インデックスもバブルの被害者NISAで人気のiシェアーズ米国優先株式ETF(PFF)
投資チキンレースで勝つ方法他人に自慢してしまったら手仕舞え
バフェット氏が高ROE銘柄を好む理由バフェット氏が狙っている投資
消費税増税で大苦戦を強いられたロート製薬バフェット流とフィッシャー流の違い
増分ベースのROE相次ぐJ−REITの公募増資リブセンスの業績下方修正
株式市場にて、ほぼ確実に金持ちになれる方法インデックスに負ける運用
ファンコミュニケーションズの月次日米マクドナルドの株価比較
痛い目に遭うまでは好景気は続く現金を貯め込むバフェット氏
アダストリアHDの業績下表修正9営業日連騰を仕掛けた日銀
カルパースが個別株式のアクティブ運用から撤退?長期投資の極意
J−REITはバブルか

パーシャル・オーナー


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ショートコラム(2014年8月)

■J−REITはバブルか(2014年8月31日)

公募増資が相次いでいるにもかかわらず、J-REITの株価が堅調です。東証REIT指数は、日銀の異次元緩和で急騰した昨年4月の高値に再び迫ってきました。さて、この状況はバブルなのでしょうか。

東証REIT指数 株価チャート(週足)

J-REITの投資口価格とNAVの比率であるTMAX P/NAVインデックスでは、バブルといってもいいかもしれません。少なくとも、割安とはいえない水準です。短期と割り切るならともかく、本腰を入れて買い進む状況ではなさそうです。

TMAX P/NAVインデックス


■長期投資の極意(2014年8月29日)

日経に「長期投資の極意は「不況を買う」」という記事が掲載されています。

私自身、リーマンショックで負ったダメージを回復するため「なるべくリスクを取らず、着実にリターンを上げる」手法を実践してきました。その結果、2012年以降は大きな損失を計上することもなく、着実に資産を増やすことができました。

ただ、株の世界にて「弱気相場の大半を回避して、強気相場だけに乗ろう」という虫のいい話はありません。通算のリターンとしては、やや不満が残りました。

今では、2008年の損失を取り戻したこともあり、腰を据えた投資を再開したいと思っています。しかしながら、長期投資は口でいうほど簡単でないのも事実です。

買い場が訪れるまで2〜3年待たされるかもしれませんし、株を買った後も長らく含み損に苦しめられる恐れがあります。

要は「事前にそういったことを想定して、取り組めるかどうか」ということでしょうか。


■カルパースが個別株式のアクティブ運用から撤退?(2014年8月28日)

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、米最大の年金基金であるカルパース(カリフォルニア州公務員退職年金基金)が個別銘柄のアクティブ運用から撤退を検討しているそうです。 記事の一部を引用します。

2950億ドル(30兆1500億円)の運用資金の投資を簡素化し、次なる市場の危機的状況下で損失を出さないようにするため、リスクの大きい一部の投資からの劇的な撤退を検討している。

関係筋によると、カルパースはコモディティーやアクティブ運用型企業の株式、ヘッジファンドへの投資をやめるか、大幅に減らすことを考えているという。

カルパースの投資スタッフの幹部は個別の企業株式に投じている550億ドルをシフトし、これを業種や国といった、より広範な市場ターゲットにリンクさせるかどうか話し合っている。

私には「そろそろマーケットがヤバそうだし、2008年の二の舞になるのも嫌だから、予めリスクの高い投資からは手を引いておこう」と受け取れるのですが、皆さんはどう思われるでしょうか。

もっとも、大平洋を挟んだ対岸には、今まで慎重な運用で低いリターンに甘んじながら、この株高局面にて株式の組入れを増やすという年金基金もあるみたいですけど。


■9営業日連騰を仕掛けた日銀(2014年8月26日)

現代ビジネスに「8月のアベノミクス崩壊を救った黒田日銀の価値を 安倍官邸はわかっていないのではないか」という記事が掲載されました。

この記事では「ETFの大量購入により、9営業日連騰を演出したのは日銀である」という見方をしています。私自身、肌で感じている景況と日経平均の値動きが一致せず、違和感を持っていたのですが、そういった理由であれば納得できます。

株価が上がるのは結構な話ですが、マーケットは非合理的な行為が長続きしない場所として知られています。いくら中央銀行とはいえ、勇み足が過ぎれば、やがて手痛いしっぺ返しを食らうのではないでしょうか。


■アダストリアHDの業績下表修正(2014年8月25日)

少し前の話題で恐縮ですが、8月20日にアダストリアホールディングス(2685)が業績下方修正を発表しました。

【第2四半期 業績予想】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前回発表予想
86,900
2,300
2,300
500
今回修正予想
86,900
1,400
1,400
-400

【通期 業績予想】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前回発表予想
185,900
6,000
5,100
1,600
今回修正予想
185,900
5,100
5,100
700

同社の公表資料では、修正の理由を次のように説明しています。

●海外子会社の商品企画精度が不十分で値下げロスが増加し、赤字額が想定以上になったこと
●セール開始時期分散化や天候不順の影響もあってセール期の販売に苦戦し、売上粗利益を確保できなかったこと
●不振ブランドの在庫消化を進めるため、値下げロスが拡大したこと
●出店にあたり、人件費や減価償却費が増加したこと

同社は、旧社名のポイント時代、成長株として一世を風靡しました。当初は株価も割安だったので、バリュー投資の対象にもなったはずです。

しかし、私自身は同社株を一度も手がけたことはありません。主力ブランドが若い女性向けのカジュアル衣料であり、商品の良し悪しを判断できないからです。店舗を視察して、変質者扱いされても困ります(苦笑)。

そのうえ、同社のビジネスは、いったん流行を外してしまえば、業績が大幅に悪化するリスクを抱えています。今回の業績下降修正では、こういった問題が噴き出した形になりました。

今後も、流行や嗜好に左右される、女性向けアパレルや化粧品を扱う会社には投資しないと思います。ひとりの消費者として、その企業の商品・サービスの評価ができない以上、企業自身の評価もできません。

アダストリアHD 株価チャート(日足)


■現金を貯め込むバフェット氏(2014年8月23日)

ロイターのブログに興味深い記事が出ています。 タイトルの「Buffett hoards cash, individuals’ holdings hit 14-year low」をざっと訳すと、次のような感じです。

ウォーレン・バフェット氏は現金を貯め込んでいるが、個人投資家のそれは14年振りの低水準である。

14年前といえば、2000年。投資家がITバブルに熱狂した年でした。バフェット氏は、ITバブルに乗らなかったことで有名です。

またしても、同じ愚が繰り返され、最後にはバフェット氏にもっていかれるのでしょうか。

Buffett hoards cash, individuals’ holdings hit 14-year low


■痛い目に遭うまでは好景気は続く(2014年8月21日)

東洋経済に、「不動産投機が過熱、「世界経済危機」が再び?」というタイトルのロバート・シラー教授の記事が掲載されています。この記事には「痛い目に遭うまでは好景気は続く」サブタイトルがつけられており、言い当て妙だなと感じました。

私自身も、ウォーレン・バフェット指標マージンデットをはじめ、いくつかの指標をチェックしていますが、そろそろ大幅な調整局面が訪れても不思議ではないと考えています。いつそうなっても、深手を負わないよう、防衛ラインだけは決めておきたいものです。


■日米マクドナルドの株価比較(2014年8月20日)

本日、配信したメルマガのタイトルは「 NISAで買うなら、日米どちらのマクドナルド?」です。メルマガにはチャートを掲載できないので、こちらで補足しておきます。

下図は、日本マクドナルドホールディングス(2702)が上場されてからの、親会社である米国マクドナルドコーポレーション(MCD)との比較チャートです。米国マクドナルドが3倍以上にまで上昇しているのに対して、日本マクドナルドは未だ上場時の株価を回復していません。

それでも、株主優待をもらいたいですか?

日米マクドナルドの比較チャート


■ファンコミュニケーションズの月次(2014年8月19日)

先週の金曜日、ファンコミュニケーションズ(2461)の7月月次が発表されました。

結果は、PC向け105.4%、モバイル向け156.8%、合計127.7%。普通の企業であれば文句なしの業績ですが、高成長を続けてきた同社にしては良くない数字といえます。売上高のトレンドも、今年4月以降は低下傾向です。

当然、投資家はこの月次を悪材料と受け取ります。昨日、同社株は売られ、13.3%安で東証一部の値下がり率1位となりました。

こういったところにも、消費税増税の影響が出ているのでしょうか。

ファンコミュニケーションズ 月次

ファンコミュニケーションズ 株価チャート(月足)


■インデックスに負ける運用(2014年8月16日)

東洋経済の記事にて、藤野英人氏が注目すべき発言をされています。

アクティブ運用って、教科書的にはベンチマークよりも高いリスクを取って、高いリターンを目指すって言われていますけど、別にそっちにならなければならないという理由は、どこにもないんですよ。

逆に、ベンチマークよりもリターンは低いけれども、リスクも低いというアクティブ運用があっても良いわけじゃないですか。

私なりにアクティブ運用を定義すると、ベンチマークを上回るリターンを目指すのではなくて、リスクをコントロールできる運用ということになります。

同感です。

小型株を好む個人投資家は、強気相場では「ブイブイ言わせる」反面、その後に必ずといっていいほどやってくる弱気相場にて大損を被りがちです。かつての自分も、その1人でした。

若いときや資金の少ないうちは、授業料と割り切れるかもしれませんが、いつまでもそのような投資を続けるわけにはいきません。

今の私は、サラリーマン時代の税引後年収の20倍相当を運用しています。マイナス10%の損失を出した場合、2年分の稼ぎが吹き飛ぶ計算になります。「たかが10%の損」とあなどれないのです。

目指しているのは、強気相場にて「意図的に、インデックスに対して負ける運用」です。

個人投資家の場合、昨年のような過熱気味の相場にてTOPIXに勝つ必要はありません。それより、今後も繰り返し訪れるであろう酷い相場において、いかにして損失を抑えるかが一番の課題でしょう。

そうすることにより、残存者利益を享受でき、中長期的に資産を増やすことができます。


■株式市場にて、ほぼ確実に金持ちになれる方法(2014年8月14日)

10人に9人以上が損をしているという株式市場にて、他人と同じことをしても儲からないものです。そこで、私自身の20年近い投資経験より「ほぼ確実に金持ちになれる方法」を紹介します。

●今のような、株価が高く、景気も良く、楽観ムードに支配されている時期に、持株を全て売る
●株価が安く、景気も悪く、総悲観になるまで2〜3年待ち、そこから再び買い始める
●ネットの掲示板や個人投資家のブログを見るのをやめ、投資家同士の付き合いも断る
●独自の銘柄分析を続け「株価が下がれば買いたい銘柄リスト」を常にアップデートしておく
●いくら儲かっても、自分の投資について、誰にも話さない

問題は、私を含めて、これらを実践するのが困難なことです。

投資家にとって、株のポジションを減らすだけでも苦痛なのに「全て売る」なんて受け入れがたいはずです。仮に、いったん売ったとしても、その後に株価が上がり続けようものなら、断腸の思いであり、買い戻さずに静観するのは難しいです。

それに加えて、仲間だと思っている個人投資家のブログを見ないとか、オフ会などの付き合いを断るのも、なかなかできません。誰も話題にしてないような銘柄の研究を続け、買い注文を入れるのも、勇気がいります。孤独に耐えるのも、大変でしょう。

結局、人間性がパフォーマンスの足を引っ張ります。そういった問題を克服できれば、未来が広がるかもしれないです。


■リブセンスの業績下方修正(2014年8月13日)

本日、5月16日付のショートコラムでも取り上げたリブセンス(6054)の第2四半期決算が発表されました。結果は、1.3%増収、57.0%営業減益であり、好調な求人状況を鑑みれば、にわかに信じがたい数字です。

【第2四半期 経営成績】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前期
2,128
400
400
243
当期
2,101
930
931
520

通期についても、下方修正しました。いったん、白旗を上げたようにも受け取れます。

【通期 業績予想】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前回発表予想
6,649
1,950
1,950
1,219
今回修正予想
4,280
517
517
330

同社の公表資料では、修正の理由を次のように説明しています。

求人業界においては、景気回復を背景に企業の採用意欲が高まる一方で、昨年後半以降、アルバイトを中心に労働需給の逼迫(求職者不足)が継続していることや、Webマーケティング施策の遅れもあり、求人サイトへの求職者集客が想定を下回ったことから、求人案件への応募数や採用数が計画未達となり、第2四半期累計期間の売上高が期初計画を下回りました。

「ん?」

これを読んだだけでは、意味がさっぱり分かりません。疑問を解決するため、ネットで検索してみると、過度のSEO対策によりグーグルからペナルティを受けた可能性があるという記事がいくつか見つかりました。

「なるほど」

今まで、タダ同然でネット上から集客できていた同社サイトが、グーグルの検索上位より外されてしまい、有料広告を使わざるを得なくなれば、販管費もかさむわけです。

ということは、SEO対策に優れている他のネット系企業も、すべてリブセンスと同じリスクを抱えていることになります。まさに「グーグル、恐るべし」です。

リブセンス 株価チャート(日足)


■相次ぐJ−REITの公募増資(2014年8月12日)

今年に入っても、J−REITの公募増資が相次いでいます。

●1月・・・エクセレント(8987)
●2月・・・アドバンスR(3269)、コンフォリP(3282)、産業ファンド(3249)
●3月・・・オリックスF(3249)、ハウスリート(3263)、日本ビルF(8951)
●4月・・・JRE(8952)、積ハウスSI(8973)
●5月・・・星野RR(3287) 、ケネオフィス(8972)
●6月・・・阪急リート(8977)、ユナイテッドU(8960)
●7月・・・大和オフィス(8976)、INV(8963)
●8月・・・森ヒルズ(3234)、ケネディレジ(3278)

こんな市況にて、わざわざ高値で物件を取得しなくてもいいと思うのですが、スポンサーの出口戦略には従わざるを得ないのでしょうか。

リーマンショック直後など、J−REITの公募増資が途絶えていた時期が株の買い時であれば、それと対照的な今は株の売り時かもしれません。


■増分ベースのROE(2014年8月11日)

バフェットの銘柄選択術』では、投資先を選定する際、再投資に対する増分ベースのROEをチェックすべきとしています。この作業を通じて、内部留保による再投資分に対しても、高いROEを達成できているかを確認できるからです。

試しに、角山智のバリュー投資レター 第52号でも取り上げた、パーク24(4666)の増分ベースのROEを計算してみると、21.6%でした。同社は、内部留保の有効活用により、高いROEを維持していることが分かります。

●EPS増分:48.7 = 78.1 − 29.4
●過去10年間の内部留保合計:225.2 = 24.4 + 27.9 + 38.3 + 18.5 + 3.5 + 10.7 + 15.6 + 15.9 + 32.4 + 38.1
●増分ベースのROE:21.6% = 48.7 / 225.2

パーク24の業績推移


■バフェット流とフィッシャー流の違い(2014年8月10日)

フィリップ・フィッシャー氏の投資手法について、問合せをいただきましたので、ウォーレン・バフェット氏との違いを表にまとめました。

両者とも集中投資派ですが、投資対象は全く異なります。バフェット氏は、マスコミ、金融、飲料などが得意で、ハイテク、IT、薬品を苦手としています。一方、フィッシャー氏はハイテク製造業が専門で、消費関連や金融やを不得手としています。

ちなみに、ジョン・トレイン氏は著書『ファンド・マネジャー』(後に『マネーマスターズ列伝』として復刊)にて「本書の大方の読者がフィッシャーと同じ手法で投資を行うのは、かなり無理があるだろう」と述べています。

私もそう思います。ハイテク株は理解が難しい上に、景気次第で業績が大きく変動します。しかも、フィッシャー氏のように、業界のうわさ話や世評を集め、経営者に直接会って話を聞くのは、個人投資家には不可能に近いでしょう。

バフェット氏は、グレアム流の定量分析をベースに、フィッシャー流の定性分析を加味して、独自のスタイルを築き上げました。しかし、投資対象に関しては「事業が誰にもよく理解でき、利益の予測がつけやすい企業」に限定しています。

私たち個人投資家がお手本にするのであれば、バフェット流の方が向いているといえそうです。

  ウォーレン・バフェット フィリップ・フィッシャー
重きを置く資産 無形資産
(のれんやブランド
の競争優位性)
無形資産
(高度な技術力)
バリュエーション キャッシュフローの
現在価値
(ただし計算している
姿は一度も目撃されて
いない)
数字より業界のうわさ
や世評を含む企業の
質的な側面を重視
保有期間
10年以上
投資対象 理解できる
事業に限定
(集中投資)
得意分野の
ハイテク株に限定
(集中投資)
重視する財務指標 ROEまたはROIC 売上高利益率
ROE
経営陣の資質
重視
経営陣との関係 個人的に有効的な
関係を築く
直接会って
話を聞く
過熱相場への対応
静観
インデックス投資 個人投資家に推奨 ノーコメント

■消費税増税で大苦戦を強いられたロート製薬(2014年8月8日)

角山智のバリュー投資レター 第36号でも取り上げた、ロート製薬(4527)の第1四半期決算が昨日発表されました。結果は、0.3%増収、75.5%営業減益という、投資家の期待を裏切る形になりました。

【第1四半期 連結経営成績】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前期
29,957
2,848
3,165
1,919
当期
30,035
697
1,103
648

なお、若干ながら、通期も下方修正しています。

【通期 連結業績予想】

 
  売上高 
 営業利益
 経常利益
 純利益
前回発表予想
152,000
17,000
17,200
10,600
今回修正予想
152,000
16,000
16,500
10,100

会社側の説明によれば、日本において、駆け込み需要の反動や競争激化により減収となり、販管費の投入や研究開発費の増加でセグメント利益(営業利益ベース)が赤字に転落したことが響いたそうです。

【前第1四半期 セグメント情報】

 
 日本
 米国
 欧州
アジア
売上高
20,422
1,729
1,087
7,580
営業利益
2,068
-263
133
813

【当第1四半期 セグメント情報】

 
 日本
 米国
 欧州
アジア
売上高
19,456
1,876
1,231
8,295
営業利益
-220
-233
60
966

ロート製薬といえば、目薬の会社と思われがちですが、今では「肌研(ハダラボ)」という女性向け化粧品の急成長により、スキンケアが主力事業になっています。

それゆえ、消費税増税の影響をもろに受けてしまいました。第2四半期以降、どの程度まで盛り返せるのかに注目したいです。


■バフェット氏が狙っている投資(2014年8月7日)

昨日の続きです。

本来はROE20%の実力がある企業を、株式市場全体が大きく落ち込んだとき、その企業の業績が一時的に悪化して株価が売り込まれたときに、PER10倍相当で買い付けます。

当初の思惑どおり、その企業がROE20%を維持した(あるいは回復した)場合、10年後のEPSは111.2円です。さらに、株式市場全体の上昇により予想PERが20倍に跳ね上がれば、理論株価は2,224円です。それに10年間の配当計198円を加えれば、300円が2,423円に増えた計算になります。

期待収益率は年23.2%。文句のつけようがない、素晴らしい数字です。ウォーレン・バフェット氏が実践し、今後も狙っているのは、このような投資です。

ROE5%、配当性向30%のケース


■バフェット氏が高ROE銘柄を好む理由(2014年8月6日)

ウォーレン・バフェット氏は、投資対象を選ぶ際の条件として「ROE(株主資本利益率)の高いこと」を真っ先に上げています。なぜなら、長期投資であるため、ROEの差がリターンを左右するからです。

例として、EPS30円の銘柄をPER15倍の450円で買い付け、10年間保有した場合のシミュレーションをお見せしましょう。

まず、ROE5%、配当性向30%のケースです。

10年後のEPSは42.3円となり、予想PERを15倍とすれば、理論株価は635円です。それに10年間の配当計109円を加えれば、450円が744円に増えた計算になります。

期待収益率は年5.2%。リスクを取っている以上、やや不満の残る数字です。

ROE5%、配当性向30%のケース

続いて、ROE15%、配当性向30%のケースです。

10年後のEPSは81.4円となり、予想PERを15倍とすれば、理論株価は1,221円です。それに10年間の配当計162円を加えれば、450円が1,384円に増えた計算になります。

期待収益率は年11.9%。まあ、満足できる数字です。

ROE15%、配当性向30%のケース

なお、バフェット氏がフランチャイズ(競争優位や参入障壁)にこだわるのは、高いROEを長期に渡って維持できる企業を探しているためです。

私たち個人投資家も、バフェット氏にならい、そのような企業を見つけたいものですね。


■他人に自慢してしまったら手仕舞え(2014年8月4日)

昨日、紹介した『勝ち抜け! サバイバル投資術』に興味深い記述がありました。

●強気な予想が広がったら疑う
●前年のパフォーマンスがものすごくよかったら手を引く
●人に自慢してしまったら手仕舞う

いずれも、バブルで勝ち抜けするためのルールですが、私の琴線に触れたのは3番目です。

というのも、昨年「株でこんなに儲かったのははじめてです」という報告を何件もいただいたからです。中には「角山さんのおかげです」とお礼を述べてくださる方もいらっしゃり、私としても嬉しかったのですが、その反面「儲かっている個人投資家が増えていること自体、そろそろ難しい局面に差し掛かっているのではないか」という懸念を抱きました。

もし、他人に株式投資のパフォーマンスを自慢したくなったら、ポジションを軽くすることも検討してみてください。


■投資チキンレースで勝つ方法(2014年8月3日)

土居雅紹のeワラントコラム「投資チキンレースに勝つ方法」を読みました。土居氏は、いわゆるセルサイドですが、著書『勝ち抜け! サバイバル投資術』で述べていることがまっとうで好感を持てます。

コラムでは「現状を認識した上で、投資家としてどう行動するか、腹をくくるべき」と暗にアドバイスしています。選択肢として、次の3つが示されていますが、おすすめは「勝ち逃げ」のようです。

●ギリギリまでリターンを狙うチキンレースに参加し続ける
●最後の相場吹き上げは諦めて、暴落後に買いに回ると決める
●戦略を分散して上手に荒波をかいくぐる

投資においては、中途半端が一番良くありません。皆さんの方針は決まっているでしょうか。

なお「角山、お前はどうするのか」と問われれば「これでも、バリュー投資家の端くれですから」とだけ、答えておきましょう。


■NISAで人気のiシェアーズ米国優先株式ETF(PFF)(2014年8月2日)

SBI証券にて、NISA口座で買われている米国ETFのランキングが公表されています。

1 バンガード トータル ワールド ストックETF
2 iシェアーズ 米国優先株式 ETF
3 バンガード トータルストックマーケットETF
4 バンガード FTSEエマージングマーケッツETF
5 iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF

この中で、気になったのが、第2位のiシェアーズ米国優先株式ETF(PFF)です。少し調べてみると人気の理由が分かりました。

●配当利回りが高いこと(米国ヤフーファイナンスでは6.56%)
●毎月分配型であること

米国株の場合、配当控除が適用されないので、NISAで投資するのは納得です。ただ、今のような時期に、優先株に魅力があるかといえば、ちょっと微妙かもしれません。

下のチャートは、S&P500指数との比較ですが、このETFには次のような特徴があります。

●配当利回りで買われるため、キャピタルゲインを期待しにくい
●金融セクターの比率が高く、リーマンショックような金融危機では大きく下げる
●長期金利の上昇局面において、投資妙味が薄れる

個人的には、ハイイールド債と同じく、「マーケットが晴れの日」の投資対象ではないように思えます。買うのであれば「どしゃぶりの日」でしょうか。

PFFとS&P500の比較チャート

 


■インデックスもバブルの被害者(2014年8月1日)

バリュー投資』にて、著者のクリストファー・ブラウン氏は次のように述べています。

●インデックスファンドがすべてを解決するわけではない。
●インデックスもバブルの被害者である。
●(1990年代後半のITバブルとその直後は)比較的少数の人気銘柄の過剰な動きがS&P500指数のリターンをゆがめてしまった
●時として、インデックスは堅実な投資先とは言えなくなる

一理ある主張です。世界株式インデックスファンドの積立投資はグッドアイデアだと思いますが、相場全体が過熱している局面では、インデックス投資といえども、部分的に換金する、積立を休むなどの対応が必要です。



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