ムラサキシジミ

紫蜆蝶 (シジミチョウ科)


発生中
アカガシ(ブナ科)
概要 一般に食樹の新芽や若葉などに1個〜2個ずつ産み付けられるが、産卵位置は必ずしも一定せず、越年葉や成葉の裏、あるいは枝などにも産まれることがある。
形質 直径0.8o、高さ0.4o程度。概形は半球形。表面に長方形の格子状隆線をもち、その交点は鋭い棘状の突起となる。上面から見ると隆線は反時計回りの螺旋状。色調は産卵当初は緑白色だが、すぐに白色に変わる。

幼虫

1齢 2齢 3齢
アカガシ(ブナ科) アカガシ(ブナ科) アカガシ(ブナ科)
終齢 幼虫巣 前蛹
シラカシ(ブナ科) シラカシ(ブナ科) シラカシ(ブナ科)
概要 終齢は4齢。孵化した幼虫は卵殻を食べない。2齢までは若葉の裏や新芽の中で見つかるが、 3齢以降は若葉の表面を外側にをまるめて巣をつくり、その中に潜む。 巣を作る際には葉の主脈と1次側脈に咬み傷を入れ、半ば萎れされることが多い。2齢までは葉裏からぽつぽつと穴を開けるように食べるが、3齢以降は葉縁から食べる。
形質 概形はワラジ形で、各体節の凹凸は弱い。前胸が大きく円弧をなす。側面から見ると著しく扁平で、各体節の凹凸はほとんどない。色調は淡黄緑色で、側縁がやや濃色。緑色の縦条をもつが背中線は不明瞭である。 但し、体色は食樹の色調に応じて褐色〜橙色を帯びることもある。2齢以降の幼虫は第8腹節に蜜腺をもち、その蜜を求めてアリが群がっていることが多い。

羽化
蛹化直後 羽化直前
概要 地上の枯葉の隙間や、食樹周辺の葉裏などで見つかる。
形質 帯蛹。概形は紡錘形で比較的細長く、腹端が三角形にやや突出する。側面から見ると前胸のやや強く膨らむが腹部のふくらみは弱い。色調は灰褐色で、腹部に明瞭な黒褐色の背線を有するが、胸部では不明瞭。翅は半透明で内部が透視できる。