Q2-009.尿酸値を下げるためにコーヒーを毎日摂ってもよいでしょうか?

最近の疫学研究で、“コーヒーに含まれる成分が尿酸値を下げる”という内容がありました。私は時々コーヒーを飲んでいますが、尿酸値が高めなので毎日コーヒーを摂った方がよいでしょうか?


最近の疫学研究では、コーヒーの効能がよく取り上げられています。“コーヒーに含まれる成分が、痛風・肝臓ガン・肝硬変・直腸ガン・2型糖尿病・パーキンソン病などの発症リスクを低減する可能性がある”といった報告がされています。NHKのテレビ番組「ためしてガッテン」でも、低血圧症の対策として食前食後にコーヒーを勧めるなど、コーヒーは今、1つのブームになっています。

尿酸値を下げる目的でコーヒーを摂るのは、ホリスティック栄養学の観点から言えば “木を見て森を見ず”ということになります。コーヒーの利点を述べている研究がある一方で、“コーヒーは、心臓発作や膀胱ガンの発症リスクを高める可能性がある”など、マイナスの作用を報告している研究も数多くあります。コーヒーがある病気や症状に対して有益なのは、コーヒーに含まれるカフェインや、一部の抗酸化物質の働きによるものですが、全体的に見ればそうした利点よりも「カフェインによる弊害」の方が圧倒的に大きいのです。「コーヒーは利点よりマイナス面の多い飲み物」なのです。尿酸値の正常化は、コーヒーを飲まなくても食事改善を徹底すれば容易に達成できます。

コーヒーを飲み続けることの一番の問題点は、「カフェイン中毒」です。脳の興奮性刺激伝達物質(気分をすっきりさせ、一時的に集中力を高める)の量を調整しているのは“アデノシン”という物質です。人間が長時間集中して仕事などに取り組んでいると、体はアデノシンを放出し、神経の活動を静めて脳を休ませようとします。アデノシンが神経受容体に接合すると、眠気を催すようになります。睡眠をとることで体を回復させようとします。

ところがコーヒーを飲むと、アデノシンの働きが阻害されてしまいます。これはカフェインとアデノシンの分子構造が似ているために、アデノシン受容体にカフェインがすり変わって結合してしまうからです。アデノシンは深い睡眠に関係しています。カフェインによってアデノシンの働きが阻害されるとなかなか眠れず、眠りについてもすぐに目覚めてしまいます。朝すっきり覚醒できないため、またカフェインを求めるようになります。

少量のカフェインは大脳皮質を刺激し集中力を高め、勉強や仕事の能率を上げてくれますが、やがて脳はカフェインに対し耐性を持つようになります。頑張り続けるためにはカフェインの量を増やさなければなりません。一日に7杯も8杯もコーヒーを飲むようになると、大脳皮質の興奮が異常に高まり、神経は常に緊張状態に置かれます。すると疲労物質の溜まった体は悲鳴を上げているにもかかわらず休息状態に入れないため、イライラするようになるのです。

また、カフェインは副腎を刺激してアドレナリンを放出させ、脳だけでなく全身を興奮させます。血圧・脈拍・血糖値などが上昇し、体は「闘争状態」に入るため一時的にやる気が出ますが、身体には多大な負担を強いることになります。

「カフェイン中毒」になると、他の中毒と同様“禁断症状”が現れます。コーヒーが切れるとひどい頭痛や疲労感に襲われ、頭がボーッとして気分が落ち込みます。こうした苦しい禁断症状はコーヒーを摂ればすぐに治るため、カフェイン中毒はさらに進行していくようになります。

以上のようにコーヒーは、多くの深刻な弊害を引き起こします。コーヒーはどこまでも、嗜好品の1つとして楽しむようにしてください。しかし胃に負担を感じる人や心臓疾患のベースがある人は、たとえ一杯でもやめるべきです。一日一杯にとどめている人でも、コーヒー中毒に陥っている場合もあるのです。一日でも飲まないとイライラするような人は、立派なカフェイン中毒です。健全な心身を望むのであれば、コーヒーは摂らない方がよいのです。

※ 薄めのアメリカンコーヒー1杯にはカフェインが約100mg、日本で飲まれている濃いコーヒー1杯には約200mg含まれています。文中の「コーヒー7〜8杯」は、アメリカンコーヒーの場合です。



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