カシルリオトシブミ

樫瑠璃落文 (オトシブミ科)


イタドリの葉上で静止する♂ ムラサキシキブの葉を食べる♀
2004/4/30 四街道市物井 2005/6/26 千葉市緑区
カシルリオトシブミ (オトシブミ科 アシナガオトシブミ亜科 ルリオトシブミ族)
Euopus (Synaptops) splendidus  Voss, 1930
分布 国内: 北海道、本州、四国、九州。平地~山地まで汎く分布する。島嶼での記録はない。
県内: 一部の市街地を除き、汎く全域に棲息する。
国外: 朝鮮半島、、ロシア沿海州に分布する。
変異 形態: 地理的変異は知られていないが、色調に顕著な個体変異がある。
季節: 知られていない。
性差: ほぼ同型。脛節端の鉤状突起は♂が1本、♀は2本。大型の♂の前脚脛節は♀よりはるかに長く湾曲するが、小型の♂は♀と区別が難しい。
生態 環境: 樹上性。各種樹林とその林縁、公園、社寺境内など。幼虫は地上性(揺籃)。
発生: 年2回。越冬成虫が4月中旬~5月、新成虫が6月中旬~8月に見られ、その後地表の揺籃内で晩秋に第2化が羽化する。
越冬: 成虫。晩秋に揺籃内で羽化し、そのまま野外に出ることなく越冬する。
行動: 昼行性。活動はあまり活発でなく、飛翔は緩やか。越冬個体は食樹の葉を巻いて産卵し、ほとんどの場合これを切り落とす。幼虫は揺籃を食べて成長し、その中で蛹化する。
食性 幼虫: 食植性/。発生初期はブナ科コナラカシ類、ブナ、最盛期はタデ科イタドリがほとんど。親虫の用意した揺籃を食べる。
成虫: 食植性/広食性。ブナ科のコナラ、カシ類、ブナ、バラ科のサクラ類、キイチゴ類、タデ科のイタドリ、クマツヅラ科のムラサキシキブ、ブドウ科のヤマブドウなど。第1化成虫は特にヤマブドウを好むという。葉の表面から点々と穴をあけるように食べる。
類似種: ハギルリオトシブミに酷似し、特に♀では区別できない。野外では食樹で区別が可能。
保 護: 指定されていない。
その他: 普通種で個体数も多い。
天敵 捕獲: ムシヒキアブ類、徘徊性クモ類、造網性クモ類など。
寄生:


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