かいもん4号のホームページ TRAVEL 超電導リニア試乗会
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リニアモーターカー(リニアエクスプレス)の試乗会に出かけました。 山梨実験線でまだわずか19キロの先行完成区間ですが、ほんの短時間とは言え、鉄道(地上の交通機関)では最速の時速500キロを体感できます。
中央新幹線の開業は、果たしていつのことでしょうか。


リニア試乗会会場到着。

 やって来ました、山梨県は都留市のリニア実験線。
 ここでは将来の中央新幹線への採用を目指して、超電導リニアモーターカーの実用試験が行われています。
 今回は、試験と同時に行われているリニア試乗会に参加して、時速500キロを体感しようという企画です。
 河口湖方面から中央道富士吉田線を走ること数10分、山の間の谷間を横切るように見えてきたのがリニア実験線の高架橋。その下をくぐる時に目に入ったのが、付帯設備らしいコンクリートの建物と駐車の列です。どうやらそこが、試乗会の集合場所のようです。 大月インターで降りて更に10数分(本当は都留で降りればよかったのですが。)、先程見た場所のイメージと標識案内のおかげで迷うことなく、実験センターに到着しました。
 センターはこじんまりとした建物で、人気が高い割には思ったほどの大混雑ではありません。募集定員が限られているため、まあこんなものなんでしょう。



乗車券。

 リニア試乗会のチケットです。
 苦労して手に入れた(そんなことはないか。倍率は高いですが。)貴重品です。
 公開の試乗会は年間数回、毎回2〜3日で計10数日。参加するためにはまずチケットを入手しないことには始まりません。 申し込みはインターネットと葉書の方法がありますが、平均どの程度の倍率なのかはわかりません。
 今回は、2日間で1200人の募集に対し、約24倍の倍率とのことでした。 単純に考えると平均24回応募すれば当選する計算になりますが、それでも3年近くかかってしまいますから、結構な倍率です。
 ちなみにこのチケットは3月、5月の開催に続いて3回目の応募で当選しました。 2年ちょっと前の鹿児島新幹線の試乗会といい、結構くじ運に恵まれています。 どこか他のところで「運」を逃がしているのかと、ちょっと心配です。



受付開始。

 受付風景です。
 受付開始時刻も座席も決まっていますから、慌てることはありません。
 最先端技術を誇る超電導リニアエクスプレスですが、乗車のためのいわば改札にあたる受付は、チケット拝見の後、名簿と照合して名簿に参加をチェック、更にチケットに受付(乗車?搭乗?)済のスタンプを押して戻してくれるという、極めて原始的な方法です。
 まあ、一列車の乗客が100人、一日で600人限定のイベントですからこんなものなのでしょう。
 もっとも、味気ない自動改札機を通り抜けるよりは、コンパニオンの「お姉さん」がにっこり微笑んで手渡ししてくれる方がそれなりに楽しい?ですが。
 というわけで記念に写真を撮らせていただきましたが、何枚も執拗に連写するので(ホントはほんの数枚です。)、カメラ小僧ならぬカメラおやじと思われたかも。
 尚、写真の人物と本文および私かいもん4号は無関係です。念のため。



乗車前レクチャー。

 1回の参加の所要時間はおおよそ1時間。と案内には書いてありましたが、イベント参加の実際の所要はもう少し短かったようです。 といっても、20キロにも満たない短い実験線を往復するだけですから、乗っているだけではどう引き伸ばしてもそんなに時間がかかるはずはありません。
 受付後案内されたのは、プロジェクターのある部屋です。ここで、リニアの簡単なデモムービーの上映を見ることになります。 上映されているのは、昨年の「愛・地球博」のJR東海超電導リニア館でおこなわれていたのと同じような内容ですが、まったく同じではないような感じでもあるし。
 勝手に見てね、といった感じで上映されるデモムービーの後、コンパニオンによるムービー説明。なんとなく判ったような気分になり、画面の迫力もあって、これだけでも結構満足した気分になります。 「試乗」目的からすると随分な水増しです。
 が、これ位はしておかないと、さすがにただ短時間乗車するだけでは、「なあんだ、これで終わりか」といった変な印象を持たれかねません。



いよいよ乗車。

 さて、いよいよ乗車です。
実はリニアの実物車内には、以前一度入ったことがあります。 昨年の愛知万博「愛・地球博」。JR東海超電導リニア館。パビリオンの前に実車が搬入展示されており、内部に入ることができました。
 しかし展示用に座席は通路の片側撤去され、列の流れに沿って後部から入って前部に通り抜けるだけ、座席に腰掛けることも出来ませんでした。もとより博覧会での展示ですから、陸に上がった船と同じで、感動は今一つでした。
今回は「走る本物」に乗車です。
 案内に誘導されて乗車ゲート?に出てみたのですが、残念なことに横たわった車体の前は壁で仕切られています。 飛行機のボーディングブリッジのように、ドアの部分だけが開口部になっており、そのまま車内に入らなければなりません。
 乗車前に目の前の編成の全景をじっくりと眺めることが出来ないのは、何と言っても残念なことでした。



車内風景。

 車内はこんな感じです。
 特別に奇抜な感じではなく、新型の新幹線と言っても飛行機の機内と言っても全く違和感のない造りです。
 本日は4両編成ですが、実際に試乗客が乗っているのは中2両のみ。しかも見れば全席埋まっているわけではありませんから、それほど大勢の乗客がいる、という感じではありませんでした。
 座席は最新の700系のものとそれほど大差なく、客席の窓が小さいのは飛行機に乗っているイメージです。(飛行機よりは大きいですが。)
 試乗会の走行は、20キロ足らずの路線を一往復。
 まず実験センターのホームから甲府方にほんの少し走ってから一度停止。ポイントを切り替えてから、東京方の端まで走行します。この時の最高速度は300キロ。
 向きを変えて甲府方に向けて実験線の端から端まで走るのが本番で、このときに30秒ほど500キロで走ります。
 さらに到着後再度向きを変えて、今度は400キロで実験センターの手前まで。
 トンネル内で一旦停止の後、ポイントを切り替えてホームに戻る、というプログラムです。



時速500キロ。

 最初に走り出した直後の感想は、「何だか前後にガタガタと変な振動がして乗り心地が悪い」と言った感じ。しかしこれは低速時のタイヤ走行のせいでした。
 座席と後ろ向きに、東京方面に向きを変えて発車してからが本番です。
 160キロをわずかに超えたあたりで浮上走行に移行してからは、乗り心地が随分と変わり、あっという間に300キロまで加速。しかし維持する間もなく減速して終端まで走りきってしまいました。
 さて、折り返しいよいよ本番の500キロ走行です。
 座席前向きにかなりの加速度ですが、飛行機の離陸滑走時ほど体を座席に押し付けられる感じはありません。 それでも、最高の500キロまではほんの80秒ほどでした。
 浮上走行に移った後も、ちょっとガタガタする感じで小刻みな振動はあります。
 残念ながら実験線はほとんどトンネルの中です。(おそらく将来の中央新幹線もそうでしょうが。)加速度は体験できますが、視覚的なスピード感はあまり味わうことはできません。
 ちょうど500キロに到達する頃に通過した、実験線の中央やや東京寄りの実験センター付近が、一番長い「明かり区間」でしたが、それでも1キロ余りをほんの数秒。 先程待ち時間の間に列車を眺めていた展望台があっという間に通り過ぎて、次のトンネルに入ってしまいました。
 ちなみに車端に設置された速度計は、今回の走行では一瞬でしたが最高で502キロを表示しました。



500キロ走行中。

 実験センター前の明かり区間を、ほぼ500キロで手前向きに通過するリニアです。
今にも雨が降りそうな曇った天気で500キロ。ということで、写真はISO感度を上げてシャッタースピードも上げて、タイミングはカメラの秒間5コマのシャッターにお任せです。
 このあたりから30秒足らずの500キロ走行の後、早くも減速に入ります。
 加速時はやや気になった振動ですが、減速時は非常に静かな感じがします。 速度表示の数値が300キロになる頃には、もうすぐ停まるのではないかといった相当減速した印象になってしまいました。 まだ新幹線の最高速度付近なのですが。
 もっともトンネルの中なので、もし外が見えたら視覚的にもう少し違った印象になっていたかもしれません。
 500キロと300キロの速度差のためかと思いましたが、その後折り返しの400キロ運転でも減速時は同じような印象だったため、やはり鉄の車輪の新幹線と比べると、同じ速度ではリニアのほうが随分と乗り心地が良いのだと思います。



リニア停車中。

 実験センター前のホームに停車中の試験列車です。
 残念ながらホームや見学センターからは、停車中の編成の全景は障害物に遮られてうまく見ることができません。
 写真は実験センターの反対側の丘の展望台から眺めたところですが、編成全体を眺めるには金網が邪魔になり、結局今のところ至近距離からじっくりと姿を眺めることが出来ないのは残念でした。



ポイント通過。

 ポイントを渡って甲府方に発車する試験列車です。
 全線の殆どがトンネルの中です。
 俯瞰する場所が限られ観察し切れませんでしたが、運転パターンを見るに、どうやらホームから本線に出るポイントはこの甲府方だけのようです。 ポイントは、分割された軌道のセグメント全体が移動するトラバーサ方式です。
 全然別物ではありますが、スローモーな動きと造りを見ていると、沖縄モノレール「ゆいレール」のポイントを思い出してしまいました。



記念品等。

 無事体験終了したリニア試乗会。
 ほんの僅かの乗車時間でしたが、「前座」のレクチャーもあったせいか、はたまた受付前に見学センターの見学や展望台から走行風景を眺めていたせいか、極めて短い時間の割には充実感がありました。
 そして、ささやかではありますが、カードタイプの「乗車証明書」のお土産付きで、いちおう試乗客の「ツボ」を押さえた構成にはなっていました。
 また、事前学習をしていなかったのですが、リニアの試験運転自体は毎月半分程度の日数は行われており、見学センター自体も月曜等の休館日以外には開館されています。
 というわけで、試乗客用以外に一般見学客用にパンフレットやスタンプも準備され、みやげ物の売店まである、予想外にオープンな感じの施設ではありました。
 尚、展示場のある「見学センター」は「実験センター」と隣り合っていますが別棟で、こちらは山梨県立の施設です。
 さて、一番気になるのはリニアの「開業予測」です。
 構想自体はすでに私が小学生の頃からかなり具体化されており、大学生の頃には宮崎実験線で試験走行が行われていたのですが、それから既に相当の年月が経ってしまいました。
 果たして営業車で東京〜大阪間を乗車できるのはいつになるのでしょうか。 残念ながら、その答えだけはどこにも明示されてはいませんでした。



  





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