年金を早めに受け取るべきか、トライアルHDの西友買収、3月のバリュー投資塾、
タイミーのビジネスモデルとバランスシート
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ショートコラム(2025年3月)
■タイミーのビジネスモデルとバランスシート(2025年3月10日)NEW! |
2024年のIPO銘柄において、いちばん注目できる会社は、何と言ってもスキマバイトサービスのタイミー(215A)です。 3月22日のセミナーに向けて、分析を行ってみたところ、ビジネスモデルとバランスシートに関して少しだけ気になる点がありました。 クライアント(雇用主)は初期費用、掲載料無料で、「タイミー」に最短1時間から求人情報を掲載できます。 ワーカー(働き手)は勤務終了後、すぐに報酬を受け取れます。 クライアント、ワーカーともメリットの大きいサービスであり、2018年に提供を開始した「タイミー」が急成長できたわけです。 ところでタイミーは、どうやって儲けているのでしょうか。実はクライアントに対して一時的に立て替えたワーカーへの報酬を請求する際、タイミーの取り分である30%の手数料を上乗せしているのです。 一例をあげれば、ワーカーの報酬5,000円を立て替えた場合、手数料1,500円を上乗せした6,500円をクライアントへ請求します。バランスシート上では、売掛金1,500円、立替金5,000円が計上されます。 いわゆるキャッシュアウト先行型のビジネスモデルに該当するため、不足する運転資本を短期借入金などで調達しなければなりません。 足元では業容の拡大に伴い、バランスシートも膨張しています(下表)。同社への投資にあたっては、この点を留意する必要がありそうです。 【タイミー 貸借対照表(単位:100万円)】
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■3月のバリュー投資塾(2025年3月8日)NEW! |
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3月22日(土)に開催するバリュー投資塾のテーマは「2024年のIPO銘柄」です。 2024年にIPOを行ったバラエティ豊かな86社の中から、私なりの視点でピックアップした20社の銘柄分析を行います。 ご参加を希望される方はメールにて、氏名と電話番号(交通機関が遅れた場合など、非常時の連絡にのみ使用します)を記入してお申込みくださいませ。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。 なお、お申し込みは3月18日(火)までとさせていただきます。まだ残席がございます。
ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。
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■トライアルHDの西友買収(2025年3月5日) |
時価総額2,496億円のトライアルHD(141A)が西友を3,800億円で買収するという、ビッグニュースが飛び込んできました。 資金調達は、同社の健全な財務体質を活かし、手元資金に加えて銀行から3,700億円を借り入れ、エクイティファイナンスの実施予定はないとのこと。 しかしながら、この買収により財務の相当な悪化が見込まれます。まず資産の部では、無形固定資産に純資産の2倍を上回る巨額ののれんが計上されるはずです。 のれん2,630億円=西友の買収額3,800億円−連結純資産1,170億円 次に負債純資産の部では、おそらく固定負債の長期債務に純資産の3倍を上回る3,700億円が追加されます。さらに総資産にも3,800億円が追加され、バランスシート全体が2倍以上に膨張します。 私のように財務を気にするのであれば、いったん投資対象から外すことになるでしょう。ビジネスモデルは気に入っていたのですが・・・。 もっとも同社の純運転資本は700億円を超える余剰を生み出しており、資金繰りの心配は不要です。 純運転資本▲713億円=営業債権11億円+棚卸資産464億円−営業債務1,092億円−前受金等96億円 それに加えて現社長の亀田晃一氏はみずほ出身の銀行マンです。計画に手抜かりはないと考えるのが自然かもしれません。 また首都圏における西友の好立地を入手できたとポジティブに受け取ることもできます。皆さんはどう思われたでしょうか。 【トライアルHD 連結貸借対照表(単位:100万円)】 |
■年金を早めに受け取るべきか(2025年3月1日) |
本日、病院で検査を受けてきました。 もともと心配性のうえに、投資家として2008年のリーマンショックや2011年の東日本大震災を経験している私は「常に最悪の事態を想定して、予め手を打っておく」ように心がけています。 万が一、悪性であれば「3月のセミナーを延期し、5月に依頼されている株スクールの外部講師も断りを入れ、年金を直ちに受け取ろう」と決めていました。 結果ですが・・・まったく異常なし。今月22日の大阪セミナーに向けて、いったん中断していたセミナーテキスト作成に励む日々を送ることになりそうです。 さて問題は、受け取るつもりだった年金です。私たちは本能的に自信過剰なため、つい「自分だけは大丈夫」と思いがちです。 しかしながら、いつまでも元気でいられるとは限らないわけです。65歳を待たず、年金生活に入ったほうがいいのかもしれません。 とりあえず一安心したものの、今後の人生設計に関して、改めて考えさせられた一日でした。 |
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