007について
「007」(ダブルオーセブン、ゼロゼロセブン)とは
※注意
このページには、007シリーズに関するネタバレが含まれています。
令和3年10月以降、内容の充実を図って工事中です。
イギリスの作家イアン・フレミングのスパイ小説を基にする映画シリーズである。
主人公のジェームズ・ボンドはイギリス情報局秘密情報部(SIS 通称MI6)のエース諜報部員であり、OO(ダブルオー)セクションに所属している。
ジェームズ・ボンドのプロフィール(イアン・フレミングの原作を基本としているが一部例外あり)
身長・・・183センチ
体重・・・76キロ
年齢・・・30〜40代
瞳・・・青
髪・・・黒
父・・・アンドリュー・ボンド(スコットランド人)
母・・・スイス人
語学・・・英語・フランス語・ドイツ語に堪能
特技・・・ナイフ投げ・ボクシング・射撃
生年月日・・・作品によって違う
酒・・・ウォッカマティーニ(ステアではなくシェイク)、シャンパン(ドンペリニヨン、テタンジェ、ボランジェ)他
煙草・・・モーランド(イギリスの煙草店?)に特注したバルカン葉とトルコ葉のブレンド
香水・・・フローリス「bW9」
身分・・・国防省勤務の海軍予備役中佐(初期の設定では第二次世界大戦帰還兵)
父母はジェームズ11歳の時に登山中事故死、叔母チャーミアンの手で育てられる。
イギリス人にしては珍しく、紅茶が嫌い。
007シリーズにおける基礎知識
M・・・MI6の長官であり、ボンドの上司。個人のイニシャルではなく、MI6長官のコードネームとして理解した方がよい。
Q・・・MI6の研究開発担当Q課の課長。これもコードネームとして理解した方がよい。
ミス・マネーペニー・・・Mの秘書。英国海軍中尉、若しくは同等の階級にあるらしい。
フェリックス・ライター・・・CIA局員(またはピンカートン探偵社の探偵)としてボンドに協力する、ボンドの盟友。
スメルシュ・・・ソビエト連邦の情報機関。つまり、MI6のライバル。
スペクター・・・世界規模の犯罪組織。首領はエルンスト・スタヴロ・ブロフェルド。
ООセクション(ダブルオーセクション)・・・イギリス情報局秘密情報部内で、任務遂行中は追跡対象者等を殺害しても不問にされるという特権を与えられたエリート諜報員の所属する課。当然、ОО7(ジェームズ・ボンド)以外のОО要員も存在するが、映画では「ゴールデンアイ」等の一部作品を除き、ストーリーに深く関わることは少ない。
映画シリーズは令和3年10月現在、第25作まで公開されている。
管理人の私は、小学生の頃、「オクトパシー」がテレビの洋画劇場で放送されているのを何度か見た覚えがありますが、正直、そんなに興味を持ちませんでした。本格的に興味を持ったのは第21作目の「カジノ・ロワイヤル」からです。これを見てOO7にハマってしまい、映画シリーズすべてを鑑賞しました。
※ 007シリーズに登場する女性は一般的に「ボンドガール」と呼ばれますが、実は私自身はフェミニストではないものの「ボンドガール」という呼び方があまり好きではないので、「ヒロインの一人として登場する・・・」とか、「メインヒロインの・・・」とか、「共演女優の・・・」という言い方になります。
■初代ジェームズ・ボンド
ショーン・コネリー
年配の人が思い浮かべる「ジェームズ・ボンド」のイメージは、このショーン・コネリー。それほど初代のインパクトは強い。
第1作 007 ドクター・ノオ(原題・007 Dr.No / 旧邦題・007は殺しの番号)
監督 テレンス・ヤング 1962年
あらすじ・・・月面ロケットの弾道を狂わせる妨害電波の発信元を調査していたイギリスの諜報部員がジャマイカで殺害されたため、ジェームズ・ボンドはジャマイカへ向かう。クラブ・キーという島が怪しいとにらんだボンドは島に潜入するが、島を支配している「ジュリアス・ノオ博士」に捕まってしまう。
記念すべき映画第1作目。今見ると甚だリアリティに欠けているが、50年以上前の映画としては仕方がない。ハニー・ライダー役のウルスラ・アンドレスが白いビキニで海から上がってくるシーンは、当時衝撃的だったらしく、今でも伝説の名シーンとして語られる。
第2作 007 ロシアより愛をこめて(原題・007 FROM RUSSIA WITH LOVE / 旧邦題・007危機一発)
監督 テレンス・ヤング 1963年
あらすじ・・・犯罪組織スペクターの幹部でありソビエト情報局幹部でもあるクレッブ大佐は、ジェームズ・ボンド抹殺のため、ソビエト情報局の部下であるタチアナ・ロマノヴァを囮にしてボンドとの接触を試みる。ボンドは「罠である」と感じ取りながらもタチアナと落ち合い、オリエント急行に乗り込むが、そこにスペクターの刺客が襲い掛かる。
メインヒロインを務めたダニエラ・ビアンキのあまりの美しさに、今でも人気が高い作品。秘密兵器がかなり出てくる。悪役「レッド・グラント」の存在感も大きい。オープニングテーマも名曲で、女性の体に文字が映し出されるオープニングの映像は非常に印象的。
第3作 007 ゴールドフィンガー(原題・007 GOLDFINGER)
監督 ガイ・ハミルトン 1964年
あらすじ・・・富豪であるゴールドフィンガーによる金塊密輸の実態解明という任務に就いたジェームズ・ボンドは、アメリカが保有する金塊を集積しているフォートノックス陸軍基地の上空から放射能をまき散らしてアメリカの金塊を放射能汚染させ、ゴールドフィンガー自身が所有する金塊の価値を釣り上げるという計画があることを知り、阻止に動く。
007シリーズ屈指の人気作品。「全身に金粉を塗られると皮膚呼吸できなくて死亡する」という嘘を広めてしまった、いわくつき作品でもある。ボンドカーの代名詞「アストンマーチンDB5」が登場。なお、悪役「ゴールドフィンガー」役のゲルト・フレーべが元ナチス党員であることを理由にイスラエルでは本作の上映が禁止されていたが、実はゲルト・フレーべはナチス党員でありながらユダヤ人のドイツ脱出の援助などを行っていたことが明らかになり、上映解禁となった。
第4作 007 サンダーボール作戦(原題・007 THUNDERBALL)
監督 テレンス・ヤング 1965年
あらすじ・・・核ミサイルを搭載したNATOの爆撃機が犯罪組織スペクターに強奪された。スペクターは核ミサイルと引き換えに1億ポンド相当のダイヤモンドを要求。ジェームズ・ボンドは爆撃機に登場していた空軍将校の妹であるドミノに接触するが、ドミノはスペクターの大幹部ラルゴの愛人だった。ドミノは、自分の兄を殺したのがラルゴだと知り、ボンドに協力することになる。
水中アクションが多い作品。インフレ率等を考慮した場合、この作品が興行収入はシリーズ最高となるらしい。前作「ゴールドフィンガー」が大ヒットとなったため、本作はかなりスケールアップして製作された。
第5作 007は二度死ぬ(原題・007 YOU ONLY LIVE TWICE)
監督 ルイス・ギルバート 1967年
あらすじ・・・アメリカとソ連の宇宙船が正体不明の巨大飛行物体に捕獲されるという事件が発生し、米ソ両国が互いに疑いだして関係は一触即発の危機となるが、巨大飛行物体は日本近海に基地があることをMI6が突き止める。ジェームズ・ボンドは敵の目を欺くため、香港で殺害されたことにして、その実、秘密裏に日本へ向かう。
日本が舞台となった作品。日本人の目で見ると苦笑、というより「恥ずかしいからやめてくれ」的なところが多い。特撮ははっきり言って幼稚。偉大なる国産スポーツカー「トヨタ2000GT」が登場。丹波哲郎も登場。この日本ロケで舞台となった姫路城は、007ロケの際の文化財損壊に激怒し、以降映画ロケで使われることに慎重になったらしい。本作をもって、一旦ショーン・コネリーはジェームズ・ボンド役卒業となる。
■2代目ジェームズ・ボンド
ジョージ・レーゼンビー
初代のショーン・コネリーのイメージが強すぎる上に、1作で降板したため、印象が薄い2代目ジェームズ・ボンド。しかし決して「ジェームズ・ボンドとして失格」というわけではなく、その1作は007シリーズの最高傑作と評する人もいる。
第6作 女王陛下の007(原題・007 On HER MAJESTY'S SECRET SERVICE)
監督 ピーター・ハント 1969年
あらすじ・・・ジェームズ・ボンドは、マフィアのボスの娘テレサ(愛称・トレーシー)と恋に落ちる。彼女の父親からスペクターの首領ブロフェルドの情報を得て、ボンドはアルプス山頂の研究所にたどり着く。ブロフェルドは世界各国から集めた美女を被験者としてこの研究所に滞在させ、催眠術を使って洗脳し、世界各地で殺人ウイルスを拡散させる計画を立てていた。
興行成績は振るわなかったが、内容的には評価が高い作品。ボンドはこの作品で結婚する。多分、シリーズ唯一の悲しいエンディング。ジョージ・レーゼンビーはこの1作品のみで降板。ボンドの貴重なスカート姿が見られる(女装ではない)。なお、本作のテーマ曲はインストゥルメンタルだが、大変な名曲であり、アレンジを変えたりしてシリーズの別作品に使われたりしている。
※令和3年10月3日追記・・・「シリーズ『唯一』の悲しいエンディング」ではなくなりました。
■初代ジェームズ・ボンド
ショーン・コネリー 復帰
第7作 007 ダイヤモンドは永遠に(原題・007 Diamonds Are Forever)
監督 ガイ・ハミルトン 1971年
あらすじ・・・宿敵であるスペクターの首領ブロフェルドを捜し出したジェームズ・ボンドは、ついにブロフェルドに引導を渡す。その後、南アフリカのダイヤモンド密輸の調査に向かったジェームズ・ボンドは、密輸の本拠地を突き止める。しかし、その本拠地への潜入を試みたボンドを待ち構えていたのは、引導を渡したはずのブロフェルドだった。
ショーン・コネリーの復帰作。喜劇的な要素が強く、緊張感はかなり薄れており、悪の親玉ブロフェルドが女装までする。後のロジャー・ムーア期における娯楽要素多めの雰囲気に繋がっていると言える。本作をもってショーン・コネリーは、正式な007シリーズからは卒業(ただし、番外編のネバー・セイ・ネバー・アゲイン(1983年作品)で再びジェームズ・ボンドを演じる)。
■3代目ジェームズ・ボンド
ロジャー・ムーア
最多7本の作品に出演した3代目ボンド。50代くらいの人にとっては、初代のショーン・コネリーよりも馴染みがあると思われる。
第8作 007 死ぬのは奴らだ(原題・007 LIVE AND LET DIE)
監督 ガイ・ハミルトン 1973年
あらすじ・・・カリブ海に浮かぶ島国「サン・モニーク」の調査をしていた英国諜報部員が相次いで殺害される事件が発生した。調査に乗り出したジェームズ・ボンドはニューヨークで命を狙われながらもサン・モニークに到着。黒幕であるカナンガ博士に協力していた、タロットカードで未来を予知する能力を持つ美女ソリテアと出会い、彼女と一緒にサン・モニークを脱出したが、カナンガ博士に捕まってしまう。そこでボンドは、カナンガ博士がニューヨークのハーレムを仕切っており、アメリカのヘロイン市場を独占しようとしていることを知る。
メインヒロインを務めたジェーン・シーモアの美しさが際立つ作品。ちなみにロジャー・ムーアの007作品はユーモラス度が高い傾向になる。今作は「比較的」ではあるが、人が死ぬ描写が少ない。エスニックやオカルトな要素も多い異色な作風。ラストシーンはとっても不気味。
第9作 007 黄金銃を持つ男(原題・007 THE MAN WITH THE GOLDEN GUN)
監督 ガイ・ハミルトン 1974年
あらすじ・・・殺し屋「スカラマンガ」からジェームズ・ボンドあてに「007」と刻まれた黄金の銃弾が届く。調査のため香港に向かったボンドは、スカラマンガの愛人アンドレアからスカラマンガの事を聞き出したが、スカラマンガのアジトに行ったところ、そこには太陽光エネルギー変換装置「ソレックス」の開発者の遺体があった。ボンドはソレックス開発者の過去を調べ、ソレックス開発者の支援者とスカラマンガが繋がっていたことを知る。
敵であるスカラマンガと、その部下であるニック・ナックの微妙な関係が印象的な作品。やはりこの作品もユーモラスというか、ノリが軽いイメージがある。1回転ひねりをしながらジャンプして川を飛び越えるカースタントは、現実離れしすぎていて笑える。
第10作 007 私を愛したスパイ(原題・007 THE SPY WHO LOVED ME)
監督 ルイス・ギルバート 1977年
あらすじ・・・
主題歌「Nobody Does It Better」の雰囲気と、悪役ジョーズの存在感が光る作品。ボンドカーとして、「ロータス・エスプリ」が登場。しかも水陸両用車。メインヒロインを務めたバーバラ・バックも美しい。
第11作 007 ムーンレイカー(原題・007 MOONRAKER)
監督 ルイス・ギルバート 1979年
ボンドが宇宙へ行ってしまった、極めて荒唐無稽な作品。スパイ映画を逸脱している感が否めない。前作に引き続き悪役ジョーズが再登場。
第12作 007 ユア・アイズ・オンリー(原題・007 FOR YOUR EYES ONLY)
監督 ジョン・グレン 1981年
メインヒロインを務めたキャロル・ブーケがとにかく美しい。荒唐無稽だった前作が軌道修正され、シリーズ中傑作のひとつとされる作品。
第13作 007 オクトパシー(原題・007 OCTOPUSSY)
監督 ジョン・グレン 1983年
タコを模したベッドと美女軍団、ピエロに変装したボンドが印象的。感想としては「前作でせっかくリアリティがある作品に戻ったのに、また荒唐無稽さを出してしまった」と言った感じ。小型ジェット機で工場内を突破するシーンはすごい。
第14作 007 美しき獲物たち(原題・007 A VIEW TO A KILL)
監督 ジョン・グレン 1985年
ロジャー・ムーア57〜8歳の作品。長年ミス・マネーペニーを演じたロイス・マクスウェルもこの作品をもって引退した。敵であるゾリンよりも、その部下かつ愛人であるメイ・デイの存在感が強い。
■4代目ジェームズ・ボンド
ティモシー・ダルトン
故ダイアナ元妃殿下が「原作に最も近いジェームズ・ボンド」と評したのはあまりにも有名。
第15作 007 リビング・デイライツ(原題・007 THE LIVING DAYLIGHTS)
監督 ジョン・グレン 1987年
ロジャー・ムーア時代のユーモラスな雰囲気から一転、シリアス度が増した作品。ミス・マネーペニーもキャロライン・ブリスに代わった。
第16作 007 消されたライセンス(原題・007 LICENCE TO KILL)
監督 ジョン・グレン 1989年
更にシリアス度が増した作品。血なまぐさい表現が多い。スマートに仕事をするボンドではなく、私怨で動くボンドが見られる。
■5代目ジェームズ・ボンド
ピアース・ブロスナン
6年ものブランクを経て、やっと世に出た5代目ボンド。ハンサムな優等生といった感じ。
第17作 007 ゴールデン・アイ(原題・007 GOLDENEYE)
監督 マーティン・キャンベル 1995年
ボンド役がピアース・ブロスナンに代わった1作目。市街地内の戦車バトルは見ごたえあり。敵役の女性オナトップの狂気じみた存在も光っている。このあたりから作品はCG多用となり、その恩恵で凄まじいアクションが見られるようになる。
第18作 007 トゥモロー・ネバー・ダイ(原題・007 Tomorrow Never Dies)
監督 ロジャー・スポティスウッド 1997年
悪役はメディア王という現代的な内容の作品。個人的には、サイバーな感じが強すぎるという感想を持った。
第19作 007 ワールド・イズ・ノット・イナフ(原題・007 The World Is Not Enough)
監督 マイケル・アプテッド 1999年
ヒロインの一人を務めたソフィー・マルソーの美しさと役どころの意外さが見どころ。長年Q役を演じたデスモンド・リュウェリンはこの作品をもって引退。ちなみに「ワールド・イズ・ノット・イナフ」とは「世界を手に入れてもまだ足りない」と訳される、ボンド家の家訓(初出は第6作「女王陛下の007」)。
第20作 007 ダイ・アナザー・デイ(原題・007 DIE ANOTHER DAY)
監督 リー・タマホリ 2002年
シリーズ40周年&20作目の記念作品。珍しくぼさぼさ頭に髭面というボンドが見られる。ムーンレイカー以来の荒唐無稽さ。“ポップスの女王”マドンナがフェンシングの先生役で登場。ちなみに主題歌もマドンナ。
■6代目ジェームズ・ボンド
ダニエル・クレイグ
金髪のボンドとして、公開前に一部でアンチ活動まで行われた6代目ボンド。いざ公開されてみればかなり評価が高い状況となった。
第21作 007 カジノ・ロワイヤル(原題・007 CASINO ROYALE)
監督 マーティン・キャンベル 2006年
若きボンド(007になる前〜なった直後)を描いた作品。ロジャー・ムーア時代の作品と比べて、「本当に同じシリーズなのか?」と思いたくなるほど、リアリティとシリアス度が高い。ただし撮影ミスが非常に多い事でも有名な作品。テキサス・ホールデム方式のポーカーを知らないとちょっと理解しにくい所もある。主題歌「ユー・ノウ・マイ・ネーム(クリス・コーネル)」は非常にクールで、「粗削りなボンド」の雰囲気にマッチした名曲。
第22作 007 慰めの報酬(原題・007 QUANTUM OF SOLACE)
監督 マーク・フォースター 2008年
独立した作品ではなく、前作カジノ・ロワイヤルの続編という位置づけ。上映時間は短く、前作カジノ・ロワイヤルを見ていないと理解できない部分もあるので注意。
第23作 007 スカイフォール(原題・007 SKYFALL)
監督 サム・メンデス 2012年
一時死亡したと思われていたボンドが復活するという内容で、すでにボンドはベテランという位置づけ。日本の軍艦島が撮影に使われた。主題歌「スカイフォール(アデル)」は個人的には全007シリーズの中で最も雰囲気にマッチした超名曲だと思う。実際に、アカデミー賞歌曲賞を受賞した。オープニング後に流れる主題歌の映像は非常に緊迫感があり、「このシンボルは何の意味があるのだろう?一体何が起こるのだろう?」と想像力を駆り立てるもので、それだけでも素晴らしい。ちなみに、本作品での実質的なヒロインはM役のジュディ・デンチ(70代後半)。
第24作 007 スペクター(原題・007 SPECTRE)
監督 サム・メンデス 2015年
007の世界における大犯罪組織で、ジェームズ・ボンド本来の敵と言ってもよい「スペクター」が久々に復活した作品(これまでは著作権の問題から封印されてきたが、ようやく映画制作側が権利を買い取ったとのこと)。この作品で、スペクターの首領の正体が判明する。過去の作品を見ていれば、思わず「ニヤッ」とくるようなオマージュ場面多数。
第25作 007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(原題・007 NO TIME TO DIE)
監督 キャリー・ジョージ・フクナガ 2021年
当初予定されていた監督の離脱や、新型コロナウイルスの流行により何回か延期されたのち、日本では2021年10月1日に公開となった。ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンド最後の作品。上映時間は、なんと163分。
前作「スペクター」でメインヒロインとなったマドレーヌ・スワンが再度キーパーソンとして登場。ジェームズ・ボンド自体はMI6を退いているので、別の「007」が存在している。
CIAの新人諜報員パロマを演ずるアナ・デ・アルマスが、ものすごく魅力的。
なおこの作品は、第6作「女王陛下の007」以来の悲しい結末となる。
■番外ジェームズ・ボンド 其の壱
デヴィッド・ニーヴン
番外作 007 カジノ・ロワイヤル 監督 ジョン・ヒューストン他 1967年
2006年の同名作品とは全く別の物。豪華俳優を使いまくっているのにハチャメチャ乱痴気騒ぎの喜劇で、シリアスさの欠片もない。独立したコメディ作品として見るべきであり、OO7シリーズとしては必ずしも見る必要は(以下略)。
■番外ジェームズ・ボンド 其の弐
ショーン・コネリー
番外作 ネバーセイ・ネバーアゲイン 監督 アーヴィン・カーシュナー 1983年
007シリーズを制作しているイーオン・プロダクションとは別のチームで製作された「番外編」。一時現役を退いていたボンドが復帰するという内容。インディ・ジョーンズを彷彿とさせるようなセット。
昔はテレビドラマとしても映像化されたらしいのですが、そちらが語られることはあまりないので、ここでは扱いません。
私個人としては、第21作のカジノロワイヤルと第23作のスカイフォールが傑出している名作だと思います。ちょうどいいシリアスさと現実味です。
007シリーズは、世界的に知られる長寿映画シリーズであり、ファンも多ければアンチも多いです。また、ショーン・コネリー至上主義者もいれば、ロジャー・ムーア至上主義者もいます。
そうでなくても映画というものは評価が人それぞれなのですが、特にこの007シリーズは論議の対象となることが多い作品です。