江の川に沿って走る路線は、水運の時代ならまだしも、道路が整備されると、人と物の流れのルートとは異なる点もマイナス要因でした。 とは言え、屈指の風光明媚な路線。 もっと活かす方法は無かったのかという気がします。 尚、追加は下の方になります。最新の追加は 2018年8月26日 <江津〜三次> <INDEX> 2018年3月再訪 2018年8月26日一部追加 2018年3月再訪 江津駅。 2018年3月31日。 本日は、JR西日本 三江線の最終日です。 廃止が決定してから1年半。 その気になれば訪れる機会は何度でも作れたはずなのですが、元来の横着気質。 結局初乗車以来40年近く経っての最終日の訪問です。 とは言え、しっかり見届けたいとは思います。 江津駅跨線橋。 江津駅1番線の跨線橋。 下りはこれを渡って隣のホームに行くわけですが、その表示。 すでに分断された長大なローカル線に成り下がった山陰本線です。 本来なら当たり前の「下関」の表示にも、いささか違和感を感じます。 それはさておき、「石見川本」「三次」の表示。 こちらは、三江線営業最終日となる本日限りです。 跨線橋ギャラリー 江津駅の跨線橋。 三江線の廃止を惜しんで、沿線写真のコンテスト優秀作品が展示されていました。 ちょっとだけ時間があったので少々じっくり眺めさせていただきましたが、三江線の1年間の風景が疑似体験できるような、いずれも素晴らしい作品ばかりでした。 のりかえ案内。 1番ホームののりかえ案内。 石見川本、三次方面の乗換も、本日限りです。 ホームは閑散としていますが、早朝の三次行きが発車した後は、昼過ぎまで発車列車の無い三江線です。 最終日にしては意外と閑散とした、朝の江津駅でした。 出発線路。 三江線の列車が発着する3番線の端あたりから。 江津駅を出るとすぐに、山陰本線は江の川の橋梁を渡り、一方三江線は江の川の左岸に沿って走ります。 このため、三江線は駅を出るとすぐに大きく右にカーブし、山陰本線と別れます。 3番線にしか発着できない線形の三江線。 列車本数が僅少のため、これで十分に間に合うのが実情でした。 スーパーおき。 最終日はどこから乗車しようかと思っていたのですが、とりあえず訪れた江津駅。 午前3時に駅舎内はそこそこの人数です。 数少ないキハ120のクロスシートは確保できそうにありません。 ということで、朝の「スーパーおき」で浜田に向かいます。 三江線は江津が起点ですが、次の三次行きは山陰本線の浜田駅が始発。 ということで、普通列車でも十分に間に合うのですが、久々に気動車特急に、一駅間だけ乗車して楽しむことにします。 浜田駅。 山陰本線浜田駅。 次の三江線列車はこの駅が始発で、浜田から江津までを山陰本線を走った後に、三江線に入ってゆきます。 駅前には腕木式信号機と蒸気機関車の動輪のモニュメントが。 ゆっくり眺めたい気もしますが、本日は三江線列車の乗車待ちが最優先課題です。 時刻表。 浜田駅ホームの上り発車時刻表です。 乗車予定の列車は、11時53分発の三次行き列車です。 三角記号が添えられているように、通常はワンマン運転の列車なのですが、なにせ廃止直前人気ですから、最近は車掌常務が定常化しているようです。 もちろん最終日の本日も。 それはともかく、山陰本線。 普通列車の少なさは、路線の凋落を物語っています。 朝7時台に発車する各駅停車が1本も無いって、どうなっているのでしょう。 三江線列車。 三次からの三江線直通列車が到着です。 この列車も、江津で折返しではなく、そのまま山陰本線を浜田までやって来ます。 ダイヤの上では折返し的運用ですが、車両基地がある浜田への出入りも兼ねています。 目立たぬ程度ですが、廃止のヘッドマークも掲げられていました。 キハ120。 浜田駅に到着した、三次からの列車。 かなりの乗客でしたが、超満員、と言うほどでもありません。 情報では、三次からは相当に乗り込んでいたようですが、途中駅か江津で下車したのでしょうか。 ヘッドマーク。 キハ120の正面裾のランプ掛けに取り付けられた、廃止記念?のヘッドマークです。 目立たない取り付け位置ですが、よくよく見ると、キハ120。 正面には他に取り付けられそうなステーがありませんでした。 少し小ぶりな、すっきりしたデザインのマークです。 連結面。 早朝の下り三次行きは、木次線の車両を混結した3両編成のようでしたが、この列車は2両編成。 どちらも浜田の車です。 朝江津駅で伺った話では、以前は江津始発の三次行きが一番混んでいたようですが、3月改正以後は、浜田始発の列車が一番混むとのことでした。 2両編成で大丈夫?と思いますが、「車両に余裕がない」そうで・・・。 出雲市行き普通。 三江線列車より40分ばかり前、11時10分に発車する、出雲市行きの列車です。 こちらは普通にキハ120の単行列車です。 とは言え、山陰本線を出雲市まで直通する列車。 中型のキハ120単行のワンマン列車でまかなえるとは、寂しい限りです。 スーパーおき2号。 2番線の出雲市行きに先行する、特急スーパーおき1号が到着です。 この列車を利用すれば、関西方面から日帰りで三江線列車に通して乗車することができます。 予想通り、結構な乗客が降りて来ました。 列車接近。 車両基地側から、キハ120の2両編成がやって来ました。 これから乗車する列車、山陰本線経由で江津から三江線を三次まで直通する列車です。 ホームは多数の乗客がカメラを構えているため、乗車待ちの列を崩さないためにはこれが精いっぱいのアングル。 入線。 三江線経由三次行き列車の到着です。 先ほどの、三次からやって来た列車とは編成が違います。 この1往復が江津から山陰本線を直通するのは、車両基地のある浜田までの回送を兼ねていました。 乗車前。 列車がホームに到着し、ドアが開くまでのひと時です。 乗客の列はきれいに1列になっているので、この写真ではさほど多くの乗客が居るようには見えませんが、実際には相当に長い列です。 発車おおよそ1時間前に数えた目算では、すでに100人を軽く超えていました。 その後「スーパーおき1号」も到着しているし。 行先表示。 列車に乗り込みました。 乗車したのはこの位置です。 長い列の前から6番目にいたのですが、クロスシートが極めて少ないキハ120ですから、窓際の席はまず取れそうにない。 座るだけなら座席は余裕で確保できる順番なのですが、満員の列車のロングシートに座るぐらいなら、立っていた方が景色が楽しめるだろう。 ということで、ドア近くの、もたれかかれて景色も楽しめるであろうるポジションを速攻で確保です。 見上げるとこんな行き先表示の案内が。 山陰本線出雲市〜益田間と、三江線が守備範囲のようです。 308号。 乗車したのは、キハ120の308号。 とりわけ特徴のある車番ではありません。 先ほど基地から出てきたばかり。 時刻表の上では、三江線の三次からの列車が浜田まで延長運転され、それが折り返すようなダイヤになっていますが、実際には基地に回送の役を兼ねています。 先ほど三次から到着した列車とは別の編成でした。 接続列車。 益田から山陰本線の普通列車が到着しました。 実は、JTB3月号の時刻表では、これから乗車する三江線の列車は、益田始発であるかのように表示されています。 しかし実際は、本日までは別の編成で、写真の列車が益田から浜田まで。 浜田から先は、現在乗車している列車に乗り換える必要があります。 ダイヤ改正が3月17日からで、三江線の廃止が3月末限りと時差があるための、遷移的な表示。 ですが、やはり紛らわしい表示。 誤って益田で「スーパーおき2号」からこの列車に乗り換えてしまう三江線目当てのお客もいたようです。 明日4月1日からは、本当に益田から江津まで写真の列車が直通するようにはなるのですが。 下府(しもこう)駅。 さて、多数の乗客を乗せて、列車は浜田駅を発車しました。 満員で立ち客多数ですが、混雑して身動きできないほどではなく、床スペースにはやや余裕があります。 列車は下府(しもこう)、久代(くしろ)と、山陰本線の各駅に停まりながら、まずは江津に向かいます。 三次行き。 確保した立ち席のポジションはこんな感じ。 運転席の反対側のポジションは、正面窓から連結面の間越しに、または乗降ドアのガラス面から、2方向の景色を眺めることができます。 更にもたれかかれて肘を乗せられる台もある、立ち席としては悪くないポジションです。 これなら外の景色も眺められるし、写真も余裕で撮れそうです。 沿線風景(山陰本線)。 連結面からの眺めはこんな感じ。 向かいの車両を写し込むために広角で撮影しているため、この写真では視界が狭そうに見えますが、実際にはかなり広く外が眺められます。 今年は例年より桜が早く、3月末日の山陰地方でも、まさに満開でした。 江津駅ホーム。 30分足らずで江津駅に到着です。 ここから、本日限りの三江線に入ります。 浜田始発時は立ち席に若干余裕のあった車内ですが、江津駅ではホームに溢れる人だかりで、これ以上乗れないと言う程の超満員となりました。 ホームでは、これ以上乗車できないので、並走する「代行バス」へ乗車の案内が流れていますし、本来なら接続するはずの下り「スーパーおき3号」からの乗客も、あえて接続乗車させず、「おき」のドアが開く直前に、三江線三次行きのドアが閉じられてしまいました。 (スーパーおき」の車内では、江津到着前にあらかじめ「接続乗車できないので、代行バスへ」の案内が流されたようです。) 江の川。 さて、江の川です。 中国山地を貫いて、ゆったりと流れる水量の多い川です。 三江線はほぼ全線、この江の川に沿って進みます。 九州の球磨川沿いの肥薩線、東北は最上川に沿う陸羽西線などとともに好きになった風景ですが、列車から眺められるのは本日限りです。 江津を後に。 江津を出た列車は、すぐに右にカーブして江津本町に停車。 その後は江の川に沿って、人家の少ない所を走ります。 江津の町が後ろに遠ざかります。 車窓風景。 江津本町から先は、車窓はこんな風景の連続です。 この写真は、確保しているポジションからドアのガラス越しに撮影です。 キハ120のドアは、2枚折り戸で一番下までガラスになっているので、視界は上々です。 立ち席ではありますが、やはり良いポジションでした。 強いて難点を挙げれば、手前に折り戸が開くため、こちら側にホームがあると、開閉の際に少し体に注意が必要な点でした。 川平駅。 川平駅です。 2枚上の写真で「人家が少ない」と書きましたが、駅間はそうなのですが、駅周辺は住宅が集まっています。 あえてホームの人を避ける形で駅名標を撮影しましたが、実際にはどこの駅でもホームには列車見送りの地元の人が多数です。 ホームの桜。 最近は、どこに行っても桜が目立ちます。 昔はいわゆる「名所」以外には、桜の木は少なかったように思いますが。 それはともかく、三江線沿線でも、桜は満開です。 車内の様子。 車内の混雑ぶりは、こんな感じです。 ロングシートに座っているお客は、外が見えず何だかつまらなさそうです。 本日は短い車体の2両編成に300人余りが乗車しているとのことで、超満員。 ですが、車掌さんの話では、「本日は乗車制限したので、1週間前の休日が一番混んでいた」とのことでした。 川戸駅。 川戸駅に到着です。 駅舎があるホーム側は、地元の見送りの人で一杯でした。 見送り客。 大勢の見送り客が手を振る中を、列車は発車です。 車掌さんも地元の方をよくご存じのようで、形通りの出発合図だけでなく、親しい挨拶を交わしていました。 小さな子供たち、大人になっても覚えているでしょうか。 沿線風景。 駅だけでなく、沿線でも各地で見送りの人だかりが見られます。 列車本数が僅少なため、逆に所定の時刻になると人が集まりやすいようです。 沿線の方々総出、という雰囲気でもあります。 中継車。 全国ニュースにもなっていますから、各メディアの中継も多数。 このような中継車から小型車での併走追従まで。 駅だけでなく、走行中も注目の列車です。 桜。 各駅、立派な桜がたくさん見られます。 沿線の桜は皆満開で、列車の窓からと言わずホームでゆっくりと眺めたくもなります。 来年からはどなたが眺めることになるでしょうか。 江の川に沿って。 ゆったりと流れる江の川。 中国山地を越える路線ですから、本来は途中で分水嶺があり水系が変わるのですが、この江の川。 中国山地を貫いて流れていますから、江津から三次に向けての下り列車では、ひたすら川に沿って遡ります。 あまり大きな変化のない、しかし飽きない車窓風景です。 石見川本到着。 石見川本に到着です。 ホームは人だかりで、全員が乗車できません。 それでもいくらかの乗車客があり、江津を発車した時と比べると、車内は更に混雑です。 この列車の最混雑区間は、石見川本発車後でした。 石見川本発。 大勢の見送り客といくらかの積み残し客を後に、列車は石見川本を発車します。 江津を発車以後、何となくベタ遅れでしたが、本来この駅で12分ある停車時間で、若干の遅れに戻しました。 ま、この様子ならまだ遅れそうではあります。 木路原。 次の駅は木路原です。 真面目に駅名標を撮っているようにも見えますが、それほどこだわっているわけでもありません。 第一、ローカル線ですから、こちら側にホームや駅名標があるとは限りません。 更に、こちら側にあったとしても、どの駅もホームは見送り客で一杯です。 それでも何とかかわしての撮影ではあります。 竹。 一文字駅名の「竹」です。 さすがにここは集落が小さいせいもあってか、人はやや少なめ。 しかしこの前後、列車に併走する車は多数でした。 ヘリ。 中継車も何台も出ていますが、賑やかなのはこれ。 程良い時間帯と光線のせいか、先ほどからヘリコプターが列車とともに上空を周回しています。 とは言え江の川沿いに中国山地のかなり奥まで入って来ましたから、低く降下した時はこんな感じです。 粕淵到着。 粕淵に到着です。 先ほどの石見川本に続いて、粕淵・浜原と、沿線の中ではちょっとした大きさの町が続きます。 とにかく地元の人が総出の勢いです。 粕淵発車。 粕淵を発車です。 こちら側がホームですが、入場制限をしていたのか、最初から「乗車できない」旨の案内があったのか、停車時間が僅かのせいか、ホームは意外と落ち着いていました。 見送り客が溢れていたのは、むしろ外側でした。 浜原駅。 浜原駅です。 三江線が全通する前は、ここが「三江北線」の終点でした。 区間開業の終点となるだけの町ではありますが、現在は山陰側へは、国道経由で大田市に向かうのが順当なルートのようです。 沢谷。 浜原を出ると、かつての三江北線と三江南線を結ぶ「新線区間」。 昭和40年代から50年代にかけて開業した国鉄ローカル線の区間と同じく、ここから口羽までは直線とトンネルと高架線で結ばれた区間になります。 浜原まで50キロを2時間かけて走って来たのとは打って変わった、高速?運転に様変わりです。 宇都井。 宇都井駅に到着です。 高架の橋上にある駅。 ここでは予想以上にホームに人だかり多数で身動きが取れないほどでした。 夜間のライトアップで有名でしたが、本日夜の最終列車ではイベントも準備されているようです。 宇都井発車。 宇都井駅発車直後、高架橋の車窓から見下ろした、谷底(というほど狭くはない)風景。 いかにも「新線区間」と言う感じの路線(区間)だったのですが。 川を渡る。 三江南線・北線の区間は大部分を江の川に沿って右岸を忠実に走る三江線ですが、「新線区間」では線形優先のため、こんな感じでダイナミックに江の川を渡る風景も。 大きな川に延々と沿って走る割には川を渡る鉄橋が少ない、そんな路線でした。 口羽駅。 口羽駅に到着です。 ここでも地元の人総出?と言った感じの見送りです。 この駅ではこの時刻に上下列車の交換があるためか、両側に相当の人手でした。 車内は身動きがとれないため、反対側の写真は撮影できませんが。 対岸道路。 口羽を出ると、今度は「三江南線」として先に開通していた区間に入り、再び江の川の左岸を遡ります。 口羽から三次までの国道。 整備が遅れていたのですが、このように旧道を改良するトンネルも完成し、道路だけはどんどん立派に便利になってゆきます。 江の川に沿って。 列車は「新線高速区間」から、再びローカル然としたカーブの多い川沿いの路線を進みます。 速度はぐっと低下し、対岸を行く、さほど早くもない車にどんどん追い抜かれます。 そして、駅間は「何もない」と言った感じの風景が続く。 そんな三江線でした。 作木口。 作木口に到着です。 川沿いの狭いホームの駅です。 集落からやや離れているせいか、ここではさほど多数の見送り客は見られませんでした。 江の川。 列車はさらに江の川を遡ります。 と書きましたが、ここまで来ると中国山地を抜けて三次盆地が近くなります。 雰囲気にはサミットを越えて下りに掛かる、と言う感じですが、並行する江の川は相変わらず列車の進行方向とは逆向きに流れています。 他の山越えの路線とは異なり、ちょっと違和感があります。 船佐駅。 船佐に到着です。 ホームの様子はこんな感じ。 島根県側と比べると、広島県側は地元の人の賑わいと言うか、廃止見送りに対する温度差がややあるように感じます。 沿線。 対岸に、多数の車と人の列。 ちょうど列車が川沿いに足元まで見えるポイントで、車で移動するにはお手軽な撮影ポイントのようです。 本日は「最終乗車」することにしましたが、もしかすると私も「あっち側」の一人だったかも・・・。 長谷。 長谷(ながたに)駅を通過します。 この列車で唯一の通過駅です。 元々この地区から三次方面への通学用に設けられた駅ということで、下り列車(三次方面行き)は、朝の2本だけが停車。 午後の3本の列車はこの駅は通過してしまいます。 しかしこんなご時世ですから、三江線が廃止されても別の手段で利便性は十二分に確保できる、ということなんでしょうね。 長谷駅を後に。 通過した長谷駅です。 ご覧の通りの風景で、通学生はどのあたりから集まって来たのかな? 最近では何人が利用していたのかな? などなど興味は尽きませんが、列車の運行は本日限りではあります。 こんな立地ですし通過列車ですがら、駅には地元の見送り客の姿は全く見えず。 写真を撮る人影が数名見られた程度でした。 三次盆地。 列車は三次盆地に入って来ました。 それまで両側に迫っていた山は遠ざかり、ぐっと開けてきて、江の川の流れも広くゆったりです。 「川下に下って来た」と言う印象ですが、川の流れだけからすると、ひたすら遡っている。 そんな三江線です。 尾関山駅。 三次の一つ手前、尾関山駅に到着です。 ここまで来ると完全に三次市街の手前。 桜の名所でもあり、見送り客と言うより花見客で非常に賑わっています。 そして応援のJRの職員やOBも多数でした。 三次市街。 三次に向けて、最終区間です。 市街地に入り、江の川の支流の鉄橋を渡ると、間もなく終着・三次駅に到着です。 江の川沿いに、江津から100キロ少々。 しかし実に3時間半以上掛かる、のどかながらちょっともどかしい路線ではありました。 三次駅。 三次駅に到着です。 長いホームですが、駅の敷地外も含め、大勢の見送り、と言うか出迎え客で溢れています。 ホームの端のこのあたりは「写真を撮るお客」限定のため少なく見えますが、実際には「三次駅にこんなにお客が集まるの?」といった感じの眺めでした。 三次駅。 列車はゆっくりとホームに入り停車。 この列車が折返し最終江津行きとなり、時刻表上は三江線を走る最後の列車となります。 もちろんこれで折り返すことにしたいのですが、ホームには乗客が多数です。 一度車内の入れ替えがあるため、一旦下車しないわけにはゆきません。 本当に乗れるの? 折返し最終列車。 福塩線列車。 反対側のホームには、福塩線の列車が待機中です。 すでに発車時刻は過ぎているのですが、こちらの三江線の列車遅れを受けて接続待ちの待機中です。 江津からの三江線列車。 最終日ともなれば、車内の混雑や見送り等々でベタ遅れ。 途中駅の停車時間でそこそこ戻したのですが、やはり三次到着までには20分余りの遅れが発生。 このため列車本数の多い芸備線の列車は接続待ちなしでそのまま発車えす。 しかし列車本数の少ない福塩線の列車は、ちゃんと接続を取って遅れてからの発車でした。 下車。 何せ小型のキハ120に2両で300人も詰め込んでいたのですから、下車だけでも時間が掛かります。 ホームにはこれから乗車しようというお客と写真を撮るお客。 そして下車したものの、もう一度乗り込むべく立ち止まるお客もいて、降りるだけでもなかなか時間が掛かる。 ということで、誘導も大変そうです。 ホームの混雑。 ところでこちらも折り返す予定ではあるのですが、一度下車しないわけには行きません。 きっぷもちゃんと買いたいし、駅前の様子も見たい。 そして気になるのは、折返し便でも代行バスが運転されるのか。 何しろホームはこんな人だかりです。 実は浜田駅発車以来5時間(実際には列車待ちの列に並んで以来6時間半)、ずっと立っていたので、ちょっと疲れた。 もし折返しの列車に乗れないなら、座ってゆけるなら代行バス体験もいいかな。 なんて横着心も頭をもたげています。 運賃表。 三次駅の運賃表。 三江線が記載されているのも本日限りです。 ところで、100キロ以上(換算キロでは120キロ近く)ある路線ですから、全区間の自動券売機対応はしていません。 途中の河戸までの対応でしたので、帰りの切符は窓口で購入です。 駅舎内。 三次駅の駅舎内。 さほど広くない待合スペースの壁面には、三江線を送るべく沿線風景の写真が多数掲示されていました。 三次駅発車。 で、結局折返しの三江線江津行き最終列車に乗り込みました。 ホームに溢れる人で感じた「ホントに全員乗れるの?」と言う心配ですが、杞憂でした。 満員ながら結構全員収まり、見たところ往路の浜田発の列車より、ほんの若干ですが余裕さえあるように感じます。 もちろんこの列車向けの代行バスも運転されないようで、それらしい案内も乗車制限のアナウンスも全くありませんでした。 ま、こんな列車に乗ってしまうと、江津での宿泊かそこから先の足を確保していないと、下車してからの動きがとれませんし。 尾関山。 さて、乗車した車内の位置ですが。(これ重要!) もちろん座席など確保できるはずはありませんし、中途半端な位置なら座るのも立つのも御免こうむりたい。 ということで、先ほど往路の扉付近に近いポジションを確保しました。 ここなら往路同様、扉からの写真撮影も可能です。 列車は尾関山に到着です。 尾関山。 尾関山です。 先ほどと同じ職員やOBの方が見送りです。 この後もう1本、最終の途中浜原止めの列車があるのですが、19時半過ぎになってしまうため、日中明るい時間での列車はこれが最後です。 粟屋駅。 尾関山の次の粟屋駅です。 三江線の列車。 3月の最後のダイヤ改正で若干変更され、最後は各駅上下5本づつの運転でした。 それにしても、三次から2駅なのに、9時の次が16時発って、やはり使えないダイヤではあります。 長谷駅。 長谷駅に接近です。 先ほど乗車の三次行きは通過しましたが、この列車は夕刻の通学時間帯の列車ですので、停車します。 しかしながら、春休みでもあり、それ以上に本日限りで廃止とあっては、定期乗車の下車客は見られません。 長谷駅。 「はせ」ではなく「ながたに」です。 先ほど数名見られた撮影客も、車で移動したのか、ほぼ姿を消していました。 閑散としたホームで、賑わっているのは車内のみです。 船佐駅。 次の船佐駅です。 つい1時間少々前の三次行きの時は、それでもある程度の地元の人がいたのですが、すでに退散したのか、「祭りの後の静けさ」的雰囲気が漂っています。 三江線の見送りは、先ほどの三次行き迄で全部済ませた、と言う感じでしょうか。 島根県側とは対照的でした。 夕刻風景。 両側に山が迫る江の川の流れ。 これから中国山地に掛かります。 が、江の川はひたすら江津に向けて下ってゆきます。 そして、列車は「上り」列車。 中国山地を横断する路線。 山陰本線にぶら下がっている路線が多く、三江線はじめ、木次線、津山線、因美線など、山陰側に向けてが「上り」列車となります。 三次から江津に向けて「上り列車」が発車する、というのも多少変な感じではあります。 列車交換。 口羽駅での列車交換です。 夕刻の駅。 ホームは寂しい感じでしたが、両方の列車には乗客は満載でした。 対向列車の車内に、本来なら本日同行していたはずの(私が当日計画変更したためにドタキャンに。)F氏の姿も。 辛うじて互いに確認することができました。 宇津井駅から。 薄暮の宇津井駅に到着。 ここではまだ大勢のギャラリーと言うか、地元の人が駅周辺にいます。 この後最終列車が到着発車時には、最後のイベントが待っているということで、何だか広島県側との温度差を感じます。 浜原駅。 列車は浜原駅に到着。 三江線の中ほどの駅でもあり、沿線では大きな町でもあります。 そしてかつての三江北線時代の終点でもあり、完全に夜になった駅ですが、このようなイベントが待っていました。 最終の到着列車はありますが、この駅から発車する列車はのこの時刻の上下が最後です。 対向列車。 少々長時間停車の浜原駅で、対向列車とすれ違い。 向こうの列車の方がやや空いているようではあります。 どちらも三江線全線を通して走る上下の最後の列車ですが、さすがに昼間の列車に比べると、混雑度はやや下がったようです。 江津行き。 最終列車の「江津行き」の表示。 三江線がなくなっても江津駅がなくなるわけではありませんが、この表示も見る機会はぐっと減ってしまうのでしょう。 石見川本駅。 浜原と並んで、三江線島根県側では大きな駅、石見川本に到着です。 この駅でも賑やかなイベントが準備され、乗客だけでなく地元の人も総出と言った感じでした。 ありがとう。 沿線に掲示されていた「ありがとう」の横断幕。 地元自治体と観光協会の共同での製作らしく、あちこちで見られます。 それ以外にも、夜になっても手作りらしいイルミネーションも花を添えてくれます。 対向列車。 石見川本で、最後の対向列車が到着です。 この両列車の発車が、この駅の最後の列車です。 最後の最後まで、地元の人に惜しまれた三江線ではありました。 乗客。 最終下り浜原行きの車内。 さすがに若干の空席が見られます。 ま、浜原に着いたところで、その先の交通手段もなければ宿泊施設も僅少です。 この最後の下りに限っては、乗客は地元の人が多数派のようでした。 川戸駅。 江津も近くなった川戸駅。 すでに時刻は21時を過ぎていますが、この最終列車の見送りのために、これだけの人が集まっていました。 最後の列車の発車です。 2018年8月26日追加 終着駅江津。 江津に到着です。 最後の最後に「動物との接触」で対向列車が遅れたため、おおよそ20分ばかり遅れての到着でした。 やはり島根県側は三江線に対する思い入れに違いがあるようです。 最終列車到着を待ちうける、大混雑のホーム。 そして、この列車の三次〜江津を通しての最混雑区間は、最後の一駅、江津本町〜江津間でした。 これなら地元の人も歩いて帰ることができますし。 接続列車。 さて、江津到着は時刻表の上では21:27。 ですが前述のとおり、おおよそ20分遅れでの到着です。 山陰本線の上り方面は、出雲市行き21:32が最終列車。 すでに発車時刻はかなり過ぎてはいますが、ちゃんと接続待ちしていました。 本日に限れば、乗り換え客も多少はいるでしょうし。 江津駅。 で、ホームではこんな感じでいつまでたっても賑わいがおさまりません。 あまりの人の多さと規制に、これ以上前に出るのは無理です。 色々と・・・。 最終列車の到着ですから、色々とイベントも準備されているようです。 列車は早々に「回送」に表示が切り替えられたのですが、どうもすぐに発車する気配でもありません。 階段から。 ホームの跨線橋階段途中から。 全容をカメラに収めるにはこのあたりかなと思ったのですが。 「階段の途中で立ち止まらないでください」というアナウンスと誘導で、それさえなかなかままなりませんでした。 三次駅がどんな具合だったのか、少々気になります。 出雲市行き。 遅れ列車の接続待ちをしていた出雲市行き普通。 こちらも発車が遅れている、しかも最終列車ですので、通常なら3分ほどの連絡で早々に発車しそうなものなのですが。 ホームがご覧の有様で、パラパラと乗り換え客がやって来るものですから、こちらもなかなか発車できません。 運賃表。 江津駅の運賃表。 三江線区間は本日限り、と言うか、すでに最終列車が発車していますのですでに無用の長物です。 終点三次までは100キロを越えるので、自動販売機の範囲を外れてしまう。 そんな長い三江線でした。 どーもくん。 NHK松江放送局とのコラボ。 江津駅の構内に掲示されていた、PR看板でした。 感謝を込めて。 ひっそりと文字だけの、しかしこれ以上は必要ないと思われる案内板。 これ以上はコメントのしようもありません。 以上。 記念入場券セット。 併せて掲示の「記念入場券セット販売のお知らせ」。 この手の行事にはつきものです。 ところが、この入場券セット。 昼前の浜田駅でもそうでしたが、まだ売れ残りがあるようなのです。 確かに、35駅全駅の入場券セットとは言え、4900円は少々高い。 発売数8000組が多いのか少ないのか判りませんが、土産代わりに気軽に買うにはちょっと、というシロモノではありました。 (買ったけど。) 余韻。 で、これだけ歩き回ってもまだホームには人がいますし、列車も回送されていません。 名残惜しい思いはありますが、あまりにきりがないのでそろそろ駅を離れることにします。 大混雑の江津駅でのイベントには、さほど残るものはありませんでしたが、川平駅を出てからの、まだ若めの車掌さんの「さよなら放送」。 短い挨拶ではありましたが、「またの御乗車を、と申し上げることは出来ませんが・・・」というくだりには、ちょっとだけホロリとさせられました。
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