 |
分布:本州、四国、九州、南西諸島。 北限は岩手-山形。国外では朝鮮半島、沿海州、中国東北部に分布する。平地~山地に汎く自生するが、西日本では近縁のアベマキが卓越する。県内では安房地域南部を除くほぼ全域に分布しクヌギ-コナラ林を形成するが、特に東葛地域~県央地域を中心に開発によって消失した産地も多い。県央域以南では植栽により純林を形成する個体群もある 。県北部では台地の斜面林に多く生育する。
基本的にはほぼ全てが植栽起源と考えられている。
|
樹幹:灰褐色。樹皮は縦に深く裂けて凹凸が著しい。表皮のコルク層はやや発達する。幹は直立するが、里山など人為的に管理されているものは、萌芽再生により株立ち状に見える個体もある。 |
枝葉:単葉。葉柄は明瞭で葉は互生する。長さ10㎝~20㎝程度の長楕円状披針形、基部は小さな円形で先端は鋭く尖る。顕著な羽状脈をもち、側脈は葉縁に達し17対程度。側縁にやや細かく鋭い鋸歯がある。やや厚い革質で表面には光沢をもつ。晩秋に黄葉する。 |
花:単性の風媒花。花期は4月下旬で萌芽とほぼ同時。雄花序は長さ7㎝~8㎝の尾状花序で黄褐色を呈し、本年枝の下部からぶら下がる。その上部の葉腋に雌花序をつける。 |
果実:堅果。直径2㎝程で樽形から球形までさまざま。殻斗は椀形で、総苞片が細長い棘状となり殻斗を覆う 。春に受粉し翌年の秋に成熟する2年成。アク抜きすれば食用になる。カシワの果実に似る。動物散布型。 リスなどの小型種のほかクマなど大型哺乳類も利用している。 |
増殖法:実生、挿し木、取り木(高取)が可能。実生の場合、種子の保存性がほとんどないので、秋に採取した種子はすぐに植えつける。 |
保護:指定されていない。 |
その他:公園樹や器具材のほか、現在は主にシイタケ栽培の原木として利用されている。 |