<9、加減速時の旋回安定性>

 ここまで旋回性について説明してくるなかで、車両の速度は一定という条件で、またタイヤの制・駆動力については無視して話を進めてきました。しかし実際の運転状況では加減速を伴いながらの旋回というシチュエーションが多々ありますし、一定速旋回中にもタイヤには駆動力がかかっていたりします。FF車などで少しオーバースピードでコーナーに進入してしまったときなどにアクセルを戻すと曲がり切れそうになかった半径のコーナーを無事曲がれるのを体感することもあると思いますし、逆にFR車などで比較的高速で旋回中に不用意にブレーキングしたところ、大したブレーキングでないにもかかわらずリアが流れたりして大きなしっぺ返しを食らったという方もいらっしゃるかもしれません。また、雨の日にFR車などで旋回中に大きくアクセルを踏んだらスピンしたという経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。これらの現象の簡単なメカニズムやこれに関わるタイヤ性能について説明したいと思います。


<9−1、タックインについて>

<9−2、タイヤの制・駆動力と横力、摩擦円の概念>

<9−3、旋回時制動安定性について>

<9−4、理論制動力配分について>

<9−5、旋回時内輪のロック限界と旋回時制動安定性>

<9−6、パワーオーバーステアについて>

<9−7、前後力コンプライアンスステアについて>


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