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分布:本州、四国、九州、南西諸島。国外では朝鮮半島に分布する。平地~山地に汎く自生する。県内では上総地域南部以南を除くほぼ全域に分布しクヌギ-コナラ林を形成するが
、東葛地域~県央地域を中心に、開発によって消失した産地も多い。県央域以南では純林を形成する個体群もある。県北部ではほとんどが台地の斜面林に生育する。
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樹幹:明灰褐色。樹皮は縦に浅く大きく裂ける。表皮のコルク層はほとんど発達しない。幹は直立するが、里山など人為的に管理されているものは、萌芽再生により株立ち状に見える個体もある。 |
枝葉:単葉。葉柄は明瞭で葉は互生する。長さ4㎝~15㎝程度の広倒卵形、基部は楔形で先端は尖る。顕著な羽状脈をもち、側脈は葉縁に達し16対程度。側縁には一次側脈の脈端にやや大きく粗い鋸歯がある。
薄い革質でほとんど光沢をもたず、裏面に星状毛と絹毛があり灰白色。晩秋には紅葉するが、最初は黄色 、後に紅色に変わり美しい。 |
花:単性の風媒花。花期は4月下旬で萌芽とほぼ同時。雄花序は長さ6㎝~9㎝の尾状花序で黄褐色を呈し、本年枝の下部からぶら下がる。その上部の葉腋に雌花序をつける。 |
果実:堅果。直径2㎝程の細長い砲弾形。殻斗は深い椀形で総苞片が短く尖り殻斗に密着する。春に受粉しその秋に成熟する 1年成。 果実は地上に落下するとすぐに発根して冬を越す。アク抜きすれば食用になる。動物散布型。
リスなどの小型種のほかクマなど大型哺乳類も利用している。 |
増殖法:実生、挿し木、取り木(高取)が可能。実生の場合、種子の保存性がほとんどないので、秋に採取した種子はすぐに植えつける。 |
保護:指定されていない。 |
その他:材は主にシイタケ栽培の原木として利用されている。 幹の太さの割に根が非常によく発達しているため、崩壊地での治山対策に有効であるという。 |