【廃墟マニヤ File002】

M峰ロープウェイ(埼玉県)

(その2)

O輪駅

とりあえずクルマを走らせていくと、麓のO輪駅のあたりに到着。今日一番の目的は旧山上(頂?)駅なので、まずはそちらを目指すことにして、こちらは帰りに時間があったら寄ってみることにします。
国道から対岸にある大W駅が見えたので、まあ一応何枚か写真を撮っておこうとカメラのファインダーを覗いたところ……。

 

屋上に人が!?

なんか、建物の上に作業服姿の人たちが何人もいるじゃないですか!? よく見ると駅の前にはトラックやバンが何台も駐車しています。どうやら、なんらかの作業が行われているようなので、この時点で今日の訪問中止が決定です!

 

昔の乗り場

少し先へ行くと、木々の間から古いホームの痕跡が見えていました。手前の部分は1964年(昭和39年)に区間変更されてから、2006年(平成19年)休止になるまで使われていた新しいホーム。奥に見えるのが1939年(昭和14年)から1964年まで使われていた昔のホームのようです。

 

元有料道路

さて、O輪駅を後にするとまもなく道は狭いトンネルを抜け、昔は有料だった道路を上っていくようになります。
下界ではもう桜の季節も終わってしまったのですが、このあたりではちょうど今がそのシーズンのようで、桜に加えてさまざまな花が目を楽しませてくれました。

 

狛犬

ようやく山頂へ。駐車場にクルマを入れ、まずは神社へ向かいます。やはり狛犬も獅子ではなく狼になっていますね。
ちょっと博物館に寄って、貴重なニホンオオカミの毛皮などを拝んでから、いよいよ登山道を下っていくことにしました。

実は目的の旧駅、神社から少し下った山の中にあるのです。なんでそんな不便な場所にあるのかというと、そもそもこのロープウェイ、計画されたのが1925年(大正14年)でしたが、「霊域への冒涜」と当時の内務省神社局の反対にあい着工は凍結。それから14年後の1939年(昭和14年)、山頂よりだいぶ下に駅を設けることでようやく開業できたという経緯があったらしいのです(以上「鉄道廃線跡を歩く」より丸写し)。

 

旧駅へのアプローチ

しばらく下っていくと、なんとなく道の痕跡を残す分岐が登場。そこから、かつてはここが道だったのだろうと思われる林の中を進んでいきます。

 

旧駅への道

最初はかなり横幅もあったのですが、次第にこんな様子になってきました。


駅舎に人影が

「この道で大丈夫なのか!?」 ……と思い始めた頃、前方に建物が見えてきました!

ところが、こんな平日に誰もいないと思っていたのに、建物の前に作業着(カッパ?)を着てヘルメットをかぶった人が2人もいて、ちょっとビックリ。

完全装備のハードコアなマニアの人かと思いつつ、とりあえず近づいて挨拶したところ、マニアの人ではなく本当の作業の人たちでした。そして「あんたは運がいいよ。これから取り壊すところだ」と言われて、今度は本当にビックリ!

がーん! わざわざこんな山の中のものを壊さなくてもいいのにぃぃぃぃ〜。

詳しく話をきいてみると、今はまだ解体の下見だけれど、近日解体するのは確定とのこと。いつ解体が始まるのかは「すぐ」というだけで、教えてもらえませんでしたが「あんたの撮った写真がここの最期の姿だな」とまで言われたので、もう本当に数日中にも作業を開始しそうな様子です。

ちなみに解体した廃材はヘリコプターで降ろすとのこと。金属の価格が高い昨今、少しでも解体費用に充てたいということでしょうか。

ついでに新しい方のロープウェイはどうするのか尋ねたところ、こちらもすべて解体するという話。勢いで言っているだけのような感じもしないでもなかったのですが、確かに先ほどO輪駅の様子を考えると、まんざら嘘でもなさそうです。

 

(続く)


NEXT(M峰ロープウェイその3)

12345678910

この頁最初へ

廃墟マニヤMENUへ