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私釈三国志 100 劉備玄徳

0 劉備玄徳
F「先日、ある出版社のヒトと話をする機会があった。新潟駅前のサイゼリ○でだが」
A「三国志の話なのにバーミ○ンじゃないンだ?」
F「前にお前が云ったことだが、今日は僕が云おう。エロマンガみたいな恋から離れろ。まぁ、三国志の話なのは事実で、要するに流れた『私釈』の出版に関する打ち合わせのときなんだが、雑談で、いちばん好きな小説家は誰かと聞かれてな」
A「ふむ?」
F「日本人だけか海外も含めるのかと確認したところ、とりあえず日本人だけと云われたので、児島高徳を挙げた」
A「誰?」
Y「太平記の著者とされている人物だ」
A「……何か違わない?」
F「僕に云わせれば違わない。ここ50年の日本国内で出版された小説に、700年後まで読まれ続けるものが存在するか? 読書量はそれなりのラインを保ってるが、そういう観点で評価する場合、太平記と比べられる作品は少ないぞ」
Y「ずれてるのは意見じゃなくて論点だな。お前の云ってることはライターというより考古学者のそれだ」
F「そっちに進みたかったからねェ。海外まで含めるなら、もちろん三国志演義がいちばん面白いと発言するのは以前云った通りだが、その辺りを理解できなかった時点で、あの出版社と決裂するのを覚悟すべきだったか」
Y(自分からネタに振るくらい吹っ切れてきたのはいいことだ)
A(いや、メモリがすっ飛んだのって吹っ切れてないからじゃないのか?)
F「三国志の主役は、前半は曹操で後半は孔明だと云われるが、演義では劉備を主人公としている。漢王朝の復興を志す劉備がいかに戦いいかに敗れ、国を興し、倒れ、その志を継いだ孔明と継がなかった息子の行く末を描いた作品、というのが乱暴に云った場合の三国志演義だからな」
2人『乱暴すぎるわ』
F「ただし、演義が物語としての展開を優先するあまり、正史における人物像を故意に歪めているのは、80回の『曹操孟徳』で見た通り。同様に、劉備像もまた、演義ではいささか問題のあるものになっている」
Y「戦下手の欲ボケた野心家で人を裏切ることに関しては呂布に引けを取らないってのに人望があるからな」
A「正史の記述に基づいた悪質な先入観を払ってから発言してください!」
F「果たして、劉備とは何者だったのだろう」
A「スルーすンのかよ……。蜀の皇帝だろ?」
F「正史でも皇帝には即位している。だが、なぜ皇帝たりえたのか、それがいささか難しい問題でな。劉備とは何者だったのか。今回は、規模を拡大してそれを追求したい」
A「……うむ」
F「僕ではやや荷が勝ちすぎる気もするが、あえて務めさせてもらおう。覚悟はいいか、地雄星」
Y「うむ、何の先入観もなく、このくだらない話につきあうことを宣誓しよう」
A「お前、もう帰れ!」

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1 青春時代
2 放浪人生
3 才色兼備
4 董承処刑
5 悪逆非道
6 劉曄子揚
7 忘恩孤児
8 知彼知己

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