「ファーストイーグルの日本株投資」音声データファーストイーグル社の日本株に対する見解
時流株日本企業の平均値競合他社の語る競争優位性なんで俺がこんなことしなきゃいけないんだ

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ショートコラム(2024年10月)

■なんで俺がこんなことしなきゃいけないんだ(2024年10月27日)

広島大学のサイトに掲載されている、パラカ(4809)内藤亨会長へのインタビュー記事を楽しく読みました。

とりわけ印象に残ったのが、野村證券からゴールドマン・サックス証券に転職した理由です。

運用の仕事が面白くなっていたのですが、調達に戻るように言われました。

調達サイドは、料亭で、役員だらけの中で接待をするんです。お土産の手配からおクルマの手配、芸者は入れるか入れないか等々。

なんで俺がこんなことしなきゃいけないんだと(笑)。

合理的な思考を必要とするファンドマネジャーに向いている人間が、それとは全く別のスキル(?)を要求される宴会要員をやらされれば、嫌になりますね。その気持ち、すごく理解できます。

もしこのまま気に入っていたファンドマネジャーの仕事を続けることができれば、違った道を歩むことになり、パラカという会社は誕生しなかったかもしれません。そう考えれば、人生、何が転機になるのか分からないものです。


■競合他社の語る競争優位性(2024年10月22日)

伊藤忠商事の統合レポート2024に、目を引く記述がありました(24ページ)。

繊維が祖業であり、財閥系大手商社と比べて重厚長大産業を支える国や企業とのパイプも乏しかった当社は、必然的に知見が豊富な衣食住を中心とする非資源分野で「強み」を蓄えてきました。

これをそのまま裏返せば、競合他社である三菱商事の競争優位性となります。三菱グループの総合力により業界大手の顧客企業を確保できていた三菱商事は、原材料等の調達に注力できました。

ゆえに現在では原料炭や銅を中心とする、世界最高水準のコスト競争力と品質を備えた優良資産ポートフォリオを構築できています。

ちなみに伊藤忠商事の統合レポートは、三菱商事へのライバル心をメラメラと燃やしながら書かれており、読み物としても面白いです。


■日本企業の平均値(2024年10月18日)

コモンズ30ファンドの投資先企業(組入銘柄)一覧ページに興味深い記述がありました。

事業環境の変化が激しく、グローバルな競争も厳しい時代では、企業の優勝劣敗も加速します。

こうした環境下で多くの企業に投資をすることは日本企業の平均値を求めていくことにもつながり高い運用成果は望めないと考えています。

今後、少子高齢化がいっそう加速し、生産年齢人口の減少に拍車がかかります。一人当たり労働生産性(付加価値)が大幅に向上しない限り、GDPの減少を招く恐れさえあるでしょう。

国富の象徴である株式市場は、GDPと中長期的に連動すると考えるのが自然です。そうであれば、日本企業の平均値にはあまり期待を持てません。

以上を鑑みると、決して他人任せにせず、自分なりの視点で、投資先の選別を行う必要があります。外貨を稼げる企業というのが、ひとつのヒントになりそうです。


■時流株(2024年10月12日)

何度も読み返す価値のある株本は、本当に数少ないです。その一冊として『株でゼロから30億円稼いだ私の投資法』があげられます。私が古本を買ったときも、定価の2倍ほどしましたけど、思い切って正解でした。

今回、気づきを得られたのは次の文言です。

しかしはっきり言って時流株に乗って、成功を収めるということは、ほとんどありえないのである。

なぜならば時流株ということは皆が買っている株式、皆が手を出している株式ということになる。その反対を言うならば、次には皆が利を取ろうとして売り込んでくる株式になってしまうわけだ。

そうすると下がり始めたら最後、株価は大暴落の憂き目に遭うのである。

そういえば米国に大人気の時流株が7社ほどあります。果たして今後はどうなるのでしょうか。バフェット氏はその中の1社を半分売ったと聞いています。


■ファーストイーグル社の日本株に対する見解(2024年10月8日)

ファーストイーグル社のインサイト「Cutting Through the Waves: Corporate Governance in Japan(波を切り抜ける:日本企業のコーポレートガバナンス)」を興味深く読みました。

自分なりに注目したポイントは次のとおりです。

●世界的にインデックス投資が好まれる中で、日本の株価指数を構成する大型株は極めて堅調に推移している
●それに対して、指数におけるウェイトが小さい銘柄(中小型株)の間では大きなばらつきが見られる
●これは市場でその実力が十分に認識されていない、多様な企業群(中小型株)への潜在的な投資機会を示唆している

●このような投資対象(中小型株)の中で、構造的に健全なセクターの企業が魅力的な投資機会となりえる
●具体的には、日本国内に問題を抱えている人口動態に依存するのでなく、長期の実物資産を保有し、世界的に分散した収入源を持つ企業である
●一方、景気サイクルを通じて持続的なキャッシュフローを得られ、コーポレートガバナンスが強固または改善している企業は、増配、自社株買い、事業の合理化を通じて株主価値を高めるため、強固なキャッシュポジションを活用する力があり、特に注目されるだろう

以上をまとめれば「グローバル展開しており、好財務で、コーポレートガバナンスのしっかりしている中小型株に投資妙味あり」となります。今後の参考にしたいです。


■「ファーストイーグルの日本株投資」音声データ(2024年10月1日)

9月28日(土)に開催したバリュー投資塾「ファーストイーグルの日本株投資」音声データを販売します。

今回のセミナーは、単なる低PER・低PBR銘柄を買うのではなく、持続的な競争優位を備えたビジネスがフェアバリュー以下であれば腰を据えて投資するという、現在の米国において主流となりつつあるモダンバリュー投資を理解するための一助となる内容です。

ケーススタディにおいても、優れたビジネスモデルのお手本というべき企業が数多く登場します。ファンダメンタル分析のリアルな教科書として活用されてはいかがでしょうか。

ご購入を希望される方はメールにて、氏名、電話番号(メール不達など、何かあった際の連絡にのみ使用します)を記入してお申込みくださいませ。折り返し、振込口座のご案内をいたします。

「ファーストイーグルの日本株投資」音声データ

セット内容

zip形式の圧縮ファイル約51MB(mp3形式の音声データ約214分、pdf形式のテキスト91ページ付き)

2024年9月28日に開催した大阪セミナーの音声を収録・編集しました。映像は含まれておりません。

データ
代金

銀行振込 29,700円

Googleドライブ経由によるデータでの受け渡しです。メールに添付する形で行います。希望される場合は音声CDの送付も承ります。

テーマ

米国で長期にわたり優れた運用実践を有するファーストイーグル社が投資している日本企業の分析を通じて、今日の欧米で主流となっておりバフェット氏も実践している「モダンバリュー投資」への理解を深めるセミナーです。

テキスト
目次

第1部 投資哲学
1−1 ジャン・マリー・エベヤール
1−2 マシュー・マクレナン
1−3 バリュー志向
1−4 無形資産の重要性
1−5 持続的な競争優位
1−6 市場シェアと規模の経済
1−7 優秀な経営陣
1−8 会計基準の限界
1−9 安全域の確保
1−10 不確実性への対処

第2部 オーバーシーズ・ファンド
2−1 運用実績
2−2 国別配分
2−3 投資プロセス
2−4 組入銘柄
参考 本質的価値の計算

第3部 投資先企業の分析:製造業
3−1 SMC(6273)
3−2 ホシザキ(6465)
3−3 ファナック(6954)
3−4 シマノ(7309)
3−5 パイロットコーポレーション(7846)

第4部 投資先企業の分析:非製造業
4−1 TIS(4792)
4−2 ユー・エス・エス(4732)
4−3 アズワン(7476)
4−4 MS&ADホールディングス(8725)
4−5 ミスミグループ本社(9962)



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