ムラサキシジミ

Natathura japonica japonica


♂(表) ♂(裏)
千葉市緑区産 千葉市緑区産

概要

食餌 主食:ブナ科常緑樹アラカシシラカシアカガシが主。時期によっては落葉樹のコナラもよく利用される。
代替:ウラジロガシやスダジイ、ツブラジイなどの常緑樹、クヌギなどの落葉樹が利用可能。
増殖:アラカシ実生挿し木取り木(高取)が可能。実生は、晩秋に熟し落下したての、孔のあいていないドングリを採集する。次いでコップなどに水を入れ、採取した堅果を水に入れる。浮いたり漂ったりするものははすべて虫食いなので廃棄する。長期の保存ができないので、そのまま過湿と乾燥に注意して植木鉢などに植えつけ、明るい日陰で管理する。挿し木及び取り木は一般的な常緑樹の方法に準じる。挿し木は成長期を除けばいつでも可能だが、発根率はやや低い。取り木は5月〜6月の成長期が適期。環状剥皮法か半月状剥皮法で水苔を用いると比較的成績が良い。増殖ではないが、幼木を山取りして地植えや鉢植えにする方法もある。適期は休眠芽の形成以降の9月〜翌3月である。
採集 ステージ:幼虫。卵は食樹の新芽やその周辺の成葉に1個〜3個程度ずつ産付されるので、結構探しやすい。 若齢幼虫は若葉の葉裏に潜んでいるので、丹念に探せば見つかる。中齢以降は若葉を丸めて巣を作り、常にその中に潜んで葉の先端から食べるので、見つけるのは簡単。
適期:卵は4月下旬〜5月上旬、6月中旬〜下旬、7月下旬〜8月上旬、9月中旬〜下旬。 幼虫は5月、6月下旬〜7月上旬、8月、9月下旬〜10月中旬が中心だが、それ以外の時期に見つかることも多い。発生はやや不定期。
難度 幼虫:容易。食樹さえ切らさなければ、ほとんど手はかからない。
成虫:難しい。訪花性がほとんどなく、食餌がはっきりしないので飼育するのは難しい。ただ、霧吹きで水(水道水)を与えれば、普通に室内でも2週間程度は生き延びる。ポ砂糖水などを与えれば、もう少し長生きするかもしれない。
採卵:不明。情報を乞う。
飼育法  若齢時は密閉容器などでも飼育可能。中齢以降は食草の葉を巻いて巣を作る習性があるので、解放飼育を行うほうがよいが、総じて食樹の水揚げが悪いので、鉢植えにしたほうが無難。その場合、新芽や若葉を確保するのがやや難しい。蛹化の際には地上の落葉の間などに潜り込むことが多いので、蛹化が近くなったら、容器内や食樹の根際に枯葉などを入れてやるとよい。
備考  産付直後を除き、タマゴヤドリバエ類の寄生リスクがある。このほか孵化率が極端に悪く、1割以下のこともある。

記録

採集 記録 性別 食餌 備考
St Date Loc 産卵 孵化 終齢 前蛹 蛹化 羽化 産卵 給餌
2004年 第1化
1 E 2004/4/22 四街道市物井 4/22 4/27 5/7 5/16 5/17 6/11 アカガシ シラカシ  
※採集総数7個体、死亡個体6(E:6)、すべて孵化せず。羽化個体1。

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