【廃墟マニヤ File058】
K岡鉱山O津山(岐阜県)
(その8)
赤錆びた鉱車が、まさに死屍累々といった感じです。
残っていた建物を覗いてみました。
中にはほとんどなにも残っていません。コンクリートの壁もボロボロです。
再び軌道跡に戻ります。
この日はかなり肌寒い感じだったのですが、この一画には花も咲いて、どこからかウグイスの鳴き声も聞こえてきます。昔、ここには住宅があって、住んでいた人の植えた花が、今でも毎年つぼみをつけているのかもしれません。遅い春が、この山の上にもようやく訪れようとしている気配でした。
軌道跡には、こんな風にあちこちに鉱車がころがっています。なにげなく車輪を回してみたら、驚いたことに何の引っかかりもなくスムーズに回転しました! 25年ぐらい雨ざらしなのに……。
やはりこういった産業用の車両は、ベアリング周りのシールがしっかりしているのでしょうか。一両記念に持って帰りたい感じです(無理!?)。
ところで、この写真のようなタイプの車両は「グランビー鉱車」といいます。サイドについているローラーが、ガイドレールに乗り上げるとバケットが傾いて、中に積まれている鉱石を落とす仕組みになっています。
建物の基礎のようですが、もしかすると煙突だったかもしれません。
実はこの軌道、現役時代は全線にわたってスノーシェッド(雪覆い)で覆われていたそうです。しかし、屋根や壁の破片といったその痕跡がまったく残っていないところをみると、閉鎖時に全て撤去されたのでしょう。
もう5月だというのに雪の残った山が、このあたりの冬の生活の厳しさを想像させます。
……しかしこの写真、ひどいですね。
(続く)
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