2018年の過ごし方、1月のバリュー投資塾、散歩道にて、
『投資のプロたち』名言集、晴耕雨読、決算と株価、
「投資チャンスの見つけ方」音声CD、プロ意識、ウォーレン・バフェット指標、
探せばある、個別銘柄分析、1000店の壁、ニトリ会長の予測、
投資家寿命、サムライ債の思い出、藤田社長の金言
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ショートコラム(2018年1月)
■藤田社長の金言(2018年1月31日) |
サイバーエージェント社長の藤田晋氏が「マネ凸〜マネー賢者に聞く”個人の金”の話」でインタビューに答えています。 無理やり出演させられたとはいえ、金言のオンパレードです。すっかり藤田社長のファンになってしまいました。 ●基本的に投資に成功する人というのは、買ったまま忘れてる人か、簡単には売れない人のどっちか。人は簡単に売れるものを持ってると、ちょっと値動きしただけで売りたくなる衝動に駆られる ●なけなしのお金で投資なんてしたら、気になってしょうがない。 それで短期の売り買いを繰り返してたって延々儲からない ●向こうから転がり込んでくるタイミングを待たないと。それは自分で決められるものじゃないのに、自分のタイミングで買ってしまう。 ●日本株が上がってるみたいな状況を見て興味を持っても、その時点でだいたい遅い。かといって、いたずらに逆張りするのもよくない。すなわち、カンタンな投資タイミングなんてほぼない 自分の23年余りの投資経験からも、一言一言が身にしみます。「1997年秋、アジア金融危機の余波でメインバンクの拓銀が破たんし、株価が急落したニトリをごっそり買い込んで忘れていれば」とか「東日本大震災直後の暴落相場で、なぜ日本M&Aセンターやモノタロウを売ってしまったのだろう」とか、様々な思いが走馬灯のように駆け巡りました。 そして私が投資家人生の後半戦でぜひともやりたい投資が、藤田社長の次の言葉に集約されています。 ●自分がちゃんと価値を分かっているものに対して、それがいま安いから買っておこうと思えるタイミングがやって来るので、そこで手を出す。そして忘れる |
■サムライ債の思い出(2018年1月30日) |
私がまだ初心者だった1990年代の話です。ある日、野暮用で証券会社の窓口に出向いたところ、サムライ債(円建外債)のパンフレットが置いてありました。 中国企業の発行する社債で、とても魅力的な金利です。円建てにつき、為替リスクもありません。下がり続ける預金金利に悩まされていた私は、心を動かされます。 受付の女性からは「引き合いが殺到していますので、お申込みは早めにお願いします」と言われました。一晩考えて投資を決意し、証券会社に電話を入れると「もう完売しました」とのつれない返事。昨日、その場で決めきれなかった自分の優柔不断さに腹が立ちました。 しばらく、その件は忘れていたのですが、数年後、このサムライ債がデフォルトしたことを知りました。たぶん、アジア通貨危機の後だったように記憶しています。「もし、あのとき即決していれば・・・」と思うだけで背筋が寒くなったものです。 多少怪しげな投資対象も、マーケットが「晴れの間」はだいたい大丈夫です。しかし「土砂降りの後」にどうなるのか、身をもって思い知らされた出来事でした。 |
■投資家寿命(2018年1月29日) |
『一生使える脳 専門医が教える40代からの新健康常識』を読みました。 最近の関心事に「いかにして投資家寿命を延ばすか」があります。ここでの投資家寿命とは、健康寿命の投資家版で「投資家として、心技体ともに充実した状態で過ごせる期間」を指します。 なにしろ長期投資は、成果が出るまで時間がかかります。その前に、自分がくたばってしまっては、元も子もありません。 本書には、脳のパフォーマンスを保つためのヒントが満載されています。すでに取り入れているものもありましたが、個人的に刺さったのは次の言葉でした。 私は経験上、“好きなだけタバコを吸って、好きなだけお酒を飲めば寿命は65歳”という感覚を持っていますが、実際のデータと見比べるとかなり信憑性が高いといえます。 著者は「飲むな」とは断言せず、ビールなら中ビン1本、日本酒なら1号に控えるようアドバイスしています。そうはいっても、好きな人はビール中ビン1本で済まないでしょう。私もその口です。 アルコールが脳にダメージを与えることは、既知の事実であり、本書でも指摘されています。お酒との付き合い方について、再考させられました。 |
■ニトリ会長の予測(2018年1月27日) |
現在ビジネスに、ニトリ会長が2018年の日本経済を大予測!「今年はズバリ…」という記事が出ています。 ニトリは1997年のアジア通貨危機にて、当時メインバンクだった拓銀が経営破たんを起こし、お膝元の北海道経済がどん底に陥るという苦境を経験しました。似鳥会長が経済予測に力を入れているのは、そういった経緯からかもしれません。 記事では我が国に多大な影響を及ぼす米国経済に先行きについて、次のようにコメントしています。奇しくも、FRBの利上げが効いてくるタイミングです。 私の見立てでは、その失速がはっきりしてくるのは'18年の第3四半期(10〜12月期)くらい。そこから第4四半期('19年1〜3月期)にかけて、状況はだんだん悪くなっていく もちろん予測ですから、当たるとは限りません。当然、何らかのポジショントークも含まれているはずです。しかし投資家としては、似鳥会長の経済予測が当たっても困らないような備えをしておくべきでしょう。 |
■1000店の壁(2018年1月25日) |
日経ビジネスオンラインに、急成長の歪みに苦しむ鳥貴族の「重荷」という記事がアップされています。その中で、いちよし鮫島氏のコメントが目に留まりました。 客単価1000円以上の外食業態が1000店を達成したことはほとんどない。総合居酒屋の「和民」、焼肉店の「牛角」なども国内で1000店には達していない。鳥貴族の1000店目標も相当に厳しいはず 昨年11月のバリュー投資塾「成長株のサクセスストーリー」でもお話ししたとおり、全国展開を目指している小売業の成功イメージは「1000店舗、売上1000億円、時価総額1000億円」です。 ただメルマガのTTPというビジネスモデルでも述べたように、新業態がヒットすれば、すかさず同業他社がパクる仁義なき戦いが繰り広げられている飲食業界では、新興企業が成長を続けるのは難しいとされています。 鳥貴族が1000店の壁を乗り越えられるのかどうか、おおいに注目したいですね。 |
■個別銘柄分析(2018年1月24日) |
初めて社名を聞いた企業の個別銘柄分析を行い、その会社を理解するために必要な時間をご存知でしょうか。私の場合、1日2時間程度の集中した作業を行い、2〜3日はかかります。時間に換算すれば、5〜6時間です。 株式投資、とりわけ長期投資で儲けるたためには、競争に勝てる会社や実質的な競合の存在しない企業を探し出さなければなりません。ゆえに、収益構造やビジネスモデル、経営者の資質といった企業自体の分析だけでなく、状況次第では業界や競合などビジネスを取り巻く環境まで調査を行う必要があります。 そのためには、然るべきキーワードを入れて、グーグル検索を行うわけですが、調査を続けているうち、PCの動きが鈍くなるぐらいにブラウザのウインドウだらけになります。頭の中もごじゃごじゃです。こんなことを繰り返しているうち、情報が整理され、企業の全容が見えてくるのが早くて2日目、遅ければ3日目です。 で、ここからがセールストークです。私が開催しているセミナーや発行しているレポートは、「当てる」つもりはありませんけど、相応の時間を要した銘柄分析の結果を簡潔にまとめた資料です。本業で何かと忙しい個人投資家の方が、時間を買うと考えれば悪くない選択肢であると自負しています。 |
■探せばある(2018年1月22日) |
投資家が短期志向に陥り、四半期毎の表面的な数字に右往左往しています。そんなときは、視点をやや長めに持ち、会社自体の強みや置かれている状況の変化をじっくりと分析すれば、意外に興味深い銘柄が持つかるものです。 私自身も「今の株高局面では、もう買える銘柄がないかもしれない」と半ば諦めかけていたのですが、改めて調べてみると、打診買いを入れてみたい会社がいつくか見つかりました。 探せばあるものです。自分では変えられない状況を嘆く暇があれば、自分のできることをコツコツやるべきだと、今さらながら痛感した次第です。 |
■ウォーレン・バフェット指標(2018年1月18日) |
久々に、米国株のウォーレン・バフェット指標(Warren Buffett Indicator)を取り上げましょう。この指標は、株式市場時価総額をGDPで割ったもので、Total-Market-Cap to GDP Ratioとも呼ばれています。 かつて、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が「いかなる時でも通用する、単独で株式市場の割高・割安を判断する最良の指標」に挙げたことで知られています。 ●〜50 ・・・大幅に過小評価 現時点では149%で、2000年のITバブルとほぼ同じ割高な水準に達しています。過熱しているマーケットは、短期売買を手がけるトレーダーにとってはむしろ稼ぎ時かもしれませんが、バリューを重視する長期投資家には対応が難しい局面です。 ここはキャッシュを厚めに確保しつつ、今月のバリュー投資塾「投資チャンスの見つけ方」でお話ししたような嫌われている銘柄を少し買ってみるのが賢明に思えます。
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■プロ意識(2018年1月16日) |
資格や実績は一切不要で、予選を勝ち上がる必要もありません。誰でも参加できます。しかもルール内であれば、何をやるのも自由。 その一方で「初心者です」という甘えがいっさい通用せず、ゴルフのようなハンディキャップもなし。 参加する以上は、プロもアマも関係なく、全員が命の次に大事なものを賭けたガチンコ勝負を繰り広げている場所がマーケットです。 にもかかわらず、プロ意識に欠けている個人投資家が多いような感じを受けています。もっとも、そういった人たちのお陰で、私のような者が生き長らえているのかもしれませんけど。 |
■「投資チャンスの見つけ方」音声CD(2018年1月15日) |
1月のバリュー投資塾「投資チャンスの見つけ方」音声CDを販売します。 目先筋が毛嫌いする悪材料も、一時的なものであれば、世間に同調しないバリュー投資家にとって「飯の種」といえます。 今回は、そういった逆張り的な投資手法を中心にお話ししました。一般的な株式投資セミナーでは、まず聞けない内容です。 当日のアンケートを拝見したところ「なるほど、そういう見方をするんだ」と興味を持たれた方もいらっしゃるようで、このテーマを選んで良かったと感じました。 ご購入を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 なお、前もってお申込み・ご入金をいただいた分は、本日に最寄りの郵便局から発送済です。 |
■決算と株価(2018年1月12日) |
最近、決算発表の数字に株価が過剰反応するケースが多いように思われます。四半期毎の会計利益は、割と変動するもので、いちいち気にしていると切りがありません。 逆に考えれば、減益の理由が一時的なものだったり、将来に向けての先行投資による場合、嫌気売りで株価の急落した局面は絶好の投資チャンスになりえます。そういった数字の裏が読める投資家を目指したいものです。 この件に関しては、明日のバリュー投資塾でも具体例を交えてお話しします。参加される方は楽しみにしておいてください。 |
■晴耕雨読(2018年1月10日) |
晴耕雨読という四字熟語があります。 順張りのポジショントレーダーには、そのまま当てはまる言葉です。マーケットが晴れの日には活発な投資を行い、雨が降れば持株を引き払って調査・研究に励めばいいからです。 一方、逆張りの長期投資家(=バリュー投資家)は全く逆にとらえる必要があります。晴天が続けば、出かけたい気持ちを抑えて銘柄分析に没頭し、憂鬱な雨の日に思い切った投資を行わなければならないからです。最高のシチュエーションは、長雨の後の土砂降りです。 さて皆さんは、晴れの日をどう過ごすタイプの投資家でしょうか。 |
■『投資のプロたち』名言集(2018年1月8日) |
絶番になって久しく、書店でもあまり見かけなかった『投資のプロたち』。個人的にこの本が大好きで、今でもときどき読み返しています。 本書より、名言をいくつか紹介しましょう。 もし失敗が避けられないならば、多くの現金を持ちながら、市場が上昇するのをただ見ているだけよいう失敗の方がまだいい。多くの株式を持ち、相場が下がるのを見守るという失敗よりは(アベイター社) バリュー投資とは、人気がなく、誰からも好まれることなく市場で売買され、他人は嫌な株式だと思うものを進んで買おうというやり方である(ブランデス社) われわれは、孤独な長距離ランナーである。そういう心構えが長期的な投資の成功に役立つものであり、投資方針の重要な要素ともなっている。マスコミに関心の大半を集める大きなリスクをとる人たちは、われわれの投資方針とは別の世界にいる(フォックス社) なお、各マネージャーとも一度は、マーケットで完璧なきまでに打ちのめされた経験を持っています。その点に関して、あるマネージャーは次のように述べていました。 この本の取材を受けた10社のマネージャーの誰もが、多くの投資アドバイザーより頭脳明晰だとは私は思わない。しかし、彼らほどのガッツは、ほとんどの人間にはない 私が気に入っているということは、おそらく一般受けしない内容だと思います。しかし、ここに登場するのは全員「プロ中のプロ」。そんな、いぶし銀のような投資家の軌跡をたどってみるのも興味深いです。 |
■散歩道にて(2018年1月5日) |
散歩道で、いつのも場所にクモが巣を張り、獲物がかかるのを我慢強く待っています。その姿を見るたびに「自分も見習わなければ」と思います。 晴れた日には、カタツムリが殻にこもって、ひらすら雨が降るまで待っています。その横を通るたび「おお、同志よ」と声をかけたくなります。 そんな私は、ちょっと変な人でしょうか。 |
■1月のバリュー投資塾(2018年1月4日) |
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1月のバリュー投資塾は「投資チャンスの見つけ方」をお話しすることにしました。 このテーマをやろうと思ったきっかけは、昨年に 『株でゼロから30億円稼いだ私の投資法』を読んで、大いに感銘を受けたからです。 著者の遠藤四郎氏は首尾一貫した投資哲学「株式投資は人と同じ行動をとっては絶対に儲からない」を実践に落し込み、2部上場の赤字会社への投資で30億円の資産を築きます。 遠藤氏に強く同意した私は、自分なりに「一般的な投資家に嫌われるのは、どういった株か」を調べてみたところ「これは使えるのではないか」というパターンがいくつか浮かび上がりました。 そのような銘柄にバリューがあり、不人気の理由が一時的なものであれば、「他人に付和雷同しない」投資家にとって絶好の投資チャンスとなりえるでしょう。 奇しくも相場が高値を付けており、割安な好業績銘柄を見つけづらくなっている状況だけに、本セミナーが今年の投資に対するヒントをご提供できるのではないと自負しています。 ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。
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■2018年の過ごし方(2018年1月1日) |
明けましておめでとうございます。2018年に関しては、ようやく資本主義社会の一員になれたこともあり、投資家的な視点から資本家的な視点に移行したいです。 こんなことを書けば笑われるかもしれませんけど「もし10億円持っていたら、あるいは100億円持っていたら、どうするか」考えてみるのです。 そのために具体的に何をすべきか、まだ見えていないのですが、方向性としてはより資本家的なスタンスを目指していきます。 本年もよろしくお願いいたします。 |
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by 角山智