これから5年は金が最も儲かる鳥貴族の既存店売上高
孫氏、三木谷氏、藤田氏ニトリへの投資バブル紳士淑女の会
アーリーリタイアはあまりにも退屈エクソンモービルの配当金推移
ジャンク債は晴れの日に買うな毎年恒例のルーチンワーク
サラリーマンと株式投資家の違い磯丸水産情報システムとロジスティクス
自動車産業のモジュール化

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ショートコラム(2014年12月)

■自動車産業のモジュール化(2014年12月30日)

製造業のビジネスモデルは、インテグラル(擦り合わせ)型とモジュール(組み合わせ)型に分けることができます。

●インテグラル型・・・自動車、精密機器
●モジュール型・・・PC、家電、半導体

近年、業績悪化に苦しめられたパナソニックやシャープなどの家電メーカーは、モジュール型のビジネスモデルです。この分野では、コスト競争力に勝るアジア企業に対抗することが難しくなりました。

それに対して、インテグラル型のビジネスモデルである自動車産業は、まだ日本企業に優位性が残されていると認識していました。ところが、自動車産業においてもモジュール化の波が押し寄せつつあります。

現に、モジュール化で先行したフォルクスワーゲン(下図)や現代自動車が新興国で売上を伸ばしています。もっとも、両社とも今年は苦戦しているようですが。

トヨタ自動車も、モジュール化に向けて、重い腰を上げました。しかしながら、もしトヨタが今後の対応を見誤り、家電メーカーの二の舞になってしまえば、我が国の製造業は壊滅状態です。

投資家としては、そういった可能性も考慮しておかねばと感じました。

VW Modular Toolkit


■情報システムとロジスティクス(2014年12月27日)

属しているのは、内需関連の成熟産業。主にナショナルブランドを仕入れ、店舗もごく普通。

にもかかわらず、その会社は増収増益を続けています。不思議に思い、少し調べてみると、情報システムとロジスティクスに強みを持っていることが判明しました。

サラリーマン時代、情報システム部門にてSE(システム・エンジニア)をしており、物流情報システムを担当していたので、この2つの重要性はよく理解しているつもりです。

比較的地味な競争優位かもしれませんが、今後は情報システムとロジスティクスにも注目したいと思います。


■磯丸水産(2014年12月24日)

昨日、天満まで出向いた際、たまたま磯丸水産 天満駅前店の前を通りました。

外から店内の様子を観察してみたところ、夕方の5時過ぎという一杯やるには早目の時間帯にもかかわらず、それなりに混んでいました。

磯丸水産は、この12月にIPOを行ったSFPダイニング(3198)の主力業態です。外見は、普通の海鮮居酒屋ですが、24時間営業を行っているのが特徴です。

個人的には、お昼や早朝の時間帯にも、居酒屋に対する潜在的な需要はあると思っています。そのような顧客ニーズを拾い上げることができれば、面白いかもしれません。

店舗の偵察も兼ねて、1月のバリュー投資塾終了後の懇親会は、磯丸水産で行う予定です。


■サラリーマンと株式投資家の違い(2014年12月20日)

サラリーマンと株式投資家の違いについて、まとめてみました。

定時までは、サラリーマンとして効率的に仕事をこなし、それ以降(あるいは早朝)の時間を活用して株式投資にはげむのが理想形でしょうか。

また、仕事の進め方がまったく異なるため、切り替えを行う必要があります。サラリーマンの常識を相場に持ち込めばカモにされますし、逆をやれば単なる鼻つまみ者です。

  サラリーマン 株式投資家
1日の必要時間 8時間以上 1時間程度
年収 400〜500万円(平均) マイナス〜1,000万円以上
税率 40%(国民負担率) 20%
定年 56〜65歳 なし
仕事の進め方 チームプレー 個人プレー
必要な素養 協調性 自律性
資本主義の恩恵 受けない 受ける

■毎年恒例のルーチンワーク(2014年12月18日)

年末から新春にかけて、毎年のように行っているルーチンワークがあります。それは、直近1年間のIPO銘柄にすべて目を通す作業です。なぜなら、こういった新しい企業の中に、未来の成長株候補が含まれているからです。

手順としては、まずトレーダーズ・ウェブのIPOスケジュールを印刷して、上場日の順に簡単な下調べを行います。

このとき、役立つのがstockvoiceの東証ニューフェースです。新規上場企業への社長インタビューが10分程度にまとまられており、この動画だけで下調べを終える場合もあります。

下調べの結果は、印刷したIPOスケジュールに○、△、×で記入します。

続いて、○と△の企業のみ、詳細な調査を行います。決算書や会社説明会資料で業績を確認し、ビジネスモデルと事業環境を調べ、社長の経歴をチェックします。

ここで「面白そうだ」という感触を得た企業のみ、ウォッチリストに登録して、追いかけていくことになります。

もっとも、ウォッチリストに登録される銘柄は、毎年数社程度です。手間を考慮すれば非効率かもしれませんが、それでも調べる意味はあると思っています。

なお、調査結果については、1月のバリュー投資塾で公表します(2年前から続けています)。興味をお持ちの方は、ご参加を検討くださいませ。


■ジャンク債は晴れの日に買うな(2014年12月16日)

原油価格の下落に伴い、ジャンク債が売られています。ジャンク債の中に、シェール関連などの開発を行っているエネルギー企業の債券が多分に含まれているのが、その理由です。

もともと、ジャンク債は「晴れの日に買ってはいけない」投資対象です。相場が土砂降りになれば、ほぼ間違いなく売られるからです。長引く低金利により、この手の投資信託が人気を博していたようですが、結末はどうなることでしょうか。

それにしても、ジャンク債の利回りが5%台前半まで下がってしまっては、リスクを考えれば到底割に合いません。

HYG 株価チャート(日足)


■エクソンモービルの配当金推移(2014年12月15日)

下のグラフは、エクソンモービル(XOM)の配当金推移です。同社は31年間にわたって連続増配を続けており、1982年に0.375ドルだった配当金は、2013年に2.46ドルまで6.56倍に増えています。

エクソンモービル 配当金推移

そんな同社株も、原油価格急落の影響を受けて、株価が52週安値を付けています。考え方次第ですけど、短期的な悪材料による株価の下落は投資チャンスともいえます。

「何か外貨建て資産を持っておきたいが、S&P500のETFは割高に思えて買えない」という方はウォッチしてみるのも一案です。

エクソンモービル 株価チャート(週足)


■アーリーリタイアはあまりにも退屈(2014年12月11日)

日経のサイトに、一時期、アーリーリタイア生活をされていた野口真人氏の記事が掲載されています。家賃収入だけで十分暮らせたものの、あまりにも退屈だったそうで、次のように述べられています。

不労所得だけで生活するというのは、自分というもっとも生かすべき資産が遊休資産になっている状態です。

私自身も、リーマンショック後は仕事の少なかった時期があります。時間を持て余し気味だったので、人前で話をする練習になるだろうと考え、職業訓練講師のアルバイトをしたりして過ごしていました。

細々と生活していくだけなら、今すぐ角山オフィスの仕事をやめても構いませんが、アーリーリタイアしたいとは思いません。

生き馬の目を抜くマーケットにて、20年がかりで得た知見を,、より多くの方に伝えたいからです。そうすることが、自分という資産の有効活用にもつながります。


■バブル紳士淑女の会(2014年12月10日)

12月といえば忘年会シーズンです。この時期、毎年のように思い出すのが、2005年12月に東京・銀座の高級中華料理店で開催された忘年オフ会です。

東京出張に合わせてもらったので、幸いにも参加することができました。

メンバーの大半は、2005年の小泉相場にて主導株だった新興不動産企業に集中投資を行っており、ネット上でも名の知られている人達です。そこらじゅう、カリスマ投資家だらけでした。

パフォーマンスも整数倍が当たり前。現物買いのみで分散投資を心がけていた私は、その年のリターンが2倍に届いておらず、何かと肩身の狭かった記憶があります。

しかし、みんながハッピーな状況は長続きしませんでした。それから1ケ月もたたないうちに、ライブドアショックが起こります。新興市場の崩壊は、彼らの集中ポートフォリオを直撃しました。

当初は、血気盛んに信用ナンピンで買い向かっていた投資家達も、一人また一人とブログの更新が止まりだします。

あの「バブル紳士淑女の会」参加者のうち、生き残っているのは、ほんの数えるほどです。もっとも、私には場違いな集まりだったかもしれませんが。


■ニトリへの投資(2014年12月8日)

ニトリHD(9843)は、初心者時代から注目していた銘柄です。当時は、北海道のローカルチェーンでしたが、本州に競合企業の存在しなかったこともあり「この会社の全国展開は、ほぼ間違いなく成功する」という確信に近いものを持ってしました。

しかしながら、札証のスター銘柄だった頃は、株価がとんでもなく高く、手を出せませんでした。「るいとう」(株式累積投資)で投資を始めたのは、株価が少し落ち着いた1996年秋です。

「ドル・コスト平均法につき、株価が下がってくれた方がラッキー」と楽観視できたのは、1997年の秋まででした。アジア通貨危機により、メインバンクの拓銀が経営破たん、北海道経済はどん底に陥ります。

ニトリの株価も、目が当てられないほど落ち込みます。「たった1年で、こんなに損するなんて・・・」落胆のあまり、自分の不運をなげき、「るいとう」の買い付けも休止してしまいました。今から振り返れば、絶好の投資チャンスだったのですが・・・。

その後、ニトリ株はITバブルの二極化相場にて「勝ち組」として復活します。ITバブルが崩壊した2002年には、札証より東証1部への直接上場を果たし、株価も逆行高を演じます。このときは「るいとう」を再開し、単位株(ミニ株だったかもしれません)でも買っていましたので、ポジションが増えました。

全て売却したのは、2004年でした。株価も相当に上昇しましたし、本州主要エリアへの出店もほぼ終えて、全国展開のメドがついてきたからです。個人的には、ニトリへの投資は大成功だと思っていました。

ただ、その後も保有を続け、押し目で追加購入できていれば、ニトリ株だけで一財産築けたことになります。目利きができていたにもかかわらず、長期投資を実践するための力量が不足していました。

投資家人生の後半戦においては、第二のニトリのような銘柄を発掘して、安値を拾いながら長期的に保有してみたいです。そう考えれば、何かと過大評価の銘柄が多くなる、今のような株高局面はあまり歓迎できません。

十分な調査を行い、少しだけ打診買いを入れて感触を確かめつつ、じっくりと次の弱気相場を待ちたいものです。

ニトリ 株価チャート(月足)


■孫氏、三木谷氏、藤田氏(2014年12月7日)

今や、我が国を代表するIT企業の経営者となった孫氏、三木谷氏、藤田氏に「鳴かぬなら・・・ほととぎす」の句を当てはめてみました。

ソフトバンク(9984)の孫正義社長は「泣かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」。将来を見据えて常に先手を打つ、アイデアと実行力に優れているイメージです。

楽天(4755)の三木谷浩史会長兼社長は「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」。いかにも元銀行員らしい、スマートで冷徹な印象を抱いています。

サイバーエージェント(4751)の藤田晋社長は「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」。豊富なキャッシュを抱えながらも、安易なM&Aに走らず、時節を待っていた姿勢に好感が持てます。

皆さんは、どんな印象をお持ちでしょうか。


■鳥貴族の既存店売上高(2014年12月5日)

本日、鳥貴族(3193)の第1四半期決算と月次報告が発表されました。決算はまずまず、既存店売上高(下のグラフ)も100%を上回って推移しており、好調といえます。

今後、人気の反動がでないのか、同業他社にパクられないのか、といったところが気がかりなものの、そういった変調に関しても、既存店売上高の推移でチェックできそうです。

ローテクで分かりやすく、そういう意味では好きな業種ですが、参入障壁の低さがネックでしょうか。焼鳥一本で、どこまで突っ走れるのか、個人的にも興味津々です。

鳥貴族の既存店売上高推移


■これから5年は金が最も儲かる(2014年12月2日)

林則行氏がこれから5年は金が最も儲かるという講演をされたとき、今ひとつ、ピンときませんでした。最近になって、やっと真意が分かってきました。

我が国の財政赤字を鑑みれば、円預金にもリスクがないとは言い切れません。外貨建て資産を持とうにも、債券は金利上昇局面に弱いですし、米国株を筆頭に株価も高値圏にあります。

そういう意味で、金も多少は持っておいた方がいいのかもしれません。儲けるためではなく、あくまで保険として。



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