【廃墟マニヤ File064】
Kッパピア(群馬県)
(その7)
なぜか異様な気配を感じて振り返ると、そこには妙に朽ち果てた乗り物が……。
茂った樹木に完全にガードされた階段を無理やり登っていったところ、とても使われなくなってから一年しか経っていないとは思えない、回転系の乗り物が残っていました。
構造から考えると、上下に揺れながら回転する乗り物だったようです。
楽しそうな犬と猫(?)の笑顔が寂しさをかきたてますね。
廃墟となった遊園地に行くと、いつもいろいろな乗り物の座席に乗り込んで、しばらくボーッとして過ごしたりするのですが、さすがにこれはためらわれる感じです。
ここだけ時間の流れがはやい!?
……ということはもちろんなく、どうやらここは閉園になるだいぶ前から使われなくなっていたようです。
隣にも何やら建物があるので、成長してしまった樹木の間から覗き込んだところ、猿の描かれた看板が目に飛び込んできました。
枝をかきわけて近づいてみると、こちらは「サルの国」だったようです。看板には、日本で初めての芸をする日本ザルとあります。
芸の内容に「2本足で立って歩く」というのがありますが、それってすごい芸なんですかね?
入口脇に置かれていた券売機もかなりの年代物で、先ほどのライドと共にこの一画は、遊園地がつぶれる前に既に見捨てられていた模様です。
小屋の中。もちろん猿はいませんでしたが、「天使の囀り」という猿を媒介とする病原体(寄生虫だったかな?)が出てくる小説を思い出して、あまり長くいたくない気分になり、とっとと退散することにしました。
(続く)
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