【廃墟マニヤ File072】
T玉金山(福島県)
(その9)
休憩スペースのすぐ奥にあった男湯の脱衣所。扉の張り紙には「湿布類ははがす」「タオルは風呂に入れない」「体はきれいに洗って入ってください」と、特別面白いことは書かれていません。
一瞬、脱衣所の先にまた脱衣所があるのかと思ったけれど、どうやらここが浴室のようです。非常に狭いのはまあ許すとして、肝心の浴槽がないじゃありませんか!?
ささやかな洗い場。カランがなくなっていますね。
浴室の外を見てみると小さな露天風呂がありました。内湯が無いなんて珍しいなあと思って、帰ってから調べたら、営業時には巨木をくり抜いたような浴槽が、浴室内に置かれていた模様です。
たまにはトイレもアップしておきましょう。ここまで見て来てお分かりいただけるように、予算がなかったのか、こちらもかなり雑なつくりですよ。
男湯を出て、廊下奥の女湯へ向かいます。
女湯の脱衣所。あまりに狭いのでレンズを広角に換えました。
床に洗面器が何個も置かれていて、植物の茎のようなものが水に浸っているので、はじめは何か水栽培でもしていたのかと思いました。でも近づいて見たら、雨漏りの水受けとして置かれた洗面器の上に、屋根のヨシズがバラバラになって落ちていただけでした。
女湯の浴室。こちらも浴槽がありません。レンズのせいで少し広めに見えますが、実際は相当小さいですから。
反対側から。光が入って良い感じですけど、明暗差が大きすぎて、写真で表現するのは難しいですね。
「池か!?」と思うほど小さい女湯の露天風呂。前にちょっと説明したとおり、この温泉のすぐ前を高速道路が通っているため、クルマの音が相当うるさい感じです。営業中も、あまり良い入浴環境じゃなかったのではないでしょうか。
首吊りっぽく紐と踏み台がセットされてますよ〜。コワイですね〜(棒読み)。まあ私の前に訪れた同類のイタズラでしょう。
……ということで、他に見るところもないので、この温泉施設を後にします。
さて次に、温泉の建物と反対方向に踏み跡が残っていたので、一応何かないか見に行ってみました。とりあえず、薮の中にこんなタンクを発見したものの、他には何も見つけられなかったので、ゲートまで引き返すことにします。
温泉入口ゲートの裏側。ありがちな「また来てね」的なメッセージもなく、サービス精神が足りないなあ〜と思いつつよく見たら、温泉から今度は鉱山観光へのウェルカムゲートになっていたのでした。
(続く)
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