【廃墟マニヤ File072】
T玉金山(福島県)
(その8)
入口ゲート前の「温泉分析書」には単純鉄冷鉱泉とあったのに、「金鉱ラジウム鉄泉」って書かれていますね?
この温泉、ご覧の通り「黄金温泉」という名前で、恐らく元が金鉱山だったから「黄金」とつけたのだと思われますが、どうやら温泉の湯の色も金色だと謳っていたようです。ただ、営業中に行った人の話によるとほぼ無色透明に近い湯だったそうで、途中で泉質が変わってしまったのかもしれません(そんなことがあるのかどうかは知りませんが……)。
ドアが全開だったので、ちょっとだけお邪魔してみることにします。こちらは入ってすぐの休憩スペース。
自販機の飲料ラインナップは結構新しい感じですね〜。
カラオケのカセット。「みちのくひとり旅」といった、ほぼ演歌系のセットでした。
恒例の廃墟人形シリーズ。
本棚の奥には「みちはたの ふまれたくさも 花がさき」といった、単に私がひねくれているせいかもしれませんが、1ミリも心が動かされない書が何点か掛かっていました。
一体何があったのでしょう? 本棚には「ゼネコン闇の深層」とか「マンション大暴落」とか「わたしは悪い建設業者」といった、およそ温泉の休憩スペースに相応しいと思えない本が……。
さらに見ていくと「外国人犯罪」という本も!
休憩スペースの一部が吹き抜けで明るい……のかと思ったら、屋根がなくなってるじゃありませんか!
「なんということでしょう。匠は、それまで薄暗く陰気だった休憩スペースの屋根を完全に取り除くことで、太陽の光と自然の緑を室内に取り込み、明るく心地良い空間を生み出したのです」。
入ってすぐの位置にあった洗面台。
靴用ロッカー。当然、赤いピンヒールが残っているといった一部マニアが喜ぶようなことは全くありませんでした。
(続く)
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