更新日 24.10.19 1.027
○はじめに
○現代医学での概要と、当院の針灸治療の実際
●網膜黄斑変性(滲出性・萎縮性)、●脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性症)、●網膜色素変性、●緑内障(開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障他)、●小児眼科領域、●白内障、●網膜裂孔・網膜剥離、●糖尿病性網膜症、●中心性漿液性脈絡膜症(中心性網脈絡膜炎)、●中心性滲出性脈絡網膜症(特発性脈絡膜新生血管症)、●網膜静脈閉塞症(網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症)、●視神経炎、●近視(学校近視、成人近視を含む)、●弱視、●飛蚊症(加齢や眼精疲労、糖尿病性網膜症、硝子体剥離等を原因を含む)、●アトピー性皮膚炎に伴う眼の合併症、●眼球突出(甲状腺眼症)、●涙道閉塞(流涙)
○中国での眼科治療の実際、眼の治療で大切なこと
○当院での眼科治療の受け方(当院や提携治療院で治療を受けられる方はお読み下さい)
○千秋針灸院で行う治療法について
○千秋針灸院で行う測定法について
○眼科針灸全般についてのQ&A
○現在取り組んでいる当院の課題について (連携治療、抗酸化サプリメント)
○院長からひとこと
○関連リンク、参考文献
・眼科医学は医学全般の中で、やや特殊な領域といえます。特に治療において多くの医薬品は十分な効果を発揮できません。眼の深部である網膜の外側には血液-網膜関門が存在し、前眼部では角膜が薬物の眼内への移行をブロックしています。このため内服薬は多くの場合、分子量の小さな一部の医薬品しか眼内には届かず、また点眼薬での眼内への移行は1〜10%程しかなく、残り90%以上は全身に吸収され、全身的な副作用に繋がってしまいます。眼科疾患の治療の多くで有効な治療薬が少なく、いきなりリスクを伴う手術になってしまうのは、脳の一部とも云える重要な器官として、眼が厳重に守られていることに他なりません。
・千秋針灸院で行う針治療は眼周囲の血流を高め、眼の各器官の健全性を向上させることで、可能な限り自然治癒力を発揮させて、少しずつ自分の力で回復させていく治療法です。多くの場合に数ヶ月以上の時間は必要なものの、現代医学に付きものの副作用や合併症のリスクは心配ありません。また適切な鍼治療を続けた場合では、眼を含めた全身状態が健全になることで再発や悪化の可能性を大きく減らすことにも繋がります。眼科医療機関とは異なる眼科疾患への治療法として、当院の針治療を検討していただければ幸いです。
・当院では全国の実力のある治療院と提携した連携治療をはじめ、全ての患者さんに対し詳細な測定結果や治療法を記載したカルテの写し等をお渡しできるため、日本国内の様々な地域で眼科疾患への針治療を受けることが可能です。(但し提携治療院以外では、結果が期待できる実力が伴うかどうかは不明です。)針治療の効果判定も現代の眼科医学に準じた測定に加え、患者さんの実際の見え方を重視した評価法により、変化していく実感が得られ治療への意欲も湧き易くなります。また眼科分野へ特化して力を入れているため、様々な眼科疾患への治療実績も豊富であり、疾患毎に日常生活での留意点等も、内容・時間を充分にとり丁寧にお話することができます。
当院の歩み
・私は上海留学時代から眼科領域の難病に関心を持ち続けていたのですが、中国での治療方法は様々なリスクの高い眼窩内へ強刺激を加える方法が主でした。目の周囲のツボに2〜4センチも安全に針を入れていく技術は、ほとんどの日本の鍼灸師にはできない位、難しい技術です。以前は当院でも行っていましたが、現在は当院の治療方法が進歩したため、行う必要はなくなりました。
・当院では様々な目の病気や症状のある患者さんが多いため、中国での眼窩内刺針並に効果の発現が早く、かつ安全に安定した結果が得られることを目標に、中医学を基本とした新しい治療法(疾患・証ごとの選穴の見直し、刺激強度・方法、治療プログラムの作成等)と、測定・評価法(視力・視野・変視症等)を準備、開発しました。当院に来院される方の6割にあたる、年間延べ5.000名以上(2013年以降)もの治療に役立てています。
・当院で治療を行っている眼科領域の難病には、現代の眼科医学では回復不可能とされる疾患が含まれています。通常ですと、患者さんは変化している実感があっても眼科医に「変わっていません」、「誤差の範囲」で片付けられてしまいます。しかし当院は眼科医学を基にした各種の測定方法や視野検査表の写しの比較、眼底写真等の検討も含め、眼科医学の常識や観念に囚われず、測定結果に従って客観的な評価をお伝えすることができます。こうした積み重ねを続けた結果、眼科医も驚くほどの回復が得られる症例も少なくありません。
・当院は眼科疾患を唯一の専門領域として全力を挙げて取り組んでおり、眼科医学の正確な専門知識を身に付けるように努め、当院の針治療の実績と合わせて、最も確実な針治療が行えるよう日々研鑽を重ねています。その結果、2007年以降、公的な学会や研究会等、様々な疾患への統計的な症例報告を発表しています。
・関連リンク...
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●加齢性黄斑変性
●脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)
●網膜色素変性
●緑内障
●小児眼科領域
●糖尿病網膜症
●甲状腺眼症
●網膜静脈閉塞
●網膜動脈閉塞
●中心性漿液性脈絡網膜症
●外傷・手術後の後遺障害
●眼瞼けいれん
●視神経疾患
以上は各疾患の専門ページをご覧下さい。
●白内障
・水晶体が白く濁る病気で、多くは加齢によります。また他の疾患の合併症として発症したり、外傷や薬による副作用が原因となる場合もあります。目のかすみや視力低下、光をまぶしく感じる等が代表的な症状です。
・当院で散見される白内障は、加齢によるものや手術後の後遺症、長期のステロイド使用による薬害、網膜色素変性症等の他の眼疾患の合併症が多いです。白内障への鍼治療については、他の病気に合併したもので手術を回避したい場合等に限って行います。鍼治療により見え方が改善する症例もあるのですが、全ての白内障に対して確実に鍼治療の効果が見込める訳ではなく、通常の加齢による白内障は外科的な手術が進歩していますので、当院では原則として鍼治療の対象とはしていません。
・白内障の手術については主に人工水晶体(眼内レンズ)挿入が行われていますが、人工水晶体は日進月歩のため、できるだけ手術を遅らせた方が最新の技術やレンズが使えます。白内障は術後時間が経過してから黄斑変性などのトラブルを生じることがありますが、こうした疾患については鍼治療で一定の効果が期待できますので、網膜色素変性のように白内障、緑内障を合併しやすいケースでは鍼治療が適応です。また白内障の進行を抑える治療としては、ビタミン等の摂取や外出時のサングラス着用をお勧めしています。
・白内障への鍼治療の効果としては、水晶体の濁り自体は変わらなくても、網膜感度の向上や視機能の調節効果が高まることから、個人差は有りますが視力やコントラストの改善が得られることが分かってきました。白内障自体への鍼治療としては原則対象外ですが、白内障手術が難しいケースや積極的に手術を行いたくないなどの場合にも、当院の鍼治療が役立てられる場面もありますのでご相談下さい。
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●網膜裂孔・網膜剥離
・網膜裂孔とは、加齢等により網膜と硝子体の接着部分が強く引かれることから、網膜に孔が開いた状態です。網膜剥離は網膜裂孔等により、網膜と網膜色素上皮細胞の間に硝子体の水分が入り込むことから、その圧力により網膜が剥がれてしまうものです。網膜の物理的な損傷ですので、原則として鍼治療の対象ではなく、眼科領域としては代表的な不適応疾患です。(但し黄斑疾患に伴う浮腫による漿液性剥離の場合等は、状況により針治療のみで回復する可能性があります。)
・視野の一部に黒い影がある飛蚊症や視野内の上部や下部等の比較的大きな視野欠損、瞼を閉じる等、光のないところで光を感じる光視症がある場合には、眼科医の診察を受け眼底検査を行って下さい。網膜裂孔・網膜剥離は外科的な手術が必要になりますが、手術により完全に治癒していくものではなく、再発や術後の不具合が生じる場合があります。術後の再発防止や症状の緩和、回復の促進には鍼治療を役立てることができます。
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●近視(学校近視、成人近視、強度近視を含む) )
・近視には、眼軸長が長くなるために起こる軸性近視、角膜や水晶体の屈折力が強すぎる屈折性近視に分類され、-3Dまでを弱度、-6Dまでを中等度、-10Dまでを強度、それ以上は最強度近視と呼ばれます。合併症の無い単純近視と、新生血管黄斑症をはじめとした合併症の危険が高い病的近視があり、-8Dを超える近視の9割以上は病的近視です。近視の進行は概ね25才頃までとされてきましたが、近年30才以降でも進行する成人近視が問題になっています。原因は目を酷使する社会環境とも言われていて、パソコン、テレビ、スマホ等へ向き合う時間の長さが目に多大な負担をかけ、強度近視や病的近視にまで進めてしまうのかもしれません。
・強度近視や病的近視については、眼軸長が長くなり網膜が薄くなることから、将来の様々な眼科疾患の要因に繋がってしまいます。当院では近視への針治療だけでなく、近視を進めないための指導や、強度近視に関連する疾患への予防についても、様々な眼科疾患への豊富な治療経験を基にお話しすることが出来ます。
・針治療による小児の学校近視(仮性近視)については、小学校高学年以降では一時的な視力回復はあるものの、勉強等に忙しくなる時期ですので、治療間隔に比例して視力低下に歯止めをかける程度の効果しか得られない場合もあります。裸眼視力が比較的良好な場合には、眼鏡が必要となる時期が遅れる可能性はありますが、適切な刺激による視機能の発達も必要なため、過矯正にならない程度の眼鏡が必要となる場合もあります。初診時の状況や針治療の経過によっては眼鏡の使用をお勧めいたします。
・成人近視に関しては仕事等での眼精疲労を軽減して飛蚊や光視症を抑え、近視の進行や合併症のリスクを減らすことが針治療の目的になります。視力低下を防ぐばかりでなく、適切な遮光眼鏡の使用や、目に負担をかける環境の改善等、針治療とともに様々な方面からサポートできますのでご相談ください。
小児眼科と針治療のページも参考にして下さい。
●近視性黄斑症
・近視性黄斑症(近視による網膜黄斑部の異常・後部ぶどう腫等)では、網膜が伸展して薄くなることから、黄斑変性や網膜剥離、緑内障等が発症し易くなり、加齢と共に黄斑部の萎縮性変化も加わり、緩やかな視機能低下を起こすことが多いです。成人以降の近視が進行する原因は不明な点も多いのですが、現代の目を酷使する生活環境(特に近距離で光源を凝視するスマホ等)は、目の焦点距離が近く長時間である程、近視化のリスクが高まると考えられます。
・近視性黄斑症への鍼治療は、近視自体を改善するものではありませんが、網膜の伸展から低下し易い血流を改善することで、網膜虚血が原因となる各種疾患の予防や視機能維持が期待できます。目の疲れや関連する症状も同時に改善します。視機能の維持や眼疾患の予防に加えて、運転免許の更新など日常生活での目の不安を可能な限り無くすことも目標になります。
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●弱視
・視力は通常6才頃までに完成されますが、目そのものに異常が無いのに、何かの理由により視機能が発達しないと視力や両眼視機能障害を起こすことが弱視と呼ばれます。視能訓練等で改善を目指しますが、眼科医学では概ね9才頃までが限界とされており、この年齢までに十分な視力(矯正可)等が得られない場合には、生涯に渡って小児期を上回る視力が得られることはありません。当院でも症例数は多くは無いものの、弱視の改善に向けて取り組んでいます。
・当院の弱視治療について、5〜7才では当院考案の眼科向け小児はり(小児打鍼術)を使用します。体に刺さない針のため、痛みや内出血等のリスクも無い、最も安全な治療法です。8才以上からは成人と同様に針治療(小児用は可能な限り細い針です)が適応になります。数名の小児の患者さんで視力(矯正)は0.5前後から1.0以上へと改善しています。針治療が適応かどうかは数ヶ月程で結果が出てきますので、7〜8才頃まで弱視が改善されない場合は試されることをお勧めします。
・なお10才以降の場合、落ちている視力が改善することはあるのですが、やはり9才頃までの最高視力を上回ることは難しくなります。弱視への針治療は原則として7〜9才頃までの期間限定とお考えください。ただし10代から20代の患者さんでも片眼のみの弱視であれば、針治療により数段階は改善する症例もあります。また治療期間中に、遺伝性の難病(例えば網膜色素変性やレーベル病、優性遺伝性視神経萎縮)等が分かる場合、必ずしも順調に視力が向上しない症例もあります。この場合にも病名が明確になれば、針治療の適応かどうかは、これまでの治療実績からお話しすることが出来ます。
・当院は2008年より、独自の技術である小児打鍼術を実用化しており、これまで針治療の難しかった7〜8才以前の小児の患者さんでも、治療が可能になっています。鍼の痛みは全く無く、打鍼による「体の奥に響く」感覚に、「気持ち良い」と言われる程です。小児はりの分野としては新しい治療法ですが、当院では今後も改良を続けながら治療に取り組んでいきます。
小児眼科と針治療のページも参考にして下さい。
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●黄斑上膜(黄斑前膜)
・黄斑上膜は主に網膜や硝子体の加齢性変化から黄斑上に生じた薄膜により、網膜が牽引されることで生じます。初期からの変視(大視症・小視症・歪み)が特徴で、黄斑上膜が肥厚して緩徐な視力低下や、牽引が強まることで中心窩分離や黄斑偽円孔等を生じる場合もあります。糖尿病網膜症や網膜色素変性に合併する続発性の黄斑上膜もあります。眼科では視力低下が強まったり、牽引によるリスクが高まる場合は硝子体手術等が推奨されますが、当面は経過観察になることも多いです。
・黄斑上膜自体は鍼治療で解消するものではありませんが、眼科で経過観察となり比較的落ち着いている場合には、網膜血流の改善により良好な視力や視機能を維持することで、出来る限り手術を回避することに繋がります。(以前より硝子体手術の安全性は高くなっています) 当院で軽度の変視や視力低下で来院されている患者さんについては、現在まで黄斑上膜が進行して手術が必要になった症例はありません。
●飛蚊症(加齢や眼精疲労、糖尿病性網膜症、硝子体剥離等を原因とする飛蚊症を含む)
・目の前に虫が飛ぶような症状や、水滴状のしみ等、様々な見え方を飛蚊症と呼びます。加齢によるものから眼精疲労によるもの、網膜剥離の前兆、糖尿病性網膜症による眼底出血、後部硝子体剥離によるものまで、様々な原因があります。このため眼科での検査は必ず必要です。眼科的には硝子体内の物理的な繊維等の遺残や、加齢による硝子体融解・液化、後部硝子体剥離による瘢痕は生理的飛蚊症と呼ばれ、通常は治療の対象ではありません。
・針治療については眼精疲労の改善や網膜単純性出血、糖尿病性網膜症等での眼底出血の予防としては有効です。こうした飛蚊症では治療直後から消失したり薄くなったりしますので、針治療が適応かどうかは一回の治療で分かる症状です。加齢による生理的飛蚊は以前は適応外としていましたが、針治療により改善する可能性もあるようです。飛蚊が薄くなったり小さくなったりするなどして、いつの間にか気にならなくなったと言われる患者さんも多いですが、飛蚊の増減等について客観的な判断はできませんので、患者さん自身の感覚によります。
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●アトピー性皮膚炎に伴う眼の合併症
・顔面に生じるアトピー性皮膚炎には眼瞼部に生じ、眼瞼皮膚の腫れ等を伴うアトピー性眼瞼炎、白内障、網膜剥離も見られます。アトピー性皮膚炎では眼周囲に強い痒みがある場合が多く、叩く掻く等の外的な刺激が要因になります。進行した白内障や網膜剥離に対しては手術が行なわれています。
・針治療は直接的には、白内障や網膜剥離に対しての治療効果は難しいものがありますが、原因となるアトピー性皮膚炎に対しては効果的な治療法です。また白内障や緑内障はステロイドの長期使用が原因となる場合も少なくなく、針灸治療によりステロイド等の薬物に依存することが無くなることで、皮膚症状の改善だけでなく白内障や網膜剥離、緑内障の予防や進行を阻止する役割も期待できます。
・最近ではアトピーの治療として、ステロイドを長期間使用されてきた方に多く発症するステロイド緑内障の相談が増えています。明らかにステロイドが原因の緑内障で眼圧が30以上にも上昇するケースでは、ステロイドの中止が検討されますが、現実には眼圧が極端に高くない場合(眼圧25前後)には眼科で点眼薬が処方されるものの、十分に眼圧が下がることは少なく、少しずつ視野欠損が拡大していく患者さんが少なくありません。ステロイドを使用されている方で眼圧が高めの場合には、ステロイドを中止することのみが確実な治療になります。アトピー性皮膚炎への適切な針治療はステロイドからの離脱を促し、結果的にステロイド緑内障を解決することに繋がります。
当院ページ「アトピー性皮膚炎」も参考にして下さい。
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●高眼圧症・前緑内障
・緑内障性視野障害は生じていないが、眼圧が21mmHgを超えている場合に高眼圧症。視神経の厚みが薄くなるなどの変化が見られ、緑内障へと進行する可能性がある場合に前緑内障と診断されます。眼科医療として高眼圧症では一般に経過観察、前緑内障では経過観察もしくは軽めの眼圧降下剤(点眼薬)を行いながら、緑内障への進行予防を目指していきます。
・高眼圧症や前緑内障への鍼治療は緑内障と同様に行いますが、どちらも視野障害を生じさせず緑内障への進行を防ぐことを最優先として、更に高眼圧症では眼圧を20mmHg未満へと下げることも目標になります。現在まで適切に鍼治療が出来ている患者さんでは、緑内障へ進行したケースはありません。
●ぶどう膜炎
・ぶどう膜炎は様々な原因で発症しますが、眼科での治療の多くはステロイドの点眼(リンデロン等)や内服が中心です。ぶどう膜炎では治療が長引くことが多いため、白内障やステロイド緑内障といった副作用が生じ易いのですが、ステロイドを減らすと視力が落ち、視界が白っぽくなる症状と共に増悪する場合が多いため、眼科でのぶどう膜炎の治療は長期化し易く、完治も困難です。
・これまでの眼科での治療に適切な針治療を加えることで網膜の健康状態や視力が改善され、ステロイドを少しずつ減らしても炎症が起こらず視力が低下し難くなり、最終的にステロイドが不要となることや再発防止も目標です。ぶどう膜炎は他の眼科疾患とは異なり、視力低下が顕著でなければ通常最初から週一回の治療ですが、半年から数年といった長期間の粘り強い通院が必要です。眼科でのステロイド治療との併用が原則です。
・ぶどう膜炎の診断で一年以上緩解と増悪を繰り返してきた場合でも、眼科のステロイド投与等に加えて針治療を続けることで、視力をはじめ症状も改善・安定する症例は多いです。全身の病気が無ければ半年〜1年程度でステロイド治療を終了し、眼科での診断により治癒できる症例も多く、視力の改善に加えて視界が白っぽくなる等の症状も消失します。再発も多い疾患ですので油断はできませんが、眼科での治療で長期化している場合には、適切な針治療を加えることで良好な経過を辿る可能性が高い疾患ですので、ご相談下さい。
●涙道閉塞(流涙)
・涙があふれる症状に代表される涙道閉塞については、眼科での治療は基本的に涙管チューブの挿入となりますが、基本的に難しい手術でもあり上手くいかないケースや、痛みや腫れ、感染や肉芽の形成も多く、トラブル無く長期間留置することは無理があります。
・針治療は比較的軽いケース程、容易に閉塞が解消しますが、眼科で苦戦するような症例でも一度の治療で軽快し、長期間再発がない場合も少なくありません。針治療で軽快したケースでは、もし再発しても再度の針治療で容易に軽快します。外傷や涙石が原因になる等の重症を除けば数回の針治療で治癒することも多いため、眼科で涙管チューブ挿入を勧められたら適切な針治療も検討してみて下さい。
・その他、治療実績のある眼科疾患(眼科での治療を優先・併用すべき疾患や、病状により針治療でも難治である疾患を含む)
●眼瞼疾患...眼筋無力症、麦粒腫、眼瞼炎、眼瞼痙攣、メージュ症候、眼瞼下垂、アレルギー性眼瞼疾患
●涙器疾患...ドライアイ、涙濃炎、涙腺炎、シェーグレン症候群
●結膜疾患...充血、眼脂、アレルギー性結膜炎、眼類天疱瘡
●ぶどう膜疾患...トキソカラ症、トキソプラズマ症、地図状脈絡膜炎、点状脈絡膜内層症(PIC)
●網膜・硝子体疾患1..眼底出血、卵黄状黄斑ジストロフィ、錐体杆体ジストロフィ、嚢胞様黄斑浮腫、アズール
●網膜・硝子体疾患2...三角症候群、黄斑円孔
●視神経疾患...レーベル病
●先天性眼疾患...スターガルト病、黄斑低形成
●外眼筋疾患...動眼神経麻痺、眼筋麻痺、眼球運動障害、斜視など
●眼窩疾患...甲状腺眼症、副鼻腔粘液嚢胞
●眼に関わる全身病...高血圧性変化、ベーチェット病、全身性エリテマトーデス、サルコイドーシス(ぶどう膜炎)
●医原性疾患・中毒...手術後後遺症、ステロイド緑内障、エタンブトール中毒、メチルアルコール中毒、アルコール弱視
●外傷...外傷性視神経症、外傷性黄斑円孔、網膜硝子体出血、その他外傷による様々な視機能障害
●様々な諸症状...視力低下、複視、眼の違和感、両眼での明るさの違い、眼精疲労や関係する諸症状など
・上記の他にも様々な眼科領域の疾患・症状に取り組んでいます。
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網膜黄斑部も回復する可能性があるという事実
・少し古くなりますが、『眼科プラクティス2 黄斑疾患の病態理解と治療』 文光堂 という眼科専門医向けの書籍があります。杏林大学、樋田哲夫教授が報告しているP14-図18では、外傷性黄斑円孔の自然閉鎖過程を示すOCT像が5枚の画像で紹介されており、発症から四ヶ月で黄斑部が自然に修復された症例が掲載されています。また同じくP248でも同様な症例が紹介されており、OCTの画像と共に、視力も0.3→0.6へと回復したと報告されています。・黄斑円孔とは、網膜の黄斑部が硝子体に引かれ穴が開いたものです。またOCTとは光干渉断層計という最新の検査機器です。大切なことは黄斑部の物理的な損傷が自然に閉鎖して、元どうりの黄斑部を形成していく姿こそが自然治癒力そのものであるという事実です。外傷性で元々の病気は無いことから、自然治癒力が十分に発揮されたものと考えられています。
・千秋針灸院では鈴木式アイチェックチャートなどを用いて、黄斑変性をはじめとした眼疾患に対し変視症(中心暗点・歪み)の強さや大きさを測定していきますが、鍼治療を行うと視力の回復と共に多くの場合、中心暗点の縮小や歪みが軽減している結果が得られます。このことは少なからず網膜が修復されていることを示す結果であり、眼科の常識である「傷んだ網膜は修復しない」は、程度にもよりますが「間違い」です。先に書いた黄斑円孔の患者さんの中心暗点も、縮小し視力も向上していくことを当院の測定で確認しています。通常眼科では、中心暗点の大きさや歪みの強さの検査は、健康保険制度上の理由等から行われておらず、このため多くの眼科医は残念ながら網膜が損傷の程度にもよりますが、修復される事実を認識されていません。
・病気は外傷などの突発的なものでなければ必ず原因があり、ゆっくりと時間をかけて発症してくるものです。眼の病気も例外ではなく、当院では現代医学や中医学に加え、多くの患者さんからの問診などから、病気によって異なるものの、目への過大な負荷(OA作業、コンタクトレンズ、スマートフォン、LED照明等)、食生活(甘いお菓子、アルコール、大食等)、ストレス、睡眠不足、喫煙、紫外線曝露(屋外作業、スキー等)、出産(体への過負荷)、医薬品等の副作用、遺伝・・・が分かっています。多くの方に何かは当てはまるとは思いますが、眼の病気の多くは上に挙げた複数の原因が関与しています。
針治療は回復のきっかけ。病気が発症した背景を変えることが大切
・針治療を含めた中医学では、これらを含めた患者さんごとの体質を捉えて、治療を進めていきます。大切なことは、患者さん自身も発病の原因と考えられるものを取り除いたり、何かの方法で解決していただくことが必要になります。煙草を止めたり、甘いお菓子は控えていただいたり、コンタクトレンズは眼鏡に替えたり、OA作業は仕事なら止められませんが、ディスプレイを調整したり、適切な遮光眼鏡を使ったりという対策は立てられます。適切な針治療に加えて病気が発症した環境が変われば、自然治癒力は発揮されやすくなり、多くの眼の病気は回復に向かいます。逆にどんなに優れた治療をしても、病気が発症した環境が変わらなければ、悪化する可能性が無くなることはありません。
・最新の優れた治療法や様々なサプリメントを摂取しても、何度も再発を繰り返してしまうのは、病気が発症した環境が変わらず、十分な自然治癒力が発揮されていないことが原因かもしれません。私は針治療が比較的良好な結果を残す理由に、治療者と患者さんが向き合う時間が長く、患者さん自身が原因を自覚して環境を変える努力をされることが大変大きいと感じています。患者さん自身が発症した原因を自覚して、環境を変える努力を始めることができたら、眼の治療の半分は成功です。現代医学も中医学も関係なく、残り半分は治療する側の技量でもあります。高度に発達した現代医学と、伝統的な中医学による針治療。私はアプローチ方法は異なっても目指すものは同じと思います。
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・眼科領域の針治療は、「止まっている車を動かす」ことに似ています。止まった車を押して動かすには大変な力が必要です。しかし少しずつ動き始めてしまうと、それほどの力は必要でなく、少しずつですが動いていくものです。眼科領域の針治療も長期間状態が固定しているか、徐々に悪くなっている病気を、少しずつ良い方向へ動かしていく治療です。直ぐには結果が出ないことも多いのですが、数ヶ月という期間をかけて改善していく症例が数多くあります。こうした事実は眼科の検査などでも確認できますが、中には現代医学の治療では不可能とされている病気も含まれ、私は自然治癒力を引き出す針治療の凄さを日々感じながら、診療に臨んでいます。
・最近はインターネット上で検索の上位に出ている当院とは無関係な治療院や、当院へ来院されずに直接提携治療院で治療を開始された方から、「治療効果がよく分からない」、「今後どのように治療を続けたらよいのか」などの問い合わせが多数あります。私としては適切な回答をしたいのですが、詳細な病歴や鍼治療開始前の測定結果などが不明ですので、治療の結果が十分かどうか、適切な治療かどうかは、お答えしようがありません。結局当院に来院されて連携治療のやり直しになるか、他院や提携治療院の治療に不信感を残すことになりますので、少なくとも眼科で治療法が無かったり回復の難しい疾患については、最初に当院で初診を受けられた方が、その後にどこで治療を続けるにしても、確実な鍼治療が開始できると思います。
・眼科領域で多くの患者さんが来院されるようになり、遠方から来院される方や、仕事などで時間が取れにくい方があります。当院でも様々な理由により必要な治療が行えない場合、十分な効果が得られ難くなるケースがあり、当院との提携治療院からも患者さんによっては「来院回数が少なく治療にならない。」という話が出ています。以下は当院での傾向や測定結果からみた、眼科領域の治療に必要な治療間隔となります。
0.週3回以上...短期集中で高い効果を狙う治療です。遠方の方が滞在される場合の治療間隔。
(集中した治療を行った後に、お近くの提携治療院での治療を前提とした治療間隔です。)
・遠方の方が数週間程度まで、滞在されながら当院で集中した治療を行う場合の治療間隔です。遠方からの患者さんが主に治療効果が見込めるかどうかを確認するという目的で来院されます。客観的あるいは自覚できる改善が得られれば、通院可能な提携治療院や地元の通院し易い治療院等で、鍼治療を継続して受けられています。また網膜動脈閉塞症(RAO)などの緊急性が高い疾患も、当院にて集中した治療を行います。
1.週2回ペース...積極的に視力改善や視野拡大、症状の軽減・好転を目的とした治療間隔。
(通常の当初の治療間隔)
・当院もしくは提携治療院(初回のみ当院)で治療を開始される当初の標準的な治療間隔になります。3ヶ月程で一定の結果が得られることを目安に、良好であれば週1回程度の治療に切り替えて継続します。概ね週2回ペースの通院ができていれば、当院の適応疾患については良好な結果が得られることが多いです。(概ね週2回ペースは1ヶ月で8回、3ヶ月で24回)
2.週1回ペース...時間をかけて視力や視野、諸症状の改善、病状安定を目的とした治療間隔。
(軽症例の当初の治療間隔)
・週2回ペースで良好な状態が得られた場合や、病状が良好で視力低下や視野狭窄が進んでおらず、治療上の課題が少ない場合や、週2回ペースを試みた上で状況により時間がかかると判断した場合の治療間隔です。概ね3ヶ月単位で治療を進めていきます。治療上の課題が少ない症例とは、一般に矯正視力1.0以上で、進行の度合いが初期相当か、進行性では無い疾患の場合などを指します。
・週2回ペースと比較して同等の効果を得るために概ね数倍の時間が必要になりますので、軽症でない限り治療開始当初から週1回ペースにすると、効果が判然としなくなり治療が続かず、本来は回復が見込める症例でも可能性を潰してしまう場合があります。当院では治療上の課題が少ない場合に限り、当初から週1回ペースをお勧めする場合があります。(概ね週1回ペースは1ヶ月で4回、3ヶ月で12回)
3.隔週1回ペース...病状が安定し再発や悪化を防ぐ治療間隔です。改善は目標としません。
(状態維持のみを目的とした治療間隔)
・既に視力や視野などが一定まで回復し、週1回ペースで状態が安定して良好な場合、眼科医療機関でも3ヶ月に1回程度の経過観察や、来院は必要ないと言われるほどの回復や安定している場合の治療間隔です。基本的に視力や視野の改善は見込めない治療間隔ですが、病状が安定していれば悪化や再発の予防は十分に見込めます。現在のところ網膜色素変性では隔週1回ペースが病気をほぼ進行させない限界となっています。
・治療開始当初から隔週1回ペースでは効果が見込めませんので、当院の場合には治療をお受けできません。通院可能な治療院で治療を受けるようお願いしています。お近くの治療院と当院の両方で必要な治療回数を受けることが可能であるならご相談下さい。(概ね隔週1回ペースは1ヶ月で2回、3ヶ月で6回)
4.月1回ペース...病状が良好で経過観察と再発予防を目的とした間隔。治療完了の手前です。
(進行しない疾患・症状のみが対象となる治療間隔)
・順調に治療が進み、長期間に渡る病状の安定も確認され、治療が終了する手前の治療間隔です。概ね1年程度様子を見た上で、治療を完全に終了されるか、予防の意味合いで継続されるかをご自身で決めていただきます。当院では一般に慢性的に進行する可能性のない疾患については、治療開始から2〜3年程で月1回ペースとなります。多くの方で再発や悪化は回避できており、当院で治療を受けられた全ての患者さんが、この段階まで到達できるよう願っています。
5.随時...提携先治療院で治療をする連携治療や、治療を終了された方の状態確認。
・主に治療は提携先治療院や、お近くの治療院で行い、当院は治療と共に効果判定やアドバイスを受ける目的で来院される場合です。眼科領域の症例を多く持つ治療院は少ないため、状況に応じた治療方針の転換時期や、最新の針治療に関わる情報等、当院ならではの内容があります。また当院での治療が終了した患者さんも時々状態を確認するために来院されます。
・高度な検査機器で眼底や視野を測定する眼科の医療機関と異なり、実際の見え方に準じた測定法や、治療により「その場で目が楽になる」ことが理由です。時々診せていただけることで患者さんや私も安心できます。
・概ね当院の治療方針を挙げてみました。病医院での治療と同じく、針治療も状況に応じた必要な治療間隔や回数があり、ある程度以上の治療が行えない場合は手の打ちようがありません。当院は眼科領域の多くの症例から症例報告やデータを作成していますが、順調に回復しなかった症例では、十分な治療回数ができていない場合が多いという事実もあります。
・当院では状況に応じて必要な治療間隔を提案しています。治療間隔や回数が適切でも難しい疾患や症例はありますが、治療する側としては、出来る限り回復の可能性を潰さないようにご協力をお願いしたいと思います。
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・眼科疾患に関しては概ね共通した治療部位になります。患者さんごとの証(体質)や症状の重さにより若干変わりますが、後頚部、背部、下腿、目の周囲の経穴に対して針をします。(一部に疾患ごとに有効な異なるツボを取る場合があります。)顔面部に使用する針は、高品質な日本製の0番針(直径0.14o)です。非常に細いため痛みや内出血もほとんどありません。
・初期は視力や視野の上昇や症状の緩和が確認されるまでは週に2回程度(3ヶ月程)、その後は状態が維持できることを目標に治療間隔を週1回〜月1回程度へ拡げていきます。元となる疾患が無く、症状のみの場合には完全に終了することも可能です。これまで当院の指示通りの間隔で治療を行えた症例の多くで良好な結果を得ていますが、上記期間内で当院での測定により効果が認められない場合には、治療の中止をお薦めします。また概ね指示通りの間隔で治療できない場合には、通常数倍の期間が必要になるようです。前述の当院の眼科治療の受け方も参考にして下さい。
・時々問い合わせがあるのですが、治療効果が高いとされる眼窩内刺針(深部への針)は出血の恐れが高いため、当院では用いることはありません。眼窩内へ刺針を行わなくても充分な効果が得られています。上海では実際に眼窩内刺針で効果を上げているのですが、効果が早く現れることと引き替えに目周囲が腫れる確率も高く、眼圧が上昇する可能性もあるため、お薦めできません。当院の改良された針治療は、眼窩内刺針と比較しても、効果の発現に遅れることは無く、目周囲が腫れる可能性の無い部分での優位性があります。
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・眼科領域の一部の難病に関しては、一般に眼科医が疾病の改善に否定的なため、客観的な診断さえいただけない場合があり、治療の道も閉ざされてきました。このため当院は医学的に可能な限り正確で、客観的な測定方法を取り入れています。当院の測定結果と眼科医の検査・診断結果を併せて評価していく仕組みです。
眼科針灸の測定・評価法について
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Q.眼科医から経過観察のみとされている眼疾患でも、針治療の効果はありますか?
A.外傷や手術の後遺症等、難しいケースはありますが、それ以外の疾患では良好な場合も多いです。
・例えば特定疾患に指定されている網膜色素変性では、当院は2012年に142名について、針治療の効果を統計的に報告しています。他にも萎縮型黄斑変性、早期の網膜動脈閉塞など、眼科での投薬・手術が無効な病気に対して、針治療を行うことにより大きな改善を得られる場合は少なくありません。当院では眼科医学を基本とした各種の測定法により、客観的に治療効果を検証していきますので、治療法が無いとされている疾患でも、例えば週2回で3ヶ月程度の期間、針治療を試してみる価値は充分にあります。
Q.直接目に鍼をするのでしょうか? 痛くはありませんか? 内出血などが起こる心配はありませんか?
A.眼球を傷つける様な鍼は行いませんが、若干の刺入時の痛みや軽い内出血を起こすことがあります。
・中国や日本の一般的な眼科領域への鍼治療では、眼窩内(眼球の脇)への深い鍼を行うことが普通です。しかし千秋針灸院では、リスクを伴う眼窩内への鍼を行わずに、充分な治療効果を挙げることに成功しています。目の周囲への浅い鍼を含めて、全身への針治療を行いますが、8歳前後の子どもさんから治療を行っていますので、無痛ではないものの「思ったほど痛くない」という声がほとんどです。
・目の周囲での内出血については針の深さが1ミリ程度と浅いため、後々まで痣が残るような強い内出血は生じません。しかし数週間以内には完全に治る程度までの軽度の内出血は稀に生じます。治療者は細心の注意を払って治療を心がけてはいますが、皮下に針を刺入するという針治療の性質上、完全に内出血を避けることはできません。もしも目の周囲などについて確実に内出血を避けたい場合には、疾患によっては目の周囲への針を行わずに治療することも可能です。但し前眼部の疾患・症状など目の周囲への針が必須の場合には、針治療自体が適応外になりますことをご了承下さい。
Q.進行性の疾患(緑内障・網膜色素変性・糖尿病網膜症等)で針治療を休止した場合、どうなりますか?
A.慢性の眼疾患は針治療により進行が抑制されます。休止した場合は再び進行する可能性があります。
・網膜色素変性や緑内障などの慢性疾患等について、何らかの理由により継続していた針治療を休止された場合には、数ヶ月程度で再び進行が始まる可能性が高くなります。目の周囲の血流が低下することで、針治療開始以前の環境に戻ることが理由です。しかし針治療を行っていた期間は進行が抑制されることから、治療期間に応じて病気の進行は遅れる事になります。
・もし様々な理由で適切に針治療が行えない場合には、来院時に遠慮なくご相談下さい。当院は眼科領域への針治療について、眼科医療の豊富な専門知識と共に十分な実績や経験を蓄積しています。比較的多い疾患については、状況に合わせた針治療のペースや提携治療院をご紹介することで、可能な範囲での治療効果を狙ったり、例え改善は見込めなくても進行を抑えるために必要な最低限の治療を提案することができます。
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・当院の針治療は、網膜黄斑変性、網膜色素変性等の実績が上がっている疾患では、既に針治療の効果の検証という段階から、「いかに少ない治療回数で良好な状態を保てるか」、「患者さん自身でできる有効な対処法はないか」、「眼疾患を改善する環境、悪化させる環境はなにか」を見つけていくことが課題です。やや遠方からの患者さんや、転勤等のため長期間は週1回程度の通院が難しい患者さんが増えていることもあります。こうした問題を解決する必要に迫られている為と、更に効果的な治療効果を実現するために、全国の実績のある治療院や漢方を扱う眼科医院へのご紹介、針治療と併用可能な抗酸化サプリメント、遮光レンズ等をご紹介しています。
○遠方から来院される患者さんについて、全国で提携先治療院との連携治療を行っています。
(初回と数ヶ月に1回程は当院で治療・測定を行い、通常の治療は提携先治療院で行います。)
○地域によりますが、漢方治療を行う眼科医療機関をご紹介可能です。
(先方にご迷惑をかけないよう、電話等での案内はできません。詳しくは来院時にご説明します。)
●眼科領域の難病治療を提携治療院で
○抗加齢医学に基づく眼科領域のサプリメント、眼の負担軽減を目的した遮光眼鏡等を紹介します。
(当院では商品の斡旋・販売は一切行いません。各種論文や報道を基に、ご紹介します。)
●中薬(漢方薬)、抗酸化サプリメント、遮光レンズのご紹介
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○頭痛や目の奥の痛み等、目に関係した症状がある場合には、当院での測定を受けていただけます。
(不明な症状について、当院の測定をきっかけに、眼科で診断が付くケースもあります)
○眼科領域を専門とする治療院は多くないため、来院が可能でしたら当院の受診をお勧めします。
(●眼科領域の難病治療を提携治療院でから、通院可能な治療院を探してみて下さい)
○来院された際には病気や症状、日常の注意点、鍼治療などの全てについて詳しくご説明します。
(眼科で十分に聞けなかった病気や手術・薬の疑問、不安は解消して、鍼治療に取り組みましょう)
・当院は眼科疾患を専門領域と位置付けているため、目に関係した測定を行う用意があるのですが、意外にも整形外科系や内科系疾患の患者さんが目に関わる症状を訴えられた際に、直ぐに測定ができるため、これまで黄斑変性症、黄斑部出血、網膜剥離、緑内障、白内障(外傷性)等を眼科に先がけて見つけることができました。当院で測定ができなければ「眼科で診てもらって下さい」となるのでしょうが、根拠ある結果を提示できないと眼科医へ行かれない方もあるので、当院で直ぐに測定ができることが大切であることを実感します。
・眼科的な概念として医学的に回復不能とされている疾患は、たとえ結果が出ていても、眼科医からは「変わっていません」等と言われてしまい、それで終わりになってしまいます。難病とされる疾患の多くが該当します。これまでの日本の鍼治療では、眼科領域の難病に対して本当の意味で役割を果たすことができなかった理由なのでしょう。他の疾患も同じことですが、医学的に根拠のある治療効果を病医院だけでなく千秋針灸院でも証明でき、その結果を次の症例へと生かしていくことができるのが当院の針治療の強みです。
・症例数が多く病名も多岐に渡ることから、残念ながら当院へ通院中に進行してしまったり、十分に効果の上がらない症例も確認しています。当初は頑張って通院されても、好結果が得られた後に患者さん自身の希望で治療間隔を空けすぎてしまう例です。治療間隔を空け過ぎた場合には視力をはじめ、諸症状が徐々に不安定になる場合があります。当院では患者さん毎に、良い状態を維持できる適切な治療間隔を設定しています。また当初から2週に1回以下等、必要な治療間隔が行えない場合も、測定の結果が安定せず、十分に効果が上がらない症例もあります。患者さんの状況に合わせた治療間隔を、ご相談しながら設定しますのでご協力下さい。
・千秋針灸院には様々な病気や症状の方が来院されますが、当院は特に網膜黄斑変性・色素変性・緑内障などでは既に各100名を超える患者さんがあり、眼科領域で来院される方は20年以上に渡り全体の6割以上、年間延べ5.000名以上に上ります。こうした結果、眼科領域の疾患に関しては臨床例が圧倒的に多く、データや治療法、経験も豊富に蓄積されているため、一般の治療院に比較して、お話できる内容や治療結果で大きな違いが出ると思われます。眼科領域の疾患に十分対応できる治療院は非常に限られていますので、通院可能な場合は出来る限り当院もしくは提携治療院での治療をお薦めします。
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関連リンク
●当院の統計症例報告集 (当院ページ)
●眼科領域の難病治療を提携治療院で (当院ページ)
参考文献
●参考文献・蔵書一覧 (当院ページ)
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