【廃墟マニヤ File040】
Y田天国ちょんまげ村(千葉県)
(その2)
2001年冬、私は風の噂をもとに、千葉にあるという「Y田天国ちょんまげ村」目指して車を走らせていました。もう少しで目的地付近という時、視界の端をちらっと怪しいモノがかすめたのです。
あわててUターンしてみると、それは草ボーボーの空き地(この空き地自体も怪しげな雰囲気)に立てられた「ちょんまげ村」の看板でした。かなりボロボロで全体を読むことができなくなっていたのですが、どうやら「ちょんまげ村」を案内しているだけでなく、趣旨としては道路(圏央道ですかね)ができることを期待(?)しているようです。
怪しさが増して、いよいよ期待が高まりますが、それと同時に「この看板の荒れ具合からいって、もしかして既につぶれてしまっているのでは?」という不安が出てきました。
こういう脱力テーマパーク(?)は、やはり世間から受け入れられにくいものです。なんとか残っていることを期待しつつ先を急ぎますが、いつまでたっても現れません。これはつぶれてなくなってしまったか……と思い始めた頃、前方に怪しげな看板の大群が!
……近づいてみると、門が閉まって完全に営業していない様子です。
噂ではドライブインという話だったのですが、なんかすごいことになっていますね。
経営者募集って……アリですか?
大きな樽を古民家風に改造したものです。福島の天山文庫(酒樽を利用した書庫があります)を思い出しましたが、こちらは中には入れなさそうです。その奥には不動産屋的な建物も……。
「ぼけ市」というのはなんでしょう? フリーマーケットに名前をつけているだけなのか? バカ安商は何をバカ安で商っているのでしょうか?
ほがらか天国ってなんですか?
「ぼけとる観音」って、なんかボケにならないようにしてくれるというより、観音様が呆けてしまった感じなんですけど……。
ここまでの看板を見ての想像では、最初は時代物の雰囲気を出したドライブインだったのが、経営がおもわしくなく(だって場所が悪すぎます。観光バスが通るようなところでは全くないのです)、それを打破するためボケないという御利益のある観音様をでっちあげたりしたのですが、それも無理があり、仕方ないので広い駐車場を使って当時話題になっていたフリマを開くようにした……といった感じではないでしょうか。
そのフリマも恐らく流行らず(まわりは田畑しかないですから)、もはや手に負えなくなって「経営者募集」ということになったと思われます。
(続く)
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