“インフルエンザについて”

  

  今回はインフルエンザのことをお話します。インフルエンザは、ご存じのようにインフルエンザウイルスによっておこる急性感染症です。飛沫感染(空気感染)が主ですが、患者さんが咳き込んだ時に排出されるウイルスを直接吸い込んで感染することも多いですが、その時に排出されたウイルスが室内のあちこちに付着して、それに触って手にウイルスが付着してそれを口にもって行って経口感染する機会も多いのです。ですからインフルエンザ流行時には人混みをさけることと、ウガイと手洗いが感染予防には最も大切なことなのです。励行して下さい。

 ところで、インフルエンザの予防接種のことですが、インフルエンザワクチンは不活化ワクチンをいってワクチンの中にはウイルスはまったくなく、ウイルスの一部分のみを取り出して免疫が出来るように作ってあります。したがってワクチン効果は接種してから3ケ月から5,6ケ月しか持続しませんので子どもは毎年2回接種しなければなりません。インフルエンザは過去に罹った既往も大切な免疫となりますので大人は原則毎年1回でいいことになっています。

 インフルエンザはウイルスが鼻粘膜、ノド粘膜に付着してまずそこの局所で急激にウイルスが増殖して症状を出しますので、鼻粘膜、ノド粘膜にウイルスの増殖を阻止する局所免疫があれば症状発症を予防出来るのですが、現在施行している予防接種はインフルエンザに対する全身の免疫力を高めますが、鼻粘膜、ノド粘膜局所の免疫力が十分出来ないために予防接種をしてもインフルエンザに罹ることがあるのです。でも、インフルエンザに対する全身の免疫力が出来ていますので、インフルエンザを発症しても肺炎とか脳症とかの重症化が予防出来るのです。

 集団生活をしている人は是非インフルエンザの予防接種を受けて下さい。インフルエンザは家族皆んなが予防することも大切です。家族皆んなが一緒に予防接種することをおすすめします。