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ショートコラム(2004年1月〜6月)
■上期を振り返る(2004年6月28日) | |
少し早いですが、上期を振り返っておきたいと思います。 1月1日付けショートコラムに書いた新年の抱負は まず、「配当収入を給与所得の10%に近づけたい」は、銘柄選定時に配当利回りを重視するようになったので、昨年の2.5%から7.6%(給与所得が昨年と同じ場合の予想利回り)に上昇しました。このペースでは、ここ1〜2年で達成できそうです。 「週末起業で自分のビジネスを立ち上げたい」は、方法を模索している状態です。Amazon.co.jpのアソシエイト・プログラムへの参加は、ノウハウの集積という意味では有意義でした。よく「どのぐらい収入があるのですか」と聞かれるのですが、「月1回、軽く飲みに行ける程度です」とお答えしています。小遣い稼ぎにはいいのでしょうが、まめに本を入れ替えないと売上が落ちますし、副業というには程遠いです。本が好きだから続いているようなもので、もっと効率がいいものを見つけないといけません。でも、投資とは関係のないCDやDVDまで当サイト経由で買っていただける場合があり、非常にありがたいと思っています。 「このサイトの訪問者数を倍増させたい」はアクセス統計ページにある通り、クリアできそうです。いつも見ていただいている皆さんのおかげです。方法として考えた「個別銘柄レポートを書き、Yahoo!掲示板の個別銘柄トピでPRすること」が思わぬ方向に発展しました。あるところから「月1本銘柄レポートを書きませんか」と依頼を受けたのです(このレポートは有償ですが、興味のある方はメールをください)。 「バリュー株の発掘に努め、株式比率を高めたい」については、4月の株価上昇時に割高となったグロース株を売り、バリュー株の組み入れを増やしました。総資産に占める株式比率は1月の50%から56%まで上昇しました。 このように上期は概ね順調でした。残る課題は週末起業です。 |
■大型優良株相場が来る?(2004年6月19日)by yukikaze_fundさん | |
6月7日付ショートコラム「未来の話」でも書きましたが、近い将来、バブルの記憶が時間の経過とともに薄れ、積極的な値上がり益追求を目的として広く株式投資が普及する可能性は否定できないでしょう。また、インフレによる金融資産の目減りが現実味を帯びてくると、防衛的観点から個人マネーが株式市場に雪崩をうって押し寄せるという状況も考えられます。 では、そうなった時にどういった企業が買われるのでしょうか?個人的にはごく普通の人々が続々と市場に参入してくるようなケースでは、日本を代表する大企業に多くの投資資金が集まるだろうと考えています。初めて株を買おうという人は、とにかく自分の知っている会社に投資しようと考える傾向があるからです。 だとすると、例えばトヨタ自動車・キヤノン・武田薬品・セブンイレブンのようなTOPIXコア30構成銘柄、あるいはそれに準じる各業界の最大手クラスとなる大型優良株が有望ということになりそうですが・・・ ※TOPIXコア30銘柄:キヤノン、デンソー、JR東日本、富士写真、日立、ホンダ、イトーヨーカ堂、KDDI、京セラ、松下電産、ミレアHD、三菱東京、みずほ、村田製作、任天堂、NTT、日産自、野村、NTTドコモ、ローム、セブンイレブン、信越化学、ソニー、三井住友、武田薬品、東電、東芝、トヨタ、UFJ |
■ニッポン劇場「第2幕:黄金時代の復活」(2004年6月13日) | |
ジム・ロジャーズ講演会の概要を掲載しているサイトを見ましたが、「トゥモローズゴールド」のマーク・ファーバーとも同じ予想のようです。 柄にもなく長期シナリオを描いてみますと、私も米国株には弱気、日本株には強気です。理由は1980年代、90年代に上昇を続けた米国株はPBRが高くなりすぎているからです。その高いPBRを支えていた生産性の向上による高いROE(ROEが高いからPBRが高くてもPERはそこそこの水準に落ち着く)も限界にきていると思います。対する日本株はPBR1倍割れがゴロゴロ、低ROEは資本の論理に目覚めた(あるいは目覚めさせられた)経営者によって改善されるのは間違いないでしょう。単純に考えて、2%のROEを4%に上げると株価は倍になり、それは20%のROEを40%に上げるよりたやすいはずです。資本主義市場において時価総額は通貨の役割を果たしますから、企業価値を高めることができない会社はM&Aの標的になって消え去り、やがて米国市場のようにグレアム銘柄は絶滅すると予想しています。 「上海のバブルはひどい」中国出張から帰国したあるビジネスマンの第一声です。中国株に関しては近い将来ひどいことになるかもしれません。そのときに思い切って買えるかです。不謹慎ですが、買いのタイミングとしては、投資に失敗して黄河や揚子江に身投げする人の数がニュースになったときです。 以上が私の身勝手な予想です。15年間、我が国の株式市場だけが下がり続け、一般人は株式市場を信用していません。そんな中で、海外のバリュー投資家はひっそりと買いを入れています。あの松下が年功賃金をやめ、トヨタはベアを廃止、都銀が外貨預金を派手にPRするなどシティバンク顔負けの悪戯な商売をするようになりました。拙い足取りながら日本企業も変わりつつあり、私にはすごいチャンスに思えるのです。ニッポン劇場「第2幕:黄金時代の復活」はまもなく開演です。 |
■ブランデス・インベストメント・パートナーズ(2004年6月12日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「別冊宝島「決算書から見る 出遅れ割安(バリュー)株」」にブランデス・インベストメント・パートナーズ(以下ブランデス社)が減益見通しで売られたファンケルに投資を行い、発行済み株式数の5.05%を取得したことが書かれています。チャールズ・ブランデスがブランデス社を設立した経緯は2004年1月11日のショートコラムに書きましたが、ブランデス社は「証券分析」に書かれているグレアム・ドットの手法を海外市場に適用したパイオニアであり、日本株投資でも有名です。今回はブランデス社がファンドを通じて投資している日本株を取り上げます。
旗艦ファンド「グローバル・エクイティ・ファンド」の保有している日本株です(2003年12月末現在)。業績の低迷している三共や日立製作所を組み入れているのが特徴的です。金融株に関しては2003年6月の時点で既に組み入れています。
ファンケルが組み入れられている「グローバル・スモールキャップ・エクイティ・ファンド」の保有している日本株です(2003年12月末現在)。地味な銘柄のオンパレードですが、日比谷総合設備、ニッポン放送、東京スタイルは村上ファンドの投資銘柄でもあります。目の付けどころが似ているのでしょうか。 ブランデス社を紹介している「投資のプロたち」の結びにはこう書いてあります。「つまりバリュー投資とは、人気がなく、誰からも好まれることなく市場で売買され、他人は嫌な株式だと思うものを進んで買おうというやり方である。」そしてブランデス社はその通り実行しているのです。 尚、日本では「AIGワールド株式オープン」にブランデス社が運用アドバイスを行っています。「グローバル・エクイティ・ファンド」と同じような銘柄を組み入れており、パフォーマンスも良好のようです。ある意味では貴重な存在ですね。 2007年1月31日追記:ブランデス社については著書「超特価バリュー株「福袋銘柄」で儲ける週末投資術」でもう少し詳しく解説しています。 |
■未来の話(2004年6月7日)by yukikaze_fundさん | |
インターネットの普及や売買手数料のディスカウント、そして何より昨年来の株価の値上がりで、個人の株取引が盛り上がり見せています。ただ、これは主として頻繁に取引をするタイプの投資家の存在感が増している結果によるものであり、ごく普通の人々が続々と市場参加者になっているというわけではないようです。それゆえ、売買シェアは多少高くはなったものの、保有比率の面ではまだまだ個人の占める割合はさほど高くなってはいません。 日本人の気質からして、株式のような投資元本が揺れ動く商品というのは馴染みにくいものなのでしょうか?実は、過去の証券市場の歴史を振り返ってみると、そういうわけでもないようなのです。1980年代後半には多くの人々が市場に参入しましたし、1925年頃には個人の株式保有比率に占める割合が70%に達した時期もありました。 1990年までの数年間には積極的に利益を追求しようとした人々の資金が、1925年頃にはインフレによる現金価値の目減りから資産を防衛することを目的とした庶民のマネーが市場になだれ込んだわけです。前者は“攻め”、後者は“守り”のための投資といえるでしょう。今は株と縁のないごく普通の人々も、何かのきっかけさえあれば株式市場に大挙して押し寄せるのかも知れません。 |
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■yukikaze_fund(雪風ファンド)さんについて | |
前月に引き続き、寄稿をいただきました。Yahoo!掲示板のvalue日記を通じて知り合った方で、土地関係にお詳しく、グレアム流バリュー投資を実践されています。 |
■ブランド価値と株価(2004年5月30日)by yukikaze_fundさん | |
ある無名の企業がトヨタ自動車の車と全く同じ品質の商品を開発し、同等の宣伝費用をかけて販売したと仮定します。さて、この商品はトヨタのブランドで売った場合と同じだけの売上をもたらすでしょうか?新興企業が開発した、武田薬品の持つ最先端の技術に匹敵するテクノロジーを駆使した新薬は、容易に医療関係者の信任を得られるでしょうか? いずれも難しいと言わざるを得ないかと思います。消費者は商品の品質だけでなく、ブランドの信頼性をも重んじる傾向があるからです。このブランド価値という目に見えない資産は、通常日本企業のバランスシートには表れてきませんが、確かに存在し、株価にも影響を与えうると考えられます。 こうした前提に立つと、株価を評価する際には、その企業が長年培い築き上げてきた“ブランド価値”も無視できない要因となりそうです。このブランド力にかかるプレミアムは、住宅や自動車・家電などの高額商品を扱う業界や、生命に関わる分野である薬品セクターにおいて特に重要になるかと思います。 |
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■yukikaze_fund(雪風ファンド)さんについて | |
Yahoo!掲示板のvalue日記を通じて知り合った方で、土地関係にお詳しく、グレアム流バリュー投資を実践されています。いただいた寄稿も4回目になり、すっかりおなじみになりました。 |
■銘柄レポート:ラウンドワン(2004年5月29日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■はじめに ■事業内容 ■業績 ■財務
ラウンドワンは中期計画の資金計画まで公表しています。上記の表は開示資料よりまとめたもの(金額は百万円単位)で、2004年度までが実績、2005年度からが計画です。2005年度から始まる大量出店により、計画段階で財務内容が悪くなります。特に2005年度、2006年度は簡易FCF(フリーキャッシュフロー)がマイナスで、有利子負債残高も増えていきます。2004年度に念願の実質有利子負債(現預金残高 - 有利子負債残高)ゼロを達成したはずなのですが。 ■リース取引
ところが、です。決算短信をよく見るとリース取引がかなり多いのです。この未経過リース料は有利子負債とも考えられますので、300億円以上の「隠れ」債務を持つことになり、今後の大量出店でさらの増えることが予想されます。これはちょっと問題ですね。 ■おわりに ■参考文献 |
■銘柄レポート:豊田自動織機(2004年5月24日) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■はじめに ■事業内容 ■財務等
5月21日終値で、主な所有有価証券の時価総額を集計してみました。合計は1兆584億円となり、これを発行済株式数の32,584万株で割ると1株当たり3248円です。さらに面白いのは、豊田自動織機の株価2300円から時価総額を計算すると7,494億円となり、これはトヨタ自動車の持分7,652億円より低いのです。その他の有価証券や同社そのものはタダで付いてくる計算です。私はトヨタ自動車の買い増しを考えていたのですが、豊田自動織機の方に妙味がありそうです。 ■おわりに |
■外国株投資よりの撤退(2004年5月23日) | |
連休明けにAFLAC(AFL)、シティグループ(C)、ジョンソン&ジョンソン(JNJ)、ファイザー(PFE)、ペトロチャイナ(0857.HK)の5銘柄を売却、外国株投資より撤退しました。 理由としてまず上げられるのは、S&P500クラスでは市場は効率的である点です。市場参加者が多くて質も高いため、あらゆる情報が瞬時に株価に折り込まれる感じがします。持株やウォッチ銘柄が乱高下してから、慌てて英語情報を探し、拙い英語力で必死で翻訳して何となく意味がわかる程度では手遅れです。バリュー株を探してホールドしようにも、90年代に上昇を続けた米国株は割安ではないのです。PBRを見ればよくわかります。残るは小型株になりますが、スクリーニングで聞いたこともないような企業を探して、投資する勇気は私にはありません。そもそも米国市場でPBRが1倍を切るということは、企業の存続が危ぶまれている状態なのです。 米国企業には銀行株を始め、配当利回りの高い銘柄も多いのですが、国外で15%、国内で20%(今は10%)と二重に税金を取られます。日本株と違い、確定申告を行ってもほとんど戻ってきません(外国税額控除で僅かな額が還付されるのみ)。現地のオンライン証券に直接口座を開かない限り、購入の際も割高な購入手数料(DLJでは31.5ドル、ドルを買うための為替手数料も別途必要)が掛かり、手数料・税引後のリターンが低くなります。もし米国株投資を再開するとしたら、次はバンガードのインデックスファンドを買うでしょう。 ペトロチャイナは残しておきたかったのですが、90年代のアジア株ブームで痛い目にあっている私には、書店での中国株投資本コーナーの拡大振りが目に余りました。 で、今後はどうするかと言いますと、目の前にあり、PBR1倍割れ銘柄がゴロゴロしていて、まだまだ株式が疑いの目で見られている、非効率で魅力的な市場に集中します。今は過熱気味ですが、何せ15年間下がり続けたのですから、かなり割安なはずですよ。 |
■生きている証(2004年5月5日) | |
さて、連休の研究発表も終わったところで、たまには株以外のコラムも書いてみましょう。実は私、子供が苦手というか、嫌いなのです。いい年をして独身なのも子供嫌いが関係あるのかもしれません。妹の子供を見ていると、あれだけ手間を取られると自分の時間が持てなくて大変そうです。でも、みんな子供は好きですよね。妻帯者と飲みに行くと「女房は何とも思っていないが、子供はかわいい」と口を揃えて言います。 そこで「何でだろう」考えてみると、普通に就職して、普通に結婚して、普通にマイホームを買って、普通に定年まで勤めて・・・、そんな普通の人々には子供が唯一残る自分が生きてきた証(あかし)だからと思うのです。もう昔の話ですが、ある女の子と京都まで山焼きを見に行って家まで送ったら、家の前でお母さんが待っていて、そのまま上がらされてお父さんに挨拶をさせられたことがありました。最初からそういう段取りだったみたいですが、そのときも「まだやりたいことも決まっていないのに、このまま(家庭を持ってしまい)普通の人生をおくるのは嫌だ」という意識がありました。 私はけっこう一人で調べものをしたり、考えるのが好きなんですよ。普通の人々ができる最低限の社会貢献は「子孫を残して人類の繁栄に貢献すること」だと思いますが、それができそうにない私は「何か後生に残すこと」を準備する必要がありそうです。それが私の「生きている証」になりますから。 |
■小型株と上半期効果(2004年5月5日) | |
効率市場仮説では説明できないような、市場の現象をアノマリー(変則性)と呼びます。4月10日付けコラムに掲載した「バリュー株効果」の他にも「小型株効果」などがあります。今回は神戸大学経営学部のサイトに掲載されていた、極めつけとも言える「上半期効果」を取り上げます。 上のグラフは東証一部での上半期・下半期における平均月次リターンです。TOPIX・東証一部単純平均ともに上半期はプラス、下半期はマイナスとなっています。ここにはデータを示していませんが、バブル崩壊後の1990年〜2002年についても、上半期に限ればプラスとなっています。尚、TOPIXよりも東証一部単純平均の方が上半期・下半期の差が大きくなっており、この上半期効果は小型株効果が原因ではないかと推測できます。 そこでRUSSELL/NOMURA日本株インデックスより企業規模別の月次平均リターンを見ると、予想通り大差がついたのは小型株のリターンでした。こちらは1980年からのデータで、トップ(大型株)に関しては下半期もプラスとなっています。 レポート作者の榊原博士は要因について1月効果(新年効果)や4月効果(新年度効果)を上げ、「上半期にのみ株式投資を行い、7月に現金化(あるいは株式先物を売り建てておき)、後半の半年間は寝て暮らす」戦略を提唱しています。しかしながら、これは一種のマーケット・タイミング戦略にあたり、昨年実行すると底値に近いところで株式を手放したことになります。私は「バリュー株効果」や「小型株効果」は理解できるものの、「上半期効果」はしっくりきませんし、そもそもマーケット・タイミング戦略は成功しないものです。投資家として応用するなら、相場の過熱時には大型株に資金を退避させ、下落時には小型株に資金を振り向ける程度にとどめるのが妥当であると思われます(と神戸大学の偉い先生に反論してしまった (^^; 。 参考文献:我が国株式市場における上半期効果(注:リンク先はPDFです) |
■トウィーディ・ブラウンの日本株投資(2004年5月4日) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
トウィーディ・ブラウン(Tweedy, Browne)はグローバル・バリュー・ファンドを運用しており、その中で9.6%が日本株に投資されていので、トウィーディ・ブラウンのバリュー投資がどういうものか伺い知ることができます。
このファンドは3月末日現在で38銘柄の日本株に投資しており、上の表がトップテン銘柄です。備考欄はファンドのアカウントと思われる「メロンバンク・トリーティー・クライアンツオムニパス」の四季報株主順位です。私はこの組み入れ銘柄を見て、思わずうなってしまいました。もともと不人気な上、業績悪化で売られていた金融業界の「みにくいアヒルの子」消費者金融を3社も組み入れているのが印象的です。本来の収益力に比べて時価は割安と判断したのでしょうか。他にも、業績は一時的に伸び悩んで嫌われているものの、財務内容は申し分なく、ブックバリューを下回っている会社を選んでるケースが多いです。 こうして見ると、バリュー投資のお手本のようなファンドで、過去のパフォーマンスもいいようです。そういえば、ジョン・トレインが「ファンド・マネジャー」でこんなことを言っていました(「マネーマスターズ列伝」では言い回しが変更された、残念な箇所です)。「ほんとうに有望な銘柄というものは、それを買う時点では、風変わりで得体が知れないとか、危険で厄介な銘柄に見えるものである。そんな買い物をすれば、回りから「あんなつまらない銘柄をよくもまあ」とか、「半年ぐらいは泣かず飛ばずさ」という評価が得られればいいほうだ。だが、ある一定の月日がたつと、今度は誰もが、かつてはつまらなかった銘柄に理解を示し、好きになり、ついには熱狂的に乗ってくる。だが、それから買うのはもう遅い。」 |
■清算価値(2004年4月30日) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
米国スティール・パートナーズの投資ファンド「ジャパン・ストラテジック・ファンド」によるユシロ化学工業、ソトーへのTOBは「敵対的買収が感情的になじまない」とされていた日本市場に風穴をあけました。これを契機として敵対的TOBの増加が予想されますが、このような投資ファンドは低PBRのキャッシュリッチ企業を狙ってくるので、実はグレアム流バリュー投資と相性がいいのです。そこで今回はグレアムの投資基準である「清算価値」を取り上げます。
ベンジャミン・グレアムは「証券分析」で資産の種類による清算価値を上記のように定義しており(660ページ)、「バリュー投資入門」も同じような数値です(63ページ)。例として、フジックスの中間連結貸借対照表(16年3月期)から清算価値を計算してみました。単位は千円です。
売掛金はもっと回収できると思うのですが85%とし、棚卸資産は50%の想定です。有形固定資産は土地は売れると考えたので70%で計算、それ以外(建物、機械装置など)は無価値としました。投資有価証券は株価が上がっているので100%評価です。その結果、フジックスの清算価値は59億円となり、株価496円(4月28日終値)で計算した時価総額の36億円を大幅に上回っています。同社の場合、一族の持株比率が高いので敵対的買収は難しいかもしれませんが、グレアムいわく「事業を継続させるより清算してしまったほうが価値が高い」企業であることは事実です。 |
■バリュー指標の王道(2004年4月24日、4月30日グラフ化) | |
4月18日付けコラムで「中途半端にPERに”入れ込む”のは時間の無駄である。」という渡辺幹夫氏の考え方を取り上げました。では、バリュー指標の王道は何でしょうか? 一般的にバリュー株とグロース株の分類にはPBR(株価純資産倍率)が使われます。RUSSELL/NOMURA日本株インデックスにおけるバリューとグロースの区分もそうなっています。低PBR銘柄のパフォーマンスの良さは4月10日付けコラムでも実証されていますが、今回はバリュー投資戦略を採用しているトウィーディ・ブラウン(Tweedy, Browne)のWHAT HAS WORKED IN INVESTING(注:リンク先はPDF)からグラフ化したもので、S&P500銘柄に対する超過リターンを表しています。「カウンターゲーム」にもこの小冊子の要約が掲載されています。
調査対象は時価総額100万ドル以上(合併・倒産企業を含む)の企業で、さらに負債が株主資本に対して20%以下の銘柄を選び、1970年から1981年まで毎年4月末に構成されたポートフォリオを12年間観察したものです。ご覧のように低PBR銘柄は高PBR銘柄やS&P500銘柄を打ち破るリターンを上げており、グレアム流の銘柄選定基準(正味流動資産の66%:グラフの一番右)のリターンも素晴らしいものがあります。 同じくトウィーディ・ブラウン(Tweedy, Browne)のWHAT HAS WORKED IN INVESTINGより国別のバリュー投資とグロース投資の累積投資リターンの差をグラフ化しました。1981年1月から1992年6月まで11年半の結果では、全てのマーケットでバリュー株がグロース株を打ち負かしています。今の日本にはPBR1倍割れの銘柄がまだまだありますから、そういう意味ではチャンスかもしれません。 |
■PERの呪縛(2004年4月18日) | |
もう一度、このグラフを見てください。日本市場の場合、バリュー指標のインデックスに対する超過リターンでは以外と低PER銘柄のリターンが良くないのがわかります。 理由としては、 バリュー指標の参考にするならPCFR(株価キャッシュフロー倍率)の方が良さそうです。機関投資家のファンドマネージャーである渡辺幹夫氏は著書「ファンドマネージャーの株式運用戦略」で「投資家はPERにこだわるあまり、株式投資において遠回りをしてはいないだろうか。PERで説明できる銘柄に投資することこそ、まじめな、正しい株式投資であると誤解していないだろうか。”PERの呪縛”は、株式投資の初心者が陥りやすい誤ったパターンなのだ。中途半端にPERに”入れ込む”のは時間の無駄である。この点だけはぜひ認識しておいて欲しいのだ。」と述べています。渡辺幹夫氏曰く「株式を分析する上で有意義な指標と、株式運用において収益が上がりやすい指標とでは、別の次元の話である。」そうで、投資家としては考えさせられる一言です。 |
■売りは難しい(2004年4月17日) | |
株は、本来資産として持つものです。だから、私は買った株を売りたくはないのですが、この4月の相場はどう見ても過熱気味で、昨年10月の再現に思えました。バイ&ホールドをよしとしていた私は、割高感の出ていた株を持ち続け、11月の反落を受けたのです。「部分的に売っておくべきだった。あの失敗は繰り返したくない。」そう思った私は、サンシティ、CSS、ダヴィンチ、パルと持株を売却していきます。するとどうでしょう。売却した株はその後も上げ続けたのです。「う〜ん、悔しい」そう思っても、後の祭りです。今回の失敗は短期間に全て売却してしまったことで、部分利食いに止めるべきでした。 これからは、持株の妥当株価を自分ながらの基準で算出して、一部売却を開始するイエローゾーン、全て売り切るレッドゾーンを予め決めておくべきだと痛感しました。しかしながら、売りは本当に難しいです。 |
■マネー雑誌の活用法(2004年4月11日) | |
普段は立ち読みもしないマネー雑誌ですが、昔こんな活用法を考えたことがあります。 1.どれか一つを定期購読する。 この方法の難点は、実施できるのに2年掛かること、雑誌の保存スペースが要ることです。アイデアとしては面白いと思ったのですが、実現には至りませんでした。 |
■バリュー投資の有効性(2004年4月10日、4月11日一部修正) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
上のグラフはRUSSELL/NOMURA日本株インデックスを用いた我が国の株式市場のパフォーマンスです。グラフの開始時点は1979年末ですが、2004年3月末で全銘柄は332、バリュー株は652、グロース株は154と、バリュー株とグロース株(修正PBRで分類)では大きな差がついていることがわかります。グロース株に投資した場合は、20年以上株式に投資して1.5倍(インフレを考慮すると実質的にはマイナスかもしれません)だったのに対し、バリュー株では6.5倍と悪くない数字です(注:この箇所を4月11日に修正しました。当初は「人生と投資のパズル」19ページのグラフをスキャナで読み込んで貼り付けていましたが、RUSSELL/NOMURA日本株インデックスデータをダウンロードして2004年3月末までのグラフを作成しました。標記も最新データに基づき変えています)。 次はどの投資方法のパフォーマンスが良かったかを示すグラフで、インデックスに対する超過リターンを表しています(ニッセイ基礎研究所「万人のための年金運用入門」より作成)。高配当利回り銘柄と低PBR銘柄のパフォーマンスが良好で、低PCFR(株価キャッシュフロー倍率)銘柄がそれに続きます。「ウォール街で勝つ法則」ではダントツの低PSR銘柄のパフォーマンスが良くないのは、日米の違いを表しているようで興味深いです。
年単位でのインデックスに対する超過リターンの比較です(ニッセイ基礎研究所「万人のための年金運用入門」より)。1997年は平成金融恐慌(山一証券、拓銀破綻)があり、1999年はインターネットバブルの年です。一時的に悪い年があっても翌年にすぐ盛り返しているのがわかります。 これらのデータにより、バリュー投資の有効性は説明できると思います。 何も難しく考える必要はありませんね。 |
■資金の退避先(2004年4月4日) | |
困ったことに、最近のマーケット氏はややはしゃぎ過ぎのようです。私は一度買った株をあまり売りたくないのですが、先週は上機嫌のマーケット氏に一部の株をお買い上げいただきました。予想PER25倍以上を売りの基準にしています。相場のピークを読むことは不可能ですが、さらに上がれば追加で売ることになり、資金の退避先を考えておく必要に迫られています。 そこで、案としては まずは銘柄の入れ替えで対応する方法です。財務内容が良く、配当利回りが3%以上の銘柄はまだあります。割高となったグロース株を配当利回りの高い株と入れ替えることにより、相場下落時のショックを和らげ、さらに上昇が続いた場合もそれなりのパフォーマンスを得ることを狙います。さらに海外にはもっと配当利回りのいい株があります。円高を逆手に取り、外国株を増やすのも一案です。少しですがベトロチャイナを買い増しました。 もう一つは、グレアム流バリュー投資の実践です。ベンジャミン・グレアムは天国から満足げに微笑んでいるに違いありません。東洋の小国で、自分が70年前「証券分析」に書いた投資理論が未だに通用しているのですから。グレアムなら好んで買ったような低PBR株はバリュー株ブームでほとんど上がってしまいましたが、割安なものも残っています。持株では東部ネットワークがそうです。 他の方法は、「バリュー投資入門」に出ていたデフォルト(退避)戦略で、適当な投資対象を見いだせないときはインデックスを買うというもので、今ではETFを買うことになります。これはどちらかと言えばプロ向けの方法です。 マーケット氏はJ-REITにまで手を伸ばしたようです。不動産で配当利回りが4%前後とは、ちょっと買えないですね。倍以上の利回りを目指して収益不動産(中古アパート一棟売り)を買う方法もありますが、素人が手を出すには勇気のいる分野です 現状では、割高な株を売却して、半分を高利回り株と低PBR株に回し、残りをキャッシュポジションとして持っておくのがいいように思っています。ドル・コスト平均法の投資(るいとう等)を除き、新規資金を投入するのは避けるべきでしょう。ジョン・トレインは「マネーマスターズ列伝」でこう述べています。「市場全般の相場水準が高いと思ったら、手を出さすに休むこと。二、三年たてばほぼ間違いなく、次の弱気相場がやってくる。」 |
■1億円クラブ(2004年3月27日) | |
このところの上昇相場で、ネットで交流のある個人投資家の方から「資産が1億円を突破した」という声を聞くようになりました。投資家としては一つの目標となる額ですが、私的には「1億円なんて夢物語」と思っていただけに、始めて1億円という金額を意識しました。 さて、どうやって1億円クラブに入会するかですが、「「お宝不動産」で金持ちになる!」に興味深いことが書いてありました。総務省の統計から高額所得者の収入を調べてみると、事業収入と地代・家賃収入が大半を占めているという結果です。
つまり、日本で金持ちになる方法は、 まず、事業収入ですが、脱サラして自ら事業を起こすのはハイリスクです。創業期を乗り越えても、自営止まりではサラリーマンより収入は低く、休めないという悪循環に陥ります。不動産投資については、まともな不動産投資は事業として成立するところが株式投資との最大の違いです。事業として扱われるので、銀行融資が受けることができ、「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ」に書いてある通り、税金面でも優遇されています。空室等のリスクもありますが、通常は空室率を計算していますから、収入は安定しています。その上で、銀行融資というレバレッジが効きます。いつの時代でも銀行預金をする人は貧乏で、銀行から借金する人は金持ちなのです。 一方で株式投資は事業になりません。あなたが株式投資の事業計画書を作成して、銀行の融資窓口に行っても「頭がおかしくなったのでは」と思われるだけでしょう。値動きも短期的には不安定で、計算できるのは配当収入ぐらいです。株式投資で利益を上げるには長期投資になり、サラリーマンが株式投資で1億円の資産を築くのは難しいと感じるようになりました。株式投資はあくまで余資活用であり、月々のキャッシュフローを増やさない限り、1億円クラブへの道のりは遠いです。 結局、サラリーマンのまま1億円を目指すには、不動産投資が主で株式投資が従なのか、最近はそう考えることもあります。発想の転換が必要なのかもしれません。 |
■身の丈に合った投資(2004年3月26日)by yukikaze_fundさん | |
日本の投資家を扱った著作などを読んでみるとわかりますが、実は歴史に名を残すような大物相場師であっても、最後まで一流の投資家としての地位をまっとうできた人物はごく僅かです。いっときは市場に勇名を馳せても、結局はその後の失敗で破産や自殺などの哀れな末路を辿った人物が意外にも多いためです。 このような悲劇は主として、成功によって手にした財産と信用を最大限に駆使して次の相場に向かうということを、ひたすら繰り返した為に起こっています。より大きなリスクを取り続ければ、いつかは取り返しのつかないことになるのは道理ですが、成功に酔ううちに過信が生まれ、リスク感覚が麻痺してしまうのでしょう。 平時であれば理解できることも、熱狂の中で見えなくなるというのは、誰にでも起こりうることかも知れません。そうならないためには、心理面での自己管理が重要です。決して熱くなり過ぎず、冷静に市場を見つめ、常に身の丈にあった投資を心がける・・・、言葉で言うのは簡単ですが、これを守るためには相当に強い精神力が必要です。 |
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■yukikaze_fund(雪風ファンド)さんについて | |
yukikaze_fundさんからの寄稿も3回目になります。Yahoo!掲示板のvalue日記を通じて知り合った方で、土地関係にお詳しく、グレアム流バリュー投資を実践されています。実は3月上旬のオフ会でお会いしたのですが、掲示板でやり取りをしていると、初対面という気がしないのは不思議ですね。 |
■ベンジャミン・グレアムの投資基準(2004年3月20日) | |
ベンジャミン・グレアムは「賢明なる投資家」で防衛的(保守的)投資家には2つの選択肢があると述べています。一つ目はダウ平均採用銘柄を全て同じ株数だけ買う方法、二つ目は質的・量的基準の適用です。この時期(1970年代初頭)にインデックス投資の有効性を認めていたことは注目に値しますが、質的・量的基準として以下の七つをあげています。 グレアムの投資基準は「証券分析」出版時の緻密なものから、段々とシンプルになっていくのですが、最終的には3つの基準にまとめられます(「マネーマスターズ列伝」より)。 さて、これを今の日本市場の当てはめるとどうなるでしょうか。バリュー株も上がってしまいましたが、1株当たり純流動資産の2/3未満の銘柄は探せばありそうです。問題は債券金利で、異様な低金利を適用すると、ほとんどの株が投資対象となりますので、最もらしい配当利回りのJ-REIT平均の4%で代用します。グレアムの投資基準を私なりにアレンジしてみますと これでも厳しい基準で、投資対象が見つからない場合は債券金利を日本ビルファンド(J-REIT指標銘柄)の3.55%(2004年3月19日現在)で代用するなどの「柔軟性」が必要です。尚、私の元々の投資基準はPER15倍以下、配当利回り1%以上という、比較的緩いものです。 |
■銘柄レポート:ユークス(2004年2月28日) | |||||
■はじめに ■事業内容
■業績 ■財務 ■指標 ■参考文献 |
■最近気になる2つのサイト(2004年2月22日) | |
日経新聞の「電縁の時代」に掲載されたのでご存じの方もあるかと思いますが、「デル通」というサイトがあります。アフィリエイト・プログラムを利用してデルのパソコンを紹介するサイトですが、約半年で1億4千万円を売ったとは驚きです。デルの紹介料は通常1%なので粗利益は140万円程度ですが、在庫リスクや発送トラブルとは無縁ですから、副業としては悪くないかもしれません。サイトを見ますと、運営者が特にパソコンに詳しいとは思えないのですが、確かに消費者の視点で紹介がされています。デザインはプロですね。私も職場では、自社サイトを運営する側にあり、「作る方の都合でなく、消費者の立場で考えよ」と言われているのですが、なかなかそうはいかないのです。 もう一つの気になるサイトは、しんさんの日記で紹介されていた「金持ち兄さんへの道」です。いわゆるお小遣い系サイトですが、開設して2年足らずで1千万円以上を稼いでいます。サイトを見ますと、とにかく内容が半端でなく、日記でも「何時間掛かったのだろう」と思うほどびっしり書いてあります。他にはおすすめ証券会社にアフィリエイト・プログラムに参加していない内藤証券を取り上げたり、「ウェブサイトの更新より、愛する人や家族と過ごす時間を大切に」といった意味合いのことが書かれていたりして、「金持ち兄さん」の人柄みたいなものを感じました。 年初のコラム「新年の抱負」にも書きましたが、今年は「週末起業で自分のビジネスを立ち上げたい」という目標があり、この2つのサイトから刺激を受けたことは確かです。インターネットを使って自分のビジネスを立ち上げたいと考えている方には、必見のサイトでしょう。 |
■続・竹田和平(2004年2月9日) | |
ジャパニーズ・インベスターというIR情報誌があります。最新40号の特集「世界の名投資家に学ぶ!株式投資の極意(PDFで閲覧可)」に竹田和平氏が登場しているのですが、個人投資家の視点で捉えた、充実した内容のインタビューとなっています。 ■大企業の子会社は買ってはいけないのです。親が腐ると下も腐るからです。だから小さくてもキチンと独立した会社の、それも安値を買って行くんです。 引用が長くなりましたが、ついに竹田和平氏が本心を語ってくれました。竹田和平氏の紹介本「日本一の大投資家が語る大貧民ゲームの勝ち抜け方」は一般向けには読みやすい内容ですが、私が不満なのはここまで踏み込めなかったからです。竹田和平氏を「単なる株好きの金持ちじいさん」と思っている方は、そろそろ考えを改めるべきですね。竹田和平氏は信念ある本格派の個人投資家です。「日本のバフェット」と称されることがありますが、私のイメージはジョン・ネフ(「帝王の投資哲学」が詳しい)に近いです。そして私もそこのあなたも、竹田和平氏いわく「勝手な期待を膨らませて」投資する「勘違いしている儲けられない人」なのかもしれません。 |
■成功は失敗の元?(2004年2月8日)by yukikaze_fundさん | |
三井鉱山に対する世間のイメージはどのようなものでしょうか?最近では、産業再生機構がらみで頻繁に名前が挙がりますので、一般にあまり良い印象は持たれていないでしょう。過剰債務などの深刻な問題を抱えている同社ですが、実はかつて三井物産・三井銀行と並んで三井グループの重鎮の地位にありました。 占領政策による財閥解体の流れの中で、三井鉱山は分割・整理の対象となり、非鉄金属部門(現三井金属鉱業)を分離し、石炭専業の企業に生まれ変わりました。同社の石炭部門は高収益の優良炭層を保有していたので、これを本体に残したのは当時としては合理的な経営判断だと思われたわけです。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ このように、過去の成功体験ゆえに不幸にもその後の選択を誤るというようなケースは、株式投資の世界においても多いのではないでしょうか?あなたが昨年来の上昇相場で笑いが止まらないのなら、注意が必要かも知れません。好事魔多し、成功は失敗の元でもあるのです。 ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ さて、その後の三井鉱山ですが、業績悪化による人員整理が労働争議を激化させ、さらに大規模な事故が追い討ちをかけるように経営を直撃しました。こうして、かつては三井物産と肩をならべたほどの名門企業の面影は消え去りました。 |
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■yukikaze_fund(雪風ファンド)さんについて | |
Yahoo!掲示板のvalue日記を通じて知り合った方で、土地関係にお詳しく、グレアム流バリュー投資を実践されています。昨年9月の「インフレリスク」に続く、2回目の寄稿をいただきましたので掲載します。 |
■銘柄レポート:積和不動産(2004年1月25日) | |
■はじめに ■事業内容 ■業績 ■財務 ■指標 ■おわりに ■参考文献 |
■竹田和平(2004年1月24日) | |
竹田和平氏の紹介本「日本一の大投資家が語る大貧民ゲームの勝ち抜け方」が売れているようです。私は少し物足りなかったのですが、一般の方には読みやすい内容だと思います。 保有銘柄についてはJ_Coffeeさんがまとめられています。 竹田和平氏が好む銘柄は 竹田和平氏の投資には「成長率がそう高くない会社でも、経営が安定しておれば毎年株主資本が積み上がり、その結果企業価値(=株価)も上昇して配当も増える」という、ご自身が経営者ならではの発想が根底にあると思います。「この会社を丸ごと買うならいくら払えるか、5%ならどうか」そう自問されているのではないでしょうか。竹田和平氏を「日本のウォーレン・バフェット」と称える声には同意しかねるのですが、「パーシャル・オーナー(企業の部分所有者)」としての立場は同じなのかもしれません。尚、投資を「旦那道」という言葉で美化されているところに、日本人ならではの奥ゆかしさを感じます。 (2004年1月31日追記)竹田和平氏が日経ビジネス2004.1.26に登場して「昔の庄屋が自分の田んぼの値段をいちいち気にするかい。庄屋が気にするのは、どれだけの人手が必要で、どれだけの年貢が取れるか、ということだけだよ。株だって同じ。配当をもらって快適な気分になればいい」と述べています。なかなかの名言ですね。 |
■続テニスと投資(2004年1月18日) | |
今日もテニススクールでコーチがいいことをいいました。括弧内は私の感想です。 ■「とにかく我慢して続ける。そうしているとチャンスが来るので、そのとき決める。普段、無理して決めに行くとミスをする。チャンスを作るまでの過程が大事(おお、いいこと言うねぇ)」 話は変わりますが、テニスもすっかりマイナーなスポーツになってしまいました。昔はスコートだったし女の子も多かったのですが、今は短パンだしオバさんだらけです。以前は普通の女の子でもウェアとラケットは持っていたものですが、最近はエアロやゴルフに流れてしまいました。これではヨネックスも大変ですね。シェア的には大きいので、リバイバルすると面白いのですが。 |
■銘柄レポート:センチュリー21・ジャパン(2004年1月12日) | |||||||||||||||||||||||||||||||
■はじめに ■事業内容 ■業績
■財務 ■指標等 ■おわりに |
■チャールズ・ブランデス(2004年1月11日) | |
チャールズ・ブランデスが投資の世界へ足を踏み入れて一年も経たないうちに、株式市場は激しい下落に見舞われます。いわゆるニフティ・フィフティ銘柄の崩壊です。この相場で大火傷を負ったブランデスは新しい投資哲学の確立を痛感しますが、そのとき顧客の株式買付を手伝ってくれないかという話がありました。店内営業全般を任されていたブランデスは、ある日、どのブローカーにも相手にされずにロビーに立っていた顧客を受け持ちます 顧客の名はベンジャミン・グレアムといいました。当時、グレアムは「賢明なる投資家」の改訂版を書き終えた直後で、ブランデスはグレアムが「証券分析」や「賢明なる投資家」に書いてある通りのバリュー投資を行うのを目の当たりにします。「頭の中に灯がともったようだった。やっと合理的な意味を持った戦略が見つかった」ブランデスはバリュー投資に目覚め、ブランデス社(ブランデス・インベストメント・パートナーズ)を設立して成功を収めます。 ブランデス社の投資戦略は下記の通りです。 つまり「もし、株式を十分に低い価格で購入できるのであれば、業績がさほど優れていない企業でも、経営が特に上手く行われていない企業でも、儲ける可能性はかなりある」というバリュー投資の考え方が根底にあります。ベンジャミン・グレアムの講義や著書から影響を受けた投資家は「グレアム・ドット村のスーパー投資家たち」として存在しますが、株式の売買を通じて学んだ点でブランデスは特異な(そして幸運な)投資家と言えます。 最後に、私が何度も何度も読み返した言葉を上げておきます。「ブランデス社は、株価の毎日の変動に一喜一憂する投資家には向いていない。つまりバリュー投資とは、人気がなく、誰からも好まれることなく市場で売買され、他人は嫌な株式だと思うものを進んで買おうというやり方である」。チャールズ・ブランデスについては「投資のプロたち」よりの引用です。 関連コラム:ついに動いたブランデス・インベストメント・パートナーズ、ブランデス・インベストメント・パートナーズ、ブランデス・インベストメント・パートナーズがNEC株を取得 |
■銘柄レポート:日本SHL(2004年1月3日) | |
■はじめに ■事業内容 ■業績 ■財務 ■指標 |
■スーパーライナードットコム(2004年1月3日) | |
今さらドットコム企業なんてと思われるかかもしれませんが、今回は週末起業の話です。まずはスーパーライナードットコムのウェブサイトをご覧ください。鉄道模型を販売するサイトで、年商800万を誇り、ウェブマスターは会社に勤めるサラリーマンです。オープンは1999年(だからドットコムとつけたのでしょう)で、週末起業ブームのまえから営業しています。 「どうってことはないサイトなのに、なぜ成功したの?」と疑問を持たれる方はおられませんか。私は鉄道模型を少々持っているのでピンときたのですが、目の付けどころが良かったのです。鉄道模型は色々な大きさ(ゲージ)があります。Nゲージと呼ばれる小さな模型は愛好者も多く、トミーなど大手も進出しており、量販店でも売られています。ところが、HOゲージと呼ばれる大きな模型は愛好者が少なく、車両も職人による手作りで、模型専門店(個人商店)でしか扱っておらず、ほとんどが大都市圏に集中しています。その模型専門店は場所が不便で、店主は常連のマニア客しか相手にせず、初心者は質問もできないような雰囲気でした。 つまり地方のHOゲージ愛好者は買う店がなく、大都市圏の愛好者も常連になれない限り、非常に買いづらいのです。そのような状況の中で、インターネットで気軽に買えるショップには一定の需要があってもいいはずです。ウェブマスターは熱心な鉄道ファンだそうですが、趣味で見つけた隙間(ニッチ)をビジネスに結びつけた好例といえます。 さらに副業であることで様々な工夫がされています。連絡方法はメール、FAX、留守番電話を使い、折り返し返信するシステムですし、在庫リスクを避けるため、注文を受けた後は問屋に任せる委託販売方式を取り入れています。問屋とは個別に交渉したそうです。 株式投資サイトである「パーシャル・オーナー」でこのようなビジネスを取り上げるのは、投資を行うにも月々のキャッシュフローが重要だからです。投資に回せる資金が月5万と10万では、結果は恐ろしいほど違ってきます。給与所得の増加が望めない現在、投資家も月々のキャッシュフローを増やすための「何か」を考えておく必要がありそうです。 |
■新年の抱負(2004年1月1日) | |
あけましておめでとうございます。新年の抱負を述べます。 ■配当収入を給与所得の10%に近づけたい まず、現在は給与所得の5%にも満たない配当収入を、近年中に10%まで引き上げたいです。私も「配当収入で生活できること」を投資の最終目標としている1人ですが、その足掛かりを作りたいわけです。ただ、配当利回りを重視しすぎると株式投資の本質を見誤るので、2〜3年は掛かると思っています。 それと投資元本となる月々のキャッシュフローを増やすために、週末起業で何か自分のビジネスを持ちたいですね。配当収入と合わせて、給与所得への依存度をなるべく下げたいです。プランはあれこれ考えており、最近は投資より週末起業の方に興味があります。パーシャル・オーナーではAmazon.co.jpのアソシエイト・プログラムに参加していますが、ノウハウの集積という意味も兼ねています。 このサイトを発展させてビジネスに使うかどうかはわかりませんが、訪問者数は増やしたいです。インターネット上で同じような属性を持った人が集まる場所は、マーケティング上も価値があるとされています。個人的には倍増まで持っていきたいですが、質が低下したり肝心の投資が疎かになっては本末転倒ですから、兼ね合いが難しいです。 方法としては、バリュー株の発掘に努めて個別銘柄のレポートを書き、Yahoo!掲示板の個別銘柄トピでPRすることを考えています(既にようさんが実行されています)。もちろん自分の為にもなります。そして投資額を増やし、44%程度の株式比率を60%近くまで高めていきたいです 最後に私がこのウェブサイトを開設した理由を書いておきますと、 本年は飛躍の年にしたいです。「パーシャル・オーナー」共々、よろしくお願いいたします。 |
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