わが国のスイッチバック型停車場1:北海道編
北海道には、国鉄(〜JR)・私鉄併せて、
10ヶ所近いスイッチバックが存在した。特に勾配型である
常紋信号場、狩勝信号場、仁山信号場、錦沢(夕張鉄道)の4ヵ所は、
いずれ劣らぬ鉄道写真の名所であった。
しかし、北海道の場合、勾配改良のみならず運炭・赤字路線の廃止も手伝い、
勾配型は全滅。現在、現役と呼べるものは、非勾配型の
石北本線・遠軽のみとなっている。
*
兵庫県・原英俊氏の調査によると、羽幌線・留萌駅が、
ある期間、非勾配型の折り返し構造(幌内線:三笠と類似)を
持っていたようである(詳細は「留萌駅」の項参照)。
*
同じく原英俊氏より、室蘭本線・鳥伏・豊住・北入江
の3信号場が、加速線を持つ戦時型信号場であった可能性が高いとの報告を
受けているので、リストに加えさせていただいた(平成15年4月現在)。
*
東京都・足立区の斉藤氏より「宗谷本線・南稚内(当初は天塩北線の終着駅=稚内)は、
昭和3年、稚内港(現・稚内)まで延長の祭、スイッチバック構造を取っていた」との報告あり。
夕張線・楓のように、折り返し線はなく、一旦、本線上に後退したのちに、
稚内港方面に向かう形態だったようである。
なお、この方式は、昭和27年に800mほど駅を移転させて解消したようであるが、
昭和15年の五万分の一地図にも明示されているとのことなので、リストに加えさせていただいた。
| 駅名 |
路線(社名) |
現状 |
勾配
(単位=パーミル
:下り列車に対して)
|
備考 |
|
国鉄〜JR
|
| 南稚内 |
宗谷本線 |
× |
− |
元・天塩北線・稚内 |
| 常紋(信) |
石北本線 |
△ |
−25 |
平成11年秋を以って施設使用停止 |
| 狩勝(信) |
根室本線 |
× |
25 |
北海道的なる雄大さ |
| 新内 |
根室本線 |
× |
− |
有効長不足のための折り返し構造 |
| 仁山(信) |
函館本線 |
△ |
20 |
一般型→戦時型信号場へ
但し現在では施設使用なし |
| 東山(信) |
函館本線 |
× |
−20 |
変則レイアウト |
| 森川(信) |
函館本線 |
× |
−20 |
戦時型信号場
最も短命なスイッチバック
|
| 鳥伏(信) |
室蘭本線 |
× |
−10 |
戦時型信号場? |
| 豊住(信) |
室蘭本線 |
× |
− |
戦時型信号場? |
| 北入江(信) |
室蘭本線 |
× |
− |
戦時型信号場? |
| 留萠 |
羽幌線 |
× |
− |
数度に亘る複雑なルート変更あり |
| 楓 |
夕張線(登川支線) |
× |
3.3〜25 |
石勝線の同名異駅も折り返し? |
| 三笠 |
幌内線 |
× |
− |
設立沿革に謎あり? |
| 遠軽 |
石北本線 |
○ |
− |
歴史は皮肉なり |
|
私鉄
|
| 錦沢 |
夕張鉄道 |
× |
20〜6.7〜20 |
z型で二段目に駅施設は、唯一 |
| 湖畔 |
王子製紙苫小牧工場専用線 |
× |
|
トラス鉄橋現存 |
| 上然別 |
河西鉄道 |
× |
|
|
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