ堂、KDDI、京セラ、松下電産、ミレアHD、三菱東京、みずほ、村田製作、任天堂、NTT、日産自、野村、NTTドコモ、ローム、セブンイレブン、信越化学、ソニー、三井住友、武田薬品、東電、東芝、トヨタ、UFJ


■ニッポン劇場「第2幕:黄金時代の復活」(2004年6月13日)
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ジム・ロジャーズ講演会の概要を掲載しているサイトを見ましたが、「トゥモローズゴールド」のマーク・ファーバーとも同じ予想のようです。
■日本株・・・強気
■中国株・・・長期的に強気
■米国株・・・弱気
■商品 ・・・強気

柄にもなく長期シナリオを描いてみますと、私も米国株には弱気、日本株には強気です。理由は1980年代、90年代に上昇を続けた米国株はPBRが高くなりすぎているからです。その高いPBRを支えていた生産性の向上による高いROE(ROEが高いからPBRが高くてもPERはそこそこの水準に落ち着く)も限界にきていると思います。対する日本株はPBR1倍割れがゴロゴロ、低ROEは資本の論理に目覚めた(あるいは目覚めさせられた)経営者によって改善されるのは間違いないでしょう。単純に考えて、2%のROEを4%に上げると株価は倍になり、それは20%のROEを40%に上げるよりたやすいはずです。資本主義市場において時価総額は通貨の役割を果たしますから、企業価値を高めることができない会社はM&Aの標的になって消え去り、やがて米国市場のようにグレアム銘柄は絶滅すると予想しています。

「上海のバブルはひどい」中国出張から帰国したあるビジネスマンの第一声です。中国株に関しては近い将来ひどいことになるかもしれません。そのときに思い切って買えるかです。不謹慎ですが、買いのタイミングとしては、投資に失敗して黄河や揚子江に身投げする人の数がニュースになったときです。

以上が私の身勝手な予想です。15年間、我が国の株式市場だけが下がり続け、一般人は株式市場を信用していません。そんな中で、海外のバリュー投資家はひっそりと買いを入れています。あの松下が年功賃金をやめ、トヨタはベアを廃止、都銀が外貨預金を派手にPRするなどシティバンク顔負けの悪戯な商売をするようになりました。拙い足取りながら日本企業も変わりつつあり、私にはすごいチャンスに思えるのです。ニッポン劇場「第2幕:黄金時代の復活」はまもなく開演です。


■ブランデス・インベストメント・パートナーズ(2004年6月12日)
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別冊宝島「決算書から見る 出遅れ割安(バリュー)株」」にブランデス・インベストメント・パートナーズ(以下ブランデス社)が減益見通しで売られたファンケルに投資を行い、発行済み株式数の5.05%を取得したことが書かれています。チャールズ・ブランデスがブランデス社を設立した経緯は2004年1月11日のショートコラムに書きましたが、ブランデス社は「証券分析」に書かれているグレアム・ドットの手法を海外市場に適用したパイオニアであり、日本株投資でも有名です。今回はブランデス社がファンドを通じて投資している日本株を取り上げます。

コード 社名 株数 比率
8306 三菱東京ファイナンシャル・グループ
1,334
1.5
8316 三井住友ファイナンシャルグループ
2,020
1.6
9432 日本電信電話
1,793
1.3
6501 日立製作所
2,083,400
1.8
6752 松下電器産業
718,000
1.5
8766

ミレアホールディングス

1,071
2.0
4501 三共
466,500
1.2

旗艦ファンド「グローバル・エクイティ・ファンド」の保有している日本株です(2003年12月末現在)。業績の低迷している三共や日立製作所を組み入れているのが特徴的です。金融株に関しては2003年6月の時点で既に組み入れています。

コード 社名 株数 比率
8381 山陰合同銀行
43,000
1.9
8345 岩手銀行
100
-
8394 肥後銀行
47,000
1.8
8390 鹿児島銀行
46,000
1.5
8380 山口銀行
35,000
1.8
1982 日比谷総合設備
20,000
0.8
1979 大気社
24,000
1.6
5946 長府製作所
9,300
0.8
6586 マキタ
5,000
0.3
4660 ニッポン放送
5,280
1.4
5463 丸一鋼管
22,000
1.5
4921 ファンケル
12,000
2.0
9832 オートバックスセブン
9,900
1.3
8112 東京スタイル
10,000
0.6
3591 ワコール
15,000
0.7

ファンケルが組み入れられている「グローバル・スモールキャップ・エクイティ・ファンド」の保有している日本株です(2003年12月末現在)。地味な銘柄のオンパレードですが、日比谷総合設備、ニッポン放送、東京スタイルは村上ファンドの投資銘柄でもあります。目の付けどころが似ているのでしょうか。

ブランデス社を紹介している「投資のプロたち」の結びにはこう書いてあります。「つまりバリュー投資とは、人気がなく、誰からも好まれることなく市場で売買され、他人は嫌な株式だと思うものを進んで買おうというやり方である。」そしてブランデス社はその通り実行しているのです。

尚、日本では「AIGワールド株式オープン」にブランデス社が運用アドバイスを行っています。「グローバル・エクイティ・ファンド」と同じような銘柄を組み入れており、パフォーマンスも良好のようです。ある意味では貴重な存在ですね。

2007年1月31日追記:ブランデス社については著書「超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術」でもう少し詳しく解説しています。

関連コラム:ついに動いたブランデス・インベストメント・パートナーズチャールズ・ブランデス


■未来の話(2004年6月7日)by yukikaze_fundさん
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インターネットの普及や売買手数料のディスカウント、そして何より昨年来の株価の値上がりで、個人の株取引が盛り上がり見せています。ただ、これは主として頻繁に取引をするタイプの投資家の存在感が増している結果によるものであり、ごく普通の人々が続々と市場参加者になっているというわけではないようです。それゆえ、売買シェアは多少高くはなったものの、保有比率の面ではまだまだ個人の占める割合はさほど高くなってはいません。

日本人の気質からして、株式のような投資元本が揺れ動く商品というのは馴染みにくいものなのでしょうか?実は、過去の証券市場の歴史を振り返ってみると、そういうわけでもないようなのです。1980年代後半には多くの人々が市場に参入しましたし、1925年頃には個人の株式保有比率に占める割合が70%に達した時期もありました。

1990年までの数年間には積極的に利益を追求しようとした人々の資金が、1925年頃にはインフレによる現金価値の目減りから資産を防衛することを目的とした庶民のマネーが市場になだれ込んだわけです。前者は“攻め”、後者は“守り”のための投資といえるでしょう。今は株と縁のないごく普通の人々も、何かのきっかけさえあれば株式市場に大挙して押し寄せるのかも知れません。

■yukikaze_fund(雪風ファンド)さんについて

前月に引き続き、寄稿をいただきました。Yahoo!掲示板のvalue日記を通じて知り合った方で、土地関係にお詳しく、グレアム流バリュー投資を実践されています。


■ブランド価値と株価(2004年5月30日)by yukikaze_fundさん
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ある無名の企業がトヨタ自動車の車と全く同じ品質の商品を開発し、同等の宣伝費用をかけて販売したと仮定します。さて、この商品はトヨタのブランドで売った場合と同じだけの売上をもたらすでしょうか?新興企業が開発した、武田薬品の持つ最先端の技術に匹敵するテクノロジーを駆使した新薬は、容易に医療関係者の信任を得られるでしょうか?

いずれも難しいと言わざるを得ないかと思います。消費者は商品の品質だけでなく、ブランドの信頼性をも重んじる傾向があるからです。このブランド価値という目に見えない資産は、通常日本企業のバランスシートには表れてきませんが、確かに存在し、株価にも影響を与えうると考えられます。

こうした前提に立つと、株価を評価する際には、その企業が長年培い築き上げてきた“ブランド価値”も無視できない要因となりそうです。このブランド力にかかるプレミアムは、住宅や自動車・家電などの高額商品を扱う業界や、生命に関わる分野である薬品セクターにおいて特に重要になるかと思います。

■yukikaze_fund(雪風ファンド)さんについて

Yahoo!掲示板のvalue日記を通じて知り合った方で、土地関係にお詳しく、グレアム流バリュー投資を実践されています。いただいた寄稿も4回目になり、すっかりおなじみになりました。


■銘柄レポート:ラウンドワン(2004年5月29日)
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■はじめに
ピーター・リンチは著書「ピーター・リンチの株式投資の法則」で斜陽産業における偉大な会社群を「砂漠のなかの一輪の花」と称しています。「高成長産業は注目されるがゆえに多くの競争相手が集まり利益が出なくなるが、斜陽産業では弱者が脱落していき残存者は大きなマーケットシェアを得ることになる」がリンチの説明です。ピーター・タスカも著書「日本は甦るか」で「ハイテクかローテクかを問わず、いちばん儲かる分野は、生産性の高い競争相手があまりいないところだ」とほぼ同じことを述べています(2003年8月31日のショートコラムより)。ボウリング場は斜陽産業の最たるものではないでしょうか。今回の銘柄レポートも番外編として、ラウンドワンを取り上げます。

■事業内容
ボウリング、アミューズメント(ゲーム)、カラオケ等を中心とした屋内型複合レジャー施設を運営しています。2004年5月現在で、関西を中心に、繁華街・駅前・主要幹線道路沿いに42店舗を展開しています。全て直営店です。特に、全国に1,000センター程あるボウリング場は、約80%が建設後30年以上経過しており、ラウンドワン以外の新規出店がほどんど見られない状況です。

■業績
2004年3月期は12%増収、11%増益となりましたが、売上・利益とも会社計画を下回りました。第四四半期の既存店不振(特にボウリング)とアミューズメント機器の導入費用、人件費の増加が響いた形となっています。

■財務

  2003年度 2004年度 2005年度 2006年度 2007年度
新規出店数
-
3
8
9
10
当期純利益
4,093
5,074
5,920
9,040
11,990
簡易CF
-
13,266
6,244
12,434
14,972
設備投資
-
5,155
12,200
15,000
13,300
簡易FCF
-
8,111
-5,956
-2,566
1,672
現預金残高
8,981
12,169
3,664
442
506
有利子負債残高
15,556
11,537
8,988
8,332
6,724
実質有利子負債
6,575
-632
5,324
7,890
6,218
自己資本
21,853
26,193
31,179
39,285
50,341
総資産
39,190
42,683
44,634
54,049
64,517
自己資本比率
55.8%
61.4%
69.9%
72.7%
78.0%

ラウンドワンは中期計画の資金計画まで公表しています。上記の表は開示資料よりまとめたもの(金額は百万円単位)で、2004年度までが実績、2005年度からが計画です。2005年度から始まる大量出店により、計画段階で財務内容が悪くなります。特に2005年度、2006年度は簡易FCF(フリーキャッシュフロー)がマイナスで、有利子負債残高も増えていきます。2004年度に念願の実質有利子負債(現預金残高 - 有利子負債残高)ゼロを達成したはずなのですが。

■リース取引

未経過リース料
期間
金額
ファイナンス・リース取引
1年内
4,164
1年超
5,004
9,169
オペレーティング・リース取引 1年内
2,818
1年超
19,895
22,714
合計
31,883

ところが、です。決算短信をよく見るとリース取引がかなり多いのです。この未経過リース料は有利子負債とも考えられますので、300億円以上の「隠れ」債務を持つことになり、今後の大量出店でさらの増えることが予想されます。これはちょっと問題ですね。

■おわりに
ラウンドワンは2002年度にポイント事業やパソコンレンタル事業を手掛けていた子会社を清算して、90億円強の特別損失を計上しています。中期計画の強気さからも、杉野社長は「山っ気」のある経営者と見受けました。同社は事業環境に恵まれていることもあり、出店を行えば利益が上がるのでしょうが、リスクを取り過ぎているようにも感じます。5月28日終値の株価172000円から計算される予想PERは17倍で割高とは思いませんが、投資家の性格により判断の分かれる銘柄となりそうです。

■参考文献
(株)ラウンドワン 2004年3月期 決算短信(非連結)
(株)ラウンドワン 2004年3月期 「現況と今後の展望」
(社)リース事業協会


■銘柄レポート:豊田自動織機(2004年5月24日)
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■はじめに
割安な株が少なくなってしまい、しばらく休止状態だった銘柄レポートですが、面白い投資対象を見つけましたので、久しぶりに書いてみます。銘柄は豊田自動織機(6201)です。ただ、この銘柄はPER15倍以下、配当利回り1%以上という最初の基準から外れてしまうので、番外編とします。

■事業内容
会社四季報は、繊維機械・フォークリフト・自動車組み立て・コンプレッサーが4本柱とありますが、実質的にはトヨタグループの持株会社的な要素が強いです。繊維に関係している点も、ウォーレン・バフェットの経営するバークシャー・ハザウェイを連想するものがあります。

■財務等
この会社で注目すべきところは、所有している有価証券のみと言っても過言ではないでしょう。

コード 社名 時価 株数(万株) シェア(%) 時価総額(億円)
7203 トヨタ自動車
3890
19,672
5.8
7,652
6902 デンソー
2295
6,937
7.8
1,592
7259 アイシン精機
1990
1,965
6.7
391
8015 豊田通商
1029
3,642
12.8
374
7221 トヨタ車体
1609
637
7.3
102
7283 愛三工業
948
958
18.4
90
4062 イビデン
1438
530
4.3
76
5482 愛知製鋼
465
1360
6.8
63
6206 豊田工機
684
920
6.9
62
3116 豊田紡績
1339
350
5.2
46
9058 トランコム
2150
105
10.1
22
6470 大豊工業
908
142
5.7
12
6217 津田駒工業
247
411
6.0
10
8307 UFJ
600000
0.6466
-
38
8316 SMBC
795000
0.42
-
33
7451 菱食
3320
41
-
13
合計
10,584

5月21日終値で、主な所有有価証券の時価総額を集計してみました。合計は1兆584億円となり、これを発行済株式数の32,584万株で割ると1株当たり3248円です。さらに面白いのは、豊田自動織機の株価2300円から時価総額を計算すると7,494億円となり、これはトヨタ自動車の持分7,652億円より低いのです。その他の有価証券や同社そのものはタダで付いてくる計算です。私はトヨタ自動車の買い増しを考えていたのですが、豊田自動織機の方に妙味がありそうです。

■おわりに
トヨタFS証券で「トヨタグループ株式ファンド」という投資信託が売り出されています。申込手数料が1.575%、信託報酬が年0.7245%掛かります。これなら格安ネット証券で豊田自動織機の株を買い、じっとしている方が余程いいですね。

■参考文献
(株)豊田自動織機 2003年3月期 有価証券報告書


■外国株投資よりの撤退(2004年5月23日)
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連休明けにAFLAC(AFL)、シティグループ(C)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)、ファイザー(PFE)、ペトロチャイナ(0857.HK)の5銘柄を売却、外国株投資より撤退しました。

理由としてまず上げられるのは、S&P500クラスでは市場は効率的である点です。市場参加者が多くて質も高いため、あらゆる情報が瞬時に株価に折り込まれる感じがします。持株やウォッチ銘柄が乱高下してから、慌てて英語情報を探し、拙い英語力で必死で翻訳して何となく意味がわかる程度では手遅れです。バリュー株を探してホールドしようにも、90年代に上昇を続けた米国株は割安ではないのです。PBRを見ればよくわかります。残るは小型株になりますが、スクリーニングで聞いたこともないような企業を探して、投資する勇気は私にはありません。そもそも米国市場でPBRが1倍を切るということは、企業の存続が危ぶまれている状態なのです。

米国企業には銀行株を始め、配当利回りの高い銘柄も多いのですが、国外で15%、国内で20%(今は10%)と二重に税金を取られます。日本株と違い、確定申告を行ってもほとんど戻ってきません(外国税額控除で僅かな額が還付されるのみ)。現地のオンライン証券に直接口座を開かない限り、購入の際も割高な購入手数料(DLJでは31.5ドル、ドルを買うための為替手数料も別途必要)が掛かり、手数料・税引後のリターンが低くなります。もし米国株投資を再開するとしたら、次はバンガードのインデックスファンドを買うでしょう。

ペトロチャイナは残しておきたかったのですが、90年代のアジア株ブームで痛い目にあっている私には、書店での中国株投資本コーナーの拡大振りが目に余りました。

で、今後はどうするかと言いますと、目の前にあり、PBR1倍割れ銘柄がゴロゴロしていて、まだまだ株式が疑いの目で見られている、非効率で魅力的な市場に集中します。今は過熱気味ですが、何せ15年間下がり続けたのですから、かなり割安なはずですよ。


■生きている証(2004年5月5日)
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さて、連休の研究発表も終わったところで、たまには株以外のコラムも書いてみましょう。実は私、子供が苦手というか、嫌いなのです。いい年をして独身なのも子供嫌いが関係あるのかもしれません。妹の子供を見ていると、あれだけ手間を取られると自分の時間が持てなくて大変そうです。でも、みんな子供は好きですよね。妻帯者と飲みに行くと「女房は何とも思っていないが、子供はかわいい」と口を揃えて言います。

そこで「何でだろう」考えてみると、普通に就職して、普通に結婚して、普通にマイホームを買って、普通に定年まで勤めて・・・、そんな普通の人々には子供が唯一残る自分が生きてきた証(あかし)だからと思うのです。もう昔の話ですが、ある女の子と京都まで山焼きを見に行って家まで送ったら、家の前でお母さんが待っていて、そのまま上がらされてお父さんに挨拶をさせられたことがありました。最初からそういう段取りだったみたいですが、そのときも「まだやりたいことも決まっていないのに、このまま(家庭を持ってしまい)普通の人生をおくるのは嫌だ」という意識がありました。

私はけっこう一人で調べものをしたり、考えるのが好きなんですよ。普通の人々ができる最低限の社会貢献は「子孫を残して人類の繁栄に貢献すること」だと思いますが、それができそうにない私は「何か後生に残すこと」を準備する必要がありそうです。それが私の「生きている証」になりますから。


■小型株と上半期効果(2004年5月5日)
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効率市場仮説では説明できないような、市場の現象をアノマリー(変則性)と呼びます。4月10日付けコラムに掲載した「バリュー株効果」の他にも「小型株効果」などがあります。今回は神戸大学経営学部のサイトに掲載されていた、極めつけとも言える「上半期効果」を取り上げます。

東証一部 平均月次リターン

上のグラフは東証一部での上半期・下半期における平均月次リターンです。TOPIX・東証一部単純平均ともに上半期はプラス、下半期はマイナスとなっています。ここにはデータを示していませんが、バブル崩壊後の1990年〜2002年についても、上半期に限ればプラスとなっています。尚、TOPIXよりも東証一部単純平均の方が上半期・下半期の差が大きくなっており、この上半期効果は小型株効果が原因ではないかと推測できます。

企業規模別 平均月次リターン

そこでRUSSELL/NOMURA日本株インデックスより企業規模別の月次平均リターンを見ると、予想通り大差がついたのは小型株のリターンでした。こちらは1980年からのデータで、トップ(大型株)に関しては下半期もプラスとなっています。

レポート作者の榊原博士は要因について1月効果(新年効果)や4月効果(新年度効果)を上げ、「上半期にのみ株式投資を行い、7月に現金化(あるいは株式先物を売り建てておき)、後半の半年間は寝て暮らす」戦略を提唱しています。しかしながら、これは一種のマーケット・タイミング戦略にあたり、昨年実行すると底値に近いところで株式を手放したことになります。私は「バリュー株効果」や「小型株効果」は理解できるものの、「上半期効果」はしっくりきませんし、そもそもマーケット・タイミング戦略は成功しないものです。投資家として応用するなら、相場の過熱時には大型株に資金を退避させ、下落時には小型株に資金を振り向ける程度にとどめるのが妥当であると思われます(と神戸大学の偉い先生に反論してしまった (^^; 。

参考文献:我が国株式市場における上半期効果(注:リンク先はPDFです)


■トウィーディ・ブラウンの日本株投資(2004年5月4日)
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トウィーディ・ブラウンTweedy, Browne)はグローバル・バリュー・ファンドを運用しており、その中で9.6%が日本株に投資されていので、トウィーディ・ブラウンのバリュー投資がどういうものか伺い知ることができます。

コード
社名
株数
備考
1 8573 三洋信販
1,483,200
3
2 8515 アイフル
487,960
7
3 4507 塩野義製薬
2,777,000
7
4 4523 エーザイ
1,255,900
8
5 8564 武富士
484,070
-
6 4660
ニッポン放送
634,000
-
7 6406 フジテック
5,251,000
2
8 6960 フクダ電子
747,600
3
9 7279
日本ケーブル・システム
1,203,000
7
10 4526 理研ビタミン
718,000
5

このファンドは3月末日現在で38銘柄の日本株に投資しており、上の表がトップテン銘柄です。備考欄はファンドのアカウントと思われる「メロンバンク・トリーティー・クライアンツオムニパス」の四季報株主順位です。私はこの組み入れ銘柄を見て、思わずうなってしまいました。もともと不人気な上、業績悪化で売られていた金融業界の「みにくいアヒルの子」消費者金融を3社も組み入れているのが印象的です。本来の収益力に比べて時価は割安と判断したのでしょうか。他にも、業績は一時的に伸び悩んで嫌われているものの、財務内容は申し分なく、ブックバリューを下回っている会社を選んでるケースが多いです。

こうして見ると、バリュー投資のお手本のようなファンドで、過去のパフォーマンスもいいようです。そういえば、ジョン・トレインが「ファンド・マネジャー」でこんなことを言っていました(「マネーマスターズ列伝」では言い回しが変更された、残念な箇所です)。「ほんとうに有望な銘柄というものは、それを買う時点では、風変わりで得体が知れないとか、危険で厄介な銘柄に見えるものである。そんな買い物をすれば、回りから「あんなつまらない銘柄をよくもまあ」とか、「半年ぐらいは泣かず飛ばずさ」という評価が得られればいいほうだ。だが、ある一定の月日がたつと、今度は誰もが、かつてはつまらなかった銘柄に理解を示し、好きになり、ついには熱狂的に乗ってくる。だが、それから買うのはもう遅い。」


■清算価値(2004年4月30日)
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米国スティール・パートナーズの投資ファンド「ジャパン・ストラテジック・ファンド」によるユシロ化学工業、ソトーへのTOBは「敵対的買収が感情的になじまない」とされていた日本市場に風穴をあけました。これを契機として敵対的TOBの増加が予想されますが、このような投資ファンドは低PBRのキャッシュリッチ企業を狙ってくるので、実はグレアム流バリュー投資と相性がいいのです。そこで今回はグレアムの投資基準である「清算価値」を取り上げます。

資産の種類 対簿価の清算価値(%)
レンジ 平均
現金資産(時価ベースの有価証券を含む)
100
100
売掛金
75〜90
80
棚卸資産
50〜75
67
固定資産及び雑資産
1〜50
15

ベンジャミン・グレアムは「証券分析」で資産の種類による清算価値を上記のように定義しており(660ページ)、「バリュー投資入門」も同じような数値です(63ページ)。例として、フジックスの中間連結貸借対照表(16年3月期)から清算価値を計算してみました。単位は千円です。

科目
簿価
金額
現金及び預金
2,243,624
100
2,243,624
受取手形及び売掛金
1,676,408
85
1,424,947
有価証券
999,379
100
999,379
棚卸資産
2,641,897
50
1,320,949
その他流動資産
125,231
0
0
有形固定資産(土地)
266,959
70
186,871
有形固定資産(土地以外)
1,133,238
0
0
無形固定資産
57,196
0
0
投資有価証券
740,273
100
740,273
その他資産
603,617
0
0
資産合計 10,487,826   6,916,043
       
流動負債
748,348
100
748,348
固定負債
247,578
100
247,578
負債合計
995,927
100
995,927
       
清算価値
9,309.256
  5,920,116
       
時価総額
3,640,640

売掛金はもっと回収できると思うのですが85%とし、棚卸資産は50%の想定です。有形固定資産は土地は売れると考えたので70%で計算、それ以外(建物、機械装置など)は無価値としました。投資有価証券は株価が上がっているので100%評価です。その結果、フジックスの清算価値は59億円となり、株価496円(4月28日終値)で計算した時価総額の36億円を大幅に上回っています。同社の場合、一族の持株比率が高いので敵対的買収は難しいかもしれませんが、グレアムいわく「事業を継続させるより清算してしまったほうが価値が高い」企業であることは事実です。


■バリュー指標の王道(2004年4月24日、4月30日グラフ化)
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4月18日付けコラムで「中途半端にPERに”入れ込む”のは時間の無駄である。」という渡辺幹夫氏の考え方を取り上げました。では、バリュー指標の王道は何でしょうか?

一般的にバリュー株とグロース株の分類にはPBR(株価純資産倍率)が使われます。RUSSELL/NOMURA日本株インデックスにおけるバリューとグロースの区分もそうなっています。低PBR銘柄のパフォーマンスの良さは4月10日付けコラムでも実証されていますが、今回はバリュー投資戦略を採用しているトウィーディ・ブラウンTweedy, Browne)のWHAT HAS WORKED IN INVESTING(注:リンク先はPDF)からグラフ化したもので、S&P500銘柄に対する超過リターンを表しています。「カウンターゲーム」にもこの小冊子の要約が掲載されています。

低PBR銘柄の超過リターン
注)「1.4- 」はPBR1.4-1.2を表す。一番右の「0.66」は正味流動資産の66%(ネット・ネット株)。

調査対象は時価総額100万ドル以上(合併・倒産企業を含む)の企業で、さらに負債が株主資本に対して20%以下の銘柄を選び、1970年から1981年まで毎年4月末に構成されたポートフォリオを12年間観察したものです。ご覧のように低PBR銘柄は高PBR銘柄やS&P500銘柄を打ち破るリターンを上げており、グレアム流の銘柄選定基準(正味流動資産の66%:グラフの一番右)のリターンも素晴らしいものがあります。

累積投資リターン

同じくトウィーディ・ブラウンTweedy, Browne)のWHAT HAS WORKED IN INVESTINGより国別のバリュー投資とグロース投資の累積投資リターンの差をグラフ化しました。1981年1月から1992年6月まで11年半の結果では、全てのマーケットでバリュー株がグロース株を打ち負かしています。今の日本にはPBR1倍割れの銘柄がまだまだありますから、そういう意味ではチャンスかもしれません。


■PERの呪縛(2004年4月18日)
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投資方法毎のパフォーマンス

もう一度、このグラフを見てください。日本市場の場合、バリュー指標のインデックスに対する超過リターンでは以外と低PER銘柄のリターンが良くないのがわかります。

理由としては、
■景気循環株については、低PERが割安な株価を表すとは限らない
■一時的に発生する営業外、特別損益などを反映していまう
が上げられます。

バリュー指標の参考にするならPCFR(株価キャッシュフロー倍率)の方が良さそうです。機関投資家のファンドマネージャーである渡辺幹夫氏は著書「ファンドマネージャーの株式運用戦略」で「投資家はPERにこだわるあまり、株式投資において遠回りをしてはいないだろうか。PERで説明できる銘柄に投資することこそ、まじめな、正しい株式投資であると誤解していないだろうか。”PERの呪縛”は、株式投資の初心者が陥りやすい誤ったパターンなのだ。中途半端にPERに”入れ込む”のは時間の無駄である。この点だけはぜひ認識しておいて欲しいのだ。」と述べています。渡辺幹夫氏曰く「株式を分析する上で有意義な指標と、株式運用において収益が上がりやすい指標とでは、別の次元の話である。」そうで、投資家としては考えさせられる一言です。


■売りは難しい(2004年4月17日)
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株は、本来資産として持つものです。だから、私は買った株を売りたくはないのですが、この4月の相場はどう見ても過熱気味で、昨年10月の再現に思えました。バイ&ホールドをよしとしていた私は、割高感の出ていた株を持ち続け、11月の反落を受けたのです。「部分的に売っておくべきだった。あの失敗は繰り返したくない。」そう思った私は、サンシティ、CSS、ダヴィンチ、パルと持株を売却していきます。するとどうでしょう。売却した株はその後も上げ続けたのです。「う〜ん、悔しい」そう思っても、後の祭りです。今回の失敗は短期間に全て売却してしまったことで、部分利食いに止めるべきでした。

これからは、持株の妥当株価を自分ながらの基準で算出して、一部売却を開始するイエローゾーン、全て売り切るレッドゾーンを予め決めておくべきだと痛感しました。しかしながら、売りは本当に難しいです。


■マネー雑誌の活用法(2004年4月11日)
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普段は立ち読みもしないマネー雑誌ですが、昔こんな活用法を考えたことがあります。

1.どれか一つを定期購読する。
2.当月号を買うと、先ず2年前の同月号を読み、ピックアップされている銘柄をチェックする。
3.その銘柄が当月号でも取り上げられているかチェックする。
4.取り上げられていなければ業績と株価を調べる。
5.業績は好調なのに株価が下がっていれば(もしくは横這いでも)その銘柄を買い候補に入れる。

この方法の難点は、実施できるのに2年掛かること、雑誌の保存スペースが要ることです。アイデアとしては面白いと思ったのですが、実現には至りませんでした。


■バリュー投資の有効性(2004年4月10日、4月11日一部修正)
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バリュー指数とグロース指数

上のグラフはRUSSELL/NOMURA日本株インデックスを用いた我が国の株式市場のパフォーマンスです。グラフの開始時点は1979年末ですが、2004年3月末で全銘柄は332、バリュー株は652、グロース株は154と、バリュー株とグロース株(修正PBRで分類)では大きな差がついていることがわかります。グロース株に投資した場合は、20年以上株式に投資して1.5倍(インフレを考慮すると実質的にはマイナスかもしれません)だったのに対し、バリュー株では6.5倍と悪くない数字です(注:この箇所を4月11日に修正しました。当初は「人生と投資のパズル」19ページのグラフをスキャナで読み込んで貼り付けていましたが、RUSSELL/NOMURA日本株インデックスデータをダウンロードして2004年3月末までのグラフを作成しました。標記も最新データに基づき変えています)。

投資方法毎のパフォーマンス

次はどの投資方法のパフォーマンスが良かったかを示すグラフで、インデックスに対する超過リターンを表しています(ニッセイ基礎研究所「万人のための年金運用入門」より作成)。高配当利回り銘柄と低PBR銘柄のパフォーマンスが良好で、低PCFR(株価キャッシュフロー倍率)銘柄がそれに続きます。「ウォール街で勝つ法則」ではダントツの低PSR銘柄のパフォーマンスが良くないのは、日米の違いを表しているようで興味深いです。

1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998
高配当利回り
10.7
8.3
8.7
12.2
11.3
4.4
11.4
4.3
-8.0
18.7
低PBR
12.7
13.5
7.7
7.0
14.3
11.2
7.4
5.1
-18.1
24.3
低PCFR
6.2
7.8
7.1
11.7
6.3
2.1
8.9
7.7
-1.0
23.0
低PER
11.3
14.0
6.5
9.6
4.8
-8.9
7.3
5.2
1.9
19.6
低PSR
8.1
6.4
8.9
3.2
5.4
3.3
5.8
0.5
-23.9
19.2

1999 2000 2001 2002
高配当利回り
-4.8
12.2
17.5
11.6
低PBR
3.4
9.8
11.6
8.5
低PCFR
-1.0
11.5
11.0
5.9
低PER
-0.4
3.1
9.9
1.8
低PSR
-3.6
2.7
6.2
4.3

年単位でのインデックスに対する超過リターンの比較です(ニッセイ基礎研究所「万人のための年金運用入門」より)。1997年は平成金融恐慌(山一証券、拓銀破綻)があり、1999年はインターネットバブルの年です。一時的に悪い年があっても翌年にすぐ盛り返しているのがわかります。

これらのデータにより、バリュー投資の有効性は説明できると思います。 何も難しく考える必要はありませんね。


■資金の退避先(2004年4月4日)
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困ったことに、最近のマーケット氏はややはしゃぎ過ぎのようです。私は一度買った株をあまり売りたくないのですが、先週は上機嫌のマーケット氏に一部の株をお買い上げいただきました。予想PER25倍以上を売りの基準にしています。相場のピークを読むことは不可能ですが、さらに上がれば追加で売ることになり、資金の退避先を考えておく必要に迫られています。

そこで、案としては
■高利回り株に乗り換える
■海外の高利回り株を買う
■低PBR株を買う
■ETFを買う
■J-REIT
■収益不動産を買う
■現金で持つ
が浮かんでいます。

まずは銘柄の入れ替えで対応する方法です。財務内容が良く、配当利回りが3%以上の銘柄はまだあります。割高となったグロース株を配当利回りの高い株と入れ替えることにより、相場下落時のショックを和らげ、さらに上昇が続いた場合もそれなりのパフォーマンスを得ることを狙います。さらに海外にはもっと配当利回りのいい株があります。円高を逆手に取り、外国株を増やすのも一案です。少しですがベトロチャイナを買い増しました。

もう一つは、グレアム流バリュー投資の実践です。ベンジャミン・グレアムは天国から満足げに微笑んでいるに違いありません。東洋の小国で、自分が70年前「証券分析」に書いた投資理論が未だに通用しているのですから。グレアムなら好んで買ったような低PBR株はバリュー株ブームでほとんど上がってしまいましたが、割安なものも残っています。持株では東部ネットワークがそうです。

他の方法は、「バリュー投資入門」に出ていたデフォルト(退避)戦略で、適当な投資対象を見いだせないときはインデックスを買うというもので、今ではETFを買うことになります。これはどちらかと言えばプロ向けの方法です。

マーケット氏はJ-REITにまで手を伸ばしたようです。不動産で配当利回りが4%前後とは、ちょっと買えないですね。倍以上の利回りを目指して収益不動産(中古アパート一棟売り)を買う方法もありますが、素人が手を出すには勇気のいる分野です

現状では、割高な株を売却して、半分を高利回り株と低PBR株に回し、残りをキャッシュポジションとして持っておくのがいいように思っています。ドル・コスト平均法の投資(るいとう等)を除き、新規資金を投入するのは避けるべきでしょう。ジョン・トレインは「マネーマスターズ列伝」でこう述べています。「市場全般の相場水準が高いと思ったら、手を出さすに休むこと。二、三年たてばほぼ間違いなく、次の弱気相場がやってくる。」


■1億円クラブ(2004年3月27日)
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このところの上昇相場で、ネットで交流のある個人投資家の方から「資産が1億円を突破した」という声を聞くようになりました。投資家としては一つの目標となる額ですが、私的には「1億円なんて夢物語」と思っていただけに、始めて1億円という金額を意識しました。

さて、どうやって1億円クラブに入会するかですが、「「お宝不動産」で金持ちになる!」に興味深いことが書いてありました。総務省の統計から高額所得者の収入を調べてみると、事業収入と地代・家賃収入が大半を占めているという結果です。 つまり、日本で金持ちになる方法は、
■自分で事業を起こす
■不動産を経営する
のどちらかになります。
一般論として、株式投資では金持ちになれないのです。「パーシャル・オーナー」の副題に「株の長期保有による資産形成」とつけている私には残念な結果で、「なぜ、そうなるのか」理由を検証してみたいと思います。

まず、事業収入ですが、脱サラして自ら事業を起こすのはハイリスクです。創業期を乗り越えても、自営止まりではサラリーマンより収入は低く、休めないという悪循環に陥ります。不動産投資については、まともな不動産投資は事業として成立するところが株式投資との最大の違いです。事業として扱われるので、銀行融資が受けることができ、「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ」に書いてある通り、税金面でも優遇されています。空室等のリスクもありますが、通常は空室率を計算していますから、収入は安定しています。その上で、銀行融資というレバレッジが効きます。いつの時代でも銀行預金をする人は貧乏で、銀行から借金する人は金持ちなのです。

一方で株式投資は事業になりません。あなたが株式投資の事業計画書を作成して、銀行の融資窓口に行っても「頭がおかしくなったのでは」と思われるだけでしょう。値動きも短期的には不安定で、計算できるのは配当収入ぐらいです。株式投資で利益を上げるには長期投資になり、サラリーマンが株式投資で1億円の資産を築くのは難しいと感じるようになりました。株式投資はあくまで余資活用であり、月々のキャッシュフローを増やさない限り、1億円クラブへの道のりは遠いです。

結局、サラリーマンのまま1億円を目指すには、不動産投資が主で株式投資が従なのか、最近はそう考えることもあります。発想の転換が必要なのかもしれません。


■身の丈に合った投資(2004年3月26日)by yukikaze_fundさん
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日本の投資家を扱った著作などを読んでみるとわかりますが、実は歴史に名を残すような大物相場師であっても、最後まで一流の投資家としての地位をまっとうできた人物はごく僅かです。いっときは市場に勇名を馳せても、結局はその後の失敗で破産や自殺などの哀れな末路を辿った人物が意外にも多いためです。

このような悲劇は主として、成功によって手にした財産と信用を最大限に駆使して次の相場に向かうということを、ひたすら繰り返した為に起こっています。より大きなリスクを取り続ければ、いつかは取り返しのつかないことになるのは道理ですが、成功に酔ううちに過信が生まれ、リスク感覚が麻痺してしまうのでしょう。

平時であれば理解できることも、熱狂の中で見えなくなるというのは、誰にでも起こりうることかも知れません。そうならないためには、心理面での自己管理が重要です。決して熱くなり過ぎず、冷静に市場を見つめ、常に身の丈にあった投資を心がける・・・、言葉で言うのは簡単ですが、これを守るためには相当に強い精神力が必要です。

■yukikaze_fund(雪風ファンド)さんについて

yukikaze_fundさんからの寄稿も3回目になります。Yahoo!掲示板のvalue日記を通じて知り合った方で、土地関係にお詳しく、グレアム流バリュー投資を実践されています。実は3月上旬のオフ会でお会いしたのですが、掲示板でやり取りをしていると、初対面という気がしないのは不思議ですね。


■ベンジャミン・グレアムの投資基準(2004年3月20日)
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ベンジャミン・グレアムは「賢明なる投資家」で防衛的(保守的)投資家には2つの選択肢があると述べています。一つ目はダウ平均採用銘柄を全て同じ株数だけ買う方法、二つ目は質的・量的基準の適用です。この時期(1970年代初頭)にインデックス投資の有効性を認めていたことは注目に値しますが、質的・量的基準として以下の七つをあげています。
1.適切な規模
2.財務状況が十分に良い
3.過去最低20年間、継続的に配当がある
4.過去10年間、赤字決算がない
5.1株当たり利益が、10年間で最低1/3伸びている
6.株価が純資産価値の1.5倍以下(PBR1.5倍以下)
7.株価が過去3年の平均収益の15倍以下(PER15倍以下)
特に、株価収益率(PER)と株価純資産倍率(PBR)については、掛け合わせたものが22.5を越えてはならないとしています。要するに、財務内容のいい大企業である程度成長しているものを割安な水準で買えば満足できるという考え方です。

グレアムの投資基準は「証券分析」出版時の緻密なものから、段々とシンプルになっていくのですが、最終的には3つの基準にまとめられます(「マネーマスターズ列伝」より)。
1.1株当たり純流動資産(流動資産 - 流動負債)の2/3未満で買い、1株当たり純流動資産と同水準まで上がったら売る
2.固定負債を上回る純資産価値があり、益回り(PERの逆数)がAAA社債の現行利回りの2倍以上
3.固定負債を上回る純資産価値があり、配当利回りがAAA社債の利回りの2/3以上

さて、これを今の日本市場の当てはめるとどうなるでしょうか。バリュー株も上がってしまいましたが、1株当たり純流動資産の2/3未満の銘柄は探せばありそうです。問題は債券金利で、異様な低金利を適用すると、ほとんどの株が投資対象となりますので、最もらしい配当利回りのJ-REIT平均の4%で代用します。グレアムの投資基準を私なりにアレンジしてみますと
1.1株当たり純流動資産(流動資産 - 流動負債)の2/3未満
2.益回り(PERの逆数)が8%以上(PER12.5以下)
3.配当利回りが2.7%以上
となります。

これでも厳しい基準で、投資対象が見つからない場合は債券金利を日本ビルファンド(J-REIT指標銘柄)の3.55%(2004年3月19日現在)で代用するなどの「柔軟性」が必要です。尚、私の元々の投資基準はPER15倍以下、配当利回り1%以上という、比較的緩いものです。

「ベンジャミン・グレアム:株の本(投資書籍)」 はこちらです


■銘柄レポート:ユークス(2004年2月28日)
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■はじめに
私はプロレスが好きで、たまに見に行ったりします。昔は国民的娯楽で金曜・土曜のゴールデンタイムにTV放送がありました。今では放送も深夜になりメジャーではなくなりましたが、熱心なファンは残りました。新日本プロレスには株式公開の話がありましたし、先日ジャパンツアーを行ったアメリカのWWEは上場しています。日本では衛星放送開始によるコンテンツ争奪戦を見越して、団体が乱立した時期もありました。今回の銘柄レポートはプロレスゲームのユークスです。

■事業内容
家庭用ゲームソフトの会社です。プロレスゲーム以外にも、プロレス映像DVDや海外人気ソフトの発売などを行っており、北米や欧州といった海外向けが多いのが特徴です。主なタイトルとしてエキサイティングプロレス5ファイテイング・ニモが上げられます。

ユークスの主力タイトル
エキサイティングプロレス5 ファイテイングニモ

■業績
ここ数年は順調に売上を伸ばしてきましたが、2004年1月期の会社予想は5%増と控えめです。輸出が多いので為替差損が懸念材料です。実際はどうだったのか決算発表が待たれます。

■財務
中間決算短信では、売上総利益率68.7%、経常利益率41.1%です。ゲームソフトの会社は大した設備投資が要らないので、商品が売れると高収益企業になります。短期借入金が13億円ありますが、何に使うのでしょう。

■指標
2月17日終値の623円で計算して時価総額35億円、当期純利益3億5千万円(会社計画)、予想PER10倍です。中間期BPSは313円とPBRでの割安性はありません。まだまだ成長途上の企業であり、将来性を見込んで投資を行うならPER10倍は割安で面白い企業かもしれません。コンテンツや版権事業への取り組みも評価できます。ただ、ゲームソフトが不安定な業種であり、ユークスは配当利回りやPBRというバリュー面での歯止めがないことだけは留意したいものです。

■参考文献
ユークス 中間決算短信


■最近気になる2つのサイト(2004年2月22日)
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日経新聞の「電縁の時代」に掲載されたのでご存じの方もあるかと思いますが、「デル通」というサイトがあります。アフィリエイト・プログラムを利用してデルのパソコンを紹介するサイトですが、約半年で1億4千万円を売ったとは驚きです。デルの紹介料は通常1%なので粗利益は140万円程度ですが、在庫リスクや発送トラブルとは無縁ですから、副業としては悪くないかもしれません。サイトを見ますと、運営者が特にパソコンに詳しいとは思えないのですが、確かに消費者の視点で紹介がされています。デザインはプロですね。私も職場では、自社サイトを運営する側にあり、「作る方の都合でなく、消費者の立場で考えよ」と言われているのですが、なかなかそうはいかないのです。

もう一つの気になるサイトは、しんさんの日記で紹介されていた「金持ち兄さんへの道」です。いわゆるお小遣い系サイトですが、開設して2年足らずで1千万円以上を稼いでいます。サイトを見ますと、とにかく内容が半端でなく、日記でも「何時間掛かったのだろう」と思うほどびっしり書いてあります。他にはおすすめ証券会社にアフィリエイト・プログラムに参加していない内藤証券を取り上げたり、「ウェブサイトの更新より、愛する人や家族と過ごす時間を大切に」といった意味合いのことが書かれていたりして、「金持ち兄さん」の人柄みたいなものを感じました。

年初のコラム「新年の抱負」にも書きましたが、今年は「週末起業で自分のビジネスを立ち上げたい」という目標があり、この2つのサイトから刺激を受けたことは確かです。インターネットを使って自分のビジネスを立ち上げたいと考えている方には、必見のサイトでしょう。


■続・竹田和平(2004年2月9日)
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ジャパニーズ・インベスターというIR情報誌があります。最新40号の特集「世界の名投資家に学ぶ!株式投資の極意(PDFで閲覧可)」に竹田和平氏が登場しているのですが、個人投資家の視点で捉えた、充実した内容のインタビューとなっています。

■大企業の子会社は買ってはいけないのです。親が腐ると下も腐るからです。だから小さくてもキチンと独立した会社の、それも安値を買って行くんです。
■(情報源は)会社四季報だけなんです。四季報が間違えたら、ぼくも間違えると。そういう覚悟さえ持っていればいいんですよ。
■企業を育てる花咲投資家を目指すなら、値上がりしそうな株は買ってはいけないと思うのです。値上がりしそうに思える株というのは、実際にはすでに値上がりしてしまっている株だからです。つまり、値下がりする危険の高い株なんです。
■みんなが見放してしまって、もうこれ以上は下がっても底がしれているなという株を買うんです。値上がりしそうにもない株を、買い支えてあげるんです。そうすれば、きっといつかは値上がりするんです。
■花咲じいさんは、枯れ木に花を咲かせるから喜ばれるのです。青々と勢いよく青葉が茂った桜の木には、花咲じいさんがいかにがんばっても花を咲かせることはできませんよね。
■企業にとって、いちばん大切なものは、資本金でも社長でも社屋でも従業員でもありません。大切なのはDNAなんです。日本語で言うと、会社の理念なんです。
■あまり儲けられない人が勘違いする点なのですけどね。夢を見て投資をしてはいけないのですよ。企業は、昨日も今日も存続しているのです。それを夢と言って、投資する人が勝手な期待を膨らませて、目を曇らせるからいけないのですよ。冷静に、昨日の数字、今日の数字を見て判断する。そうして下がりきった割安株だけを買うようにする。そうすれば、投資で失敗する危険性は、とても少なくすることができるはずなんですけどね。
■たとえ千株しか買わないにしても、株主になるというのは会社の小口の旦那になるということです。番頭である経営者がきちんと仕事をしているかどうかが、配当金の継続に現れます。その上で配当利回りが高いことが、投資対象にするには重要ですね。借金があまり多くないこと、純資産倍率が低いこと、そして過去の安値圏水準に近いことも重視しています。

引用が長くなりましたが、ついに竹田和平氏が本心を語ってくれました。竹田和平氏の紹介本「日本一の大投資家が語る大貧民ゲームの勝ち抜け方」は一般向けには読みやすい内容ですが、私が不満なのはここまで踏み込めなかったからです。竹田和平氏を「単なる株好きの金持ちじいさん」と思っている方は、そろそろ考えを改めるべきですね。竹田和平氏は信念ある本格派の個人投資家です。「日本のバフェット」と称されることがありますが、私のイメージはジョン・ネフ(「帝王の投資哲学」が詳しい)に近いです。そして私もそこのあなたも、竹田和平氏いわく「勝手な期待を膨らませて」投資する「勘違いしている儲けられない人」なのかもしれません。

「竹田和平(2004年1月24日)」はこちらです


■成功は失敗の元?(2004年2月8日)by yukikaze_fundさん
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三井鉱山に対する世間のイメージはどのようなものでしょうか?最近では、産業再生機構がらみで頻繁に名前が挙がりますので、一般にあまり良い印象は持たれていないでしょう。過剰債務などの深刻な問題を抱えている同社ですが、実はかつて三井物産・三井銀行と並んで三井グループの重鎮の地位にありました。
そんな同社がなぜこうも変わり果ててしまったのでしょうか?その原因を探るためには、終戦直後まで時間を遡る必要があります。

占領政策による財閥解体の流れの中で、三井鉱山は分割・整理の対象となり、非鉄金属部門(現三井金属鉱業)を分離し、石炭専業の企業に生まれ変わりました。同社の石炭部門は高収益の優良炭層を保有していたので、これを本体に残したのは当時としては合理的な経営判断だと思われたわけです。
ところが、のちのエネルギー革命は、石炭を過去の資源へと変えてしまいました。他社が思い切った変革への対策を講じるなか、同社の対応は後手にまわります。高い利益率を誇る石炭部門を保有していたために、かえってそれに固執して転進が出来なかったのです。

◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

このように、過去の成功体験ゆえに不幸にもその後の選択を誤るというようなケースは、株式投資の世界においても多いのではないでしょうか?あなたが昨年来の上昇相場で笑いが止まらないのなら、注意が必要かも知れません。好事魔多し、成功は失敗の元でもあるのです。

◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  ◆  ◇

さて、その後の三井鉱山ですが、業績悪化による人員整理が労働争議を激化させ、さらに大規模な事故が追い討ちをかけるように経営を直撃しました。こうして、かつては三井物産と肩をならべたほどの名門企業の面影は消え去りました。

■yukikaze_fund(雪風ファンド)さんについて

Yahoo!掲示板のvalue日記を通じて知り合った方で、土地関係にお詳しく、グレアム流バリュー投資を実践されています。昨年9月の「インフレリスク」に続く、2回目の寄稿をいただきましたので掲載します。


■銘柄レポート:積和不動産(2004年1月25日)
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■はじめに
私は不動産関係のフィー(手数料)ビジネスを行っている企業に注目しています。「地価はまだ下がる、賃料回復の兆しが見えない」そんな声の中、在庫(販売用不動産)の少ない積和不動産のような会社の株価までが低迷するような状況を、投資家として好ましいと思っているからです。では積和不動産について見ていきましょう。

■事業内容
積水ハウスが建設した賃貸アパートをオーナーから借り上げ、それを入居者に転貸(また貸し)する「サブリース」が主な事業で、関東地区がテリトリーです。要するに大家さんに変わって入居者の募集、入居者からのクレーム処理、建物のメンテナンス等を行い、手間賃を頂戴するフィービジネスです。満室時賃料の90%をオーナーに払い、賃料の90%超過分と敷金、礼金、更新料、共益費が積和不動産の取り分となります。契約期間は10年が基本で、賃料は2年毎に見直されます。薄利多売ビジネスと言えそうですが、敷金を積和不動産が受け取るところがポイントですので、憶えておいてください。

■業績
親会社の積水ハウスとの関係が悪化、業績が伸び悩んだ時期もあったそうですが(95年〜99年)、山林社長就任後は関係を回復して、近年は業績を伸ばしています。入居率もこの7月中間期で96.9%を誇り、関東平均と言われる93%を上回っています。

■財務
フィービジネスがメインなこともあり、不動産関係にも関わらず、無借金経営です。しかも預貯金が165億円(7月中間期)と潤沢で、有効活用を模索しているそうです。その一環として、自社所有マンションへの投資(定期借地権事業)を始めました。既に70億円を投資済みですが、近い将来に140億円まで増やし、12億円程度の収益(同社の人件費に相当)を見込んでいます。尚、積和不動産がキャッシュリッチな理由は入居者から徴収した敷金が原資で、貸借対照表の固定負債を見ると「預かり敷金・保証金」として135億円が計上されています。

■指標
1月23日終値の914円で計算して、予想PER8.4倍です。当期純利益22億円(四季報予想)の会社が時価総額186億円です。その会社に165億円の預貯金があります。135億円の預り敷金・保証金は負債ですが、同社の管理する賃貸アパートが一斉にでも解約されない限り流失しません。つまり資金を調達して積和不動産の買収を行い、預貯金を吐き出させて返済すれば21億円で当期純利益22億円の企業が手に入ります。積水ハウスが株式の過半数を握っているため実際は不可能ですが、株価は被買収価格とも言えそうです。

■おわりに
実は積和不動産グループにもっと割安な会社があります。それはご自分で調べてみてください。

■参考文献
積和不動産 中間連結決算短信
丸三レポート トップインタビュー

割安不動産株投資:積和不動産 - 前編
割安不動産株投資:積和不動産 - 後編


■竹田和平(2004年1月24日)
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竹田和平氏の紹介本「日本一の大投資家が語る大貧民ゲームの勝ち抜け方」が売れているようです。私は少し物足りなかったのですが、一般の方には読みやすい内容だと思います。

保有銘柄についてはJ_Coffeeさんがまとめられています。
大株主・竹田和平さんの持ち株(前編)
大株主・竹田和平さんの持ち株(後編)

竹田和平氏が好む銘柄は
■小型株でオーナー経営
■不人気な割安株
■成長率は高くないが安定している
■ブックバリューと配当利回り重視
となりそうですね。

竹田和平氏の投資には「成長率がそう高くない会社でも、経営が安定しておれば毎年株主資本が積み上がり、その結果企業価値(=株価)も上昇して配当も増える」という、ご自身が経営者ならではの発想が根底にあると思います。「この会社を丸ごと買うならいくら払えるか、5%ならどうか」そう自問されているのではないでしょうか。竹田和平氏を「日本のウォーレン・バフェット」と称える声には同意しかねるのですが、「パーシャル・オーナー(企業の部分所有者)」としての立場は同じなのかもしれません。尚、投資を「旦那道」という言葉で美化されているところに、日本人ならではの奥ゆかしさを感じます。

(2004年1月31日追記)竹田和平氏が日経ビジネス2004.1.26に登場して「昔の庄屋が自分の田んぼの値段をいちいち気にするかい。庄屋が気にするのは、どれだけの人手が必要で、どれだけの年貢が取れるか、ということだけだよ。株だって同じ。配当をもらって快適な気分になればいい」と述べています。なかなかの名言ですね。

「続・竹田和平(2004年2月9日)」はこちらです



■続テニスと投資(2004年1月18日)
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今日もテニススクールでコーチがいいことをいいました。括弧内は私の感想です。

■「とにかく我慢して続ける。そうしているとチャンスが来るので、そのとき決める。普段、無理して決めに行くとミスをする。チャンスを作るまでの過程が大事(おお、いいこと言うねぇ)」
■「ダブルスではポジションの作り方も攻撃のうち。上級者はポジションの作り方が上手い(ポジションなんて大竹慎一の話を聞いているようだ)」
このコーチにファンドマネジャーやらしてみるといいかもと思ったりします

話は変わりますが、テニスもすっかりマイナーなスポーツになってしまいました。昔はスコートだったし女の子も多かったのですが、今は短パンだしオバさんだらけです。以前は普通の女の子でもウェアとラケットは持っていたものですが、最近はエアロやゴルフに流れてしまいました。これではヨネックスも大変ですね。シェア的には大きいので、リバイバルすると面白いのですが。


■銘柄レポート:センチュリー21・ジャパン(2004年1月12日)
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■はじめに
銘柄レポートの2回目は、私の住んでいる関西でも黄色の看板が目立ってきたセンチュリー21・ジャパンを取り上げます。

■事業内容
街の不動産屋のセブンイレブン版です。直営店を持たず、フランチャイズ本部に専念しているのが特徴です。不動産業でありながら完全なフィー(手数料)ビジネスであり、実体は情報産業に近いです。ピーター・タスカは「日本は甦るか」で「企業家にとってもっとも確実な儲け方は、近代経営の原理を、それをまだ経験したことのない業種に導入することだ」と述べていますが、駅前を見渡すと不動産屋は個人商店が残っている数少ない領域であり、そういう意味での成長余地は大きいと考えられます。主な競合他社はアパマンとエイブルです。

■業績
15年9月期は21%増収、58%経常増益となりました。営業総利益は横這い(26.6%から26.5%)ながら、販売管理費が大幅に減少(52.7%から44.3%)しているので、増益幅が大きくなっています。営業収益については、取扱い物件の単価の落ち込みを成約件数の増加でカバーしました。加盟店は新規36店、退店15店、期末501店で、首都圏と中部圏の退店の多さがちょっと気になります。

地域 新規 退店 期末 前年比%
首都圏
15
11
329
103.8
関西圏
18
1
145
128.3
中部圏
3
3
25
92.6
九州圏
0
0
2

100.0

合計
36
15
501
109.6

■財務
財務は抜群で、無借金経営で2桁のROAを誇ります。同社の決算短信に「有力な資産は人的資源とブランドエクイティーであり、設備や事業に対しての大きな投資は必要ありません。完全なローリスク・ミドルリターンのビジネスモデルとなっております」と書いてある通り、成長の為のおカネが要らないので財務が良くて当然ですね。企業規模が小さすぎて投資対象にはならないでしょうが、昨年前半の株価水準ならウォーレン・バフェットが買いそうな企業です。実際、SFCG社長の大島健伸氏が90株取得して大株主になっています。

■指標等
1月9日の1株1,150,000円で計算して時価総額46億円、当期純利益3億3千万(会社計画)、予想PER14倍です。ただ、センチュリー21・ジャパンは無借金で現預金が15億円ありますので、時価総額の46億円から15億円を引くと予想PER9.4倍になります(ポール・ソンキンの「真のPER」:「バリュー投資入門」328ページを参照)。株価水準としては、ビジネスモデルや収益性を考慮すると、まだ割高でないと判断できますが、一本調子で上昇しているだけに買いづらいことは確かです。しかし、この株は浮動株が少なく、購入者は企業価値を理解しているセミプロ級の個人投資家と思われますので、売り物で値を崩す展開は考えにくいです。個人には手が届かない株価水準となりつつありますが、仮に分割でも発表しようものなら値が飛ぶ恐れもありますので、痛し痒しといったところでしょうか。

■おわりに
実はセンチュリー21・ジャパンはJ-REITと比較して、代用するつもりで買いました。当時は配当利回りも良く、40%の配当性向で増配も期待できるセンチュリー21・ジャパンと、利益を全て吐き出して内部成長余地の乏しいJ-REITでは、センチュリー21・ジャパンに軍配が上がったのです。購入後は大幅増配の発表に驚いたり、予想以上に株価が上がったりと嬉しい誤算が続いています。

■参考文献
センチュリー21・ジャパン16年3月期中間決算短信
長期投資のすすめ:投資に役立つ企業分析レポート


■チャールズ・ブランデス(2004年1月11日)
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チャールズ・ブランデスが投資の世界へ足を踏み入れて一年も経たないうちに、株式市場は激しい下落に見舞われます。いわゆるニフティ・フィフティ銘柄の崩壊です。この相場で大火傷を負ったブランデスは新しい投資哲学の確立を痛感しますが、そのとき顧客の株式買付を手伝ってくれないかという話がありました。店内営業全般を任されていたブランデスは、ある日、どのブローカーにも相手にされずにロビーに立っていた顧客を受け持ちます

顧客の名はベンジャミン・グレアムといいました。当時、グレアムは「賢明なる投資家」の改訂版を書き終えた直後で、ブランデスはグレアムが「証券分析」や「賢明なる投資家」に書いてある通りのバリュー投資を行うのを目の当たりにします。「頭の中に灯がともったようだった。やっと合理的な意味を持った戦略が見つかった」ブランデスはバリュー投資に目覚め、ブランデス社(ブランデス・インベストメント・パートナーズ)を設立して成功を収めます。

ブランデス社の投資戦略は下記の通りです。
■景気循環過程全体を通して保有する意図で株式を買う
■割安であった株式が本来あるべき株価にまで上がったら売る
■あるべき株価の三分の二以下で売買されている企業だけを買っている
■投資対象は米国株式に限定しない
■マーケットモデルや予測はどんな専門家によるものでも全く信用しない
■ポートフォリオの20〜30銘柄を組み入れ、一つの銘柄に5%以上投資せず、特定の国や産業に20%以上投資しない
■インデックス連動のファンドを作るのではなく、ただただ割安な個別優良株を見つけようとする
■四半期毎の収益変動をほとんど気にせず、収益予想は行わない

つまり「もし、株式を十分に低い価格で購入できるのであれば、業績がさほど優れていない企業でも、経営が特に上手く行われていない企業でも、儲ける可能性はかなりある」というバリュー投資の考え方が根底にあります。ベンジャミン・グレアムの講義や著書から影響を受けた投資家は「グレアム・ドット村のスーパー投資家たち」として存在しますが、株式の売買を通じて学んだ点でブランデスは特異な(そして幸運な)投資家と言えます。

最後に、私が何度も何度も読み返した言葉を上げておきます。「ブランデス社は、株価の毎日の変動に一喜一憂する投資家には向いていない。つまりバリュー投資とは、人気がなく、誰からも好まれることなく市場で売買され、他人は嫌な株式だと思うものを進んで買おうというやり方である」。チャールズ・ブランデスについては「投資のプロたち」よりの引用です。

関連コラム:ついに動いたブランデス・インベストメント・パートナーズブランデス・インベストメント・パートナーズブランデス・インベストメント・パートナーズがNEC株を取得


■銘柄レポート:日本SHL(2004年1月3日)
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■はじめに
新年の抱負」で述べました銘柄レポートの第1回目は日本SHLです。PER15倍以下、配当利回り1%以上の銘柄から、私が興味を持っている企業について順次取り上げていくつもりです。

■事業内容
いわゆる「適性テスト」の会社で、親会社は英国SHL Group plc社です(正確には英国SHL Group plc社の100%子会社であるSaville & Holddsworth International BV社の関連会社です。あー、ややこしい (^^; 。

■業績
15年9月期は売上こそ計画未達に終わったものの、コスト削減で利益を計画を上回りました。売上が鈍った原因は中堅・中小企業の採用意欲減により従来型ペーパーテストが減ったためです。一方でテストのWeb化が進んでおり、その方面の売上は伸びています。

■財務
典型的な知識集約型産業で、売上総利益率85.2%、経常利益率36%を誇ります。大した設備投資も要らないはずで、無借金経営、配当性向も40%と高いです。業種は違いますがセンチュリー21・ジャパン(8898)を連想します。少し気になるのは売掛金が4億円あり、流動資産の1/3を占めることです。

■指標
昨年終値の1株436,000円で計算して時価総額35億円、当期純利益2億9千万(会社計画)、予想PER12倍です。ただ、日本SHLは無借金で現預金が8億円ありますので、時価総額の35億円から8億円を引くと予想PER9.3倍になります。これを真のPERといい、ポール・ソンキンが好んで使う方法です(「バリュー投資入門」328ページを参照)。株価水準としては、ほぼ妥当であると判断しますが、できれば30万円台で買いたいですね。蛇足ながら、決算短信には投資単位が50万円以上にある場合は分割を検討すると書いてありますから、このまま株価が上がると分割がカタリスト(触媒)になるかもしれないです。


■スーパーライナードットコム(2004年1月3日)
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今さらドットコム企業なんてと思われるかかもしれませんが、今回は週末起業の話です。まずはスーパーライナードットコムのウェブサイトをご覧ください。鉄道模型を販売するサイトで、年商800万を誇り、ウェブマスターは会社に勤めるサラリーマンです。オープンは1999年(だからドットコムとつけたのでしょう)で、週末起業ブームのまえから営業しています。

「どうってことはないサイトなのに、なぜ成功したの?」と疑問を持たれる方はおられませんか。私は鉄道模型を少々持っているのでピンときたのですが、目の付けどころが良かったのです。鉄道模型は色々な大きさ(ゲージ)があります。Nゲージと呼ばれる小さな模型は愛好者も多く、トミーなど大手も進出しており、量販店でも売られています。ところが、HOゲージと呼ばれる大きな模型は愛好者が少なく、車両も職人による手作りで、模型専門店(個人商店)でしか扱っておらず、ほとんどが大都市圏に集中しています。その模型専門店は場所が不便で、店主は常連のマニア客しか相手にせず、初心者は質問もできないような雰囲気でした。

つまり地方のHOゲージ愛好者は買う店がなく、大都市圏の愛好者も常連になれない限り、非常に買いづらいのです。そのような状況の中で、インターネットで気軽に買えるショップには一定の需要があってもいいはずです。ウェブマスターは熱心な鉄道ファンだそうですが、趣味で見つけた隙間(ニッチ)をビジネスに結びつけた好例といえます。

さらに副業であることで様々な工夫がされています。連絡方法はメール、FAX、留守番電話を使い、折り返し返信するシステムですし、在庫リスクを避けるため、注文を受けた後は問屋に任せる委託販売方式を取り入れています。問屋とは個別に交渉したそうです。

株式投資サイトである「パーシャル・オーナー」でこのようなビジネスを取り上げるのは、投資を行うにも月々のキャッシュフローが重要だからです。投資に回せる資金が月5万と10万では、結果は恐ろしいほど違ってきます。給与所得の増加が望めない現在、投資家も月々のキャッシュフローを増やすための「何か」を考えておく必要がありそうです。


■新年の抱負(2004年1月1日)
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あけましておめでとうございます。新年の抱負を述べます。

■配当収入を給与所得の10%に近づけたい
週末起業で自分のビジネスを立ち上げたい
■このサイトの訪問者数を倍増させたい
■バリュー株の発掘に努め、株式比率を高めたい
の4つです。

まず、現在は給与所得の5%にも満たない配当収入を、近年中に10%まで引き上げたいです。私も「配当収入で生活できること」を投資の最終目標としている1人ですが、その足掛かりを作りたいわけです。ただ、配当利回りを重視しすぎると株式投資の本質を見誤るので、2〜3年は掛かると思っています。

それと投資元本となる月々のキャッシュフローを増やすために、週末起業で何か自分のビジネスを持ちたいですね。配当収入と合わせて、給与所得への依存度をなるべく下げたいです。プランはあれこれ考えており、最近は投資より週末起業の方に興味があります。パーシャル・オーナーではAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加していますが、ノウハウの集積という意味も兼ねています。

このサイトを発展させてビジネスに使うかどうかはわかりませんが、訪問者数は増やしたいです。インターネット上で同じような属性を持った人が集まる場所は、マーケティング上も価値があるとされています。個人的には倍増まで持っていきたいですが、質が低下したり肝心の投資が疎かになっては本末転倒ですから、兼ね合いが難しいです。

方法としては、バリュー株の発掘に努めて個別銘柄のレポートを書き、Yahoo!掲示板の個別銘柄トピでPRすることを考えています(既にようさんが実行されています)。もちろん自分の為にもなります。そして投資額を増やし、44%程度の株式比率を60%近くまで高めていきたいです

最後に私がこのウェブサイトを開設した理由を書いておきますと、
■今まで投稿していた「value日記」からステップアップを図りたかった
■職場でウェブサイトの重要性が増してトップが関わる事項となり、ウェブマスターとして以前のような自由が利かなくなった
が主なところです。

本年は飛躍の年にしたいです。「パーシャル・オーナー」共々、よろしくお願いいたします。



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