S&Pスモールキャップ600とラッセル2000決算書「特訓」セミナー
初心者時代の夢定性分析FXについてライフサイクルと家今年の反省
iShares MSCI KOKUSAI (コクサイ)ETF登場投資手法のはやりすたり
四季報発売日の光景業界地図決算書の勉強法参考になるプロの意見
いまを楽しめない人は一生楽しめない成金買いは成功するのかあと一息
バラ色の未来に通じるいばらの道今年を振り返る

パーシャル・オーナー


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ショートコラム(2007年12月)

■今年を振り返る(2007年12月30日)

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年末につき、一年を振り返ってみようと思います。

まず、角山オフィスの事業については、売上は昨年を下回りました。昨年は、年明けしばらくは新興市場バブルの余韻が残り、ベストセラーとなった本の印税も遅れて入ってきました。今年は、全般的に市況が低迷したことに加え、本が来年に延びてしまったためです。レポートの体験コースやセミナーの音声CD発売など、拡販に努めたのですが、残念ながら及びませんでした。

配当収入は、昨年に比べて大幅に増加しました。ただ、配当収入にこだわったために、J-REITを高値で売却できず、パフォーマンスの足を引っ張ることになりました。このあたりの判断は難しいです。

投資に関しては、 ポートフォリオに書きましたとおり、マイナス1.4%のパフォーマンスです。2000年のITバブル崩壊時は「株はホールドするものだ」と思い込んで失敗したので、今回は損切りに徹しました。昨年から損切りばかりしていますが、おかげで傷が浅くて済んでいます。

欲を出せば、きりがないので「悪くはなかった」年であろうと思います。来年は、今年できなかった「外で働いてみる」を実行したいですね。事業所得、配当所得、給与所得のバランスが取れている収入ポートフォリオも魅力です。

年収

上のグラフは、私の年収です。サラリーマン時代は、安月給で10年間横ばいという赤字続きの会社に勤めていました。株式投資をはじめたのも将来への不安からです。その投資に対するスキルで今は生活できているのですから、人生何が幸いするかわかりません。業績が好調であり、年収も右肩あがりの企業に勤めていたなら、また違った人生を歩んでいたのかもしれないですね。

話がちょっとずれてしまいましたが、ご支援をいただいた多くのみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです。来年もよろしくお願いいたします。


■バラ色の未来に通じるいばらの道(2007年12月29日)

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「バラ色の未来」を信じて投資をはじめたのに、昨年もマイナス、今年もマイナス・・・。これではまるで「いばらの道」ではないか。そう思っている方も少なくないでしょう。

株式投資は、株価の安いときに買えば儲かります。しかし「実際に株価の安いとき」が「とても株など買う気のしないとき」であるのは、経験してみないとわからないものです。事実はむしろ逆で、誰もが売りたくなる状況だからこそ、株価が安いのです。

思い返せば、1998年も2003年も、そんな年でした。株価の大幅な下落により、普段は手の届かない「高嶺の花」がすぐ傍にあったのです。そこで、傷だらけの手を伸ばし「高嶺の花」をつかんだ勇者は、大きな果実を得ることができました。

みなさんの歩いている「いばらの道」が「バラ色の未来」に通じているなんて、今は想像できないかもしれません。血まみれで進んできた投資家も少なくなりました。

もちろん、どこで引き返そうが個人の自由です。でも、もう少しで「高嶺の花」に手が届くのであれば、もったいないと思いませんか。繰り返しますが、どこで引き返そうと個人の自由です。


■あと一息(2007年12月25日)

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まだラフの段階ですが、6冊目の原稿が揃ってきました。本を書くときは「白紙をとりあえず文字で埋める」のに一苦労します。ラフができてくると、推敲を重ね、レベルをあげていくのは楽しい作業になります。

今回は、ラフの作成に2か月あまりかかりました。ここからは来年2月末を目標に、内容を充実させていきたいと思います。とはいっても、年明けからセミナーの準備や5冊目の校正も重なるのですが、何とか乗り切りたいです。

一連の作業を、3月で終えて、その後はどう過ごすのか、少し考えたいですね。自宅で書き物ばかりも何なので「外に出て働くのがいいのかな」とも思っています。


■成金買いは成功するのか(2007年12月22日)

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サブプライム問題で打撃を受けた欧米大手銀行へ出資したことで、中東やアジアの政府系ファンドが注目されています。

ちょっと違うかもしれませんが、20年ほど前、あるアジアの島国でも「金余り」が起こり、米国をはじめとする世界の資産を買い漁ったことがありました。このときは民間企業によるものでしたが「成金買い」で見事に高値をつまかされ、失敗しています。

www9945さんのところにも書いてありましたが、今回のファンドも、原油高騰による「あぶく銭」で資産が膨らんでいることが気になります。これらのファンドは、来年あたり、冷や汗をかく局面に遭遇するかもしれないですね。

あるアジアの島国は、少しは学習したのか、あるいは単なる結果オーライなのかわかりませんが、今回は「ノー」といいました。

まったくの私見ですが、野球にたとえるのであれば、エースが序盤でノックアウトされ、中継ぎに変わったような状況です。まだゲームの展開はわかりませんから、ここでストッパーを投入するわけにはいかないのです。さすがは米国当局、うまくやりました。

終盤の勝負どころに差し掛かれば、バフェットやカルパースなどのリリーフエースが「登板」を志願するはずです。あるアジアの島国については、機会をうかがいすぎ、単なるベンチウォーマに成り下がらないようお願いしたいものです。


■いまを楽しめない人は一生楽しめない(2007年12月20日)

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大前研一氏の本を読みました。

即戦力の磨き方
ビジネス力の磨き方

ビジネス力の磨き方では、次のような問いかけがあります。

「仕事が楽しい」そう感じながら働いているビジネスマンは、この国にどれぐらいいるだろう。あるいは「充実した人生を送っている」と胸を張っていえる人はどうだ。

自分に当てはめてみると、前者には「はい」と答えることができますが、後者には残念ながら「いいえ」です。それは、プライベートが充実していないからでしょう。やはり、奈良の実家にて、一人で仕事をしていると、付き合いの幅も狭くなりがちです。

そうなると「来年から何かはじめよう」と考えてしまうのですが、この点についても大前氏はダメ出ししています。

結局、いまを楽しめない人は一生楽しめない。

その通りですね。私が好きな仕事ができているのは、一冊目の執筆を依頼されたとき「時間がないから」とあきらめなかったことです。帰宅後は疲れてしまい無理であれば、早朝に書けばいいと発想を変えました。あそこで先送りにしておれば、角山智というペンネームは生まれませんでした。

そうやって仕事をつかんだのだから、次はプライベートの充実をつかむ番です。「いまを楽しむには、どうすればいいのか」考えてみたいです。


■参考になるプロの意見(2007年12月18日)

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プロの意見で、私が参考にしているものをあげておきます。

債券・株・為替 中年金融マン ぐっちーさんの金持ちまっしぐら
堀古英司の「米国株式の魅力」

失礼ながら、逆張り的に見ているのはこちらです。

プロといっても、ピンきりですね。

ただし、参考にしているところも100%同意するわけではないですし、そうでないところもすべてダメではありません。最終的に判断するのは自分です。その方が、判断を間違えても(投資の世界では損をしても)悔いが残りませんから。


■決算書の勉強法(2007年12月16日)

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「決算書「特訓」セミナー」については、三々五々、お申し込みをいただいております。ありがとうございます。

あわせて「決算書がよくわかりません」「セミナーまでに勉強しておくことはありませんか」というお問い合わせも増えていますので、今回は決算書の勉強法について取り上げます。

■ステップ1:基本を理解する

まずは、入門書を読みます。ここでのコツは、乱読することです。わかりにくいところは飛ばしてもかまいません。なぜなら、わかりにくいのは、著者の説明が下手だからかもしれないからです。読者との相性がよくない可能性だってあります。

下の4冊は、すべて新書・文庫ですから、もし合わなければ「まずいランチに当たった」とあきらめてください(笑)。とにかく、一番しっくりくる入門書を見つけることです。また、何冊も読むことで「1冊目ではわからなかったけど3冊目では理解できる」こともありえます。

社長になる人のための決算書の読み方
ざっくり分かるファイナンスの第1章
ビジネススクールで身につける会計力と戦略思考力
財務3表一体理解法

■ステップ2:見方にメリハリをつける

入門書を終えれば、実践あるのみです。サンプルは、以前取り上げたマキ製作所の貸借対照表(バランスシート)です。決算書は、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の財務3表に分かれますが、一番重要なのは貸借対照表の「資産の部」です。

だから、貸借対照表の「資産の部」を真っ先に見ます。コツは、数字の大きなものから読むことです。マキ製作所の場合は「受取手形及び売掛金」と「棚卸資産」が大半を占めますね。しかも前期より増えています。

売上100億円で横ばいの会社が、受取手形及び売掛金が66億円、棚卸資産が56億円ですよ。私なら、ここで分析終了です。なぜなら、売上代金の2/3が未回収で、半年分以上の在庫を抱えている会社のパーシャル・オーナーになりたいとは思わないからです。

この状態では、キャッシュ・フローもマイナスでしょう。手持ちの現金はごく僅かですし、負債の部を見ると、短期借入金がたくさんありますから、銀行の手前、利益には「お化粧」が必要かもしれません。こう考えると、損益計算書とキャッシュ・フロー計算書に対して「利益は何とか黒字」「営業CFはマイナス」という仮説を立てることができます(実際そうなっています)。決算書は、探偵気分で推理小説を紐解くように読めば、力がつきます。

どうでしょうか。コツを押さえておけば、貸借対照表の2期比較で、だいたいわかってしまうのです。ところが、ほとんどの投資家は、売上と利益、株主優待しか見ていませんから痛い目にあうのです。

やむをえず、厚化粧された利益に対するPERを計算して、何の意味がありますか?

いつ回収できるかわからない売上債権や倉庫で眠ったままの棚卸資産に対するPBRが割安でも、バリュー株といえるのでしょうか?

マキ製作所 貸借対照表

■ステップ3:貸借対照表の背景を考える

貸借対照表は、長年の事業の結果です。「なぜ、そうなったか」「今後どうなるのか」を考えることは、銘柄分析スキルの向上につながります。そして、決算書にはある程度の定性情報も含まれています。ちなみに、マキ製作所の「事業などのリスク」には、次の記述がありました。

「農協が選果選別施設を導入するにあたり、農業の近代化のための各種補助金制度を活用す ることが一般的であります。しかし国内農産物の市況低迷など農業を取り巻く環境の急激な 変化や国及び地方公共団体の財政悪化などにより、設備計画の再検討を余儀なくされ計画の縮小・遅延等があります」

これを読む限り、マキ製作所は事業環境に恵まれず、販売不振に苦しんでるのでバランスシートが劣化したと受け取ることができます。今後についても、劇的に状況が改善することはないでしょう。そうであれば、ますます投資対象としてふさわしくないと判断できますね。

■ステップ4:さらに力をつける

さらに力をつけたい方は、次を読まれると(聞かれると)いいでしょう。

決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール
マンガ 決算書でわかる株式投資入門(原文を読みたい方は投資家から「自立する」投資家へ
「粉飾決算にだまされるな!決算書深読み術」レポート&音声セミナー

■ステップ5:セミナー会場でお待ちしています

最期は宣伝です(笑)。かなりヒントを出してしまいましたが、セミナーではステップ2、ステップ3の内容を詳しくお話します。仕上げに「決算書「特訓」セミナー」はいかがでしょうか。セミナー会場でお待ちしています。


■業界地図(2007年12月15日)

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業界地図は、業界内での位置づけや同業他社を調べるのに便利です。私も業界地図最新ダイジェスト 2008年版日経業界地図 2008年版を持っています。

業界地図最新ダイジェスト 2008年版はセグメント情報入りの図解が見やすく、日経業界地図 2008年版は業界データが充実していたので、甲乙つけがたく2冊とも購入しました。

Amazonをチェックしてみると、世界業界地図 2008日経市場占有率 2008年版も捨てがたいですね。

業界地図を眺めながら、気になった銘柄を会社四季報で調べてみるのものいいでしょう。また、自分の投資銘柄(あるいはウォッチ銘柄)を業界地図で探して、業界や競合他社をチェックする方法もあります。色々な使い方が考えられますよ。


■四季報発売日の光景(2007年12月14日)

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腰痛は相変わらずですが、歩けるようにはなったので、リハビリも兼ねて、昼から近所の書店まで出掛けました。いつもなら山積みになっている会社四季報も、今回は7冊置いてあるだけです。

おそらく10冊入り、午前中に3冊売れたのでしょう。それにしてもさびしい限りですね。いつものように、しつこく立ち読みしている初老の男性もいません。

一方で、カレンダーコーナーにはエビちゃんカレンダーが平積みされています。どうみても、四季報より数が多そうでした。この光景をみて「ひょっとして、来年は株があがるのではないか」と思えてきました。

なぜなら、ピーター・リンチ的な発想では会社四季報よりエビちゃんカレンダーがたくさん積まれていれば、株の買い時である」といえるからです(笑)。さて、どうなるでしょうか。


■投資手法のはやりすたり(2007年12月12日)

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今年はインデックス投資がブームになりました。どなたがマネー誌などのメディアに多く登場されるかで、時々の流行がわかります。梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーの水瀬さんは、すっかり「時の人」になられました。

一方で、バリュー投資はさっぱりです。あるセミナー会社の方は「どうしてこんなにダメなのか」と首をひねっていました。セミナー関係では、シストレやFXが人気でしたね。

ところが、投資には「参加者が増えるとリターンが下がる」という悲しい原則があります。現に、新興市場の個別銘柄で懲りてしまい、インデックス投資に方向転換した方も少なくないでしょう。

問題は、そのやり方を継続できるかどうかです。たとえば、サブプライム問題がさらに深刻化して、世界同時株安、円高、リート安が続くと、資産設計ファンドといえども値下がりします。

逆に、新興市場が復活した場合、資産設計ファンドの「のろまな」値上がりに我慢できるかも疑問です。下のグラフは、TOPIXとJASDAQの10年チャートですが、なんやかんやいいながら、JASDAQはTOPIXに対して倍以上のリターンをあげているのです。特に、上昇時の勢いはすざましいものがあります。

TOPIXとJASDAQの10年チャート

私は、今の状況を、ある意味で好ましく思っています。いつになるかはわかりませんが、新興市場が上昇に転じたときのことを考えてください。当然、マネー誌では、新しいカリスマ投資家が登場して、新興市場特集が組まれます。それを見たあなたは「カリスマ投資家の持株が倍になっているに、私の資産設計ファンドはたったの5%か」とため息をつくはずです。

そのうちに耐えられなくなり、資産設計ファンドを売り払い、新興市場の個別銘柄に乗り換える投資家が増えるでしょう。しかしながら、今までファンドにお任せで「思考停止」に陥っていた投資家が、にわかに決算書やビジネスモデルの分析ができるものでしょうか。結局は、カリスマ投資家の持っている「ホットな」銘柄を買ってしまい、やがて一緒に墜落していくのです。

一方、さんざん我慢させられきたバリュー投資家は、持株を高値で引き取ってもらい、一息つくことができます。こうして、資産を形成できる投資家とそうでない投資家の格差はますます広がっていきます。

つまり、投資においては、自分の投資手法を貫くことができるかどうかがポイントです。なのに、ほとんどの投資家は流行を追い求めてフラフラするから「高値掴み」をしてしまうのです。私は、インデックスファンド(ETF)も持っていますが、配分は前もって決めています、

なお、みなさんが少数派の「勝ち組」を目指すのであれば、今こそ徹底的に勉強すべきでしょう。宣伝になってしまいますが、会員制レポート「決算書「特訓」セミナー」もご活用ください。


■iShares MSCI KOKUSAI (コクサイ)ETF登場(2007年12月11日)

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ビッグニースが飛び込んできました。

楽天証券 がiShares MSCI KOKUSAI (コクサイ)ETF(TOK)の取り扱いを発表したのです。このETFは、米国での上場が12日楽天証券 での取り扱いは17日からですから、まさに速攻です。

今まで、国際分散投資を行うには、SPA(またはIVV)40%+EFA50%+EEM10%を組み合わせる必要がありましたが(それでもカナダは抜ける)、TOKの登場によりTOK80%+TOPIX ETF(1306)10%+EEM10%の組合せが使えます。

EEMは後回しでもかまいませんし、日本株は何らかの形で持っているでしょうから、TOKを加えただけで国際分散投資がほぼ完成してしまいます。

ただし、 購入するのが日本の個人投資家層と思われるだけに、十分な流動性が確保できるかが問題ですね。なお、TOKの信託報酬は0.25%です。

株式市場の世界シェア

注)MSCI コクサイ指数:日本を除く先進国22ヶ国・地域を対象としたMSCI指数(オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、アイルランド、イタリア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、シンガポール、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカ)。1488銘柄で構成される。


■今年の反省(2007年12月11日)

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日曜日にパフォーマンスを計算みたら、どっちへ転ぶか微妙なところでした。売買記録を振り返ってみると「余計なことをしなければ、もっと楽であった」と反省することしきりです。

余計なこととは
■外資系バリューファンドを真似てみたり
■リカバリーストックで当てが外れたり
■裁定取引に失敗したり
です。

自分自身で選んだ銘柄はそんなに悪くないのに、これらに足を引っ張られました。投資の鉄則は「得意分野から離れるな」ですが、そのことを再認識した次第です。また、サブプライム問題による信用収縮を軽視したことも、パフォーマンスが良くない原因です。

来年は、さらに厳しい局面が訪れると見ています。裏を返せば、そういうときが絶好の買い時であるわけで、1998年のニトリや2003年のエン・ジャパンのような割安成長株を仕込むことができればいいなと思っています。

それと、今後は株価形成要因について、企業価値以外の側面(=よりバカ理論)も考慮したいです。なぜなら、エン・ジャパンやダヴィンチは、割安な時点で見つけておきながら「たった」2〜4倍で手放してしまい、残念なことをしたからです。

まあ、色々とありましたけど、マーケットでまた一つ年を取れただけよしとしましょう。下げ相場を忍耐強く乗り切ることができれば、上げ相場は何でもあがりますから。

と、少し早めながら、今年の反省です。


■ライフサイクルと家(2007年12月9日)

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早川さんがご両親から「いつ、家を買うのか」と問い詰められたと書かれています。

住まいをどうするかはライフサイクルと合わせて検討する必要がありますね。

■新婚時・・・奥さんの実家近くに賃貸するケースが多いです。個人差があるものの、妊娠したら具合が悪くなったり、子育てにストレスを感じる女性も少なくないです。実家が近くにあれば、ご両親に子供を預けて気分転換に出掛けることができたり、体調の悪いときに食事作りを手伝ってもらえるので、助かると聞いています。また、ご両親も孫の相手ができて大喜びでしょう。

■子供の入学前・・・公立の場合、学区によるレベルの差が存在します。子供の小学校入学前に、わざわざ優良学区のファミリーマンションに引っ越すケースも少なくないらしいです。

■老後・・・夫婦二人に戻れば、広い家は必要がなくなります。足腰も弱ってくるので、病院やスーパーの近いところがいいですね。郊外の不便なところに住んでいると、通院にもタクシを使うはめになります。

■家を買う楽しみ・・・男性は「寝れればいい」人も多いですが、女性は家にこだわります。一生に一度の「家を選ぶ楽しみ」は取っておいてあげましょう。

■資産としての家・・・資産価値を考慮するのであれば、立地のよい優良物件を取得する必要があります。高級住宅地にある作りのいい家は値崩れも少ないですが、立地に恵まれないところをミニ開発した「仮設住宅」レベルの物件は、あっという間に土地だけの評価になります(しかも土地が狭いので二束三文です)。

と色々考えてみると、条件(「どこ」の「どんな」物件に「だれ」と住むか)が不確定なうちは「決めようがない」のが実際のところでしょうか。

なお、私も賃貸派です。自宅は「資産」ではなく「費用」であると思っています。


■FXについて(2007年12月7日)

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今流行のFXについて「アセット・アロケーションを組む上で、外国債券の代用になりませんか?」という問合せをときどき受けます。そこで、5冊目にて、コラムとして取り上げたのですが、出版が遅れていることもあり、ここにも掲載します。

*  *  *

FXは、レバレッジをかけなければ(あるいは抑えれば)コストの安い外貨預金にように感じられます。しかしながら、実態は2国間の金利差を利用した裁定取引に近く、資産運用の対象とするのは時期尚早だと考えています。

理由を3つあげましょう。

1点目は、金利がつくのでなく、2国間の金利差がスワップレートとなっていることです。現状では、日本が低金利なのでスワップポイントを稼げますが、将来的にどうなるかはわかりません。そういう意味で長期の資産運用に向いていない可能性があります。また、資産運用としては、たとえば日米の金利差2.5%(米国4%−日本1.5%)を稼ぐより、米国の金利4%を丸々得る方がいいような気がします。

2点目は、レバレッジがかけられることです。資産運用は余裕資金で行うべきですが、人間は弱いものですから「この状況であれば、ほぼ間違いなく大丈夫」というところでは、つい「飛び道具」を使いたくなるものです。証拠金には金利がつかないので、円は手元で運用して、レバレッジをかける方が資産効率はよくなります。そのような誘惑に勝てるかどうかです。

3点目は、信用度の問題です。債券では、米国債など格付けが高いものに投資を行います。FXでは、証拠金の分別保管をしていない業者の場合、破綻すれば証拠金が戻ってくるとは限りません。また、インターネットでの注文システムについても、売買が集中したときの負荷に耐えられるかという懸念があります。ネット証券も、今でこそ安定してきましたが、初期はトラブルを起こしたものです。

以上のことから、試しに小額ではじめるのはかまわないと思いますが、アセット・アロケーションに組み込むのは「様子見」が無難です。


■定性分析(2007年12月6日)

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【割安成長株セミナー】にて、ある会社のビジネスモデルが「コスト優位型」「高付加価値型」「ニッチ特化型」にどれに該当するかを参加者に質問したことがあります。

答えが2つに割れそうなことは予想していたのですが、見事3つに分かれてしまいました(苦笑)。「う〜ん、やはり定性分析はアート(芸術)なのか」と思ったのですが、定性分析には手順を踏めばマスターできる範囲も少なくありません。

そこで「決算書「特訓」セミナー」では、決算書(有価証券報告書)と一般常識で行う定性分析のやり方をお見せしたいと思っています。同時に、これは6冊目のテーマでもあります。

定性分析といえば、KENさんがタクシー会社について書かれています。ご本職だけあって見事なものですね。久しぶりに投資家のための経営戦略講座も読み返したのですが、テイクアンドギヴ・ニーズの成長が止まった理由は、ここを見れば分かるのではないでしょうか。

ついでに、収益バリュー投資術セミナーテキストも読み返しておきました。セミナーは2年半前のものですが、未だに十分役立つエッセンスが凝縮されているのには、驚かされました。新しい読者の方には、定性分析の決定版として収益バリュー投資術セミナーDVDおすすめしておきます。

話を戻しますと、今は「決算書「特訓」セミナー」に向けて、定性分析をどう体系化して、わかりやすく説明すべきか頭を悩ませています。新ネタとしては、温存してきた(我ながら、ちょっとセコイですが、笑)、プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)を披露しますので、参加される方はお楽しみに!


■初心者時代の夢(2007年12月5日)

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先週、5冊目の原稿をダイヤモンド社に再提出しました。予定では、今年中に初校が出て、来年1月に校正を行い、2月には書店に並ぶと思います。

今書いている6冊目は、来年2月脱稿(自分では1月脱稿を目指しています)、4月発売のスケジュールです。出版社はパン・ローリング社です。以前から頼まれていたのですが、後回しにさせてもらっていました。「好きに書いてかまわないよ」といっていただいたので、総仕上げはここでと決めていたからです。

6冊目で、私の「株本プロジェクト」の第1フェーズは終了です。本ばかりに時間を取られるのも考えものですし、さすがにこれ以上は書けないです。

ただ、本の作業がなくなると、セミナーと会員制レポートだけでは、時間がかなり余ります。奈良の片田舎で、ぼんやり暮らすのは、いくら何でも退屈すぎます。

かといって、おカネのために働く必要もありません。そうであれば、COBOLでのシステム開発に復職するのが一番ですが、もともと、この仕事を好きで選んだわけはないのです。配属されたのが情報システム部門であったという運命のいたずらです。

そこで「次に何をすればいいのか」を自分に問いただしてきました。「投資に関する本を書く」というのは私の夢だったわけで、夢が実現した以上、次の夢を探さないと人生の充実感は得られません。

思案に暮れているうちに、投資初心者時代の夢を思い出しました。書くと恥ずかしいのですが「ピーター・リンチの株で勝つ」を愛読していた私は、ファンド・マネジャーになりたかったのです。まあ、それは無理としても、証券アナリストとして「自分の銘柄分析手法がプロの世界でどこまで通用するのか」試してみたい気持ちはあります。現状では、せいぜい「有名個人投資家の角山さん」で終わってしまいますからね。

もし、プロのスキルを身に着けることができれば、将来的に角山オフィスのビジネスにもプラスになるはずです。時間を持て余すからといって、やりたくない仕事につくよりも、チャレンジする意味がありそうに感じるのです。


■決算書「特訓」セミナー(2007年12月2日)

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新春セミナーのテーマは、決算書です。といっても単なる決算書の解説ではなく「利益の質と継続性」にテーマを絞り、差別化を図ることにしました。

まず、利益の「質」についてですが、勝間和代さんもおっしゃっているとおり、大半の投資家は売上と利益(及び来期予想)しか見ていないのが現実です。ところが、BSとPL、PLとCSを比較して、いくつかの注記を読み込めば、利益に対する「お化粧の度合い」をチェックすることができます。

次に、利益の「継続性」については、定性分析が必要になります。定性分析は、主観的な要素が入り、業界知識も必要になるため、尻込みする方もいらっしゃいますが、決算書の文字情報を定番の手法(ファイブフォース分析など)に落とし込む作業であれば、比較的簡単です。決算書からも定性分析はできるのです。

新春セミナーでは、あるグローバル企業の「利益の質と継続性」についての分析過程をお見せした後、簡単な実習を予定しています。そういうこともあり、大げさですが、セミナータイトルを「決算書「特訓」セミナー」としました。

投資家としては、利益の「質」をチェックしておかなければマキ製作所のような「見せかけのバリュー株」をつかみかねないですし、利益の「継続性」を判断できなければテイクアンドギヴ・ニーズのような「見せかけの成長株」で大損をしてしまうかもしれません。

逆に、利益の「質」に問題のない企業が安値で売られていたり、利益の「継続性」に(常識的な判断では)不安のない企業がオーバーな脅かし材料で下げたりすれば、投資のチャンスです。

プロ野球でも、打率の高いバッターは、ストライクとボールの見極めができていますね。投資家も「利益の質と継続性」の見極めができれば、勝率があがっていくはずです。

参加を希望される方はメールにて、氏名(漢字とカナ)、郵便番号、住所、電話番号、カナ振込人名(ご本人と異なる場合)を記入して申込みください。折り返し、振込口座などのご案内をいたします。

【決算書「特訓」セミナー】 〜利益の質と継続性〜
日時

東京 2008年1月20日(日)13:15〜16:45

大阪 2008年1月26日(土)13:15〜16:45

希望される方のみ、終了後にお茶会(小1時間程度)を行います

場所 東京・大井町 きゅりあん

大阪・天満橋 エル・おおさか

(教室番号は申込みされた方に連絡します)

人数 各30名様(申込多数の場合は先着順となります)
参加料

銀行振込 レポート会員:11,550円 一般:13,650円

当日現金 15,000円

注記

3日前までのキャンセルは返金します(それ以後のキャンセルは音声CDの発送に替えさせていただきます)

対象者

決算書の基本事項を理解されている方向けに「利益の質と継続性」を中心にお話します。なお、決算書の基本的な説明はいたしませんのでご了解ください

概要

1.財務3表(BS、PL、CS)の読み込み方
・みんな売上と利益しか見ていない
・BSの時系列分析でほとんどわかる
・PLは「利益の質」をチェックしよう
・CSが物語る企業の姿勢
2.決算書で行う定性分析
・決算書からも定性分析はできる
・「何を」「どこの」「誰に」「何回」売っているか
・必読すべき「事業等のリスク」
・文字情報を定番手法(ファイブフォース分析など)に落とし込む
3.実習


■S&Pスモールキャップ600とラッセル2000(2007年12月1日)

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楽天証券 がiShares Russell 2000 Index(IWM) を追加するようです。ラッセル2000に連動するETFです。水瀬さんの梅屋敷商店街のランダム・ウォーカーで知りました。

ところが、このラッセル2000はあまり評判のよくない指数として知られています。それは、市場に連動した銘柄の入れ替えを繰り返していることです。

下の表は「イェール大学CFOに学ぶ投資哲学」からの抜粋ですが(247ページ)、同じ小型株指数であるS&Pスモールキャップ600にパフォーマンスで差をつけられています。著者のデイビット・スウェンセン氏は「この意外なほどの格差の原因は、かなりの部分まで、銘柄入れ替えを見越した投機的なアービトラージに求められる。アービトラージャーが儲けた分だけ、ラッセル指数のパフォーマンスが押し下げられた結果だ」と指摘しています。

 
S&Pスモール
キャップ 600
ラッセル2000
銘柄数
600
1951
平均規模(加重平均)
$1,100
$861
3年間の銘柄入れ替え率
9.4%
23.4%
10年間のパフォーマンス
11.6%
9.5%

ヤフーのチャートでもiShares Russell 2000 Index(IWM)はiShares S&P SMALLCAP 600(IJR)にかなりの差をつけられています。

IWM IJR

一方、iShares S&P SMALLCAP 600(IJR)はiShares S&P MIDCAP 400(IJH)、iShares S&P500 Index Fund(IVV)に対しても優れたパフォーマンスを示しています。小型株効果は万国共通のようです。

なお、シーゲル博士は「株式投資 長期投資で成功するための完全ガイド」で「ポートフォリオの3分の1までは中小型株に投資すべき」とアドバイスしています。

IVV IJH IJR

問題は、大型株(S&P500)、中型株(S&P400)、小型株(S&P600)のすべてを揃えるには、3本のETFが必要になることですね。ただ、すでにIVV(またはSPY)をお持ちであれば、それを買い増すより、IJHとIJRに分散した方が全体のパフォーマンス向上に役立ちそうです。



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