専門家の予測が外れる理由マザーズ指数の株価チャート中途半端な株価水準
フィラデルフィアKBW銀行株指数トヨタ自動車の月足チャート続・売り手市場は株の売り時
アピタのレジ日常生活における安全域薬と酒とレバレッジ本当に恐怖を感じたとき
サンドラッグへの投資けちんぼサラリーマン社長とファンドマネジャーアップル株のチャート

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ショートコラム(2016年4月)

■アップル株のチャート(2016年4月30日)

昨年7月のショートコラムで取り上げたアップル(AAPL)の株価チャートを久しぶりに眺めてみました。今回、気づいたことは次の2つです。

●米国株の強気相場は、実質的に昨年前半で終わっている
●連動している日本株の個別銘柄が意外に多い

前回は「猫も杓子もiPhoneを持っているこのご時世、アップル株にどれだけの上昇余地があるのだろうか」と疑問を投げかけました。

いずれにせよ、旬は過ぎたといえそうです。

アップル 株価チャート(週足)


■サラリーマン社長とファンドマネジャー(2016年4月28日)

サラリーマン社長とファンドマネジャーには、共通点があります。

●最大のリスクはクビである
●短期的な成果を要求される
●組織の和を尊重する

いずれにせよ、こういった立場の人間に、本腰を入れた投資を期待するのは無理です。

投資先は、社長自身がオーナーであり、上手に経営されている企業の中から選んだ方がいいでしょう。資産運用も、アクティブ運用の株式投信には頼らず、自分でやるしかありません。


■けちんぼ(2016年4月26日)

激動の時代に、一代にて財を成した人は、必ずといっていいほど倹約貯蓄の重要性を訴えています。

山崎種二氏の著書『そろばん』にも、次の記述があります。

お金を貯めるには、それだけの努力、忍耐が必要で、楽をしていたのでは貯められないし、お金をもつことによってえられる利益をうけれない

私も、株式投資を始めてからは、随分とケチになりました。また、損をするたびに、その度合いが増しています。

2002年(だったと思う)にタバコをやめたのは、健康のためというより、ITバブル崩壊で損失を被り、少しでも投資に使える元手を確保したかったからです。

2010年に車を手放したのも、 リーマンショックで大火傷を負い、角山オフィスの売上も激減して、維持費用がもったいないと感じたからです。

ただ、今はアベノミクス景気に浮かれ、財布の紐が緩んでいるような気がします。そこで、お酒をやめるかどうか、再び検討しているところです。

大切なお金を使い、不健康を買い、追加の税金まで払うのは、決して合理的ではありません。


■サンドラッグへの投資(2016年4月21日)

個人投資家としての駆け出し時代、ドラッグストアに興味を持った時期があります。

1990年代半ば、シフト勤務の空き時間を利用して大阪北浜の証券資料室に通ったり、大きな書店の業界専門誌コーナーを回ったりして、当時上場していたドラッグストアを全て調べました。

調査の結果、得た結論は「サンドラッグ(9989)が最強のドラッグストアである」です。とはいえ、初心者でも分かることなど、とっくに株価に織り込み済みで、そう簡単には買えません。

1997年に入り、ようやく株価が下がってきました。値頃感から「絶好の投資チャンス」と判断した私は、2月に600円で買いを入れ、8月に510円でナンピンします。

しかし、本当の下げは、ナンピン後に起こりました。アジア通貨危機が表面化し、拓銀や山一など「絶対につぶれない」と言われていた大手金融機関の経営破たんにより、株という株が売られたのです。

何せ、上場企業のEPSが信用できなくなったのですから、PERなんて関係ありません。サンドラッグ株も、1997年12月末には350円まで下落。手痛い含み損となり、当時のノートには「売る」と書いてあります。

不幸中の幸いは、その注文が執行されなかったことです。おそらく、売る気力すら残っていなかったのでしょう。

1999年のITバブルで、同社は「勝ち組」として復活。それまで持ちこたえた(実際は、単に株価を見ていなかっただけですが)私は、含み益に転じました。

もし、ここで売っていれば「めでたし。めでたし」だったのですが、そうは問屋が卸してくれないのが株です。

何を血迷ったのか、2000年11月に1,375円、2001年11月に1,355円で少し買い増し、2002年6月に1,300円で全て売却しています。

それ以降は、2003年や2009年に安値があったにもかかわらず、投資を行っていません。良く知っている会社につき、買えたはずですけど・・・。

トータルではまあまあ儲かったとはいえ、冷静に振り返れば、反省点の多い投資です。

サンドラッグ 株価チャート(月足)


■本当に恐怖を感じたとき(2016年4月19日)

2008年10月、投資家生命を脅かされる寸前までいったことがあります。そのとき、どういう状況だったかを書いておきましょう。

まず脳裏に現れたのは、2005年の強気相場で一世を風靡しながら、2006年1月のライブドア・ショックを契機とした新興市場崩壊で次々と退場させられたカリスマ投資達でした。「君も早くこっちへおいで。楽になるよ」彼らは口々に呼びかけます。

次に「最後まで頑張っていた、角山っていう投資家もいなくなっちゃたね」「あの人の本、今でもブックオフで見かけるよ」と語り草になっている自分の姿が目に浮かびました。

「このままでは、本当にそうなってしまう。とりあえず、今は生き残ることを優先しよう」全てを投げたのは、ほぼ底値圏でした。


■薬と酒とレバレッジ(2016年4月18日)

最近読んだ『完全なる投資家の頭の中』で印象に残っているチャーリー・マンガーの言葉があります。

人を破滅させる三つとは、薬物と酒とレバレッジです。

意外なことに「お酒はほどほどに」と強調する投資家は少なくありません。私も気をつけたいものです。


■日常生活における安全域(2016年4月15日)

セミナー会場には、だいたい1時間前に着いています。テニススクールにも、30分前に入っています。

待ち合わせ場所にも早めに着き、本屋などで時間をつぶした後、10分前から待っていることが多いです。

ときどき「いつも一番乗りだね。何で、そんなに早くから待っているの?」と聞かれます。「まあね」とニコニコしているだけですが、心の中ではある言葉をつぶやいています。

「マージン・オブ・セーフティ(安全域)だよ」と。


■アピタのレジ(2016年4月13日)

実家近くにユニーGH(8270)の経営するアピタがあります。

以前は、お店の雰囲気も良く、楽しく買物できました。ところが、いつの間にか、レジの女性から笑顔が消えたのです。何かに怯えているような表情のレジ係まで出てくる始末。

「あれ、おかしいぞ。何か変だな」と思っていた矢先、ユニーGHの業績悪化が発表されました。会社の経営状況は、従業員の顔に出るものです。


■続・売り手市場は株の売り時(2016年4月11日)

3月2日に書いた売り手市場は株の売り時の続編です。今回は「売り手市場にて株を買えば、その後どうなったか」が分かりやすいグラフを引用します。

下図がそれで、4月1日に発表された日銀短観に含まれている「雇用人員判断(全産業)の推移」です。

グラフでは、1990年、2007年が人手不足(売り手市場)のピークでした。ここで株を買えば、1990年代の資産バブル崩壊や2008年のリーマンショックで苦しんだはずです。

そして足元の状況も、大企業は2007年とほぼ同水準、中堅中小企業では2007年より人手不足です。そろそろ危ない時期に差しかかっているとも受け取れます。

日銀短観 雇用人員判断(全産業)の推移


■トヨタ自動車の月足チャート(2016年4月8日)

久しぶりに、トヨタ自動車(7203)の月足チャートをチェックしてみました(下図)。明らかにチャートが崩れており、今後の景気や企業業績を暗示する形となっています。

なお、手元の会社四季報春号によれば、バリュエーションは次のとおりです。

●PER7.8倍
●PBR1.07倍
●配当利回り3.63%

株価は、四季報に掲載されている時点の5931円よりさらに下げており、一見、お買い得に思えます(そういえば、PER7倍のスバルで取り上げた富士重工業も似たようなものでした)。

しかし、同社のような景気循環株は、足元の状況では避けたい投資対象です。ひとたび景気が悪化すると、赤字転落もありえるからです。現に、2009年3月期から2012年3月期まで、トヨタ単体ベースでは営業赤字でした。

くれぐれも「NISA口座で保有しよう」なんて考えないでください。長期投資における景気循環株の買い時は、不況の真っただ中です。


■フィラデルフィアKBW銀行株指数(2016年4月6日)

下図は、S&P500(SPX)とフィラデルフィアKBW銀行株指数(BKX)の比較チャートです。依然として高値圏で踏ん張っているS&P500に対し、銀行株指数が先行して下げています。

銀行株指数 株価チャート(直近2年)

実はこの銀行株指数、金融市場の異変を前もって察知する「炭鉱のカナリア」として知られています。現に2007年夏以降の相場でも、S&P500より一足早く下げに転じていました。

銀行株指数 株価チャート(2007年4月〜2009年3月)


■中途半端な株価水準(2016年4月4日)

日経平均に関しては、高値より随分と下げましたが、1万6千円台はまだまだ中途半端な株価水準に思えます。

というのも、目を付けている「これぞ」という銘柄のバリュエーションが依然として高いからです。

経験則的に、次のような状況で買い出動できれば、勝算がかなり高くなります。

●質の高い銘柄がPER10〜12倍
●毎年のように増配の期待できる銘柄が配当利回り3%以上

そうなるまで、もうしばらく我慢が必要でしょうか。


■マザーズ指数の株価チャート(2016年4月3日)

下図は、東証マザーズ指数の推移です。

2013年5月以降、下限600ポイント、上限1000ポイントのボックス圏にて、激しい乱高下を繰り返しています。

中長期的なトレンドがなく、ボラティリティだけが高いという状況で、この戦場で勝ち残るのは、相当の腕前が必要とされるように感じました。

比較的楽に儲かるのは、緩やかな上昇トレンドの継続している市場や銘柄です。

東証マザーズ指数 株価チャート(週足)


■専門家の予測が外れる理由(2016年4月1日)

学者の調査などによれば「専門家の予測は外れる」といわれています。ところで皆さんは、その理由を考えたことがありますか?

私も邪推してみたのですが、だいたい次のようなところだと思います。

●「3カ月後の日経平均は?」という無茶振りに答える必要がある
●大人の事情で本音が言えない。上司の機嫌を損ねるような、所属している組織の意向に反する発言はできない
●当たろうが当たらまいが「ウケれば勝ち。スポンサーに気に入られればOK」と割り切っている

そんなわけですから、投資家側も娯楽として聞くのが一番かと思います。



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