【廃墟マニヤ File062】
O山公園(徳島県)
(その17)
さて、閻魔様の法廷でだいたい地獄エリアは全て見終わったようなので、最初のトンネルに戻り、いよいよお待ちかね「天国めぐり」に突入することにします!
「洞窟」と書かれている黄色い看板の右側をよく見ると、テープを貼って何かを隠した形跡があります。私は訂正シールがあると、ついその下側を確かめたくなるタイプなので(性格悪いですね)、近づいて確認してみるとどうやら「喫茶」と書かれていたようです。
あとで調べたところ、昔ここは天然冷房の洞窟喫茶として営業していたらしいのです。ところが従業員がずっと湿度の高い洞窟内にいるため、みな体調不良を訴えてやめてしまい、仕方なく代わりに「天国めぐり」を造ったという経緯があった模様です。
ん……? 18歳未満は入場できないとあります(よく見ると「末満」になってますけど)。いったいなにがあるのでしょう!?
通路を進んでいくと、壁にローマ風(?)のレリーフが。
石灯籠とのミスマッチ感が「ハンパねぇ!」。
突き当たりの壁にしょぼい案内矢印を発見。
右に曲がると大きな空間が広がっており、奥には大仏が安置されていました。
荒川さん情報によると、昔この大仏と反対側の壁の上の方に映写機を設置していたらしい痕跡が残っていたそうです。確かに大仏が置かれているスペースは、スクリーンがあったとしてもおかしくない感じです。
ということは恐らく、入口前に書かれていた「天国の映像」はこちらで上映していたのでしょう。そこで気になるのは「天国の映像」の内容です。
素直に極楽浄土をイメージさせる映像だったのか。あるいは18禁と書かれていたところから想像すると、ピンク映画やブルーフィルム的なエロ映像だったのか。あるいは天国イメージのオリジナルエロ映画だったという可能性もあります。当時のことをご存知の方がいたら是非教えて欲しいものです。
※さらに、大休憩所の感謝状にあった「寄贈したシネマビジョン」というのは、もしかすると大仏を造って使わなくなった映写機を寄贈したのかもしれません。
こちらが平成5年に山口氏が建立した大仏のようです。現役時代、チケットや看板に「四国唯一の大仏」と謳われていたとのことですけど、ホントに唯一なのかな〜?
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この空間の奥に石碑が置かれていました。内容は以下の通りです。
O山大佛の建立に寄せて
富士観光株式会社社長
株式会社山口工務店会長
山口健二
由緒あるO山公園に大佛坐像を
安置し永遠に世界平和と郷土の
安寧を希い喜寿を迎えた記念事
業として不浄を祓(※碑文は誤字だと思います)い洞窟の奥深
く守り本尊の普賢菩薩像を脇佛
とし広く人々の信仰を集め此地
の守護佛たらん事を念願する。
平成癸酉五年 歳男
人生は
金持てば
毎日毎日楽し
山口健二
身も蓋もない人生訓(?)はさておき、平成に入ってからの癸酉(みずのととり)ということは、計算すると1993年で平成5年。入口前の看板に書かれていた年と合ってますね。
さっきもエンマ様のところで書きましたけど、ずっと真っ暗闇だったはずのこの空間の中、鮮やかな色彩の花は違和感ありまくりじゃないですか?
側面はこんな感じでした。小ぶりな大黒像やタヌキの像(商売繁盛を願う徳利や勘定帳を持った例の信楽焼きではありません)などが並べられています。
反対側には天狗とか鬼とかが置かれていて、あまり天国感がありません。そういえば、この洞窟内、獣のオシッコのニオイがこもっており(たぶんネズミだと思います。四国なのでタヌキかも……)、そういう意味でも天国から遠く離れた空間だなぁ〜と思いました!
(続く)
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