◎結核の予防接種・BCGの”コッホ現象”についてお話します。 H17年4月から、BCGのやり方が大きく変更になりました。従来していたツベルクリン反応検査がなくなり、ツ反抜きで直接BCG接種をすることになりました。接種対象年齢は生直後(生まれてすぐ)から6ヶ月までに接種しなければなりません。標準接種時期は3ヶ月健診の時に一緒にすることをお薦めします。6ヶ月過ぎれば公費による接種は出来ません。但し、希望すれば自己負担でのBCG接種は出来ます。 ここでお話したいことはBCGの”コッホ現象”です。 ・健康な子どもがBCGを初めて接種した時は、接種後10日頃に針跡部位に発赤が生じ、接種後1月から2月までの頃に化膿巣が出現し、そして次第に枯れていき跡かたもなくきれいになります。 一方、結核にすでに罹っている子どもが、それに気づかずBCGを受けた時、BCG接種後10日以内に接種局所の発赤・腫脹及び針跡部位の化膿巣を来たし、通常2週間から4週間後に消炎、瘢痕化し、治癒する一連の反応が起こります。、これを”コッホ現象”と言います。要するにBCGの局所反応が通常より早く出現します。 ・この”コッホ現象”が見られた時は、BCG検査と言われる位、この”コッホ現象”の出た子どもの周囲に結核患者が存在していることを示唆しています。その時は、保護者の同意を得て、直ちに当該被接種者が予防接種を受けた際の居住区域を管理する市町村へ報告することになっています。 ・”コッホ現象”が出現した場合は、接種局所を清潔に保つ以外の特別の処置は不要です。反応が起こってから糜爛(びらん)や潰瘍が消退するまでの経過が概ね4週間を超えるなど治癒が遷延する場合は、混合感染の可能性もありますから、接種医療機関を受診して下さい。 |