ナイニーアの社会 ◇

ナイニーアの社会について

君主と君主国の権力 ◇

君主並びに君主国は、以下の権力を有している;

  1. 領土の大守を決定する:君主並びに君主国は、両者に仕える上流階級者(アッパークラス)の支配下に入っていない土地に、新たに上流階級者を統治者として選ぶことができる。その領土はその者とその子孫に受け継がれていくことになる。以後、その領土内の住民はその大守に支配される。
  2. 称号を与える:君主並びに君主国は、任意の人物に上流階級者の称号を与える権利を有する。
  3. 称号や領土の剥奪:君主並びに君主国は、上流階級者の称号やすでに大守として領地を治める者から、その領地を剥奪する権利を有する。
  4. 軍の招集:君主家は、階級に関係なく、任意の人物を徴兵できる。とはいえ、主に招集されるのは、階級外者(アウトクラス)や奴隷・罪人の者たちが大半である。
  5. 税率の決定、税の徴収:君主はナイニーア君主国のあらゆる住民から税を徴収する権利を有する。ナイニーアの納税は、年間を通して春と秋の2回である。
  6. 法の制定:君主並びに君主国は、君主国内での犯罪や法を決定する権利を有する。各地の大守が、領地にあった法案の使用許可を求めた場合、その可決の成否の権利も有する。
  7. 裁判:6の能力の一部として、君主並びに君主国は裁判を行う権利を有する。君主が重要だと判断した裁判は、部下に任せずに自分で執り行うことができる。
  8. 対外政策の決定:君主並びに君主国は、対外政策の決定権を有する。 上記の法律の他に、首都以外の都市や領地にはその土地に見合った法律を大守が君主の許可の元に引いている。


ナイニーアの身分呼称 ◇

ナイニーア君主国の身分は、以下のようになっている。
上に記されているものほど、低い身分の呼称である。
社会的地位 宮廷の称号 教会の称号 軍の階級
階級外 奴隷 侍祭 奴隷兵
下流階級 文官 神官
大神官
兵士
中流階級 文官長 司祭
大司祭
騎士
騎士長
上流階級 大臣 司教 将軍
最上階級 宰相、太守
君主の一族
大司教 大将軍

左にある「社会的地位」は、一般にそう呼ばれている、
一番大ざっぱな呼び方と身分の階級である。
その横に、様々なナイニーア内社会でのそれぞれの呼ばれ方が記されている。
例を上げると、教会での中流階級者は司祭、大司祭。
軍では騎士や騎士長が中流階級者となっている。
一般民は、貧富の差や血筋によって、
単純に「下流階級者(ロークラス)」などと階級そのもので呼ばれる。
これらの階級の上に君臨するのが、唯一無二の存在である君主である。
君主は君主であって、「〜階級の君主」というものではない。


社会的な市民階級 ◇

身分についてもう少し詳しく説明する;
階級外[アウトクラス]:
ナイニーア君主国における、奴隷身分の者や、それに相応する、一般人としての権利を持たない農奴や重罪人などの立場を示している。ナイニーアははっきりとした階級社会であり、その差別は凄まじいものがある。これは移住(というよりは侵略という表現の方が正しいが)してきた北方の海賊たち、現在のナイニーアの国政を握っている者たちの先祖たちが残した、悪しき遺産である。名前を名乗ることは許されておらず、もしPC がこの階級の出身者ならば、名前は自分で考え、自分に与えた名前ということになる。階級外者の者たちは、物と見なされているために衣服は最低限のものしか与えられておらず、女ですら奥地では上着を着ていない者もいる。まれに階級外者の者に慈悲深い者もいるが、それはそうすることで(自分たちの財産である)彼らが長持ちすることからという理由がほとんどである。金銭で売り買いされることすらあり、相場は、男なら体格によって、女ならば普通は容姿によって決定する。
一度階級外者に落ちた者は、以後決して一般市民に戻れることはない。それどころか、彼らの一族は以後、子々孫々ずっと奴隷として扱われていくことになる。彼らは唾を吐かれ、石を投げつけられても反抗することの許されない者たちで、もしそのようなことがあれば、街中であっても処刑される。およそナイニーアの階級外者には、奴隷という単語から想像する、マイナスのイメージをそのまま負っている。しかしこれでも、建国当時からするとかなりマシにはなっているのである。

下流階級[ロークラス]:
ナイニーア君主国での、最低限の権利を所有している者たちである。名前を名乗ること、功績を上げれば階級の呼称を上げることなどが許されている。ナイニーアの人口のほとんどを占める階級で、中には寒冷なナイニーア国でロクな仕事につけず、階級外者並みの生活を余儀なくされる者すらいる。また、ナイニーア国内で比較的軽い罪を犯した者が落とされる階級でもある。親から財産を受け継いだのでない限り、一般人はこの階級から社会にでていく。そこで街中の普通の仕事に就くか、宮廷や神殿、軍隊などに属していくのである。そこで功績のあった者が、階級を上げられるのである。

中流階級[ミドルクラス]:
ナイニーア社会でも、比較的裕福な財産を確保できた者たち、またはそれなりに社会に通用する肩書きを手に入れた者たちを指す呼称である。生活に困ることはほとんどない者たちで、下流階級の者たちは、この階級を目指す。上流階級には、よほどの資産と名家とのつながりが必要になってくるため、この階級が人生の最終目的になる者がほとんどである。

上流階級[アッパークラス]:
他国で言うところの貴族に当たる者たちのことで、この階級には君主を輔佐する大臣、軍の統率を行う将軍や教会の上層部である司教たちなどがいる。上流階級者であるということは名誉なことなので、ナイニーア人は自身を肩書きよりはこの階級で自分を他者に紹介する(将軍の〜、ではなく、上流階級者の〜、といった風に)。君主国に明らかに利益をもたらしたと分かる人物に与えられる他は、ほぼ世襲制であり、新たな上流階級の家が増えることは希である。また、この階級者には海賊移民の血筋の者がほとんどで、先住民の血を引く者は極めてまれである(しかし、まるで絶無という訳ではない)。

最上階級[アーククラス]:
君主国の主たる者の血族、また上流階級者の中でも君主の片腕となるナイニーアの国政を司る宰相、大将軍、大司教といった者たちや、大都市とその周辺の領土を預かり統治する太守の立場であることを示している。他国では王家と呼ばれる者たちの、生まれながらの地位でもある。他国と微妙に呼び方や意味が違うので、下に記しておく;

太守[たいしゅ] 地図に載るような大都市を預かる者のこと。
他国での領主
君子[くんし] 君主の子息のこと(註: 日本語の君子と異なる)。
他国での王子
君姫[くんき] 君主の娘のこと。他国でいう王女である
君妃[くんひ] 君主の配偶者、他国でいう王妃のこと。
君妻と呼ばれることもある
※基本的には、他国での「王」の部分を「君」に呼び直す、と考えれば良い。

君主[モナーク]:
ナイニーア君主国の最高権力者の呼称である。この地位は、他国で言う王と同じ役割をこの国では果たす。ナイニーアであっても、たとえ君主の一族であっても君主よりはひとつ身分が下に扱われる。その身分は、生まれながらにして最上階級の身分を持っているとされる。世継ぎが決まると、その者は宰相位と大将軍位を経験し、政と軍事を統括できるように教育される。


ナイニーアの政治的な勢力 ◇

上流階級者:
他国でいう貴族の地位に当たる者たちである。
そのほとんどは、ナイニーア君主国の樹立に貢献した海賊移民の末裔たちで、
先住民の末裔で上流階級の者はほとんどいない。

最上階級者:
他国でいう上流貴族の地位にある者たちである。
その身分には、宮廷の秩序や政を司る宰相、
軍事の全権を君主の代行として預かる大将軍、
ナイニーアの各地を統治する太守など、
君主に逆らうと仮定した場合には敵の最大たる者になりえる者たちばかりである。
だが、幸いというべきか、ナイニーアには隣国に強大なロガール帝国が控えているため、
その結束力は南方の新興勢力フレイアードにも見劣りしない。

ギルド:
他国と同じく、ナイニーアも各職業のギルドは強い権限を持ちあわせている。
彼らが一斉に仕事をボイコットしたら、ナイニーアの経済は麻痺してしまうだろう。

傭兵ギルド:
上記のギルドの中でも、一際物理的な力を保有しているために別記しておく。

教会:
君主国から大司教の地位を賜るのは、
ラウニィ神殿の最高責任者だけであると「英雄君主」アーサーの時代から明文化されている。
しかして、「神殿の最高責任者」という肩書きを持つのは無論、大司教一人ではない。
ボルケンやシェイルローム神殿、その他のナイニーアでは小さな勢力である様々な神殿にも、
「神殿の最高責任者」はいるのである。
政治に介入できる神殿勢力はラウニィとシェイルロームだけと定められていて、
それがナイニーア宮廷への政治的不満を常に他の神殿に内在させていることになっている。

戦乙女聖騎士団:
ラウニィ神殿から抜擢された、
9人の乙女からなる聖騎士たちを筆頭とした女戦士と女僧侶の一団である。
真に「戦乙女」と称されるのはその9人の筆頭騎士たちだけで、
後の者は普段、ラウニィ神殿にあって聖騎士たちの要請があった時にのみその指揮下に入る。


神殿

ナイニーア出身のクレリックは、
先住ナイニッシュならラウニィ、
移住ナイニッシュならシェイルローム、
そのどちらかか、あるいは混血ならばボルケンと、
仕えるイモータルの傾向がだいたい決まっている。
しかしPC はこの限りではなく、他のイモータルを選んでもよい。
ただし、先住ナイニッシュであるのにシェイルロームを選ぶと、
同胞の、偏見の激しい先住ナイニッシュから白い目で見られる可能性が出てくることに注意せよ。
その逆、移住ナイニッシュのラウニィ信仰は問題とされない 
(理由の詳細は「ナイニーアの経済」 神殿の財政を参照)。
また同胞の他の移住ナイニッシュからも、
どのイモータルに仕えようとも自由、と判断される。

ヴァルキュリア聖騎士団(オーダー オブ ザ ヴァルキュリア) ・

別記「ヴァルキュリア聖騎士団」参照。

傭兵ギルド ・

別記「傭兵ギルド」参照。

ケ=ヴィシュの勢力 ・

「ケ=ヴィシュの勢力」参照。
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