ゾウムシ上科/オトシブミの仲間

( Curculionoidea / Attelabidae )

　先人は長い口吻を象の鼻に例えたが､このユーモラスな甲虫は､全世界に分布し､きわめて多くの種分化を遂げた甲虫目最大のグループのひとつである｡ゾウムシ上科は全世界で大きく10科に分けられる｡わが国にはヒゲナガゾウムシ科､オトシブミ科､ミツギリゾウムシ科､ゾウムシ科､オサゾウムシ科､ホソクチゾウムシ科､キクイムシ科､ナガキクイムシ科の８科に分けられるが､キクイムシ類を除くと1022種が知られ､このうちミツギリゾウムシ科を除く５科の318種が県内に分布する｡しかし分布調査はまだ不十分であり､国内での研究もまだ途上であることから､ さらに多くの種が県内に分布していることは確実である｡
　ゾウムシを特徴付ける長い口吻は､一般に産卵の際に植物組織に産卵のための穴を掘るのに使用される｡しかしオトシブミ科の種は食草の葉を折り曲げて巻き上げ､その中に産卵するという面白い習性をもつ｡その葉を切り落としたものが､｢落とし文｣と呼ばれるのだが､切り落とすかどうかは種によっても､また個体によっても異なるという｡全世界で約300属2,300種､日本産はアシナガオトシブミ亜科､オトシブミ亜科､チョッキリゾウムシ亜科に分けられ､県内にはいずれの亜科の種も分布するが､後者を独立した科とする意見もある｡

現在日本で土着が確認されているオトシブミ類は87種｡
そのうち下記の48種が千葉県で記録されている｡

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