80mkII愛友会 別館

荷物整理をしていたらPC-8801SR版Niko^2(ウルフチーム)のディスクが見つかったので，イメージを吸い出すついでに久しぶりに遊んでみました。



本作はウルフチーム最後の88用ソフトということもあり，技術的には素晴らしい完成度です。
約50個程にもなる大量のオブジェクトが，ほとんどちらつきもせずに滑らかに動いており，アクションゲームに強いウルフチームならではの作品といえるでしょう。

サウンドも曲数は少ないですがOPN/OPNA版共に良曲が揃っていますし，グラフィックもアナログRGBを活かしたハイクオリティな完成度だと感じました。
ただ，肝心のゲーム本体はなんだか面白さ控えめというか，少々私の好みからは外れていたのが残念です。


また，本作はSTAGE 5-1がクリア不可能らしいです。

このステージは画面上部にあるボールの発生装置と画面左下／右下にいるプレイヤーが壁で分断されていて，発生したボールをプレイヤーが誘導することができません。
さらに，発生したボールもほとんどがCPUのゴール側に反射してしまうので，そのまま時間切れまで何もできずに一方的に負けてしまいます。

で，せっかく発売直後に新品購入したゲームなのにクリアできないのは残念だったので，当時の私はアンケート葉書に「この面が難しすぎてクリアできない(泣)」といった内容の感想を書いて送りました。
すると，しばらくしたらウルフチームから荷物が送られてきました。荷物の中には「この面はクリアできないみたいです。申し訳ない」といった趣旨の手紙と修正版の製品が入っていて，こちらの修正版ではSTAGE 5-1はプレイヤーの位置が以下のように変更されています。

この配置なら，他のステージと同様に発生したボールをプレイヤーの操作でコントロールしてクリアすることができます。

そんな訳で，こちらの修正版ではなんとか最終面までクリアすることができました。

ゲームの内容自体は私の好みから少々外れていましたが，こうしてきちんと不具合の対応をしてくださるメーカーは好感が持てます。
ウルフチームの作品はPC88では本作が最後でしたが，その後もX68000ではグラナダ／FZ戦記など，メガドライブではソルフィース／サンダーストームFXなど，多くのゲームを遊ばせていただきました。


また，修正版の製品はステージデータの他にも2つの変更点があります。

1つめは，キー配置の変更です。オリジナルの製品は[2],[4],[6],[8]で移動，[RETURN]で壁を設置，カーソルキーの[→]で攻撃というキー配置なのですが，これだと壁と攻撃のキーが離れすぎて操作しづらい。
私は8801FAを使用していたのでまだ多少はマシでしたが，

8801FR/MR以前では，さらに大変なキー配置です。


修正版では[Z]で壁を設置，[SPACE]で攻撃という操作も可能になったので，とても遊びやすくなりました。
ただし，これに対応しているのはCPU対戦の場合のみで，2人対戦プレイの場合は[RETURN],[→]のままです。

2つめの修正は，BGMの変更です。
オリジナルの製品は，ステージ5-1まで遊んだ限りではゲーム中のBGMは，コンフィグ画面でいうところのMUSIC 1のみが演奏されていました。
これに対し，修正版ではステージ1-8, 2-8, ...といった区切りとなるステージでは，コンフィグ画面でいうところのMUSIC 5が演奏されるようになり，ゲームの展開にメリハリが付くようになりました。


以上のように結構色々な変更のある修正版なのですが，ネット上では情報を見かけません。
それほどヒットした作品ではありませんし，もしかしたらこの修正版は結構レアなソフトなのかもしれないです。

ただ，この修正版と一緒に送られてきた手紙と共に箱／説明書もなくしてしまっている上に，送られてきた修正版はライトプロテクトの部分が切り取られているので個人が勝手に改造したのと区別が付きません。

仮に中古ソフト屋に持って行っても，買い取り拒否されて終わってしまうでしょう。
このソフトは，思い出と共にいつまでも手元に残しておこうと思います。