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研究員物語 (愛と涙そして・・・ |
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エピソード9:カルチャーショック 〜バスルーム編〜 |
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・・とはいえ、ただの一人も知り合いの居ない異国の地で、初対面の家族と暮らすホームステイは、この先二度と経験出来ない貴重なものだったと思う。 日常生活におけるさまざまなカルチャーショックも、 実に新鮮だった。 |
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日常生活に欠かせないものといえば、筆頭はトイレとお風呂だろう。 石造り風のタイルが張られたバスルームは、とても広く清潔で近代的だった。水周りは日本と違って不便なこともあると聞いていたので、これは安心した。 大きな鏡、(洋画でよく目にする)舟型のバスタブ、シャワー、奥には棚とトイレと・・それから、あれは何だろう? 海外旅行に行った時、ホテルで戸惑ったことはないだろうか。日本のホテルでも時々見かけるが、便器の隣にある、同じような形をしたフタ無しのヤツ。。 あれはビデ(フランス語に由来するのでイタリア語でもbidet)というのだ。 聞くよりも先にファラウが用途を説明してくれた。 バスタブを指し・・・「こっちは上半身を洗うの」 ビデを指し・・・「それでこっちは腰より下を洗うのよ」 !! ・・ファラウは続ける。 「うちでは入浴は週2回なの。それ以外は、水を節約するために分けて洗うのよ」 つまり、バスタブにお湯を溜めて、洗髪も含めて全身入浴するのは、週2回だけなのだ。 ほかの日は、シャワーで上半身の汗を流し、ビデで足や腰を洗ったりするらしい。 実際に水を出して、足を洗う様子を教えてくれたのだが・・う、うーむ。足はともかくそれ以外は抵抗が・・ さらに毎日入浴するのが習慣となっている日本人にとって、週2回の入浴、これも少なからず抵抗があるのではないかと思う。 特に私はかなりの冷え性なので、冬はお湯につからないと身体が温まらず眠れない。 ホームステイにあたって、習慣の違いについては最初に説明してお願いした方が良い、と聞いていたので思い切って話してみた。 「日本ではバスタブにお湯を溜めて毎日入浴するのが習慣となっています。すみませんが、私もそうさせてもらえないでしょうか。 もちろん、お湯の量は少なくしますから」 まぁ、最近は日本でもシャワーだけで済ませる人も多いが、説明を簡便にするためこのように表現してみた。 (うーん、こんなところから微妙な異文化認識というのは誤って伝わるのか・・) 「OK、OK」と彼女はおおらかに笑って承諾してくれた。 「グラツィエ、ファラウ」 ほっ。。 そういえば、トイレに関しては後日こんな出来事もあった。 学校のお休みを利用して、ナポリへ1泊旅行に出掛けて帰った時のこと・・ 「B子、あなたトイレで小を足す時、トイレットペーパーは何切れ使っている?」 は・・?何切れ? イタリア語でpezzettino(ペッツェッティーノ)、つまり「一片」という意味pezzoの縮小形で、訳せば「小さなひと切れ」といったところか。 あぁ、ミシン目のところで切れるようになっているアレね。何ミシン目使っているかってことかしら? 「大体3〜4ペッツェッティーノだと思うけど」 イタリアでは、水も紙も日本より貴重だと聞いていたので、気を使って少なめに消費している。 「あなたが居ない間にトイレの配水管が詰まったの。原因はトイレットペーパーだったのよ。これからは小の時は、ウン・ペッツェッティーノにしてね」 ウン つまりuno(ウーノ)・・ って・・ 1ミシン目ってこと? そ、それはキツイなぁ・・と思いつつも勢いに押され「ハイ」というしかなかった。。 その思い出とともに、ペッツェッティーノという単語は今でもしっかり頭に焼きついており、 トイレットペーパーのミシン目を見ると反射的に思い浮かべてしまうのだから笑える。 |
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=バスルームいろいろ= ホームステイ先ではなく、ほうぼうの訪問先で撮らせてもらった。 ←白とブルーが爽やか 黒が重厚なゲスト用バスルーム→ |
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続く・・・ ⇒エピソード10へ |
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