スイス中部の都市ルツェルン。 その市街地から至近に望める切り立った岩山・ピラトゥス山に登るための観光鉄道が、ピラトゥス鉄道です。 ケーブルなどに頼らず自力(ラック式)で登る鉄道としては、世界第急勾配の480パーミルを誇ります。 25°を超える岩肌の急勾配は迫力ものでした。 >>>写真をクリックしてください。>>大きな写真へ ↓ ↓ ↓ 最新の追加 ↓ ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ 最新の追加 ↑ ↑ ↑ ![]() 風光明美なルツェルンの町。 その南外れに、恐ろしく切り立った岩山がそびえています。 ルツェルン郊外の観光地、ピラトゥス山です。 標高2000メートルほどのこの山は、ルツェルン湖や対岸のリギ山とともにこの地方の観光資源の一つです。 本日は、登山鉄道でここに登ってやろうという企画です。 ![]() 現在のツェントラル鉄道ブリューニック線のSバーン電車です。 スイス国鉄ブリューニック線時代は電気機関車けん引の客車列車が大半でしたが、今では一部を除き新しい電車編成に置き換えられています。 ピラトゥス鉄道の麓始発駅・アルプナッハシュタットまで、ローカル電車で向かいます。 ![]() 風光明美なこのブリューニック線には、これまで3度乗車した事があるのですが、沿線で一つだけ訪問の機会を作れなかった所。 それが、ルツェルン郊外のピラトゥス山です。 大きな理由は、乗り換え駅のアルプナッハシュタットに各駅停車しか止まらず、予定が立てにくいためでした。 4度目の今回初めて各駅停車で下車した、アルプナッハシュタットの駅です。 ![]() ピラトゥス鉄道のアルプナッハシュタット駅。 ブリューニック線電車を降りるとすぐ目の前の山手(湖と反対側)でした。 ツェントラル鉄道駅よりこちらの駅の方が乗客で賑わっています。 ここまで来るお客は、バスや湖の船の方が多い感じ? ![]() ピラトゥス鉄道の切符売り場は、駅前広場の右手の建物(この写真の右手外れ)。 ブリューニック線の列車が着いたというのにさほど混雑していません。 皆遊覧船から通しのきっぷを持っているのでしょうか。 しかし改札口は自動改札になっていますので、いずれにしても交換が必要なのでは? ![]() 何しろ最大480パーミルの急勾配。 ケーブルカー同様、勾配に合わせて傾いた車体の電車が何台も待機していました。 これから楽しみです。 ![]() それはいいのですが、ぱっと見て車体が路盤よりかなりはみ出しているように見られます。 さほど広い車体ではないはずなのですが。 大丈夫? ![]() 山登りの電車。 下りのお客が下車して登りのお客を乗せるとすぐに発車です。 隣に並んでいた電車が、後ろではなく下の方に遠ざかります。 ![]() 電車は湖から山に向かって右側に登ってゆきますから、進行右手が湖側。 前半はこちらの風景が優れています。 今回は頂上付近の眺めに期待して、進行左側の席に陣取りました。 ![]() 進行左手(山側)の席からの眺めはこんな感じです。 山の法面が迫り見通しが利かない、というほどではありません。 上半分の眺めが開けることに期待して、暫く辛抱することにします。 ![]() 後方(下の方)を見ると、次の電車が続行ですぐ後ろを追いかけてきます。 ヨーロッパの登山電車ではよくある続行運転。 お客が多い時には何台もの続行が出るようです。 ![]() 中ほどにある交換駅に到着です。 数両の電車が続行で運転されているようですが、本日乗車しているのは一番前を先行する便です。 山上からは、こちらと同じく赤い電車が数珠つなぎで下りてきました。 ![]() 中ほどの交換駅AMSIGENです。 全線急な勾配の路線は、駅ホームも同様です。 が、階段状になったホームに降りるお客は殆どいません。 のどかな緑の風景の中間駅でした。 ![]() まだまだ続行の電車が降りてきます。 全部が到着しないことには、こちらの電車が発車することも出来ません。 かなり長い交換設備です。 ![]() 只今下りの電車が進入中。 ということで、山側のポイントはこんな風になっています。 独特の面白い構造のポイントです。 ![]() 途中駅は、標高1360メートル。 標高436メートルのアルプナッハシュタットから、山頂駅ピラトゥスクルムの標高2065メートルまでの、おおよそ中間点です。 駅名表や電車の車体には、伝説の「竜」のイラストが描かれています。 ![]() 次々と交換の電車がやって来て、これが最後の1両のようです。 何本来るかと思いましたが、交換設備に収まる範囲内ではありました。 ![]() この鉄道では特殊な歯車のラック式を採用していますので、通常の構造のポイントが使用できません。 このように、大きな台に乗った上下の線路が丸ごと横にスライドする構造になっています。 ![]() ポイントがスライドし、こちらの登り電車側が進行状態になりました。 これから再び山登り開始です。 ![]() 目の前に待っているのはこの急勾配。 これまでも相当の勾配ではありましたが、これから先が本番、のようです。 ![]() 歯車を頼りに、再び登り開始です。 このあたりはまだ、進行左側が山側になります。 しかしこの先、そろそろ景色が変わって来そうです。 ![]() 中間駅を過ぎると次第に景色は草むらになり、更にそれも少なくなって岩山に変わってゆきます。 だんだんピラトゥスらしくなってきた、と言う感じです。 ![]() 線路とつかず離れず、といった感じで、登山道も整備されています。 急な山ではありますが、いわゆる「登山」というよりはハイキング的コースではあります。 もっとも麓との標高差は1600メートル以上ありますが。 ![]() そろそろ山頂の姿が望めてきましたが、途中の岩肌。 良く見るととんでもないところに線路がへばりついています。 本当にこれからあそこを走るの?と言う感じです。 ![]() 一方、下の方に眼をやると、先ほど出発した湖ははるか下。 大したスピードで走っている訳ではありませんが、高低差は相当のものです。 ![]() 先ほど交換駅ですぐ後ろに付けていた次の電車。 距離は少し離れているだけですが、随分下の方を登ってきています。 これまたかなりの高低差です。 ![]() 更に広く目をやると。 3両目4両目の続行便が、こんな感じで眺められます。 別に高い展望台から俯瞰しているわけではなく、あそこの線路がここに繋がっているわけです。 驚きです。 ![]() ということでもう一度、広く全景に眼をやると。 かなり登って来たのがよくわかります。 それと共に、窓の外の風景、植生の変化も手に取るようにわかります。 ![]() 再び続行の電車の俯瞰です。 今撮影しているこの電車の場所へは、写真左側カーブを大きくぐるりと一回りしただけ。 急勾配の様子がよくわかります。 ケーブルカーなら全く珍しくない(それでも結構急な)勾配ですが、歯車式とは言え、自力で登っているのには驚きです。 ![]() いよいよ終点の山上駅が迫りました。 急な岩山のほとんど頂上と言える場所で、そこから本当の頂上まではほんの数十メートルです。 頂上駅、結構大きな設備のようです。 ![]() 終点・アルプナッハシュタット到着間近の車窓から、後続の電車を眺めます。 この辺りまで来ると、坂道を登るとか勾配とかいった表現でも不十分で、岩にへばりついてよじ登っている、という感じになります。 電車が「登山」するとは思いませんでした。 ![]() 山上のピラトゥスクルム駅展望台からの眺めです。 後続の電車が到着しました。 ![]() さらに次の電車も到着です。 「岩肌にへばりつく」というのはこんな感じです。 ![]() 意外と大きかった山上の施設。 駅レストランのほか、広いホテルもあります。 よく観光パンフレットに出ているのは、到着直前のこの辺りの風景。 山頂付近は基本的に山登り進行右側が岩肌にへばりつく側のため、そちらの視界は開けません。 ![]() 駅展望台から、山頂に登る道の途中です。 「山頂」と書きましたが、駅を挟んで上の写真とこの写真2つの尾根があります。 どちらが高い? ![]() 山上駅から反対のルツェルン市街方面へはロープウェイがあります。 登りか下りか一方はロープウェイを使うのも悪くないでしょう。 何しろ切り立った岩山山頂からのロープウェイですから、こちらも迫力ものです。 ![]() 帰りもピラトゥス鉄道で下りることにします。 アルプナッハシュタットからの山登りの電車(何両かの続行のうちの第1便)が到着しました。 ![]() 乗客が下車すると、乗車が始ります。 下山用の一般改札はまだですが、高齢者同行ということで、先行して入れて頂きました。 ![]() 山上駅を後にして、電車は麓のアルプナッハシュタットに向けて出発です。 赤色が基本のピラトゥス鉄道の電車ですが、乗車したこの車両は「真っ白」でした。 何かの宣伝用? ![]() 山上駅を発車直後です。 下の方にはこれから降りる線路が、そして更に下に到着地付近の湖が見えます。 ![]() 続行便の電車が岩肌を下って来るところです。 とても線路がある様な場所には思えないのですが。 ![]() 岩肌ももちろんですが、勾配にも改めて驚かされます。 何しろほぼ単独峰の形のピラトゥス山ですから、頂上まで登るにはこんな急坂を登ることになります。 ![]() ブレーキを掛けながらゆっくりゆっくり下るため、山登りより下りの方が時間も余計に掛かります。 運転士の細かい操作が続きます。 速度計の針は、時速6キロと9キロの目盛りの間を行ききしています。 ![]() 中間駅に到着です。 登りの様子から「左側通行」での交換かと思っていましたがそうではなく、先ほどの「登り」と同じ側の線路に進入です。 どういう運用になっているのでしょうか。 ![]() 交換列車を待ちますので、運転士も一旦外へ出て「休憩」です。 運転台は非常に簡単なつくりでした。 ![]() 中間駅下り側のポイントです。 このまま全体が左右に動きます。 鉄道というより、モノレールかリニアのポイントにイメージが近い感じです。 ![]() 交換列車の1本目がやって来ました。 すぐ後ろに続行便も。 すでにお昼は過ぎていますが、まだまだ登って来るお客も結構いるようです。 もちろんすでに頂上に居る下山客のためにも、続行便は必要です。 ![]() 続行便全部が登って来たのを確認すると、こちらの電車の運転士が操作盤をいじっています。 どうやらこれがポイントの操作盤のようです。 ![]() 大きな台の上に乗った線路全体が、ゆっくりと左へ移動中です。 何となくユーモラスな動きです。 ![]() ポイントの動きが完了し、こちら側の線路が下り側の本線と繋がりました。 この操作と確認も、運転士の重要な仕事のようです。 ![]() すぐ後方から次の電車が追いかけてきます。 1本の便としての続行運転ですから、電車間の間隔はあまり関係ない、のでしょうか。 ![]() 下に降りるほどに周囲の木が茂って来ます。 スカッと見通しがよいというわけにはゆきませんが、湖が次第に迫って来ます。 ![]() ここまで来るとあとは真っ直ぐ、アルプナッハシュタット駅も目の前です。 湖と道路とブリューニック線の線路、こんな感じです。 ![]() 終点・アルプナッハシュタットに到着です。 もちろんここでも、例の横にスライドするポイントが活躍しています。 ![]() ホームに進入直前の眺めです。 ここまで電車や船で来るお客も多数ですが、かなり広い駐車場も備えられ、この日は多数の車で埋まっていました。 ![]() 麓駅に到着、階段状のホームから下車します。 結局「白い車体」は何か良く分かりませんでした。 (慌ただしく乗り込んだのでじっくり眺める機会もなかったわけですが。) ![]() さて、到着後、続行で下りてきた電車を眺めてみると・・・。 見上げると、線路から車体がこんなにはみ出しています。 岩山の崖の上でなくても、これはこれで結構怖いかも。 ![]() けっして車体中央の1本足で立っているわけではありません。 2本のレールの上に乗っているのは間違いないのですが。 何しろ「枕木の端」ではなく「片側のレール」そのものが石垣の端のすぐ上にあるのです。 ホントに大丈夫? ![]() じっくり観察はできませんでしたが、下の駅では乗客下車時にこまめに電車を移動させているようです。 予備の車両含め、結構な両数がいるアルプナッハシュタットの駅でした。 ![]() 昼を過ぎてもまだまだこれから山に登る乗客で賑わっています。 ローカル駅なが賑やかなアルプナッハシュタット駅前でした。
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