クリーマの営業利益我々は景気後退期にいるi−plugの中期経営計画
次はこうなるITバブルの再来逆金融相場IT業界の多重下請構造

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ショートコラム(2022年6月)

■IT業界の多重下請構造(2022年6月27日)

世間を騒がせている兵庫県尼崎市のUSBメモリー紛失で、またしてもIT業界の多重下請構造が明るみになりました。朝日新聞の記事によれば、紛失したのは「協力会社の委託先の社員」とのことです。

尼崎市(顧客)→BIGROGY(旧日本ユニシス、1次請け)→協力会社(2次請け)→協力会社の委託先(3次請け)

IT業界に通じている方であれば、1次請けが2次請けに丸投げし、さらに2次請けも実作業を3次請けに出すケースが多いことから、一連の流れは目星が付いたでしょう。これが現状であり、大規模なプロジェクトでは4次請け、5次請けまで存在することが珍しくありません。

システムインテグレータなどIT企業を分析する際は、多重下請構造の中でどのポジションに陣取っているのか、チェックしておいたほうが良さそうです。もっとも上場できるのは、せいぜい2次請けまでですけど。


■逆金融相場(2022年6月22日)

古典的名著『相場サイクルの見分け方』の著者、浦上邦雄氏によれば、株式市場は「金融相場→業績相場→逆金融相場→逆業績相場」という4つのサイクルから成り立っています。

足元の局面は、逆金融相場に当たります。逆金融相場とは、まだ景気も良く、足元の企業業績が好調にもかかわらず、株価の弱含む局面です。「不景気の株高」と称される、金融相場と逆の展開を見せる局面と考えれば分かりやすいでしょう。

そのきっかけは、中央銀行の金融引き締めです。黒田日銀は未だに金融緩和を続けているものの、米国FRBが利上げに転じており、金利上昇が世界中のマーケットに影響を及ぼしつつあります。

逆金融相場の特徴として、一見、割安に見える銘柄の増える点があげられます。しかしながら、ここで注意したいのは、逆金融相場の次は逆業績相場に移行する可能性が高いことです。

逆業績相場とは、世の中が不況に突入して、文字通り業績の悪化する局面です。もしそうなれば、現時点の楽観的な業績見通し(EPS)を前提とした「PERが10倍だから割安」という投資は成り立ちません。

長期投資家としては、逆業績相場が訪れるまで待ったほうが賢明でしょうか。その時点で、本当に割安な株を買えばいいのです。

今はともかく「この会社は、景気が悪化するとどれぐらい績が落ち込むのだろうか」と想像力を働かせつつ、逆業績相場で買いたい銘柄の分析に励む時期です。そうこうしているうちに、ほぼ間違いなく次の不況がやってきます。

相場サイクル


■ITバブルの再来(2022年6月16日)

2020年2月21日付のショートコラムで取り上げた東邦システムサイエンス(4333)ですが、2022年3月期決算説明会にて小坂社長が注目すべき発言をしています。

我々の属する情報サービス業において、2021年度はITバブルの年であったと感じています。背景としては、コロナ禍を奇貨に、やや必要に迫られてではありますが、社会全体のシステム化が一気に加速したことが挙げられます。

また、新型コロナウイルス感染症が発生した2020年度は、案件の延期や中止が相次ぎましたが、この反動で2021年度がSIバブルになったと感じています。

慎重派の私には「売上・利益とも過去最高業績を更新した2022年3月期、その受注残の反映される2023年3月期は、我が社にとって出来過ぎである」とも受け取れました。皆さんはどう思われるでしょうか。


■次はこうなる(2022年6月13日)

市岡繁男氏の著書『次はこうなる: グラフで読み解く相場の過去、現在、未来』を読みました。説得力のあるグラフがいくつも掲載されており、近年、出版された株本の中では類まれな良書です。

本書を参考に、今後の投資をどう組み立てるか、改めて再考したいです。長期投資家を自認される方には、一読をおすすめします。


■i−plugの中期経営計画(2022年6月10日)

i−plug(4177)が強気の中期経営計画を発表しています。中途事業への先行投資などにより、2023年3月期は営業赤字に転落するものの、最終年度の2025年3月期に売上高97億円、営業利益20億円を達成する壮大な計画です。

同社は新卒採用に特化したダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」 を運営しており、5月28日付けのショートコラムで取り上げたエン・ジャパン同様に、景気の影響を多大に受ける業種です。

にもかかわらず、中期経営計画は新卒事業における4割近い年平均成長率の持続を前提としており、競合ひしめく転職市場に新規参入する中途事業も2年目からの黒字化を目指しています。

i−plugの経営陣は、今後3年間、引き続き足元の好景気が持続し、不況は訪れないと想定しているのでしょうか。ここ数年、あまりにも株高が続いたために、投資家のみならず、企業経営者も楽観ムードに浸っているように感じられました。

i−plug 中期経営計画


■我々は景気後退期にいる(2022年6月5日)

本日の朝日新聞朝刊によると、イーロン・マスク氏が5月の対談で、次のような見方を明かしたそうです。

我々はおそらく景気後退期におり今後悪くなる。

発言だけであれば、ブラフの可能性も否定できません。しかしながらマスク氏がCEOを務めるステラ社では、社員の約1割の削減を計画しているとのこと。

我が国では似鳥会長が該当しますけど、この手の実業家は概ね先を読みながら行動できるものです。投資家として、マスク氏の今後の言動に注目したいです。


■クリーマの営業利益(2022年6月2日)

クリーマ(4017)が4月に発表した、2023年2月期の営業利益には、正直なところ驚きました。引き続き増益かと思いきや、赤字に転落する見込みだからです。

決算短信に書かれている、主な理由は次のとおり。

具体的には、「Creema」の認知度向上を目的に、前期比+6.3億円となる総額10.9億円を投下し、 TVCMを中心とする大型プロモーションを実施します。

今回の大型プロモーションを通じてマーケットおよびサービス認知の拡大を図ることで、国内ハンドメイドマーケットプレイス市場の地位向上ならびに「Creema」の中長期的な成長を目指します。

近年IPOを行った、ネット上でB2Cビジネスを手がけている新興企業の中には、同社のように大がかりなTVCMを打たなければ集客(=成長)できないケースが多いように感じられます。

会社側の目論見通り、この大型投資が実を結ぶのか、成り行きを見守りたいです。

クリーマ 2023年2月期の連結営業利益の予測



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