金融危機と市場混乱上杉謙信と毛利元就協調性
株式投資家のゴールセブンイレブンの大量閉店景気後退入りの事前サイン
「配当収入」音声CDティリングハスト氏のチェックリスト投資対象としてのJ−REIT
秋の東北旅行ケインズの転身

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ショートコラム(2019年10月)

■ケインズの転身(2019年10月30日)

東北旅行の初日、ピーチ便が早着したため、仙台駅で40分ほどの待ち時間がありました。こういったとき、必ず立ち寄るのが駅近くの丸善です。

株本コーナーで気になっていた新刊『ビッグミステイク』をチェック。直ぐに読みたい面白さでしたが、それでは旅行が読書の時間になってしまいます。買いたい気持ちをぐっと抑え、帰宅した日の深夜に注文し、先ほど読み終えました。

本書で一番印象に残ったのは、ジョン・メイナード・ケインズの項です。

大学基金の運用を任された当初、自分の能力をもってすればクレジット・サイクルと景気の波を乗り切れると信じて疑わなかったケインズは、コモディティーなどの投機市場に手を出し、大きな損失を計上しました。

屈辱を味わった後、投資方針を180度転換し、短期投機家から長期投資家に宗旨替えします。市場価格が内在的価値を下回る企業に焦点を絞り込みました。

自尊心を横に置き、金利や通貨の先行きや景気の影響を予測しようとすることを諦めたのです。投資家の心理を予測するのは不可能に近く、時間の無駄だという現実を受け入れました。

結局、ケインズは元祖バリュー投資家として、1929年の大暴落、それに続く世界恐慌、そして第二次世界大戦までを含んだ激動の時代に素晴らしい成果を上げます。

ここでのポイントは、類まれな天才であっても、マクロ経済分析をベースとした投資で辛酸をなめていることです。凡人に上手くやれるはずがありません。

私自身も金利や景気の動向はウォッチしているものの、あくまで参考程度に留めたほうが良いように思えてきました。


■秋の東北旅行(2019年10月28日)

10月24日から27日まで「秋の乗り放題パス」を使い、五能線、花輪線、北上線、陸羽東線、陸羽西線など東北のローカル線を巡ってきました。

紅葉を見に行ったのですが、残念ながら昨年のような快晴の日は一日もなく、車窓からの紅葉をそれなりに楽しめたものの、絵になる風景は撮影できませんでした。

よって適当な写真でお茶を濁しておきます。いつも上手くいかないのは、旅行も投資も同様です。

しかし今回の旅行で、どの時間帯にどの路線に乗車すればいいのか(紅葉の映える場所が順光になるのか)ほぼ分かりました。株式投資に例えれば、基本的な下調べを終えた段階です。

この調査結果を活かすべく、来年の再訪を検討しています。その際、できれば撮影機材も高性能のデジカメにしたいですね。

五能線の車窓より臨む日本海

五能線より臨む日本海。この時だけ薄日が差しました

山寺駅に入選する仙山線列車

山寺駅に入選する仙山線列車。コンデジは動く被写体が苦手です

羽越本線を走行する貨物列車

羽越本線の貨物列車。勘でシャッターを切りトリミングしました。
皮肉なことに、 天候が回復したのは最終日の昼でした


■投資対象としてのJ−REIT(2019年10月21日)

明日のバリュー投資塾「配当収入」にて、J−REITを少しだけ取り上げることにしました。

説明用に、J−REITでは古株のプレミア投資法人(8956)と実質的なスポンサーであるNTT(9432)の業績推移をまとめたのが下図です。

ここで注目したいのはBPS(1口純資産)です。J−REITでは利益をすべて分配するため、内部留保によるBPSの増分はありません。増資のタイミング次第では、BPSが減少することもあり、現にプレミア投資法人はそうなっています。

利益の一部を株主に配当として支払い、残りを内部留保できるNTTはBPSが増加しています。そしてEPSとBPSには、次の関係が成り立ちます。

●EPS = BPS × ROE

EPSの原資であるBPSの積み上がっているNTTは、現行のROEを保つことができれば、EPSも増えます。配当性向が一定なら、配当も増えていきます。この10年間で、ROEを向上させ、配当性向も上げてきたNTTは、配当が3倍に増えました。

一方でその仕組み上、NTTほどBPSの増加もROEの向上も望めないプレミア投資法人は、結果的にEPS(1口益)がほとんど増えず、10年間の分配金もほぼ横ばいです。この傾向は、おそらく将来的にも変わらないでしょう。

直近の配当利回りは、プレミア投資法人が3.37%、NTTが3.6%です。長期投資の対象として、NTTに軍配が上がるように思えるのですけど、いかがでしょうか。

プレミア投資法人 業績推移

プレミア投資法人 業績推移

NTT 業績推移

NTT 業績推移


■ティリングハスト氏のチェックリスト(2019年10月18日)

ティリングハストの株式投資の原則』にて、バリュートラップを防ぐために著者の用いているチェックリストが公表されています。

1.その銘柄の利回りは高いか、つまりPERは低いか
2.その企業は成長機会において大きな利益を得られるような特別な何かをしているか
3.その企業は永続すべき体制にあるか、それとも競争や流行や陳腐化や過大な債務などのリスクにさらされているか
4.その企業の財務は安定しているか、遠い将来まで見通すことができるか、それともシクリカルで変動が大きく不確実か

ジョエル・ティリングハスト氏の運用しているBBHフィデリティロープライスドストック、BBHフィデリティイントリンシックオポチュニティズは、会社四季報の株主欄に直接ファンド名が出ています。

それらの銘柄がこの条件を満たしているのか、自分なりに検証してみると興味深いです。ただしBBHフィデリティロープライスドストックに関しては、長期保有している銘柄が多いため、現時点では割安でなくなっているケースもあります。

ちなみに『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』では、チェックリストを使っている3人のバリュー投資家として、モニッシュ・パブライ(著書『ダンドーのバリュー投資』)とガイ・スピアー(著書『勘違いエリートが真のバリュー投資家になるまでの物語』)の名があげられているものの、3人目の「世界でも有数のファンドのディレクター」は名前と投資額が伏せられていました。

ひょっとすると、この3人目はジョエル・ティリングハスト氏かもしれませんね。


■「配当収入」音声CD(2019年10月15日)

10月22日に開催するバリュー投資塾「配当収入」音声CDのお申込みをいただきました。「できるだけ早めにお送りください」とのことです。

私事ながら、実は10月24日から東北旅行に出かけます。旅先から帰った後で、音声CDを編集する予定でした。

この段取りでは、音声CDの送付が月末になってしまいます。そこで今回は音声データをほぼ無編集として、セミナー翌日の23日にお送りすることにしました。

売り物であるため、通常は説明を言い直した箇所の編集を行い、せきやくしゃみ、ドアを開ける音(たまに部屋を間違えて入ってくる)などもカットしています。しかし聞いていただく分には、編集なしでも差し支えないと判断しました。

10月21日までにお申込みをいただき、ご入金を確認できた場合は、10月23日に最寄りの郵便局より発送します。

ご購入を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

「配当収入」音声CD
セット
内容

10月22日に開催するバリュー投資塾「配当収入」を収録します

CD1枚組(mp3形式の音声データ3〜4時間程度、pdf形式のテキスト74ページ、資料付き)

講義の音声をほぼ無編集で収録します。映像は含まれておりません。意見交換や質疑応答などについても、できる範囲で収録する予定です。

CD代金

銀行振込 26,400円

10月21日までにご入金を確認できた場合は、10月23日に発送します。

10月22日以降のご入金分につきましては、10月末頃の発送を予定しています。

内容

株式投資と不動産投資の比較、配当収入のシミュレーション、配当を得るため投資を検討したい連続増配企業や増配余地の高いキャッシュリッチ企業の分析を試みます。

資本家や莫大な遺産を残した個人投資家がどのような投資を行っていたかもまとめました。

テキスト
目次

第1部 株式投資家のゴール
1−1 経済的自由
1−2 不動産投資と株式投資
1−3 配当収入の重要性
1−4 配当収入のシミュレーション(理論値)
1−5 配当収入のシミュレーション(個別銘柄)

第2部 資本家の株式投資
2−1 旧岩国藩主 吉川家
2−2 泉南の豪商 廣海家
2−3 光通信 重田康光氏

第3部 個人投資家の長期投資
3−1 アンネ・シャイバー
3−2 ロナルド・リード
3−3 ふたりの共通点

第4部 配当を得るための銘柄選択
4−1 ジョン・ネフの銘柄選択基準
4−2 ピーター・スカーカニッチの投資

第5部 連続増配銘柄
5銘柄を分析予定

第6部 キャッシュリッチ企業
5銘柄を分析予定


■景気後退入りの事前サイン(2019年10月14日)

JPモルガンのGuide to the Marketsが更新されています。今回、一番興味深かったグラフは、景気後退入りの「事前サイン」です(下図)。

米国にてISM製造業景況感指数の50割れと長短金利逆転がほぼ同時期に起こった場合、1998年以外は景気後退に陥っています。

もちろん未来のことなど分からないのですが、自己資金を運用する立場としては、マーケットの先行きについて警戒すべき時期に来ていると言えそうです。

米国:企業景況感と長短金利差


■セブンイレブンの大量閉店(2019年10月12日)

我が国では、2020年以降に少子高齢化が加速します。ネット通販でモノを買う習慣も、すっかり定着しました。

にもかかわらず、新規出店が続いている小売業はオーバーストアの状況にであり、過当競争を繰り広げています。

「いったい、どうするつもりだ」と思っていたところ、セブン&アイが「セブンイレブン全店舗の5%に当たる不採算店1000店を閉鎖・移転する」という大リストラを打ち出しました。

何よりも5%という数字に衝撃を受けました。関係各社に与える影響も多大で、私が把握しているだけでもピックルスコーポレーション、エイジス、三機サービスにとっては減収要因になります。

今後、小売チェーンの閉店ラッシュが起こる可能性を否定できません。内需関連の小売業、サービス業を得意にしている個人投資家にとっては、極めて重要なニュースと言えるでしょう。

ただ逆に考えれば、立地に優れるコンビニ跡地などを活用した、新たなビジネスが生まれてくる可能性もあるわけです。

コシダカやコスモス薬品のように、リーマンショック後のデフレを逆手に取り、飛躍した企業があったように・・・。それは何かに注目しています。


■株式投資家のゴール(2019年10月8日)

投資で経済的自由を得るためには、ゴールを設定する必要があります。不動産投資では「家賃収入が生活費を超えること」です。

一方、株式投資では、ゴールがあまりはっきりしていません。どれだけ儲かるかは時々の相場に左右され、不動産投資のような計算が成り立たないのです。

日銭を稼ぐ必要に迫られ、毎日のように神経をすり減らしながらトレードという過酷な労働を強いられる状況は、とても経済的に自由とは言えません。

株で確実性が高いのは配当収入です。そう考えれば、株式投資のゴールは「配当収入が生活費を上回ること」です。

ただ株の配当利回りは3%前後で、想定利回りが10%を超える物件が存在する不動産とは雲泥の差があります。銀行から長期のローンを借りて、レバレッジを掛けることもできません。

「とんでない。金融資産1億円の投資家が全部突っ込んでも配当はたかが300万円。しかも持株が3%下がっただけで、その分が吹き飛んでしまう」という声が聞こえてきそうです。

しかし良い会社は、毎年のように配当を増やします。当初は配当利回り3%でも、その会社が年15%のペースで増配を続ければ、10年間には買値に対する配当利回りが4倍の12%になります。含み益も相当に積み上がり、相場が少々下がった程度ではびくともしないはずです。

このような視点を持てば、多少時間を要するとはいえ、将来的に配当収入で暮らすことが可能です。株式投資家が経済的自由を得られる唯一の方法ではないでしょうか。

私自身も次の弱気相場で思い切った投資を行い、いずれ配当収入が生活費を上回るように、色々と思案しているところです。

10月、11月のバリュー投資塾では、この配当収入について取り上げます。株式投資を通じて経済的自由を達成したい方に、ぜひとも聞いていただきたい内容です。

ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。

10月、11月のテーマは「配当収入」です
日時・場所

2019年10月22日(火祝)10:30〜16:50 東京・大井町 きゅりあん

2019年11月23日(土)10:30〜16:50 大阪・天満橋 エル・おおさか

人数

少人数制(10名様程度)

受講料

銀行振込 26,400円 当日現金 28,000円

3日前までのキャンセルは返金いたします。それ以後のキャンセルは音声CDでの受講に振替させていただきます。

内容

高配当銘柄や連続増配企業の銘柄分析、配当生活のシミュレーション、株式投資と不動産投資の比較などを行う予定です。

テキスト
目次

第1部 株式投資家のゴール
1−1 経済的自由
1−2 不動産投資と株式投資
1−3 配当収入の重要性
1−4 配当収入のシミュレーション(理論値)
1−5 配当収入のシミュレーション(個別銘柄)

第2部 資本家の株式投資
2−1 旧岩国藩主 吉川家
2−2 泉南の豪商 廣海家
2−3 光通信 重田康光氏

第3部 個人投資家の長期投資
3−1 アンネ・シャイバー
3−2 ロナルド・リード
3−3 ふたりの共通点

第4部 配当を得るための銘柄選択
4−1 ジョン・ネフの銘柄選択基準
4−2 ピーター・スカーカニッチの投資

第5部 連続増配銘柄
5銘柄を分析予定

第6部 キャッシュリッチ企業
5銘柄を分析予定


■日銀短観(2019年10月7日)

先日発表された日銀短観に掲載されているグラフ「業容判断の推移」を見て、個人事業主として感じたことを述べます。

当面、厳しい状況が続く。生活を切り詰め、この難局を乗り切らなければ・・・。

世間一般の自営業者も、ほぼ同様ではないでしょうか。今後は設備投資も手控えられるでしょうし、交際費や広告宣伝費など不要不急なものはどんどん削減されるはずです。

今後数年は、個人事業主としても、一介の投資家としても、残存者利益を得るための我慢比べが続く状況を想定しています。

こんな話題ばかり書いていると「角山のコラムはネガティブでつまらない」と思われるかもしれません。しかし「残存者利益=生き残った者が丸儲け」という図式を忘れないようにしてください。私もそれを狙っているのです。

日銀短観 業容判断の推移 製造業


■協調性(2019年10月5日)

学生時代、就職に当たって適性検査を学内で2回受けました。結果はほぼ同じ。

●性格的な特徴:協調性に欠ける
●適している職業:映画監督、彫刻家

自分自身では、まったく納得できません。しかし実際に社会人となって数年経ってから、やっとその真意が分かりました。

サラリーマンという雇われの身にしては、協調性に欠けるのです。「会社というものは、ここまで自分を殺して周囲に合わせないといけないのか」としみじみ感じました。

要するに、自分は合理的で自由な人間なのです。その分、会社員には向いていなかったのかもしれません。余談ですが角山智というペンネームは、草枕冒頭の「路を登りながら、こう考えた。 に働けばが立つ」から取っています。

話しを元に戻しますと、短所は長所の裏返しにつき、何か別のものに向いているはず。それがバリュー投資(逆張りの長期投資)でした。周囲に合わせるのが得意で、世渡り上手の人は、たぶんバリュー投資が苦手でしょう。

ちなみに適している職業が、映画監督というのも言い当て妙です。映画ではストーリーに合わせて役者を選び、監督の仕切りで撮影が進行します。株式投資もシナリオに基づいて銘柄を選び、必要であれば銘柄を入れ替えて運用していきます。そういった部分で、他人より向いているものがあれば有利に立てます。

株式投資では、まず己を知り、本人に合った投資手法を選ぶことが肝要です。私見ながら、場の空気に合わせて機敏に立ち位置を変えるのが得意な人はトレーダー向きです(私にはできません)。協調性があり、サラリーマンとして出世するタイプの人は、インデックスファンドの積み立てが向いているような気がします。


■上杉謙信と毛利元就(2019年10月2日)

酒好きだった上杉謙信は、48歳の若さでこの世を去っています。一方、酒をほとんど飲まなかった毛利元就は、75歳まで生き長らえました。

酒が寿命を決めたとは言い切れませんけど、もし上杉謙信が酒を慎み、毛利元就が大酒飲みであれば、おそらく日本の歴史は変わっていたでしょう。

やり手の戦国武将はやたらめったら戦をせず、自軍が勝てる状況になるまで待ってから攻め入りました。そのために一番大切なことは、健康に留意してできるだけ長生きすることです。

投資家も同様です。とりわけ長期投資では、結果が出るまでに時間を要します。投資家を名乗る以上、なるべくお酒を控えるべきかなと思い始めています。


■金融危機と市場混乱(2019年10月1日)

財務総合政策研究所に掲載されている講演資料「金融危機と市場混乱〜リーマンショックの経験から」を興味深く読みました。

「いつでもリスクテイクをやめられる」という個人投資家の特権を活かし、次の危機に備えると共に、投売りされる優良資産を取得するために長期計画を立てておきたいと改めて思いました。

なお資金流動性危機において、個人投資家しか買わないような小型株の株価は、相対取引される金融商品の時価とほぼ同様の値動きとなります。資金のバッファーを持ち合わせており、目利きのできる投資家にとっては、千載一遇の投資チャンスです。

投資家 リスクテイクをやめられないない

2008年危機での気付きや問題意識

投売りの被害の拡大・拡散

危機に直面したら

危機時の時価



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