駅近くの小さな書店の光景2〜3年後を見据えた投資
乱高下するNYダウIMFの警告ピークアウト感のある景気動向指数
業績好調のABCマートドル建て日経平均ドル・コスト平均法のポイント
再び3ドルを割り込んだ銅価格パナホームの業績下方修正お宝探しの楽しみ
ペトロブラスが安い日経平均755円高

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ショートコラム(2014年10月)

■日経平均755円高(2014年10月31日)

長年、株式投資を行っていると、少々の出来事には驚かなくなります。しかしながら、本日の日経平均755円高には、さすがにぶったまげました。

政府・日銀とすれば、まさにこのタイミングを狙っていたのでしょうか。その裏には「何が何でも、消費税を10%に」という意図が見え隠れしているようにも思えます。

1990年代にも、PKO(プライス・キーピング・オペレーション:株価維持策)なるものが実施されましたが、マーケットにおいて非合理的なことは長続きしませんでした。

さて、今回はどうなるでしょうか。

日経平均株価チャート(日足)


■ペトロブラスが安い(2014年10月28日)

かつて、BRICsの象徴として、一世を風靡したペトロブラス株(PBR)が売られています。

ブラジル大統領選挙の結果を受け、ADRの株価も11.16ドルまで急落。楽天証券のデータでは、PERは1桁、PBRも1倍を大きく割り込んでいます。

●予想PER:7.09倍
●実績PBR:0.49倍

目をつぶって買っておけばいいのか、まだまだ下値があるのか、悩ましいところです。情報量の少ない外国株は、こういった局面での思い切った投資判断が難しいですね。

ペトロブラス 株価チャート


■お宝探しの楽しみ(2014年10月27日)

このところ、株本執筆の合間を縫い、ネット上からダウンロードした英語のアニュアルレポートと格闘しておりました。11月のバリュー投資塾「外資系バリューファンドの投資銘柄」のテキストを作成するためです。

手間のかかる作業ですが、英語で書かれた日本企業のリストを一社一社たどっていくのは、お宝探しの楽しみがあります。実際に「うんうん、その銘柄には、私も目をつけていたのだよ」というケースに遭遇すれば、思わずニンマリするものです。

また「まぜ、こんな企業に投資しているのだろうか」と思い、背景を調べているうち、その銘柄の魅力に気づき、ウォッチリストに追加したものもあります。

今回は、10社以上のバリューファンドの投資銘柄を調べ、その中から「これは面白そうだ」と感じた4つのファンドと7つの銘柄を選んでみました。

ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。

11月のテーマは「外資系バリューファンドの投資銘柄」です
日時・場所

2014年11月15日(土) 10:30〜16:50 東京・大井町 きゅりあん

2014年11月24日(祝) 10:30〜16:50 大阪・天満橋 エル・おおさか

セミナー終了後、懇親会を開催します(費用は実費です)。

人数

少人数制(10名様程度まで)

受講料

銀行振込 25,920円 当日現金 28,000円

3日前までのキャンセルは返金いたします。それ以後のキャンセルは次回以降の受講に振替させていただきます。

内容 外資系バリューファンドの中で、注目に値するファンドとその投資銘柄について分析します。
テキスト
目次

1 ブランデス・ インターナショナル・スモールキャップ・エクイティ・ファンド
1−1 投資方針
1−2 パフォーマンス
1−3 投資銘柄
1−4 銘柄分析:A社
1−5 銘柄分析:B社

2 ロングリーフ・パートナーズ・インターナショナル・ファンド
2−1 投資方針
2−2 パフォーマンス
2−3 投資銘柄
2−4 銘柄分析:C社

3 SFPバリュー・リアライゼーション・ファンド
3−1 投資方針
3−2 パフォーマンス
3−3 投資銘柄
3−4 銘柄分析:D社
3−5 銘柄分析:E社

4 プロスペクト・ジャパン・ファンド
4−1 投資方針
4−2 パフォーマンス
4−3 投資銘柄
4−4 銘柄分析:F社
4−5 銘柄分析:G社


■パナホームの業績下方修正(2014年10月23日)

「最近、戸建住宅や賃貸アパートの建築現場をすっかり見かけなくなったな」と感じていたところに、大手ハウスメーカー8社の一角であるパナホーム(1924)より業績下方修正が発表されました。

【第2四半期 業績予想】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前回発表予想
156,000
6,500
6,500
3,900
今回修正予想
152,400
4,400
4,500
2,600

【通期 業績予想】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前回発表予想
333,000
16,500
16,500
10,000
今回修正予想
330,000
14,600
14,900
9,000
前期実績
324,458
14,222
14,834
8,925

同社の公表資料では、修正の理由を次のように説明しています。

(第2四半期累計期間)

消費税増税の影響が想定より悪化したことから、戸建売上が伸び悩み、売上高は平成26年4月25日に公表した予想値(以下、「前回予想」)を下回る見込みです。それに加え、売上構成の変化や粗利率が低下したことから、各利益が前回予想値を下回る見込みとなったため、修正いたします。

(通期)

第2四半期(累計)期間の業績を踏まえ、売上高、営業利益、経常利益および当期純利益は、前回予想を下回る見込みです。なお、第3四半期以降につきましては、集合住宅を中心に前年9月駆け込み受注の完成引渡し物件が多いこと、利益面では、原価低減活動による粗利額の改善が見込まれることや、経営全般にわたる固定費の合理化を進めることから、通期では増収増益を見込んでおります。

同社の戸建売上が伸び悩んでるということは、他社も同じような状況にあると思われます。大和ハウスのように多角化の進んでいるところを除き、今期は厳しいかもしれません。

なお、通期については、あくまで増収増益を達成するため、苦心して数字を積み上げたようにも受け取れます。再度、業績下方修正の発表される恐れもありそうですね。

パナホーム 株価チャート(日足)


■再び3ドルを割り込んだ銅価格(2014年10月21日)

3月12日付のショートコラム「銅は景気を知っている」でも取り上げた銅価格ですが、再び節目とされている1ポンド当たり3ドルを割り込んでしまいました。

今年に関しては、銅価格が日経平均株価に先行しているような感じを受けます。3月の安値を割り込むか否かにも、注目したいです。

銅価格チャート(1年)


■ドル・コスト平均法のポイント(2014年10月19日)

ドルコスト平均法は本当に万能か?…”やめ時”を見極めよう」という記事を読み、強く同意しました。

ドルコスト平均法といえども、株式投資には違いありません。それゆえ「何を、いつ買うべきか」をよくよく考える必要があります。巷には「積立を続ければOK」という意見もありますが、私には思考停止に思えてなりません。

ドルコスト平均法のポイントは、次の3つです。

●中長期的に、右肩上がりの期待できる投資対象を選ぶ
●株価の低迷している時期に始める
●株高となり、十分に利が乗れば、部分的にでも利益を確定して、しばらく休む

以上を考慮すれば、S&P500や世界株式指数に連動するインデックスファンドの積立を、株安局面にて始めるのが正解といえます。

今は、そのような投資のスタート時期として、あまり向いていないかもしれないですね。


■ドル建て日経平均(2014年10月16日)

東証のメインプレイヤーは、今や外国人投資家です。そこで、彼らの視点から、ドル建て日経平均を見てみましょう(下図)。

25日移動平均線は、8月から下降トレンドに転じています。9月には、25日と75日がデッドクロスして、10月からは75日も下降トレンドです。

現時点では、短期筋から順番に、外国人投資家が逃げ出しているような感じのチャートになっています。

ドル建て日経平均 株価チャート(日足)


■業績好調のABCマート(2014年10月14日)

靴小売専門店、ABCマート(2670)の業績が好調です。10月8日に発表された第2四半期決算では、15.1%増収、23.5%営業増益となり、通期も上方修正しました。

既存店月次は、消費税増税後も前年を上回って推移しており「なぜ、同社だけ売上が落ち込まないのか」不思議に思っていたのですが、「ABCマート、快走支える大胆&攻めの経営 外国人観光客と女性の爆発的需要を取り込む」という記事を読んで納得しました。

アジア人観光客は、我が国の小売業にとって上得意になる可能性を秘めています。今後は、いかにそのような需要を取り込めるか否かで、明暗が分かれそうです。

【第2四半期 経営成績】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前期
93,814
18,999
19,126
10,623
当期
108,017
23,466
23,806
14,138

【通期 業績予想】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前回発表予想
203,000
35,800
36,300
21,500
今回修正予想
213,000
40,600
41,200
24,350

良好なファンダメンタルを反映して、株価も年初来高値を更新しています。チャート上でも、保ち合いを抜けそうな形になっており、面白そうだと思われる方もいらっしゃるでしょう。

ABCマート 株価チャート(日足)


■ピークアウト感のある景気動向指数(2014年10月11日)

景気動向指数という、内閣府の公表している指標があります。発表のやや遅いのが玉にキズですが、様々な指標から複合的に景気を判断しており、株式投資にも役立つデータです。

下のグラフは、TOPIXと景気動向指数の先行指数、一致指数の推移を比較したものです。

ここで、気をつけたいのは、先行指数がピークアウトしているにもかかわらず、株価が高値圏にあるケースです。景気の悪化により、株価は下がるしかないからです。

直近では、2006年後半から2007年前半が該当しました。さて、今年はどうでしょうか。

景気動向指数とTOPIXの推移


■IMFの警告(2014年10月9日)

ロイターの記事「世界成長予想引き下げ、ユーロ圏・日本にIMF警告」にて、次の文言が目に留まりました。

IMFは、来年にFRBが利上げを開始すれば、金融市場のバブル的な価格上昇は突然はじけることになると警告。

今の株高は、低金利により演出されたバブルだと言っているようなものですね。FRBの出方が注目されます。


■乱高下するNYダウ(2014年10月8日)

最近、気になっているチャートがあります。米国の代表的株価指数、NYダウです。

9月19日、高値をつけたNYダウは、その後の値動きが荒くなってきました。200日移動平均線(緑線)の近くで株価が乱高下するのは、天井圏の特徴です。

警戒するに、越したことはありません。

NYダウ 株価チャート(週足)


■2〜3年後を見据えた投資(2014年10月4日)

今から3年前、2011年の状況を憶えておられるでしょうか。

2011年は、春先に東日本大震災が起こり、秋にはギリシャショックが再燃して、投資家にとっては散々な年でした。しかしながら、悲観ムード一色の中で「日本株は割安だから、下がってもしれているし、数年後には景気も回復しているだろう」と考えることができた投資家は、大きな成果をあげられたはずです。

投資に当たっては、常に2〜3年後を見据えることが大切です。現時点にて、消費税が10%に上がり、米国も金融引き締めに転じることは想定できますから、そういったものを含めて「果たして、どうなっているのだろうか」考えてみるのです。

その際、忘れてはならないのは、景気や株価のサイクルがなくならない限り、株高も株安もそう長くは続かないということです。サイクルを考慮すれば、今の局面にて、何をすべきかが見えてきます。


■駅近くの小さな書店の光景(2014年10月2日)

駅の近くに、昔から続いている書店があります。私が小学生の頃は、市内で一番の本屋でしたが、店舗の大型化が進んだ今では、小さな部類に入ります。

その書店では、つい最近まで、入口の目立つ場所に、会社四季報秋号が飾られていました。申し訳程度に置かれていた株本も、いつの間にか種類が増えています。

先日の昼下がりには、主婦らしき若い女性が、熱心に株の入門書を選んでいました。株人気も、こんなところまで、普及していたのですね。

そんな光景を見せつけられると「そろそろかな」と思います。



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