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研究員物語 (愛と涙そして・・・ |
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エピソード10:カーニバル |
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イタリアで間借りして暮らすようになってほどなく キリスト教の大切な行事のひとつである、カーニバルが始まった いわずもがな、イタリアはカトリック教の国である。 国民の大半がカトリック教徒であり、その行事は文化の源と言ってもよい。 (だが、中にはカトリック教以外の信徒も居るので、話す時には気をつけねばいけない。政治と宗教の話題にはあまり触れぬよう、という気遣いは万国共通であろう) |
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カーニバルとは日本語で謝肉祭と訳される。 「ん?肉に感謝する祭り、つまり収穫祭みたいなモンか?」なんて勘違いする向きもあるかもしれないが、 (いや、アンタだけだって・・by所長) イタリア語ではcarnevaleと綴り、直訳では「肉よ、さらば」となる。この言葉から想起するのは難しいが、カトリック教における大事な行事なのだ。 キリスト教の行事として一番有名なのは、もちろんクリスマスであるが、次に知名度の高いものは復活祭ではないだろうか。 復活祭は、ご存知のように十字架にかけられたイエス・キリストがよみがえったことを祝う祭りなのだが、キリスト教ではこの復活祭前の40日間を断食の期間と定めている。そもそもは、荒野にて断食を行い、さまざまな悪魔からの誘惑に打ち勝って悟りを開くというキリストの修行がもとになっているという。 実際には肉や酒を控える位にとどめるのだが、とにかくその断食前に思う存分飲んで食べよう!というのが謝肉祭だ。 こうなると、「肉よ、さらば」の意味がよくわかる。これから40日間禁じられる肉や卵を、家の中に残さないようにするために始まった習慣だとも言われている。 復活祭が”春分後の最初の満月の次の日曜日”なので大体4月の中旬頃(毎年移動する)となり、その40日前となると、2月下旬頃がカーニバルの季節となる。 ベネチアの仮面祭り、ヴィアレッジョの山車が観光地として有名だが、仮装した人々と工夫をこらした車が街を練り歩くパレードはイタリア各地のどんな小さな町でも見受けられる。 小さな子供から、高校生くらいの若者達まで毎年趣向をこらして衣装と山車を作り上げ、その出来を競う。 この時期、イタリアへ出かける方は是非最寄りの街でパレードを楽しむことをおすすめする。 注意)その際、誰彼ともなく白いムースのようなスプレーをかけられることがあるので、あまりおしゃれをしていかないように・・ カーニバルが近くなると、家でも学校でも、何かそわそわとした雰囲気が満ち、今年はどんな衣装にするかが子供達の間でもっぱらの話題となる。 ステイ先の次女は、その年お姫様のようなピンクのドレスを選んでいた。近所に住む同い年の親友は水色のドレス。 どっちがどの色にするかを、彼女達は真剣な表情で話し合い、親もそれに混じってあれこれ意見を交わし、なかなか楽しそうだった。 日本でも、女の子なら一度はおとぎ話に出てくるようなドレス姿に憧れた覚えがあるかと思う。 しかし、実際に着てみると黒髪の日本人が着るよりも、金髪で青い目の彼女達が着た方が、はるかに似合うと正直なところ思ってしまう・・ うーむ、ドレスはやはり西洋の文化なのだわ、と妙に納得した。 さて、カーニバルが終わると断食に入るのだが、私が住んでいた家ではあまり普段と変わらない食生活をしていた。 しかし、ホストマザーなどは 「今年は、40日間夕食を抜くわ」と宣言し、周りを驚かせていた。 しかしある夜、マザーがこっそりキッチンで軽い食事をしているのを見てしまい あわてて気づかれないように部屋に戻った。なんか見てはいけないものを見てしまった気がして・・ |
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←仮装した幼稚園のオチビちゃん達 →車に装飾を施している |
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←彼女達が、この年最優秀賞を取った →学校の教室に大量の風船が・・ |
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続く・・・ ⇒TOPへ |
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