かいもん4号のホームページ TRAVEL キハ52128中鉄連20周年号
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1999年8月のある日、廃車間近のキハ52128により、山口県内の路線を一周する貸切列車、「中鉄連20周年号」なる列車が運転されました。 台風通過後の真夏の暑い日、冷房のない列車の中で1日を過ごすという、学生時代には当たり前でしたが、今ではなかなか出来ない体験でした。

山口駅。

1999年8月8日の山口駅。
「中鉄連20周年号」のキハ52128は、この山口駅が始発駅でした。 心配されていた天気も、台風が通過した直後で、快晴となりました。 暑い一日になりそうで、むしろ日差しのほうが心配です。 何しろこれから丸1日乗ることになるキハ52128には、冷房装置がありません。


小郡駅。

山口から小郡までは、定期列車の先頭部に併結されての運転でした。 小郡駅到着後、定期列車から分割され、ここから先、単独の列車として運転されます。 先頭には、この日のためのヘッドマークが取り付けられました。 準備をされた方、いろいろとご苦労様でした。


小郡駅発車前。

反対側の先頭部にもヘッドマークが取り付けられます。 山口〜小郡〜厚狭間及び益田〜山口〜小郡間は、こちら側が先頭でした。 どちらも同じような顔ですが、貫通幌が付き、ジャンパ線のあるこっちの方が、少々締まった顔に見えます。 一部の方は、この小郡から乗車されたようです。
ここから厚狭までは高速の電車や貨物列車が行き交う混雑路線。 気動車といえどものんびり走るわけには行きません。 ローカル線の気動車のイメージとは程遠い、連続でフルノッチの高速運転は迫力ものでした。


車内風景。

団体貸切列車のため、車内は和やかな雰囲気に包まれています。 いろいろなイベントも行われましたが、幹事の方の苦労は大変だったと思います。
このキハ52128は大きな改造を受けていないため、昔の姿をそのままに残しています。 見た目で一番変わったのはシートのモケットの色が青から赤になった点くらいでしょうか。 それにしても天井は扇風機だけ。 山陽線区間は快速の走りぶりで、窓の風も爽やかでしたが、美祢線に入るととたんにスピードも落ちてしまいました。 おまけに勾配にかかるとエンジンラジエータで暖められた熱気が窓から入ってきて、暑さがさらに増幅されます。


交換待ち。

南大嶺で、列車交換待ちのためしばし停車。 列車から降りて、対向列車が来るまでのつかの間をのんびりと過ごします。 地方のローカル列車に乗れば以前は当たり前の光景でしたが、いまではこんなのんびりした風景にもなかなかお目にかかれなくなりました。 以前はここから大嶺まで、美祢線の支線が延びていました。


対向列車。

反対からやって着たのは、DD51が牽引する、宇部に出て行く専用の貨物列車です。 以前は美祢や大嶺から宇部方面へ、石灰石や石炭を運ぶための多数の専用貨物が運転されていましたが、石炭は採掘の中止、石灰石も専用道路を経由してのトラック輸送に切り替えられ、この区間の貨物列車は激減してしまいました。


歓迎?。

列車の旅は、長門市で一時小休止。 隣接する長門鉄道部運転支所構内の見学と懇談会が行われました。
せっかくの日曜日なのですが、JR職員の方はお疲れ様です。 物好きな変わり者の団体のために、大勢の方が準備対応して下さったのには恐縮するばかりです。 しかしこういう機会は団体でも組まないと滅多に経験できないため、参加者は全員興味深々でした。


乗車証明書。

長門鉄道部が全員に準備してくれた乗車証明書。 この類の証明書は珍しくありませんが、普通は記念入場券サイズのところ、これはA4サイズでラミネートの巨大なものです。 パソコンで手作りと、コストを抑えたつくりではありますが、意気込みは嬉しいものです。


弁当。

昼食は車内で駅弁、というのも捨てがたい感はありますが、今回は長門鉄道部で歓談を兼ねての食事です。 弁当の包装にも文字の刷り込みが。
ところで、「中鉄連」というのは、「中国学生鉄道研究会連盟」という少々怪しげ?な団体の略称です。 1979年、中国地方の大学のサークルが集まって立ち上げた会で、広島で行った第1回の総会も、この日と同じく8月はじめの暑い日でした。
残念ながら会員校が地方に点在しているため、東京や大阪の連盟のように「週末の午後に集まってソフトボール大会をする」というわけにはいきません。 それでも、20年を超えた今でも続いているのは驚きです。


ターンテーブル。

取り壊し目前のターンテーブルです。 大きな駅にはよく見られた扇形の機関庫も、蒸気機関車の終焉と共に無用の長物になり、しばらくはディーゼル機や気動車の車庫の代用に使用されていました。 それも次第に整理され、このようなターンテーブルが見られる場所もわずかとなりました。 ターンテーブルの向こう側にあったであろうレンガ造りの扇形機関庫はすでに取り壊され、広い駐車場へと姿を変えています。


真夏の運転所。

まさに台風一過の抜けるような青空。 そして照りつける日差しに、次第に積乱雲が発達してきています。 キハ52128もホームをはなれて小休憩です。 長門鉄道部では、車両見学のほか、信号所内部の見学、上のターンテーブルの見学・体験運転、懇談会と目白押しのスケジュールでした。


キハ52と快速「北長門」。

構内に並べられたキハ52128とキハ28系快速「北長門」。
「北長門」は山陽新幹線厚狭駅開業と同時に美祢線に設定された山陰方面の接続快速ですが、乗車率は今一つのようです。 今後の巻き返しはPR次第とも思えるのですが。
わざわざ車両の移動設定をして頂き恐縮でした。 この日は沿線にキハ52128目当てのファンも多く、本来は団体以外の一般立ち入り禁止の留置線でしたが、(最初はその通りでしたが)最後は駅の入場券で一般にも開放と、なにかと便宜を図ってくれた関係者の方々のご苦労でした。


益田駅到着。

長門鉄道部を後にした一行は再び列車へ。 今度は山陰の美しい海岸風景を眺めながら、山陰本線を一路東へ、そして益田へ到着です。 この間車内では楽しいイベントも行われました。
なかなか楽しい道中なのですが、すでにりっぱなオジサンの仲間入りをしている身には、蒸せ返るような車内で冷たいビールを飲めないのが残念。 施設の見学等があるため、一応原則禁酒となっているのです。 といっても、そこはそれ。 20年前の現役会員たちは、たまらず益田駅の売店で買ったビールで、隅のほうでこっそり(?)乾杯していたのです。 (現役の幹事さん、すみません。)


再び山口駅。

益田からは山口線を辿って、日が傾きかけた山口駅へ到着。 朝の出発駅に再び戻ってきました。
列車はしばらく停車の後、最終駅小郡に向かいますが、ここからは再び定期列車に併結されるため、ヘッドマークは取り外されます。 一応ここから先は自由参加ですが、殆どの参加者はあと暫くこの気動車に揺られて小郡まで向かい、そこで解散します。
すでにヘッドマークは外されていますが、昔通りのこの姿もシンプルでいいものです。
さて、各地から集まってきた参加者の方々、お疲れ様でした。 また担当の会員の方は大変ご苦労様でした。 次の機会には、どんな仕掛けが準備いただけるでしょうか。
楽しみにしています。

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