新シンボリックストック辛抱強さと身分保証四季報通読2巡目
SHOEIを売った天才ファンドマネジャー空いていた新幹線自分自身の敗因
大化け株の条件続・ダブル移動平均売らなければよかった株
永守会長の人心掌握術是川銀蔵氏のカメ三則

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ショートコラム(2016年7月)

■是川銀蔵氏のカメ三則(2016年7月28日)

是川銀蔵氏の著書『相場師一代』に、興味深い記述があります。株式投資の基本は「カメ三則」であると力説している箇所です。

1.銘柄は水面下にある優良なものを選んでじっくり待つこと
2.経済、相場の動きからは常に目を離さず自分で勉強する
3.過大な思惑はせず、手持ち資金の中で行動する

株で大儲けした人物は、マスコミにより面白おかしく掻き立てられるのが世の中の常です。そういったこともあり、是川氏に関しては、誤解されている部分も多いです。

実際には、ファンダメンタルをベースとした投資を行っています。独自のマクロ経済分析を個別銘柄に落とし込むという、ヘッジファンドマネジャー顔負けの鮮やかさでした。

会社を経営していた時期もあり、ビジネスの本質についても理解が深かったと思われます。

バフェット氏のように賞賛されないのは、やはりお国柄でしょうか。


■永守会長の人心掌握術(2016年7月26日)

日本電産の永守会長兼社長が、片山副会長(元シャープ社長)に対し、株主総会で次の言葉を掛けたそうです。

彼は非常に優秀ですよ。たまたま液晶で失敗したけど、そんなのたいしたことない。一度失敗したらバツをつけるのが日本社会の悪いところですわ。特にマスコミが悪い、ぐちゃぐちゃに書くわけですよ。挫折というのは極めて大事な経験。

厚遇で向か入れてもらった上に、このような激励を受ければ、誰しもが身を粉にして働くはず。さすがの人心掌握術といえます。


■売らなければよかった株(2016年7月23日)

駆け出し時代の1990年代に保有していた株で「売らなければよかった・・・」と思っている銘柄が3つあります。

●キーエンス(6861)
●ニトリ(9843)
●サンドラッグ(9989)

競争に勝てる強い会社、競争相手の存在しないユニークな企業に関しては、株価が多少上がって割高に見えても、保有し続けるのが正解かもしれません。

しかし、実際に投資を行っている身としては、利益を確保したくなります。バブルが崩壊して、マーケット全体が下がりそうな局面ではなおさらです。


■続・ダブル移動平均(2016年7月18日)

前回の続きです。

日経平均株価のロングチャートにて、ついに12月移動平均線と24月移動平均線のデッドクロスが発生しました。経験則では、ここから1〜2年、厳しい下落相場の続く可能性が高いです。

統計的にも、年の後半は株式市場のパフォーマンスが悪くなる傾向にあります。とりわけ、今から年末までは用心してかかりたいですね。

日経平均株価チャート(月足)


■大化け株の条件(2016年7月16日)

私が考える、大化け株の条件は次の2つです。

●競合がショボイ
●下馬評が低い

メルマガでは「お宝銘柄の宝庫」と題して、この手の銘柄群が見つかりそうな場所を4つ紹介しましたが、藤野英人氏の新刊『ヤンキーの虎』を読んで以来、地方銘柄に一番注目しています。

そこで、7月に開催するバリュー投資塾のテーマを地方銘柄としました。地方にて、地に足の着いた手堅い商売を行っている地味株を分析します。

さらに、今年5月の九州視察旅行にて、現地店舗の視察を行い、足で稼いだ生情報も合わせてお話します。

ご参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入してお申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

なお、お申込み締切を東京会場7月20日(水)、大阪会場7月27日(水)とさせていただきます。両会場とも、まだ残席がございます。

ご注意:ケーススタディを盛り込んでいますが、銘柄推奨を行うセミナーではありません。

7月のテーマは「地方銘柄」です
日時・場所

2016年7月23日(土) 10:30〜16:50 東京・大井町 きゅりあん

2016年7月30日(土) 10:30〜16:50 大阪・天満橋 エル・おおさか

人数

少人数制(10名様程度まで)

受講料

銀行振込 25,920円 当日現金 28,000円

3日前までのキャンセルは返金いたします。それ以後のキャンセルは次回以降の受講に振替させていただきます。

内容

東京以外でビジネスを展開している地方銘柄を取り上げます。

テキスト
概要

1 地方企業への投資
1−1 ヤンキーの虎
1−2 地方都市の特徴
1−3 地方企業に投資するメリット

2 北海道の地方銘柄
2−1 A社(鶏卵)
2−2 B社(ラーメンチェーン)
2−3 C社(ローカルスーパー)

3 東北の地方銘柄
3−1 D社(メガフランチャイジー)
3−2 E社(ドラッグストア)

4 中国・四国の地方銘柄
4−1 F社(ローカルスーパー)
4−2 E社(メガフランチャイジー)
4−3 G社(中古住宅)

5 九州の地方銘柄
5−1 H社(注文住宅)
5−2 I社(結婚式場)
5−3 J社(ミニコングロマリット)
5−4 K社(ホテルチェーン)


■自分自身の敗因(2016年7月15日)

負けがつきものの株式投資ですが、皆さんは「自分自身がどうして損をしているのか」ご存知でしょうか。

私の場合、過去の売買履歴を振り返れば、最大の敗因は「待てなかったこと」 です。

●高金利の社内預金が廃止された1997年。運用難に陥ったという個人的な事情で、年初より本格的に株を買っていった。お腹いっぱいになった秋口、アジア通貨危機に直面し、身動きが取れなくなる。あと1年待てれば、何もかも安かった1998年に株を買えた

●持株の値上がりに気を良くしていた2000年秋。「そろそろいいだろう」という値頃感で株式投資を再開し、ロームや日テレなどITバブルの主役銘柄を追っかける。その1年後、NYテロにより日経平均が17年振りに1万円を割り込んだ。もう1年待てれば、安値圏で株を買えた

●持株の大半を利益確定した2006年。高配当につられ、その資金をJ−REITや海外金融株に再投資している。ここでしばらく休むことができれば、リーマンショック後の安値を拾えた

新マーケットの魔術師』に登場しているウィリアム・エックハートの言葉を借りれば、投資で勝てるようになるには「間違っていることを止める」に尽きます。このアドバイスを受け入れ、投資チャンスを待てるようになれば、相当のパフォーマンス改善が見込めるでしょう。

弱気相場の判断基準は、素人目に見て「株価が安く、景気も悪く、世間が悲観ムードに包まれているとき」ですから、そんなに難しくありません。

問題は「ポジポジ病が蔓延しているこの世界において、いつ訪れるか分からない弱気相場を、待つという行動が実際にできるかどうか」にかかっているといえます。


■空いていた新幹線(2016年7月12日)

7月9日(土)は東京日帰り出張でした。

いつものように、京都駅から新幹線に乗車したところ、ここ数年はうんざりするほど混んでいた「のぞみ」が割と空いていました。アジア人観光客の姿もまばらです。

私は肌で感じる指標として、東海道新幹線の混雑度と、ときおり新幹線の車窓に映る在来線貨物列車のコンテナ積載率を重視しています。

今回だけでは断言できませんが、景気はもう悪化しているかもしれないなと思いました。

JR東海 株価チャート(週足)


■SHOEIを売った天才ファンドマネジャー(2016年7月8日)

SHOEI(7839)は、2輪用高級ヘルメットを欧米に輸出しています。良い会社ながら、景気や為替の影響を大きく受けることもあり「いつ買って、いつ売るか」 を考慮すべき銘柄です。

「フィデリティ・ロープライ スド・ストック・ファンド」がSHOEIの大株主欄に登場したのは2011年。その後も大株主であり続けていたのですが、昨年の会社四季報夏号から保有割合を減らしはじめ、今年の夏号では名前が消えていました。

株価チャートと突き合せてみれば、長期投資のお手本のような売買をしていたことが分かります。かのピーター・リンチ氏も絶賛した天才ファンド・マネジャー、ジョエル・ティリンガスト氏の面目躍如といったところでしょうか。

SHOEI 株価チャート(月足)


■四季報通読2巡目(2016年7月7日)

今、会社四季報夏号通読の2巡目に入っています。

1巡目と違い、全銘柄に目を通さなくてもいいですし、期限を決める必要もありません。肩の力を抜き、リラックスして読めば、新しい発見があったりします。

これはいいです。皆さんにもおすすめします。


■辛抱強さと身分保証(2016年7月5日)

バリュー投資入門』では、ウォーレン・バフェットをはじめとして8名の投資家が紹介されています。その中で、マイケル・プライスの項に次の記述があります。

だが、熱狂相場の火中を耐え抜ける辛抱強さと身分保証のあるバリュー投資家にとっては、熱狂が静まり恐怖が再現したときの儲けのチャンスは計り知れないほど大きくなる

私は、株式投資セミナーの講師などで生計を立てています。この手の仕事をしていると「株で儲からなくなったから、小遣い稼ぎをしているのだろう」と思われがちです。

自分としては社会貢献であるわけですが、安定的な収入を確保できるという一面も捨てがたいです。株は、稼げるときは“濡れ手で粟”のボロ儲けですが、動けば動くほど投資資金とモチベーションを消耗するような状況も少なくありません。

現に、昨年の今頃は過熱相場でしたし、東証マザーズに関しては未だに熱狂が続いています。そういった局面にて、目をつぶってチャートに付いていったり、損失覚悟で空売りを仕掛けたりしなくても生活できるように、今の仕事をしているのです。

バリュー投資に不可欠なもの。それは辛抱強さと身分保証です。


■新シンボリックストック(2016年7月3日)

強気相場の特徴は、個人投資家の人気が特定銘柄に集中することです。

1999年のITバブルでは、ヤフーの株式掲示板上に「日本オラクル同盟」が結成されました。2005年の小泉相場では、「フージャーズ友の会」に楽天日記を中心とした株ブロガーが集いました。

一方で、アベノミクス相場は官製相場ということもあり、いまひとつ個人投資家の盛り上がりに欠ける一面がありました。しかし、今年に入り、遅ればせながら主役が現れたようです。

「そーせいグループ(4565)」です。日経平均が軟調な中で、逆行高を演じました。

たとえバイオ銘柄に興味がなくても、このようなシンボリックストックの動向には注目しておく必要があるでしょう。投資家心理に与える影響が大きいからです。

そーせいグループ 株価チャート(週足)



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