かいもん4号のホームページ TRAVEL 鹿児島行き
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鹿児島に行ってきました。仕事です。(一部の方に疑問を持たれているようですが、ホントです。)
開業間もない九州新幹線! ではありますが、このTRAVELにもある通り、すでに試乗会で開業前の2月に乗車しましたので、往路は「九州横断特急」→「いさぶろう」→「はやとの風」というルートを選んでみました。 その往路の様子です。

「あかつき」レガートシート。

昨年の鹿児島行きに続き、今回も福山駅深夜の出発です。 但し、今回は定時運行です(昨年6月15日の「DIARY」参照)。
 「なは」と比べると少し落ち着いた感じの色彩の「あかつき」の指定席。 しかし、今年もやはりレガートシートの乗客は私一人だけでした。
 いくらオフシーズンの平日とはいえ、関西・中国〜九州方面の夜行バスはかなりの本数が走っており、乗客ゼロは営業努力が足りないといわざるを得ません。
 写真ではストロボで明るく写っている車内ですが、じつは減光、というより消灯されて真っ暗です。 足元のフットライトだけが点灯しており、車内へ入って座席番号を確認するのも一苦労でした。


レガートシート化粧室。

化粧室は、「あかつき」の最後尾、上の写真客室の一番奥突き当たりにあります。 指定席1番から4番までは女性専用席で、その奥にある化粧室(当然女性専用エリア?)は洗面台、トイレ、更衣室と、こぎれいな造りになっています。 男性用は?というと、この車両にはほかになく、ひとつ前の車両の寝台車の前側デッキまで歩いて行く必要があるようです。 とはいえほかに誰もいないので、ちょっとだけ覗かせてもらいました。
 今回の指定席番号は「5A」。番号から、予備席は別にしても少なくとも一人は先客がいると思っていたのですが、4番まではレディースシートのためでやはり一人きりでした。 さらに、海側の席で久しぶりに尾道の海の夜景でも眺めながらビールを、と準備していたのですが、編成替えで方向転換していたため、5Aは山側でした。 もっとも車内は一人きりですから、別段構うことはありませんでしたが。 夜行バスと比べると、非常に快適なレガートシートではありました。


切符。

さて、鹿児島に行くのになぜ「なは」でなく「あかつき」のレガートシートなのか。 答えは小倉で下車するためです。
 大分発8時の「九州横断特急1号」が次の目的です。 朝一番の「にちりん1号」でわずかに間に合わないと思っていた「九州横断特急1号」。 当初は熊本から乗車を考えていたのですが、時刻表をよく見ると柳ヶ浦で普通を乗り継げば、ぎりぎりで大分始発に間に合います。 そんなことしなくても、福山から大分まで「彗星」の寝台で行けば何の問題もないのでは? それは確かにそうなのですが・・・。
 というわけでご覧のような往路の切符になりました。 30年前に似たようなルートの切符を買ったときは、運賃計算に非常に手間どった玉島駅の窓口の係員でしたが、さすがに今は即座に発券できます。 といっても端末の入力に5分ほど要してしまいましたが。


九州横断特急。

大分駅で発車をまつ「九州横断特急1号」です。 オフシーズンにてわずか2両の編成です。 しかし1両は指定席のため、1両しかない自由席は結構混んでいました。
 この列車はワンマン運転、と思っていたら、運転手以外にちゃんと女性の乗務員が乗っています。 「車掌」ではなく「客室乗務員」と案内されたように、よく見ると客室ドアの開閉は運転士が行っています。 その代わり女性の客室乗務員は、車内放送と検札に加え、車内販売のワゴンサービスと忙しく、その度にブレザーやエプロンに衣装替えして、結構ハードワークに見えます。 ただ、到着の車内放送は運転士が行った場合もあり、どういうふうに分担していたのでしょうか。


立野駅。

雄大な阿蘇5岳を眺めた後、列車は阿蘇外輪山の外れ、立野駅に到着です。
 外輪山の高低差を稼ぐための3段式スイッチバックの駅です。
 昔来た時にはもう少し雄大な感じがしたのですが、今では駅の先でスイッチバックに被るように道路の高架橋があり、周囲の構造物のスケールが大きいためか、スイッチバック自体はあまり大きな規模に感じられませんでした。 ここはやはり、反対の熊本側から登ってくるべき風景だったかもしれません。
 2両の編成ですが、結構観光客もいて、指定席も含め程々には混み合っていました。


九州横断特急、人吉駅到着。

熊本駅で方向転換した後は、八代から球磨川沿い山中に分け入り、終点・人吉に到着です。
 これまでの特急「あそ」と急行「くまがわ」を無理矢理くっつけたような運転系統の「九州横断特急」ですが、ほとんどの乗客は熊本で入れ替わり、前後の通しの乗車は殆どありませんでした。
 国鉄からJRに移行のインフラ整備に造られた、もともと四国向けのキハ185ですが、当初は車内がやや簡素で小ぶりな感じで、今一つの感じでした。 しかし今回改めて乗ってみると、簡素ながら随分明るい印象で、割といい感じでした。 同時期の特急車両にしては珍しく平天井を採用しておらず、天井がやや高いために幅が実際以上に狭く小ぶりな印象を受けるのでしょうか。
 さて、ここから先は矢岳越えの普通列車、といっても観光列車として、殆どが指定席になっている「いさぶろう」号に乗り換えです。


「いさぶろう」車内。

さて、肥薩線人吉から吉松の間は、列車本数が稀少です。
かつては博多と宮崎を結ぶ特急「おおよど」や急行「えびの」が走っていましたが、道路や航空機に押されてこれらの優等列車が廃止された現在、わずかに普通列車が走るだけです。 しかも熊本・宮崎・鹿児島の山中を結ぶ過疎の山岳路線とあって、通常の乗客の流動はわずかです。
というわけで、昼間の列車は、「いさぶろう」「しんぺい」という愛称のついた観光列車だけになってしまいました。 しかも普通列車ながら、殆どの席が指定席です。 車両も観光用に改造されて、ご覧のような造りです。 前後のモニターでは、運転台からの風景が映し出されています。 平日ながら、意外なことに1両の車内は観光客(ばかり)で結構賑わっています。 だんだん「仕事で出張」とは言いがたい雰囲気になってきました。 一応ワイシャツにネクタイといった格好ですが、どうにも場違いです。


大畑(おこば)ループとスイッチバック。

急勾配を緩和しつつ高低差を稼ぐために、ぐるりと一周するループ線。 その中にあるスイッチバック式の大畑駅との組み合わせは、全国でここだけのものです。 なんでこんな山の中に駅があるの、といった感じの大畑駅です。 造りからすると、もう少し線形を何とかすれば通過列車はスイッチバックの必要がなかったんじゃないか、と思えて仕方ありません。
完全に観光列車で、ワンマン運転ながら、車内にはテープで沿線の観光案内が流れています。 おまけにスポットでは、途中停車までしてくれます。 ループ線をぐるりと回って、つい先程折り返したばかりのスイッチバックの大畑駅が眼下に見えるところで一旦停車です。 徐行どころか、完全に停車してしまいました。 この少し前にも、大畑駅を出たところで停車し、遠く見える連山の案内もありました。 まだまだ急勾配の途中ですから、パワーのある気動車ならではのことですが。
列車はさらに、矢岳へと向けて登って行きます。


矢岳駅。

最高位置の駅・矢岳に到着です。 7分ほど停車します。 一刻も早く目的地・吉松駅に到達しようなんていう気はさらさら無いようです。
単線ではありますが、昼間はこの車両が往復しているだけですから、反対列車の交換待ちもありません。 木造の古い駅舎と標高の表示のある矢岳駅です。 そしてすぐそばには、SL保存館の建物があります。 今では保存機のD51 170号機が1両あるのみですが、十数年前に訪れたときは「ハチロク」58654も展示されていました。 こちらは修繕されて「SLあそBOY」の機関車として活躍中です。
ぶらりと散歩程度にこれらを眺めるにはちょうどいい停車時間ではありますが、D51を観察するには、もう少し停車時間が欲しかったところです。 いえいえ、今日は「仕事」でした。


真幸付近。

鉄道の3大車窓風景とされる、肥薩線「真幸」付近です。 「風景」の善し悪しの定義は微妙ではありますが、山の上から盆地を俯瞰し、遠く霧島連山を望む風景は雄大です。
ただし、やはり以前と比べると雑木が成長して覆い茂っており、やや見通しが悪くなってはいるようです。 鉄道沿線の手入れが行われなくなって久しく、全国あちこちで見られる状況ではありますが。 ここでもまた列車は一旦停止して、風景の解説です。
天気がよければ写真右手に遠く桜島も望むことができるとのことでしたが、本日はやや霞んでおり、確認することはできませんでした。 なんとなく稜線が見えたような気もしましたが。


スイッチバック・真幸(まさき)駅。

真幸駅に到着です。 ここもスイッチバックの駅となっており、直通で通過することはできません。 人吉側からくると、まず眼下に真幸駅のホームが眺められ、折り返しのあとここに進入します。
ホームには小石が敷きつめられていますが、きれいにならされた跡がついており、これは以前来たときと変わっていませんでした。
ここでもわずかですが小休止です。


吉松駅到着。

吉松駅に定刻到着しました。
途中、観光案内の駅間停車もなく各駅での停車時間も最少であれば、20分以上は短縮できたであろう人吉〜吉松間ではありました。


吉松駅乗り換え。

吉松からは、特急「はやとの風」に乗り換えです。
九州新幹線開業にあわせて新設されたばかりの列車ですが、特急とはいえ、普通用のキハ140、147の改造車です。 真っ黒い車体で、写真をとるのになかなか露出を決めるのが難しく、露出計は「ほんとにこんなのでいいの?」といった数値を示しています。
それにしても、特急らしからぬ外観ではあります。 おまけに指定席車両のほうがデッキなしのキハ147で、すこし落ち着かない感じもします。


きっぷ類。

「いさぶろう」の指定席券と「はやとの風」の特急券です。
「いさぶろう」は時刻表では一部自由席との表示がありましたが、指定と自由の半々位だろうと思っていたら、4人掛けのボックスシートは全部指定席で、自由席はオープンスペースのみでした。
しかし、十分周知されていないようで、半分以上の客は指定席券を持っていないようです。 オープンスペースはすでに先客で一杯で、発車直前に駅員が販売に来た指定席券を車内で買い求めました。
ワンマン運転ですから、こまめな営業がないと指定席料金の取りこぼしが出てしまいますが、努力はされているようです。 観光列車ですから、300円の追加程度では、まあ苦情がでてくることもあまりないようです。
一方、「はやとの風」の特急券はB特急料金の範囲ですが、特定特急料金の適用で、本来のB特とくらべても格安の設定となっています。


吉松駅保存機。

次の特急「はやとの風」の発車時刻まで少し時間がありますので、駅前の散歩です。 本当はその前の接続の普通列車に乗れば、30分ばかり鹿児島に早着可能なのですが、どうも本人にも一刻も早く到着しようという気は無いようです。
吉松駅の外れに静態保存機、C5552が展示してありました。 門鉄デフの九州独特のスタイルです。
屋根もあり、手入れもされているようで、保存状態は良好です。 ただし前方に柵があり、あまり引きがとれないため、正面から写真を撮るにはやや不便です。
一旦駅を出て外から廻って入れますので、構内、というより公園でしょうか。


路線バス。

吉松駅前に停車している路線バスです。
最近の新しい造りの駅では、正面はタクシー乗り場や自家用車の乗降場で、路線バスの乗り場は片隅に追いやられている場合が多いのですが、ここでは改札口を出ると、真正面にバスの乗車位置がありました。
行き先表示を見ると、栗野経由大口行き。 どうやら、廃止されたローカル線、旧国鉄山野線に沿って薩摩大口とを結ぶ代替バスが健在のようでした。


特急「はやとの風」。

さて、鹿児島までの最終行程は、特急「はやとの風」です。
先ほどの「いさぶろう」と同じような造りの車内ですが、「いさぶろう」の居酒屋風?ボックスシートに対し、一応特急らしくリクライニングシートとなっています。 しかし残念ながら、改造車のため窓とシートピッチが合っておらず、ちぐはぐな感じは免れません。
やはり観光列車の色合いが強いのですが、さすがに吉松や隼人と鹿児島の間は流動もやや多く、途中の乗車客や一般の乗客も目立ちます。
この列車には客室乗務員の女性が、しかも2名乗りこんで「九州横断特急」と同じく検札やワゴン販売を兼務しています。 人件費でコスト高になっているのでは?と、最近はついつい余計な心配をしてしまいます。


鹿児島到着。

ようやく目的地・鹿児島に到着しました。 ずいぶん寄り道? いえいえ、この大畑・吉松経由の「肥薩線」ルートは、今ではすっかりローカル線になりさがっていますが、もともと鹿児島本線として敷設され、川内廻りの海線が開通するまでは鹿児島へのメインルートだった、鹿児島へやって来るには正規の?ルートなのです。
さて、鹿児島駅の外れには、運用から外れた475系がたくさん留置されていました。 九州新幹線開業とともに、在来線鹿児島本線の一部が第三セクター肥薩おれんじ鉄道に生まれ変わり、余った普通用の475系は廃車を待つばかりのようです。 すでに長い間走った様子はなく、足元の台車まわりには、つる草が絡み付いていました。


鹿児島駅前。

鹿児島市の狭い平地の外れにある鹿児島駅です。 市街地の中心地からやや外れているためJRの駅はあまり大規模ではあありませんが、市電の駅は立派で、ターミナル風です。
現在は路線一部縮小、2系統に整理された鹿児島市電ですが、列車本数は多く、3本のホームにはいつも電車が一杯です。 やや早着気味のダイヤとなっているのか、到着した列車が一杯のホームに進入できず、渡り線の手前で暫く進入待ちする場合が多く見られます。 JR鹿児島駅へ急ぐ場合は、すぐ手前の「桜島桟橋」電停で降りて歩いたほうが早いくらいです。


鹿児島中央駅(スタンプ)。

九州新幹線開業と同時に、それまでの「西鹿児島」駅は「鹿児島中央」駅に改称されました。 というわけで、スタンプも新しいデザインのものに更新されていました。 21世紀になり、駅名は変わり列車も新幹線になりましたが、やはり「鹿児島」は「桜島」と「維新」と「西郷隆盛」です。

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